どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2026年3月3日(火)コンビニ先行発売、まるか食品のカップ麺「ペヤング ちらし寿司風やきそば」(236円+税)の実食レビューです。
ちらし寿司をカップ焼そばで再現!? ひな祭り商戦にペヤングが電撃乱入。いつもの迷走か、前代未聞の傑作か——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング ちらし寿司風やきそば
ペヤング(peyoung)とは、まるか食品を代表する即席カップめんブランドで、1973年(昭和48年)7月発売の「ペヤングヌードル」を皮切りに発足。その約2年後。1975年(昭和50年)3月13日に後の屋台骨となる「ペヤング ソースやきそば」が現れ、その絶対的な存在をバックボーンに奇抜なスポット商品を乱発。他社が真似できないような変わり種を数えきれないほどリリースしているのですが‥‥

このページでレビューする「ペヤング ちらし寿司風やきそば」は、まさかの “ひな祭り用„ に開発された新作で、まるか食品の絶対的エース「ペヤング ソースやきそば」発売50周年の流れを汲んだ記念商品。まるで酢飯のような風味が楽しめる「赤酢」を使用したソースに、春を感じる「さくらの葉入りフレーク付き」ということで、単に話題性だけを重視した悪ノリではない様子。
ひな祭りとは、女の子の健やかな成長と厄除け(無病息災)を願って行われる毎年3月3日の恒例行事で、平安時代に中国から伝わった厄払い行事「上巳(じょうし)の節句」と、日本古来の禊(みそぎ)である「流し雛」(別名:雛流し)が起源。そこに『源氏物語』や『枕草子』にも描写がある、平安時代の宮中や公家の間で流行した “ひいなあそび„ が結び付き、現在の「ひな祭り」に繋がったとされています。
上巳の節句とは、3月上旬・巳の日に水辺で身を清め、災いを取り除く行事。流し雛とは、紙で作った人形(ひとがた)に子どもの穢れを移し、人形を川に流して厄を祓う行事。そのため元来は「流し雛」の文字通り、人形を川に流す行為が定着していたようですが、人形を「流す」行事から「飾る」行事(見せる節句)に変化したのは400年以上前、人形づくりの技術が向上し始めた江戸時代の話。

初期の「ひな祭り」は、屏風の前に「男雛」と「女雛」を祀り、1〜2段までの簡易的なスタイルが主流とされていましたが、時代が進むにつれて「三人官女」や「五人囃子」が追加され、宝暦・明和年間(1751〜1772頃)には2〜3段、安永年間(1772〜1781頃)には4〜5段が主流になり、現代の「7段飾り」が定着したといわれています。
ちなみに「ひな祭り」当日が “桃の節句„ ともいわれているのは、桃が邪気を払うと信じられていたからなんですけど、そろそろ本題に戻しましょう。今回の新作「ペヤング ちらし寿司風やきそば」に使われている赤酢(あかず)とは、一般的な米酢や穀物酢と違い、日本酒の醸造過程で発生する “酒粕„ が主原料の醸造酢で、見た目が赤褐色なのは2〜3年ほど長期間熟成・発酵させているから。
一般的な米酢や穀物酢などと比較して、赤酢は特有のツンとした刺激が弱く、また米酢とは異なるコクや香り、さらに豊富なアミノ酸による強い旨みが特徴。ちなみに赤酢の製造を本格化させたのは、ミツカンの創業者である初代・中野又左衛門。江戸時代において高級品だった米酢と比べ、赤酢は圧倒的に安く、それをシャリに使ったファストフードが庶民の間で絶大な人気を博し、現在の「江戸前寿司」が生まれるに至りました。

というわけで、ちらし “寿司„ のイメージ的に「赤酢」の採用は粋で最適なチョイス。その個性が楽しめるのかどうか、まるで酢飯のような風味を訴求しているソースの作り込みについてはもちろん、即席カップめん業界では珍しい「さくらの葉入りフレーク」の特徴にも注目しながらレビューします。
開封

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「ソース」と「後入れかやく」の組み合わせで、後入れかやくは「さくらの葉入りフレーク」に全振り。メーカー希望小売価格は236円(税別)なので、いつもの「ソースやきそば」(214円+税)よりも高めの値段になりますが、2026年3月現在のレギュラーサイズ製品における事実上の標準ど真ん中につき、特別に高価なわけではありません。

