どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年2月20日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「大島 味噌ラーメン」の実食レビューです。
マルちゃん×大島 “単独コラボ9回目” にして歴代最高品質!? 特許技術「生麺ゆでてうまいまま製法」を採用した大口径丼型のカップラーメンついに初展開!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
大島 味噌ラーメン 2023ver.
大島(おおしま)とは、札幌みそラーメン界の重鎮「すみれ」にて12年の研鑽を積み、村中伸宜(むらなか のぶよし)社長から関東初の暖簾分けを許された大島剛史(おおしま つよし)氏が開業した店で、2013年(平成25年)5月11日に東京都江戸川区船堀でオープンするや否や、瞬く間に話題沸騰。開店初日こそ「すみれ」のネームバリューも手伝っての行列でしたが、大島店主の実力は凄まじく——。
同年11月26日にアミューズメント出版部が発表した『業界最高権威 TRY(東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー / Tokyo Ramen of the Year)認定 第14回ラーメン大賞 2013-14』にて「新人賞みそ部門」1位を獲得し、翌年から『TRYラーメン大賞 2014-15 / 2015-16 / 2017-18 / 2018-19』の「名店部門みそ」1位・5連覇を達成して殿堂入りを果たすなど、類稀なる功績を残しました。
今回の新商品「大島 味噌ラーメン」は、船堀の銘店「大島」監修による即席カップ麺で、製造は “マルちゃん” のブランドで知られる東洋水産。前述の『業界最高権威 TRY認定 第15回 ラーメン大賞 2014-15』にて「大島」が初の「名店部門みそ」1位を獲得したことを受け、2015年(平成27年)4月13日に発売した「大島 味噌ラーメン」を皮切りに、毎年コラボを続けているのですが‥‥
これまでに「大島」が単独で監修したカップ麺といえば、縦型ビッグのカップに油で揚げたフライ麺の組み合わせを基本的なスタイルとしていたのに対し、単独コラボ9回目にして初となる大判どんぶり型の容器を採用。さらに、茹でた麺をマルちゃん独自の方法で乾燥させるの特許技術 “生麺ゆでてうまいまま製法” の乾燥麺を初搭載ということで、並々ならぬ気合を感じる一杯です。
ちなみに東洋水産のニュースリリース(2023年2月23日時点)には “同店とのコラボ商品発売8回目となる今回は-・” と記載されているのですが、念のため歴代のコラボ商品を数え直してみたところ、このページでレビューする「大島 味噌ラーメン」は単独コラボ9回目に該当するカップラーメンで、どうやら2021年2月8日発売の「大島 こく辛味噌ラーメン」を見落とした様子。
というのも「大島」単独監修のカップラーメンは、2021年2月発売の「こく辛味噌ラーメン」を除き、すべて商品名が「大島 味噌ラーメン」なんですよ。でもって何度も本文中に “単独” と入れているのは、2019年10月21日発売品「大島×田中商店 辛味噌豚骨」及び2021年10月25日発売品「大島×三ん寅 汁なし味噌ラーメン」も公式が “コラボ商品発売○回目” にカウントしていなかったのが理由。
「大島×田中商店 辛味噌豚骨」と「大島×三ん寅 汁なし味噌ラーメン」には、大判どんぶり型の容器と “生麺ゆでてうまいまま製法” の乾燥麺を合わせていたので、厳密にいうと大島コラボ史上初の製品スタイルではないんですけど、これ以上は言及しないでおきましょうかw
兎にも角にも発売9年目となる「大島 味噌ラーメン」史上初の製品スタイルであることは間違いなく、メーカー希望小売価格も「大島」コラボ史上最高値となる288円(税別)に設定されているため、其れ相応の仕上がりに期待したいところ。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」と「液体スープ」の計3種。これまでの「大島 味噌ラーメン」は、最初から容器の中に入っている粉末スープと特製油(別添)の組み合わせを基本としていたので、より本格的な味わいに期待できそうなフレームワークに進化。
東洋水産が誇る「生麺ゆでてうまいまま製法」は、文字通り麺を茹で上げてから独自の技法で乾燥させるため、麺を蒸熱してから乾燥させるノンフライ麺ではなく「乾麺」に近いのですが、大別するとノンフライ麺という認識で問題ありません。油揚げ麺と比較して本格的な仕上がりに期待できるものの、バリエーションに乏しいデメリットもあるので、うまく「大島」にハマってくれるかどうかも見どころ。
店舗によっては売ってない場合もあるかと思いますが、スーパーやドラッグストアなど、販売店を限定しない全チャネル商品で、コンビニだと「ローソン」「ファミリーマート」「ミニストップ」での取り扱いを確認済み。また「セブン-イレブン」での販売は、1週間遅れの2023年2月27日(火)から順次開始とのこと。コンビニでの販売価格は311円(税込)なので、ハイエンド寄りのミドルクラスです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:大島 味噌ラーメン 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:132g(めん70g) 商品コード:4901990373913(JAN) |
発売日:2023年02月20日(月) 実食日:2023年02月23日(木) 発売地域:全国 取得店舗:ウエルシア 小売価格:288円(税別) 購入価格:278円(税込) |
