どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年1月21日(月)新発売のカップ麺、まるか食品「ペヤング 北海道ジンギスカン風やきそば」の実食レビューです。
なんと2019年初のペヤング新作は「本物の羊肉」を使用したジンギスカン風!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング 北海道ジンギスカン風やきそば
おいおいペヤングやってくれたな今度はジンギスカンか‥などと思っていたのですが、まるか食品(※ペヤングの製造者)けっこう本気みたいで、なんと具材に本物の羊肉を使用し、まるでジンギスカンを食べているような味わいに仕上げているそうです。よかった、某ジンギスカンキャラメルとのコラボではなくて‥w
パッケージには疑いようもないくらいハッキリと「ペヤング やきそば 北海道ジンギスカン風」と書いてあるのですが、背景には爽やかな青い空と目に優しい緑の木、そして「札幌市時計台」と思われるデザインがあしらわれ、北海道の雰囲気を醸し出しております。実食の前に、あらためて「ジンギスカン」について振り返ってみましょう。
「ジンギスカン(成吉思汗)」とは、マトン(成羊肉)やラム(仔羊肉)など、主に羊肉を用いた日本の鉄板焼肉料理で(中央部が凸型になっている「ジンギスカン鍋」を使用することから鍋料理に分類される場合もある)、北海道の郷土料理としても有名です。厳格な定義はないようで、ホットプレート・網焼・石焼・炭焼など、ジンギスカン鍋を使わなくてもジンギスカンなのだとか。
つまりジンギスカンとはなんぞや? はい、羊肉を焼いて食べる北海道の郷土料理です、というザックリとしたイメージで問題ないようですね。ただ、羊肉をタレに浸けてから焼く、もしくは焼いてからタレに付けて食べる “漬け込みジンギスカン(味付ジンギスカン)” もしくは “後付けジンギスカン(生肉ジンギスカン)” の2種類あって、地域や家庭によって異なります。
名前の由来には諸説あるようですが、「義経=ジンギスカン説」(源義経が北海道を経由してモンゴルに渡り、その地でジンギスカンとなった‥という伝説)が有力候補とのこと。ただ、モンゴルの郷土料理とは別物で(起源自体は中国大陸にあるといわれているのですが)、これもれっきとした日本の料理ですね。
北海道のジンギスカンも食べたことはあるのですが、岡山に所縁があるので、蒜山高原(ひるぜんこうげん)の生肉ジンギスカンが馴染み深く‥と、それはさておき原材料名にもハッキリ「乾燥羊肉」と書いてあるように、ガチの羊肉を使用しているようです。ジンギスカン以外に使い道なさそうなのに、だいぶ思い切った決断なのではないでしょうか。
以前に日清食品が「日清 やきそばできました。ジンギスカンたれ風特製ソース」(2005年10月3日に北海道限定で新発売)という本物の羊肉を使用したカップ焼そばをリリースしていたようですが、それ以外にヒットする過去作品はありませんでした。それでは、開封して中身を確認してみましょう。
開封
別添の小袋は「ソース」と「かやく」の合計2袋構成で、ふりかけ・スパイスなどは入っていません。かやくの中には大きめの乾燥羊肉、キャベツ、人参、もやしなどが入っていて、羊肉とキャベツだけ‥みたいな内容ではなく、バリエーションがあっていいですね。原材料を見れば何が使われているのか具材の構成は分かりますが、商品パッケージに出来上がりのイメージ写真はないので、けっこう具沢山だなー、というのが第一印象でした。
麺は油揚げ麺(フライ麺)で、いつものペヤング麺と思われます。毎回ちょっと太いかな? 細いかな? とかって思うのですが、以前に「ペヤング ソースやきそば」を10個くらい開封して比較したことがあって、同じ賞味期限(製造日)でも微妙に麺の太さが違いました。とはいえ誤差の範囲内だったので、おそらく基本的に全シリーズ共通なのでしょう。
かなりカップ麺としては奇抜なテーマですが、「北海道ジンギスカン焼そばの会」なるB級グルメの組合があったり、「ジンギスカン焼そば用成吉思汗たれ」という業務用商品もあったりして、けっこうジンギスカン焼そばが一般的な地域もあるようですね。かういう私もジンギスカン用のタレとラムを使って焼そばを作ったことがあるので、実は違和感なかったりします(笑)。
製品情報・購入価格
製品名:ペヤング 北海道ジンギスカン風やきそば 製造者:まるか食品 内容量:122g(めん90g) 発売日:2019年01月21日(月) 実食日:2019年01月22日(火) JANコード:4902885005322 希望小売価格:185円(税別) 発売地域:全国 |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:弁当型レギュラーサイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(ソース・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、香辛料)、添付調味料(糖類、しょうゆ、植物油脂、食塩、たまねぎ、はちみつ、りんご、香辛料、発酵調味料、醸造酢、レモン果汁)、かやく(キャベツ、乾燥羊肉、にんじん、もやし)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工デンプン、グァーガム)、香料、カラメル色素、加工デンプン、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、リン酸塩(Na)、pH調整剤、酸味料、香辛料抽出物、ビタミンB₂ |
