どうも、taka :aです。
本日の一杯は、まるか食品のカップ麺「ペヤング 魚介MAXラー油ヌードル」と「ペヤング 魚介MAXラー油ラーメン」の比較・実食レビューです。
「ペヤング 魚介MAX(マックス)ラー油」と題して発売された汁ありカップ麺の “ラーメン” と “ヌードル” は何が違うのか徹底比較!
実際に食べ比べてみた感想と経験に基づいて評価し、両者の違いを判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング魚介MAXラー油ヌードル対ラーメン
まるか食品の「ペヤング」から “魚介の旨味を最大限お楽しみいただける商品” として、汁なしカップ麺1品「ペヤング 魚介MAXラー油やきそば」と汁ありカップ麺2品「ペヤング 魚介MAXラー油ラーメン」「ペヤング 魚介MAXラー油ヌードル」あわせて3つの “魚介MAXラー油” をテーマにした新商品が8月第1週にリリースされました。
「やきそば」だけ一見して明白に違うのは言うまでもありませんが、商品名だけで見るとややこしいのが「ラーメン」と「ヌードル」です。ただ、実物を比較してみると容器の大きさに違いが見られますし、まるか食品曰く「ラーメン」には “ツルツルと喉越しの良いノンフライめん” を採用、「ヌードル」には “香ばしい味付けめんを使用” とのこと。
つまり「魚介MAXラー油ラーメン」と「魚介MAXラー油ヌードル」の違いは、大きく分けて “ノンフライ麺か油揚げ麺か” という決定的な差が生じているのですが、パッケージのイメージ写真は「魚介MAXラー油ヌードル」のほうが鮮やかで、「魚介MAXラー油ラーメン」は——なんかスープの色が地味w
なんですけど、実はスープの原材料名を比較してみた結果、どちらも「しょうゆ、ポークエキス、食塩、糖類、チキンエキス、植物油脂、かつお節エキス、魚介粉末、動物油脂、オニオンエキス、にんにく、ラー油」となっていて、まったく同じ内容なんです。しかも「メンマ、味付け豚・鶏肉、ねぎ」という具材の構成も変わりません。
しかしながらスープが同じでも油で揚げた「フライ麺(油揚げ麺)」からは独特のコクがスープに行き渡るのに対し、油で揚げていない「ノンフライ麺」はスープに対する干渉が弱く、前者はカップ麺でしか味わえない特有の魅力を打ち出すことに長け、後者は有名店監修商品などの本格的な再現カップ麺でポテンシャルを発揮。
逆に下味が施されていることの多い油揚げ麺の味付け具合や特有のニオイがスープに対して雑味になることも珍しい話ではありませんし、ノンフライ麺では特有のジャンクなコクをスープに付与できないので、それぞれ油揚げ麺とノンフライ麺にはメリット・デメリットがあり、たとえスープの原料が一緒でも同じ味になることは基本的にあり得ません。
というわけでスープや具材の原材料名一緒、けれども麺の種別が違う「ラーメン」と「ヌードル」を同時に食べ比べた場合、どのくらい差がでるのか比較してみることにしました(※「魚介MAXラー油やきそば」の添付調味料は原材料名が大きくことなるため、そちらを “湯切りなし” で食べても「魚介MAXラー油ヌードル」になることはありません)。
ちなみにペヤングの変わり種は「カップやきそば」が主流なので、その印象が強い方も多いかと思いますが、まるか食品が初めてカップ麺の製造を開始したのは1973年(昭和48年)7月。まず「ペヤングヌードル」というカップラーメンを発売し、その後1975年(昭和50年)3月に「ペヤングソースやきそば」を発売しているため、実はカップラーメンが先発なんですよ。
開封
2016年10月10日に復刻した「ペヤングヌードル」は “東北限定” なので、東北以外の地域では入手が困難な状況となっているのですが(2019年8月現在)、それはさておき「魚介MAXラー油ヌードル」に別添されている小袋は「かやく」と「スープ」の合計2袋。スープは液体で量が多く、サイズのわりに大きいですね。
対する「魚介MAXラー油ラーメン」に別添されている小袋も「かやく」と「スープ」の合計2袋で、スープは液体と同じ小袋構成ですが、「ヌードル」のスープは青い小袋、「ラーメン」のスープは赤い小袋と色が分けられています。そして、「魚介MAXラー油ヌードル」の製造者は「まるか食品株式会社」となっているのですが——
「魚介MAXラー油ラーメン」の製造者は「加ト吉水産株式会社 フーズ部 群馬工場」、販売者は「まるか商事株式会社」、お客様窓口は「まるか食品株式会社」となっています。ちょっとややこしいかもしれませんが、「まるか商事」は “まるか食品の商品を販売している営業部” のことなので、難しく考えなくても大丈夫。
