どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年3月25日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 大島 味噌ラーメン」の実食レビューです。
「TRYラーメン大賞2014-19」の名店部門みそ1位に輝き5連覇を達成した王者「大島」の「味噌」をカップラーメンで再現!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん 大島 味噌ラーメン
「大島(おおしま)」とは、講談社発行「業界最高権威 第19回 TRY* ラーメン大賞2014-19」の名店みそ部門で5連覇(「新人みそ部門」を含めると6連覇)を達成し、みごと殿堂入りを果たした東京・船堀にある味噌ラーメンの名店で、札幌の老舗「すみれ」から関東で初めて暖簾分けされた店として2013年5月11日にオープン(*東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー “Tokyo Ramen of the Year” の略称)。
店主の大島剛志さんは20歳の頃「すみれ」に入り、12年以上修行を積んで “札幌の王道・味噌ラーメンの味を多くの方に知ってもらいたい――” という思いから独立し、東京都江戸川区船堀に「大島」を創業。お店の「大島」という屋号は「すみれ」の社長が名付け親で、お店の入り口にも “すみれより” と書かれた「すみれ」贈呈の暖簾が掛けられています。
あの「すみれ」が関東初となる正式な暖簾分けを許した店としてオープン当初から話題になっていたのですが、「TRYラーメン大賞」の「名店みそ部門」において第1回目の1位受賞となる2014年から畳み掛けるように5連覇達成し、みごと殿堂入りを果たした実力派。つまり、それは5年連続 “もっとも東京で美味しい味噌ラーメンを提供する店に選ばれた” ことを意味しています。
TRYについてはラーメンマニアの間で賛否両論あったりもするのですが、業界最高権威を謳っているだけあって「TRYラーメン大賞」の影響力は凄まじく、実際に「大島」の「味噌」は舌の肥えたマニアの方からの評判も上々。TRYの名店みそ部門で5連覇を達成した「味噌」をはじめ、「塩」「正油(醤油)」「昔風(あっさり醤油)」「こく辛味噌(夜の部限定)」が基本のグランドメニューになるのですが、やはり1番人気は「味噌」みたいですね。
「大島」の「味噌」は、リスペクトしている本家「すみれ」のコクを踏襲し、ほぼ同じ食材を使用しながら比較して柔らかく、しかしながら信州産の白味噌を焼いてから丁寧に練って作った味噌だれは適度にドライ。やや「すみれ」よりも控えめとはいえ湯気が立たないほどに重ねられた厚みのあるラードの油膜が本場・札幌の地を思わせ、たっぷりトッピングされた濃厚なスープの後味を引き締める生姜のキレも特徴的なポイント。
麺は「すみれ」や「さっぽろ純連」、「彩未(さいみ)」「白樺山荘(しらかばさんそう)」「えびそば一幻(いちげん)」など、名だたる札幌の名店から絶大な信頼を得ている昭和25年創業の老舗製麺所「森住製麺(もりずみせいめん)」の縮れた多加水中太麺(130g)を使用しているのですが、評判が良すぎてレギュラー化してしまった “お蕎麦屋さんのカレー” ならぬラーメンスープを使った自家製カレー「らーめん屋さんのミニカレー」も人気メニューです。
さて、そろそろカップ麺を掘り下げていきましょう。「TRYラーメン大賞」の名店部門で1位を獲得すると、マルちゃん(東洋水産)が店主監修のもとカップ麺にアレンジして再現・商品化する、というのが定番の流れになっているので、名店みそ部門5連覇達成=マルちゃんの再現カップラーメン(タテ型ビッグ)も2019年で5年連続となる常連さん。
私が最後にレビューしたのはコラボ初となる2015年4月13日(月)発売品で、味だけでいえば★4でも差し支えないと当時の記事(移転前のブログ)にも書いているのですが、味どうこうを評価する以前に粉末スープの凝固が激しく、それも致命的なレベルで酷評する結果(★1)となり、それが最初で最後のレビューとなったままでした。あれから4年‥間に1度も食べていないので、ちょっとドキドキしています。
開封
別添の小袋は、フタの上に貼り付けてある後入れの「特製油」が1袋で、けっこう中身は多めにはいっています。東洋水産の縦型ビッグ製品に特製油が別添されている場合、地味にオイル成分が多かったりするのですが、原材料名を見ると香味油脂(おそらく植物性オイル)の含有量が多く、手に取ってみた感じ大幅な凝固も見られません。
開封すると味噌の香りは赤味噌よりも白味噌に寄ったニュアンスで、しかしながら輪郭のある芳醇な香り。さらに粉末的とはいえ生姜の清涼感やニンニクのアクセント、軽めの山椒が味噌に重なっている複雑な香りが心地よく、しばらく嗅いでいたくなるような‥とてもいい匂いで過去のネガティブな印象は早くも薄れてきましたw
