どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年6月6日(月)新発売、まるか食品のカップ麺「ペヨング イカスミやきそば」の実食レビューです。
ペヤング‥‥じゃなくてペヨング!? メーカー公認の “ニセモノ” として話題になった「ペヨングやきそば」最新作は “モノホンのイカスミを使用した” NEWフレーバーを展開!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヨング イカスミやきそば
ペヤング(peyoung)とは、まるか食品を代表する即席カップめんブランドで、1973年(昭和48年)7月に発売された同社初のカップラーメン「ペヤングヌードル」が最初の商品。まだカップ麺が高価な食べ物とされていた当時、若いカップルにも “2人で1つのものを仲良く食べてほしい” という願いを込めて、ペア(pair)とヤング(young)で「ペヤング」という名前になったのですが‥‥
今回の新商品「ペヨング イカスミやきそば」は、ペヤング(peyoung)の正当な血筋にあり、しかしながら “メーカー公認のニセモノ” として話題になったペヨング(peyong)のNEWフレーバーで、本物のイカスミを使用した「イカスミやきそば」にチャレンジ。ペヤングからは何度も出ているイカスミですが、過去にペヨングがイカスミをリリースされた前例はありません。
「ペヨング ソースやきそば」が初めて発売されたのは、2016年(平成28年)3月14日と比較的に最近の話。メーカー希望小売価格が設定されている「ペヤング ソースやきそば」は、1975年(昭和50年)3月13日の発売以来、いっさいソースの味を変えていないのですが、それよりも酸味が弱く、あえて旨みを落とした「ペヨング」の企画を社長が発案。
ペヤングの美味しさを再認識してもらうため、ソースの味にはこだわらず、麺の量を90gから80gに減らし、かやくもキャベツのみに変更するなど、あきらかにロースペックな仕様となっているのですが、ただのポンコツではありません。ペヨングが持つ最大の強みは “メーカー希望小売価格が設定されていない” ことで、ペヤングよりも圧倒的な販売価格の安さを実現し、新たなポジションを確立。
もしも “別の会社が「ペヤング」を真似て類似品を作ったら‥‥” をコンセプトにデザインされた、どこか似ているけれど嘘くさい、パチモンらしさ満載のパッケージも戦略で、発売されるや否やTwitterなどのSNSを中心に話題沸騰。さらにニュースサイトや雑誌・新聞・テレビなど、マスメディアからの取材も殺到し、本家が全力で作った “ニセモノ” は、華々しいデビューを飾ります。
しかし、それが一過性の話題に終わることはなく、発売わずか9ヶ月で1,600万食もの数を売り上げ、2017年(平成28年)2月吉日——。業界に活発な需要を生み出し、流通を潤して市場を活性化させた商品として、日本食料新聞社が制定する「第35回 食品ヒット大賞」の優秀ヒット賞に輝き、ただの遊びではなかったことを証明しました。
かくして「ペヨング ソースやきそば」は不動の通年商品に位置付けられ、基本のソース味とは違う変わり種(キムチ味、激辛、油そば、塩やきそば等)に、ペヤングヌードルをリスペクトした「ペヨング ヌードル」など、先にペヤング(peyoung)で商品化したフレーバーを追いかけるように新作を展開しているのですが、前述のように「イカスミやきそば」の廉価版は初めての試み。
直近だと2022年1月14日に「ペヤング イカスミマヨやきそば」を発売しているため、そのマヨ抜きバージョンみたいなイメージですが、原材料名の添付調味料を比較してみたところ、マヨネーズの有無以外にも明確な違いがありました。ペヤングのイカスミは個性的かつ美味しいので、微調整しながらも同じような味わいを実現していれば、廉価版と侮れない評価を叩き出すかもしれません。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れ「かやく」と後入れ「ソース」の計2種で、どちらの小袋にも「ペヤング」と書いてありますが、廉価版の「ペヨング」です。オープン価格のロースペックなブランドなのにペヤングの小袋を使うとは、なんとも変な話ではあるものの、わざわざペヨング用の小袋を作らない、徹底したコスト削減の姿勢は高く評価すべきかもしれません。もはや潔いw
麺はラード配合の食用油で揚げたフライ麺で、見た目は「ペヤング」といっても過言ではありません。詳しくは後述しますが、実は「ペヨング」にもペヤングと同じ麺を使っているため、品質だけでいえば遜色ないのです。ただ、前述のように “10g減らしてコストを調整している” というのがカラクリ。
まるか食品に販売店を確認したところ “おそらくコンビニでの採用はない” との回答で、同時発売品の「ペヨング カレーやきそば」は手に入らなかったのですが、ネタ商品に強い総合ディスカウントストア(例:ドンキホーテ)やドラッグストア(例:ウエルシア)など、普段からペヨングを常備している店舗でのエンカウント率が高いようです。
※販売状況は地域や店舗によって異なるため、売ってる・売ってないについては最寄りの販売店に問い合わせてください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ペヨング イカスミやきそば 製造者:まるか食品株式会社 製造所:本社工場(群馬県伊勢崎市戸谷塚町49-1) 内容量:103g(めん80g) 商品コード:4902885008187(JAN) |