麺は油で揚げたフライ麺で、揚げ油にラードを配合していることから、この時点で独特の芳ばしさが伝わってくるのは通常の「ソースやきそば」に共通するファーストインプレッション。若干ながら細めに切り出されているように見えますが、他の変わり種の例に漏れず、いつもの「ソースやきそば」と同じ麺という認識で問題なさそうな雰囲気。
ちなみに寿司関連の即席カップめんといえば、2025年(令和7年)1月13日発売の「サッポロ一番 すしざんまい監修 マグロだし醤油ラーメン」が記憶に新しいけれど、それはあくまで寿司屋が監修したカップラーメン。どちらかというと、2018年(平成30年)5月14日発売の「明星 一平ちゃん夜店の焼うどん いなり寿司味」がコンセプト的に近い商品になりますが、いずれにせよ “ひな祭り用のカップやきそば„ は前代未聞です。
製品詳細情報・購入価格等
| 製品名:ペヤング ちらし寿司風やきそば 製造者:まるか食品株式会社 製造所:+H 本社工場(群馬県伊勢崎市戸谷塚町49-1) 内容量:118g(めん90g) 商品コード:4902885013228(JAN) |
| 発売日:2026年3月3日(火)CVS先行 実食日:2026年3月3日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 小売価格:236円(税別) 購入価格:254円(税込) |
| 麺の種類:油揚げ麺 スタイル:汁なしレギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(ソース・かやく・後入れかやく) |
原材料名とアレルギー表示
| 【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩)、添付調味料(合わせ酢、糖類、しょうゆ、えびエキス、植物油脂、みりん、食塩、しいたけエキス、こんぶエキス、おきあみエキス、かつおぶしエキス、ゆず皮パウダー)、かやく(さくらフレーク、卵、にんじん、グリーンピース)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、トレハロース、加工デンプン、ソルビトール、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、酒精、グリセリン、リン酸Na、ベニコウジ色素、酸味料、ミョウバン、pH調整剤、カロチノイド色素、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・ゼラチンを含む) |
実食開始

別添の「かやく」は先入れで、かきたま系の卵具材は「ちらし寿司」の錦糸卵をイメージしたと思しきチョイス。さらにニンジン、グリーンピースで彩りも申し分なく、それぞれ量が多いのも嬉しいポイント。なかでもFD(フリーズドライ)のグリーンピースは他の商品に使い回しづらい、つまり大量生産によるコスト削減に期待できないアイテムなので、かなりの気合を感じるポイントです。

かやくをあけたら内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「ソース」を温めながら待つこと3分。時間になったら湯切りを行い「ソース」を混ぜ合わせ、仕上げに「後入れかやく」をトッピングしたら出来上がり。たまごの黄色、ニンジンの橙色、グリーンピースの緑色、さくらの葉入りフレークのピンク色で視覚的な掴みは申し分なく、おだやかな赤酢の香りが食欲を刺激。
揚げ油に由来するラードの芳ばしさも同時に漂ってくるため、ちらし寿司のそれとは異なる香りではあるけれど、なかなかどうして “それっぽい„ ファーストインプレッション。あとは味覚に対してどのような印象を残してくるのか、題材の再現度や違和感のなさにも注目しつつ「めん」「ソース」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
| 栄養成分表示:1食(118g)あたり |
| カロリー:554kcal たん白質:8.7g 脂 質:29.4g 炭水化物:63.6g 食塩相当量:3.3g |
| ※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん


いつもの油揚げ麺だけど違和感ない
ペヤングやきそばに使われる油揚げ麺には、大きく分けて香辛料(ガーリックフレーク、脱脂大豆)を配合したパターンと、そうでないパターンがあり、今回は後者。2025年(令和7年)1月20日発売の「ペヨネーズやきそば」開発段階から新たな製造ラインが導入され、それを境に2つのテンプレが並行しているのですが、体感的に大きな違いはありません。