ちなみにカップ麺の製造所は千葉県長生郡長南町美原台1-34にある「株式会社酒悦(しゅえつ)房総工場(ぼうそうこうじょう)」となっていますが、酒悦は東洋水産のカップ麺を数多く手掛けている東洋水産グループの一員です。特に縦型ビッグの新作カップ麺では定番の老舗メーカーなので、ご安心ください。
製品情報詳細・購入価格等
製品名:マルちゃん 大島 味噌ラーメン 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:111g(めん80g) 商品コード:4901990362917(JANコード) 規格サイズ:縦108mm×横108mm×高さ122mm 発売日:2019年03月25日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(中華麺) スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙+プラ 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(みそ、香味油脂、香辛料、食塩、植物油、ポークエキス、砂糖、粉末野菜、豚脂、発酵調味料、たん白加水分解物)、かやく(味付挽肉、たまねぎ、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、カラメル色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
麺は縮れのある黄色味がかった油揚げ麺で、やや細めにも見えますが、湯戻し時間は熱湯4分。具材は大きな肉そぼろとタマネギが目立っていましたが、もやしは入っていません。ただ、今回のタマネギはフレッシュなシャキシャキ系なので、かなりの活躍に期待できそうですね。あとは、謎の凝固が起きないかどうかだけ‥‥
作り方に別添の小袋(特製油)を “温めてください” などの記載はありませんが、逆に “温めないでください” という記載もありません。また、どんぶり型の液体スープほど量が多いわけでもなければ先ほど特製油に目立った凝固は見られないと書きましたが、スープの温度低下を防ぎ、香味油脂の香り立ちを良くするためにも熱湯を注いでから待っている間にフタの上で温めたほうがよいでしょう。
4分経ったらフタをすべて剥がし、特製油を入れて念入りに掻き混ぜたら完成‥‥なんですけど、写真のように麺の表面に集中している粉末スープがダマになっているので、こいつを徹底的に溶かすのに2分前後まぜ続けなければいけません。また、初版ほど “凝固したなにか” は気になりませんでしたが、まず熱湯がスムーズに落ちないのが問題です。
もし普段通り勢いよく注いだら熱湯が容器からあふれて火傷するおそれさえあるので、まずは様子を見ながらゆっくりと注いで熱湯が容器の底に浸透して落ちるのを待ち、再び注いで‥‥と、だいたい3回ほど段階を踏む必要があります。面倒かもしれませんが、一撃でキメようとするとスープが少なくて味が濃すぎる、スープのダマが酷くて手の施しようがない、麺が戻らなかった、などの致命的なトラブルが生じるリスクが飛躍的に上がるため、面倒でも徹底してみてください。
さて、完成図です。調理方法に難あれど、圧倒的な玉ねぎの量には度肝を抜かれました。かなり調理中も玉ねぎの香りが強かったので、苦手な方は手を出さないほうがいいかもしれません。それでは、お店の特徴と比較しながら「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(111g)当たり
熱 量:498kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:498kcal(めん・かやく:363kcal)(スープ:135kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
スープとの相性がいい、食べごたえのある丸麺。
(出典:東洋水産「東洋水産トップ > 企業・IR・採用 > ニュースリリース >『マルちゃん 大島 味噌ラーメン』新発売のお知らせ」)
麺の幅は狭く、そこまで厚みもないように見えますが、かなり弾力の強い油揚げ麺で、むっちりとした粘り気が特徴的な多加水麺。かつての「本気盛(マジモリ)」シリーズを筆頭に、数年前の東洋水産が手掛けていた、ごわごわ・わしわし・ふかふか‥みたいな太麺ではなく、しなやな印象さえ覚えます。
「丸麺」と言われたら語弊が生じるかもしれませんが、断面の丸い麺ではなく、角の立たない丸刃でカットされた口当たりの優しい平打ち麺で、お店の麺よりも粘り気があるかもしれません。もちろん小麦の風味や力強さに関しては本物の足元にも及びませんし、森住製麺の麺よりも圧倒的にマルちゃんの系譜にあるのですが、単純にスープとの相性はいいですね。