「加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場」はテーブルマークの国内グループ企業である「カトキチ(加ト吉)」のことで、他にもノンフライ麺の製造ラインが整っていない寿がきや食品やイオンのPBカップ麺(トップバリュ)など、中華麺からノンフライうどんまで幅広いOEMに対応しています。特に寿がきや食品のノンフライ麺は、ほぼ100%カトキチ製ですね。
取扱店情報と栄養成分表示(カロリー等)の違い
驚くことに「魚介MAXラー油ヌードル」と「魚介MAXラー油ラーメン」の内容量は “まったく同じ124g” となっているのですが、容器の小さい「ヌードル(油揚げ麺)」のほうが麺量76gと多く、容器の大きい「ラーメン(ノンフライ麺)」のほうが麺量65gと少なめ。それに比例して「ヌードル」のカロリーは463kcalと高く、「ラーメン」のカロリーは344kcalと100kcal以上低くなっています。
そして「ヌードル」の脂質は22.1g、「ラーメン」の脂質は6.0gなので、いかにノンフライ麺がヘルシーか物語っているのですが、恐ろしいことに食塩相当量は「ヌードル」9.1g、「ラーメン」9.4gと高血圧ゾーンど真ん中。そして「めん・かやく」と「スープ」を分別して計測した値を見ると、スープの食塩相当量は「ヌードル」6.1g、ラーメン7.6gと大幅な差が生じているのですが、どっちもヤバイですね。
メーカー希望小売価格は「魚介MAXラー油やきそば」を含む「魚介MAXラー油」3品すべて税別193円に統一されていて、発売地域は「全国」。販売店はスーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストア、コンビニでも販売されているそうですが、どこに行っても売ってない状況だったので、今回はネット通販サイトで購入しました。
利用したショップはイトーヨーカドーのネット通販サイト「オムニ7」で、「魚介MAXラー油」3品すべて本体価格は178円(税込192円)、最悪どこにも売ってない状況に陥っても通販で購入できます。ただし、配送料(全国一律324円)と支払手数料(代引きなら270円)が必要になるので、まずは「ドンキホーテ」をチェックしてみてください(※まるか食品の推奨販売店です)。
ドンキホーテでの販売価格は各店舗に依存しますが、希望小売価格はレギュラーサイズの「ペヤング ソースやきそば」と同じなので、コンビニだと実売価格は税込198円が相場になるでしょう。
実食開始
「魚介MAXラー油ヌードル」の麺は前述したように油揚げ麺で、定番商品の「ペヤングヌードル」と原材料名は似ているのですが、もっと薄い見た目。どちらかというと2017年5月15日に発売されていた「ペヤングヌードル シーフード」(※現在は終売)の麺と色が似ていますし、原材料名は完全に一致しているので、それと同じ麺かもしれません。
対する「魚介MAXラー油ラーメン」の麺は、もう完全に “寿がきや食品のノンフライ麺と同じ雰囲気” ですね。ただ、2019年現在のノンフライ麺ではなく、2年以上前に寿がきや食品のカップ麺で汎用されていたノンフライ麺と同じ系統で、先入れの「かやく」は両方とも同じ内容となっています。
さて、写真の向かって左が「魚介MAXラー油ヌードル」の調理後で、右が「魚介MAXラー油ラーメン」の調理後。どちらも待ち時間は熱湯3分、調理方法には書いてありませんが、液体スープの小袋は待っている間にフタの上で温めたほうがいいでしょう。それでは、「めん」「スープ」「かやく」の特徴と違いを解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
めん
「魚介MAXラー油ヌードル」に使われている麺の原材料は “小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、糖類、香辛料、たん白加水分解物、ポークエキスパウダー、魚介エキスパウダー、酵母エキスパウダー、ビーフパウダー” と複雑で、開封直後(撮影の前)に食感を確かめてみたところ‥‥もう伸びてるww
日清食品の「カップヌードル」よりも細く、定番の「ペヤングヌードル」よりも味付けは控えめで、とにかく食感が頼りない。その新商品としてはあるまじき “ペヤングだからこそ許されるようなチープさ” は尊いものですし、ノンフライ麺では補うことのできない満足感を提供してくれる麺ではあるものの、だいぶスープが強いので、感覚としては濃い味つけ麺を素麺で食べているようなイメージでしょうか。