麺の種類:乾燥麺(生麺ゆでてうまいまま製法) スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(みそ、ポークエキス、豚脂、香辛料、香味油脂、脱脂大豆粉、砂糖、しょうゆ、植物油、食塩、粉末野菜、たん白加水分解物)、かやく(味付挽肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、増粘多糖類、炭酸カルシウム、香料、レシチン、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE、ローズマリー抽出物)、クチナシ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、おそらく味付挽肉とメンマは縦型ビッグの「大島 味噌ラーメン」と共通だと思うのですが、熱風乾燥(AD / エアドライ)の青ネギが凍結乾燥(FD / フリーズドライ)に変わっています。ただ、縦型ビッグで印象的だった刻み玉ねぎは入っていないため、そこは寂しい変更点。
添付調味料の小袋は “2つとも後入れ” なので、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら「粉末スープ」を入れて完全に溶かし、それから「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。
粉末スープを溶かすとき、けっこうダマになりやすかったので、調理の際は留意してください。それでは、引き続きコストパフォーマンスについても注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(132g)あたり |
カロリー:467kcal たん白質:15.2g 脂 質:16.1g 炭水化物:65.2g 食塩相当量:7.0g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.7g) ビタミンB1:0.30mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:185mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:467kcal(めん・かやく:289kcal)(スープ:178kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
再現度は低い
「大島」の修行先である「すみれ」では、2017年(平成29年)10月「札幌本店」のグランドオープンを機に製麺所を「森住製麺」から「西山製麺」に切り替え、以前に大島とコラボした「三ん寅」も西山製麺と取引しているのですが、2023年2月現在も大島は森住製麺と取引している様子。それは札幌の味噌ラーメンにおけるテッパンといっても過言ではない、プリッとした独特の質感を特徴としています。
対して「生麺ゆでてうまいまま製法(特許 第5719064号)」による乾燥麺は、2021年9月6日に実施された「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」のリニューアル以降、それ以前の仕様よりも加水率を下げ、箸で持ち上げた際の重量感も衰えるなど、大きく質感が変わっており、今回も例に漏れず。なめらかな口当たりと適度な反発性には魅力を感じるものの、森住製麺に通じる魅力は伝わってきません。
いかにも「正麺カップ」らしいというか、生麺ゆでてうまいまま製法あるあるで、東洋水産ならではの質感に縛られているような印象が無きにしも非ず。そのため再現度は低いと評価せざるを得ないのですが、悔しいかな後述するスープとの相性に目立った問題を感じることはなかったので、評価は及第点に星ひとつプラスしました。
スープ
ぽってり濃厚
まずは「粉末スープ」単体の味を確認してみたところ、うまみのベクトルは人工的ですが、生姜・ニンニク・山椒のアクセントは明確で、けっこうメリハリのある味わい。とろみは時間が経つとボテッとするレベルだったので、こちらも人工的ではあるものの、脱脂大豆粉によるザラついた舌触りで濃厚さをナチュラルに加速させる工夫は見事。そして、もうひとつの「液体スープ」を加えると一変。
実店舗のスープは濃いめの味わいで、純すみ系のラーメン店にしては珍しく、店内に “うすめるスープあります” と濃さに配慮した張り紙まであるのですが、それをイメージしているカップ麺のスープは濃いめでも優しい味わい。合わせ味噌の割合は比較的に白味噌寄りで、ぽってりとした口当たりも不自然に感じないほど、マイルドな味噌の旨味と動物系のコクが口いっぱいに広がります。
しかし、だらだらと間延びしたような味ではありません。こってりと層のある旨味も然る事乍ら、それを最後まで飽きさせない香味野菜と香辛料のキレが絶妙で、肉と野菜を中華鍋で炒めたようなオイルの香り効果的。いつもは植物油をメインに豚脂をブレンドすることが多い東洋水産ですが、どっしりとした動物系のオイルをメインに使っていたので、値段以上の満足感が得られました。
かやく
シンプルだけど悪くない
前述のように味付挽肉とメンマは縦型ビッグと共通の具材で、ネギはバージョンアップしていましたが、それぞれの量は可も無く不可も無しといったところ。しかし、濃厚なスープに点在するジャンクな味付挽肉は、自然と口の中に飛び込んでくるので、その度に炸裂する力強い旨みが全体の満足度を底上げしてくれるアイテム。
コリコリとした歯応えのメンマも濃厚なスープの中にあって嬉しく、ネギも主張し過ぎない存在感に好感が抱けました。もやしと例の刻み玉ねぎも入っていたらバッチリだったんですけど、それを省いてでもスープのクオリティを向上させたかったのかもしれません。
総評
再現度の高さを重視した場合、残念ながら麺を筆頭に低いと評価せざるを得ず、かなり東洋水産らしいデフォルメを感じるのですが、単純に味だけで評価すると「★6」でも差し支えない美味しさで、なかでもスープから得られる満足感には驚きました。
硬派な純すみ系をイメージしているとコケますけど、ひとつのカップラーメンとして低く評価することはできません。たとえば日清食品が製造しているセブンプレミアムゴールドのカップ麺「すみれ 札幌濃厚みそ」とは大きくタイプが異なるので、どっちが好みか食べ比べてみるのもオススメです【author・taka :a(大石敬之)】