発売日:2022年06月06日(月) 実食日:2022年06月10日(金) 発売地域:全国 取得店舗:MEGAドン・キホーテ 商品購入価格:118円(税込) 希望小売価格:オープン価格 |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(ソース・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、香辛料)、添付調味料(糖類、食塩、トマトペースト、香辛料、植物油脂、たん白加水分解物、イカスミ加工品、たまねぎ、イカスミペースト)、かやく(キャベツ)/ 調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酒精、増粘多糖類、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、(一部に小麦・大豆・いかを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、ペヤングの「イカスミマヨやきそば」にはイカとフライドガーリックも入っていたのですが、キャベツだけのシンプルなラインナップ。それもペヤングの平均的なキャベツ量より圧倒的に少ないため、なるほど廉価版らしさが色濃く出ている部分。もちろんソースは食べる直前に加える後入れなので、お湯を注いでから3分後に湯切り‥‥
余分な水分を飛ばし、ソースを馴染ませたら完成です。廉価版でも変わらずに黒いw 具材にキャベツしか入っていないのは寂しいポイントになりますが、MEGAドン・キホーテでの販売価格は109円(税込118円)だったので、原材料の高騰が相次いでいる昨今、この安さは見逃せません。
もちろん販売店によって価格は変動しますが、エアコンや冷蔵庫など、電化製品でのオープン価格と違い、カップ麺でのオープン価格は基本的に安売り用なので、場合によっては税込98円も珍しくない立ち位置。というわけで、あくまでも廉価版であることを加味しつつ「めん」「ソース」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(103g)あたり |
カロリー:467kcal たん白質:7.6g 脂 質:22.5g 炭水化物:58.4g 食塩相当量:3.0g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつもの油揚げ麺
ペヤングやきそばシリーズに使われる油揚げ麺は、基本的に「ペヤング ソースやきそば」と同等の品質‥‥というか、そのものは完全に同じ油揚げ麺で、10g減らせば廉価版のペヨング(めん80g)になるカラクリ。逆に麺の量を2倍に増やせば超大盛(めん180g)になる単純な仕掛けで、それは大容量のGIGAMAX(めん330g)やペタマックス(めん660g)も例外ではありません。
たとえば春雨の「ピーヤング」に、そば粉不使用の「なんちゃって蕎麦風」など、なかには例外的な商品もありますが、泣けるほど辛い獄激辛(ごくげきから)シリーズや物議を醸した「アップルパイテイストやきそば」にも「ソースやきそば」と同じ油揚げ麺を使用しています。スイーツ系だと喧嘩する嫌いを見せますけど、まともなソースが相手なら万能に対応してくれるため、その柔軟性が魅力。
ちなみに外装フィルムの賞味期限右側に「+H」と記載してあったら本社工場(群馬県伊勢崎市戸谷塚町49-1)で、同じ箇所に「+A」と記載してあったら赤堀工場(群馬県伊勢崎市下触町1101-1)で製造したことを意味しているのですが、どちらもレシピは変わりません。後述するイカスミソースにも柔軟に寄り添ってくれますし、標準サイズ対比10gの差なので、極端に少ないと感じることもないでしょう。
ソース
他社の廉価版にはない個性派
ペヤングの「イカスミマヨやきそば」と比較して “マヨネーズの有無以外にも明確な違いが-・” と先に触れたように、マヨネーズだけでなく “いかエキスパウダーもカットされている” のですが、廉価版なのに本物のイカスミを使った「イカスミ加工品」と「イカスミペースト」を配合しているのは高く評価すべきポイント。
具材のイカも省かれているため、体感的なイカの旨みもガクッと落ちているのですが、なんのこれしき「ペヨング」は安売り用のブランド。けっこう強めにニンニクを効かせているのは、イカスミ特有の生臭さを消すために、パスタやリゾットなどでも常套手段となっているテンプレで、なおかつイカスミ特有のコクは残っている、それが100円前後の商品で楽しめることに確かな価値が見出せました。
具材
キャベツ100%
えっと‥‥キャベツですw それ以上でも、それ以下でもありません。オープン価格のカップ麺は、具材のボリューム感を真っ先に妥協しなければいけないカテゴリーなので、そこそこキャベツが入っているだけでもヨシとするべきでしょう(実際、メーカー希望小売価格が設定されている「日清焼そばU.F.O.」の変わり種よりも多いのは企業努力を感じるところ)。
ちなみに前述のイカスミソースにプレーンタイプのマヨネーズを組み合わせると、なかなかに面白い相乗効果が得られるため、家にあるマヨネーズちょい足しアレンジとか、追い生おろしニンニクとか、本体価格が安い分、浮いた小銭で自分好みに改造するのもオススメです。
総評
麺は既存の「ソースやきそば」と同じ油揚げ麺で、しかしながら重量を10g減らし、ソースは「ペヤング イカスミマヨやきそば」の廉価版。さらに具材もキャベツのみと安っぽさの目立つ仕上がりではあるものの、それだけに販売価格が「ペヤング」よりも安いことを見逃してはいけません。
二番煎じも甚だしい仕上がりであることは認めざるを得ませんが、この価格帯でイカスミの個性を体感できるカップ麺は他に類を見ないため、総評は及第点に星ひとつプラスしました。ディスカウントストアやドラッグストアでの販売価格が税込100円前後だった場合、とりあえず買っておいて損はない商品だと思います【author・taka :a(大石敬之)】