対する「魚介MAXラー油ラーメン」の原材料は “小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物油脂、小麦たん白” とシンプルで、やはりイメージは昔の寿がきや食品が汎用していたノンフライ麺そっくりです。けれども「大豆多糖類」や「たん白加水分解物」は含まれていないため、当時の汎用ノンフライ麺(標準熱湯4分)と完全に同じ麺ではありません。
しっとりとした特有の口当たりは控えめで、粘り気のある弾力よりも硬めの歯応えと歯切れの良さを優先。けれども数年前の寿がきや汎用ノンフライ麺よろしくエッジの効いたスープと相性良好で、まさに今回のスープが麺の甘味や小麦感を引き立てています。食感の持久力もヌードルより圧倒的に上なんですけど、湯戻し時間は「熱湯4分」が適切だと感じました。
スープ
「魚介MAXラー油ヌードル」のスープは油揚げ麺の風味が滲み出ているので、それが特有の魅力に思える反面、同時にスープの魚介をマスクする嫌いも並行します。それは相乗効果よりもマスキング効果のほうが高く、さらに油揚げ麺の下味が複雑なので、味の焦点をピンボケさせているような作用も感じました。
その点、「魚介MAXラー油ラーメン」ではスープへの干渉が控えめなノンフライ麺の面目躍如。かつお節エキスや魚介粉末の魚介感もさることながら、まったりとした豚骨の旨みもクリアに伝わってきます。もちろん有名店が監修した200円オーバーのスープには負けますけど、圧倒的に同「ヌードル」よりも本格路線ですし、ノンフライ麺(65g)を使用しつつ希望小売価格は税別193円は格安。
そしてスープの食塩相当量は1.5gも「ラーメン」のほうが多かったので、念のために麺・かやくを放り出してから “同じ希釈倍率で液体スープだけ溶かしてみた” ところ、旨味の濃度に違いがあり、ラーメンのほうが膨よかな味わいでした。ノンフライ麺には油揚げ麺ほど複雑な味付けが施されていないため、それに合わせてスープのバランスを調節しているようです。
ただ、どちらも塩気が強く、魚介もガツンと効いていましたが、ラー油の辛さはピリ辛程度に過ぎなかったので、後者についてはMAXの指標に含まれていません。さらに魚粉(ふりかけ)が別添してあったら‥‥という思いもありましたけど、しっかり魚介は野太いですね。
かやく
具材は「メンマ、味付け豚・鶏肉、ねぎ」の3種類で、どちらも同じ内容です。今回は2日かけて同時に2食、単体で1食ずつ、スープのみと合計6食検証してみた結果、開けるたびにメンマと肉具材の比率に違いは見られたけれど、それについては誤差の範囲内。それぞれ物は同じですし、小袋のデザインとサイズも変わりません。中でもメンマの数が多く、しかも何気に美味しいですね。
普段は90%以上「やきそば」にステータスを振っているメーカーなので、あまりメンマの印象がないかもしれませんが、乾燥メンマの中では厚みのあるタイプで食感はコリコリ。けっこう特有の風味も強く、上質なメンマが採用されています。反面、ねぎが汎用なのは仕方ないけれど、味付け豚・鶏肉‥‥こいつはイマイチw
液体スープを入れる前に味を確かめてみましたが、肉というよりもタラの擂り身‥? みたいな。あまり肉っぽい食感や味ではなかったので、イメージとしては魚肉練り製品に近かったです。メンマの数が多かったので、具材の印象は悪くありませんでしたが、ある意味これも「謎肉」と言えるかもしれません。
まとめ
同時に発売された「ペヤング 魚介MAXラー油ヌードル」と「ペヤング 魚介MAXラー油ラーメン」を食べ比べてみた結果、もっとも大きな違いは麺の種別で、これによるスープの変化も大きく、最終的な印象は別物に近かったです。そして結論、どっちがオススメか(どっちが美味しいか)と聞かれたら、やはりノンフライ麺を採用した「魚介MAXラー油ラーメン」に軍配ですね。
もちろん頼りない油揚げ麺にも特有の魅力を感じますし、かやくの内容と液体スープの原材料名も同じでしたが、スープは麺と具材を入れずに希釈してみても「ラーメン」のほうが膨よかで、どちらも希望小売価格は税別193円。唸るほどコスパに優れた商品ではないですし、ラー油も頼りなかったけれど、総合力は圧倒的に「魚介MAXラー油ラーメン」のほうが高かったので、どちらにしようか迷った時は今回の記事をご参考ください。