今回は通常の「ソースやきそば」と同じ油揚げ麺を使っているため、食感は「日清焼そばU.F.O.」よりも柔らかく、揚げ油に由来する風味は「一平ちゃん夜店の焼そば」よりも強い、これぞペヤングらしい油揚げ麺なのですが、いなり寿司風にチューニングされたソースでも難なく成立。相性についてはソースの配慮も大きな要因になりますが、ラードの芳ばしさも蛇足ではなく、それも含めて違和感を覚えない組み合わせ。
食感についてはもちろん、お米と油揚げ麺では甘さのベクトルが違うため、公式が標榜している “まるで酢飯のような風味„ については賛否両論あるでしょう。しかし、前述のようにソースとの相性は良好。ペヤングが持つ固有のDNAが正しくソースに寄り添ってくれていたので、この油揚げ麺が苦手でなければ心配する必要はないです。
ソース


赤酢の採用は単なる粋じゃなくて「ガチ」だった
まるか食品のことなので、桃の節句に合わせて桃エキスでも配合してんのかと思いきや、極めて硬派なテイストにビックリ。きちんと酢の酸味は伝わってくるけれど、特有の香りは穏やかで、ツンとくる刺激臭は極めて弱く、まろやかで優しい振る舞い。そのアプローチは味覚にも同様で、刺々しさは皆無に等しく、呼びかけは黒酢よりもマイルド。
そんな赤酢の特徴を思わせる個性も然る事乍ら、糖類の使い方も巧妙で、味醂のコク深い甘さをサポートしているような、あらためて “これが糖類の正しい使い方なんじゃないか„ と考えさせられたほど。そして、うまみ。
椎茸×昆布×鰹(グアニル酸×グルタミン酸×イノシン酸)を掛け合わせた “うまみの相乗効果„ に加え、えびエキス+おきあみエキスのサポートが「ちらし寿司」っぽさを演出している、おふざけなしの作り込み。また教えられたら気が付く程度の柚子皮も面白く、実に複雑で見どころの多い構成でした。
かやく


さくらの葉入りフレークの革命に刮目
かきたま系の卵具材は食感・風味ともに優しくて、ふわふわとした口当たりが心地好く、しっかりリアルなグリーンピースが個性を強めると同時に「ちらし寿司」らしさをブースト。ニンジンは適度にコリコリとした歯触りで、食感のアクセントに高価的。正直、ここまでの段階でも充分に上等と思える内容なのですが‥‥

特筆すべきは「さくらの葉入りフレーク」の存在で、これ単体の香りは市販の桜餅っぽい感じといえばイメージしやすいでしょうか。しかし、それが味覚に対して強烈に主張してくるわけではありません。味蕾に訴えかけてくる要素は甘味が強く、とはいえ「ちらし寿司」で定番の桜でんぶほどダイレクトではない、ほんのりと上品な甘さが赤酢の穏やかな酸味にフィット。
それでいて嗅覚に集中すると、全体を掌握して一辺倒にならない程度に、それでいて明確に働きかけてくる桜葉の香りが面白く、こんなのありなんだ‥‥と、まさに目から鱗の取り合わせ。こちらはグリーンピース以上に使い所が難しいアイテムですから、まるか食品の執念にも近い50周年記念の本気度に脱帽した次第。
実食前に思い浮かんだのは、ひな祭りのイメージ的に「雛霰(ひなあられ)」だったんですけど、即席カップめん業界では馴染みのない「さくらの葉入りフレーク」を採用したセンス、感激しました。
総評
江戸前寿司の原点である「赤酢」を使い、ひな祭りというゴリゴリのファミリー行事を絡め、それをカップ入り焼きそばに落とし込んでいる——。いかにもペヤングらしいカオスさ全開の取り組みに、ぶっちゃけ食べる前は期待よりも地雷を踏むかもしれない不安のほうが勝っていたのですが、なんのなんの。完全に場外戦かと思いきや、しっかり “ちらし寿司風„ をペヤングのリングで再現している、笑ってしまうほどの完成度。
それなのに、まったく違和感ないんですよ。食後に残る余韻なんか「ちらし寿司」そのものだったのに、まったく違和感ないんです。通年で販売してほしい味ではないけれど、毎年この時期の恒例になってほしいくらい、ペヤングやきそば史に残る名作だと感じました。ちなみに1週間後、3月9日より一般販売開始となっておりますので、このレビューで興味を持たれた方は積極的に狙ってみてください。【author・taka :a(大石敬之)】


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