むちっとした弾力は、ふかふかとした頼りない食感に零落れることなく、焦って食べなくても最後まで弾力をキープしていたし、再現度が高いとは言えませんが、カップ麺的には好印象。東洋水産の縦型ビッグ製品は「本気盛」シリーズを除いて(特に有名店監修モノは)麺量70gに固定されているのですが、今回は80gと「本気盛」に匹敵する内容量だったのも良かったです。
スープ
ポークの旨味をベースに、生姜・唐辛子・山椒とにんにくを強く利かせた、コクのある味噌味。別添特製油。
(出典:東洋水産「東洋水産トップ > 企業・IR・採用 > ニュースリリース >『マルちゃん 大島 味噌ラーメン』新発売のお知らせ」)
お店と同じようにベースの味噌は白味噌寄りで、しかしながら実際のスープよりも甘く、より優しい味わいにチューンナップされているような印象を受けたのですが、それなりに塩分濃度は高いです。ただ、麹味噌(こうじみそ)というか田舎味噌(いなかみそ)っぽい味噌感だったので、新作カップ麺のスープとしては珍しいなと感じました。
ただ、それが再現度の高さに貢献しているかと聞かれたら結果的に遠からず近からずで、そんなに特筆して個性的なスープではありませんし、なにかが突出しているわけでもなく、縦型カップ麺の枠を逸脱するようなクオリティでもありませんが、こってりと表面に浮かぶ香味油脂の芳ばしい香り、それによる中華鍋を振るったような調理感が印象的ですね。お店のスープに浮かぶのは王道の札幌みそラーメンらしく重厚感あふれるラードの油膜ですが、特製油の中華鍋で香味野菜を加熱したような芳ばしさは良かったです。
ただ、カップ麺の特製油にも動物油脂が含まれてはいるものの、あまり焼き味噌っぽさは意識されておらず、動物系も比較的に控えめで、だいぶ食べやすくなっているように感じました。それに唐辛子と山椒の効き目は大したことありませんし、おろし生姜や生おろしニンニクほどパワフルではありませんが、それなりに生姜とニンニクは効いてます。ただ、よほどデリケートな職業でさえなければ仕事の休憩中に食べたらヤバいかも‥! ってほど強くはないですね。
かやく
味付挽肉、たまねぎ、メンマ、ねぎ。
(出典:東洋水産「東洋水産トップ > 企業・IR・採用 > ニュースリリース >『マルちゃん 大島 味噌ラーメン』新発売のお知らせ」)
お店のようにホロッとした大きなチャーシューや札幌みそラーメンのアイデンティティともいえるモヤシは入っていませんが、大きな挽肉はスパイシーな味付けで量も多く、高い満足感が得られます。ただ、風味と食感のよかったメンマは4本(※個体差あるかも)、ネギも汎用の乾燥小葱だったので、両者については可も無く不可も無しでした。しかし、タマネギの存在感は規格外です‥‥
もしかするとタマネギの量に関しても個体差が絡んでいるかもしれませんが、とにかく大量で逃げ場がありません。それも素揚げしてから乾燥させたような四角くて柔らかいタイプではなく、生の玉ねぎをエアドライ(熱風乾燥)で仕上げたようなフレッシュでシャープな食感と風味だったので、マイルドな味噌スープにキレのあるタマネギの対比が心地よかったです。玉ねぎ味噌ラーメンかってくらい強烈なので、玉ねぎが苦手な方は気をつけてください。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆(★3)
まず再現度を評価すると、残念ながらイマイチ(★2)と言わざるを得ません。札幌味噌の定番たまご麺とは程遠いマルちゃん本気盛仕様(とはいえ次世代系)の油揚げ麺に、ずいぶんと手軽な印象になっていたスープなど、その手軽さやカップ麺らしさは縦型カップの醍醐味とも言えますが、「大島」としてはナンセンスです。
しかし、東洋水産が手掛ける縦型ビッグの味噌ラーメンとしては単純に美味しくてw お店の雰囲気とか再現度とか度外視すると、美味しさのレベルは個人的な味嗜好も踏まえて上出来の★5でした(※あくまでも★5は主観的な満足度を数値化した値)。それに玉ねぎの強烈なインパクトは印象に残ること間違いないので、とりあえず総評は及第点を付けましたが、前述した作り方の注意点は面倒でも徹底してください。
まず熱湯を注ぐ時は、3〜4回ほどに分けて “数秒ずつ休ませながら” 限界まで “ゆっくり” 入れること。お湯の表面が内側の線に固定されたことを確認してから4分きちんと待ち、面倒でも “2分くらい混ぜ続ける” くらい徹底しないとオススメできません。それに、やはり縦型だと「大島」のポテンシャルを最大限に引き出すことはできないと思うので、TRYラーメン大賞の名店みそ部門V6達成時には、おろし生姜を別添して焼き味噌の芳ばしさやラードの厚みも意識したノンフライ麺・どんぶり型で再現してもらいたいですね。