【アレルギー表示】小麦・乳成分・大豆・りんご |
実食開始
原材料名には「乾燥羊肉」としか書いていないので、マトン(成羊肉)なのかラム(仔羊肉)なのか判断できませんが、現段階では思ったより癖のない香りですね。もっとこう、羊肉特有のムワッ‥としたニオイを想像していたのですが、例えるとビーフジャーキーの匂いに少しだけ羊肉の香りを重ねているような雰囲気です。
ちなみに私は羊肉特有のムワッとしたニオイはウェルカムなので、けっこう耐性値は高いかもしれません。ペヤングって値段のわりに具沢山というか、この状態でも羊肉多め、キャベツ多め、人参多めで好感が持てます。もやしは少なめかな? とはいえ大手メーカーが手掛ける新作カップ焼そばの平均的な量よりも多いイメージですね。
さて、完成です。ペヤングを調理した後いつも思うのですが、やっぱり具沢山ですよね(笑)。明らかにコストが低いとは思えない羊肉を使用しながら、もれなく具材を集めたら麺が見えなくなりました。それでは、実際に食べてみましょう。ジンギスカンの再現度と乾燥羊肉の風味に注目しながら、「めん」「ソース」「かやく」の順に解説し、最後に総合力を判定します。
1食(122g)当たり
カロリー:548kcal |
めん
ちょっと熱湯の量が多かった、または少なかった、室温が低かった、もしくは高かったなど、調理時間だけでなく調理の条件や環境が変わると柔らかいなぁ‥とか、お? 今回はコシがつよいかも、などというように印象がけっこう変わることもあるのですが、例に漏れず体感的には “いつもの” ペヤングです。
この麺はチョコレートなどのスイーツ系を除いて基本的にソースの種類を選ばないので、定番のソース味から和風、洋風、中華風、ジンギスカン風だろうと御構い無しの万能麺。かなりフレキシブルな麺なので汎用性が高く、それゆえに大量生産することでコストを浮かし、ソースと具材の充実を図っているのでしょう。
これからソースと具材をベタ褒めしますがw それが可能なのもペヤングならではのフライ麺があるからに他ならないと思います。麺に練り込まれているラードの芳ばしい香りも適切なインスタント感を表現しながら邪魔になることなく、むしろプラスに作用していました。ペヤング、偉大なり。
ソース
かなりソース自体の粘度は高く、ドロッとしていて油脂も多め。しょうゆ、たまねぎ、はちみつ、りんご、香辛料、発酵調味料、醸造酢、レモン果汁など、まるでジンギスカンのタレでも作る気かと突っ込みたくなるような原材料の構成なんですけど、実際にイメージでいうと焼肉のタレ(甘辛しょうゆベース:甘口〜中辛)の雰囲気です。
ただ、具材に入っている乾燥羊肉の香りが移ったのか何か特殊な香料を使用しているのか、動物系の原材料は含まれていないのに羊肉っぽい雰囲気の香りが強めに漂っていて‥なるほど、たしかにジンギスカンですよコレはw しかも多めの油脂からは、まるでジンギスカン鍋を使って羊肉を焼き、下に溜まった肉汁を思わせる香りまで感じるじゃないですか。
ちょっと想像以上というか、羊肉を彷彿とさせる香りで牛肉や豚肉の焼肉、はたまた焼鳥とも完全にベクトルが異なっていて、ベースは焼肉のタレっぽいんだけどジンギスカン専用です、みたいな。かなり玉ねぎの旨味も印象的で、香辛料によるメリハリがあり、糖類の他にリンゴやハチミツによる自然な甘味もポジティブで、なんとも後引く味わいから思わず箸が止まりませんでした。
かやく
ソースを絡める前に乾燥羊肉単体で食べてみたところ、羊肉自体に甘辛い味付けが施してあり、最初はスモーク感のない甘辛ベーコン?(一瞬)みたいなイメージだったんですけど、ほんのり後から迫ってくる羊肉特有の癖が確かにあって、それは牛・豚・鶏、いずれの畜肉にも該当しません。
ソースで感じた羊肉の香りが香料によるものではないのであれば、そうとうな威力ですよ。強烈なラム(マトン)臭がヘーキなら常識的なレベルですが、すくなくともジンギスカンや羊肉のニオイが苦手な方は拒否反応を示すであろう勢いです。しかし、こんなに羊肉のインパクトがあるのに他の具材も負けていないのがスゴいところ。
シャキッとしたキャベツは大きめで、みずみずしい食感と風味が甘辛ソースと絶妙にマッチ。コリコリとした歯応えのアクセントが嬉しい人参は量が多くて見た目の彩りもよく、もやしが思いのほか太くなっていたことには意外性を感じました。どれも茹で野菜系の食感ではあるものの、個性と量を両立させている充実感に大満足です。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
麺は代わり映えしない普段通りの油揚げ麺ですが、具材の乾燥羊肉の風味にジンギスカンのタレを彷彿とさせるソース、さらにソースから漂う芳ばしい臨場感と羊肉の香りから “まるでジンギスカンを食べているような味わいに仕上げた” という製品説明が見事に体現されている、とても素晴らしいカップ麺でした。
一見すると奇抜なタイトルに見えますが、手軽にジンギスカン風のコンセプトはバッチリですし、インスタント感は強めではあるものの、ジンギスカンや羊肉が苦手なら避けましょうレベルの個性はハッキリと記憶に残るでしょう。いま正直ちょっと総評を★6に格上げしようか悩んでいるのですが、それについてはいったん保留として、とにかくオススメです。
メーカー希望小売価格は通常の「ペヤング ソースやきそば」よりも15円高い税別185円ですが、コンビニで買っても税込198円が相場になりますし、今回はコンビニ先行発売品というわけでもないので、ジンギスカン風が気になっている方は遠慮なくお試しください。