どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年10月25日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん 大島×三ん寅 汁なし味噌ラーメン」の実食レビューです。
業界最高権威『TRYラーメン大賞』の “名店部門 みそ殿堂入り” と “2020-2021 新人部門 みそ1位” がオリジナルの味を共同開発!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
大島×三ん寅 汁なし味噌ラーメン
『TRYラーメン大賞』とは、ラーメン業界で確固たる地位を築いた6名の審査員、並びに2名のゲスト審査員(新人部門のみ審査)によって決定される “ラーメン業界最高権威” のアワード本(MOOK)で、TRYは東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー(Tokyo Ramen of the Year)の略称。東洋水産との付き合いは長く、これまでに様々なコラボ商品を企画してきました。
今回の新商品「マルちゃん 大島×三ん寅 汁なし味噌ラーメン」は、講談社発行『TRYラーメン大賞』にて「名店部門 みそ殿堂入り」を果たした「大島」と「2020-2021 新人部門 みそ1位」を獲得した「三ん寅」のコラボ商品で、両店の特徴である札幌味噌ラーメンをベースに、生姜・にんにく・山椒・唐辛子などの香辛料を効かせたインパクト抜群の汁なしカップ麺を共同開発。
「大島(おおしま)」とは、北海道札幌市豊平区中の島に本店を置くラーメン業界の重鎮「すみれ」が関東初となる正式な暖簾分けを許したラーメン店で、2013年(平成25年)5月11日にオープン。12年以上「すみれ」で修行を積んだ店主・大島剛史(おおしま つよし)氏が東京都江戸川区船堀の地に開業するや否や、瞬く間に行列を作り、多くのマニアが「大島」の作るラーメンを絶賛します。
その結果、開業から半年後の11月26日に発売された『業界最高権威 TRY認定 第14回ラーメン大賞 2013-14』にて「新人賞 みそ部門」の1位に輝き、翌年「名店部門 みそ」の1位も獲得。そこから2018年(平成30年)10月18日発売の『第19回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2018-2019』にかけて “名店部門みそ1位・5連覇” を達成し、負け知らずの全勝で殿堂入りを果たしました。
そんな「大島」とタッグを組むことになった「三ん寅(さんとら)」とは、東京都新宿区山吹町(江戸川橋)に店を構える札幌味噌ラーメンの名店で、2019年(令和元年)10月29日にオープンしたばかり。その「三ん寅」を立ち上げた店主・菅原章之(すがわら のりゆき)氏も「すみれ」の出身で、これまでに「すみれ」の本店・京都店・新横浜ラーメン博物館店で店長を務めてきた実力派。
3店舗にわたる「すみれ」での修行歴は17年間ということで、前述の大島店主よりも在籍期間は長く、本店からの暖簾分けとしては「麺屋 彩未(さいみ)」「大島」「ラーメン郷(ごう)」「八乃木(はちのき)」に続く5店舗目。個性的な屋号の由来は、店主が “寅年” の“三月生まれ” であることにちなみ、画数の都合から間に “ん” を入れ「三ん寅」と名付けたそうです。
これまで『TRYラーメン大賞』の影響もあり、東洋水産から「大島」のカップラーメンは何度も販売されているのですが、おそらく「三ん寅」がカップ麺を監修するのは業界初の試み。どちらも「すみれ」出身の店主が立ち上げ、すでに確固たる地位を確立している現在、それだけに信頼性が高いコラボレーションとなっているのですが、同時に期待値のハードルも上がってくるところ——。
ちなみにTRY20周年企画と題し、2019年10月21日に「大島×田中商店 辛味噌豚骨」を、同年11月11日に「凪×きら星 すごい煮干ど豚骨」を発売しているため、その流れを汲んだ商品といえるかもしれません。※それとは別に「夢のWコラボ」をコンセプトにしたシリーズは存在するのですが、どうも『TRYラーメン大賞』が絡んだときは “別枠” になるようです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」が1袋に、後入れの「液体スープ」と「粉末スープ」で合計3袋。東洋水産のニュースリリースには、スープの商品特徴に “生姜・山椒などのスパイスが特徴の汁なしタイプの濃厚味噌ラーメン” との記載があったので、札幌味噌ラーメンらしい重厚感のあるテイストに期待したいところ。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。多くの根強いファンを獲得した「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」にも使われている、東洋水産の特許技術 “生麺ゆでてうまいまま製法” を採用しているため、まだ実食前の段階ではあるものの、麺についての不安は感じていません。
「生麺ゆでてうまいまま製法(特許 第5719064号)」とは、生の麺を茹でてから乾燥させ、乾燥麺でありながら生麺本来の味と滑らかでコシのある食感を実現させた、こんにゃく含有麺及びその製造方法のこと。当初は「正麺カップ」専用に開発された製法ですが、他の商品にも積極的に採用しています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 大島×三ん寅 汁なし味噌ラーメン 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:134g(めん90g) 商品コード:4901990369886(JAN) |
発売日:2021年10月25日(月) 実食日:2021年10月28日(木) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 商品購入価格:246円(税込) 希望小売価格:250円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:600ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、こんにゃく、大豆食物繊維、植物性たん白、植物油脂)、添付調味料(植物油、みそ、ラード、香味油脂、ポークエキス、香辛料、砂糖、乳糖、しょうゆ、乳等を主要原料とする食品、食塩、野菜エキス、こんぶエキス、発酵調味料、たん白加水分解物)、かやく(味付挽肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、レシチン、炭酸カルシウム、酒精、カラメル色素、香料、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE、ローズマリー抽出物)、pH調整剤、クチナシ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、中身は味付挽肉を筆頭に、メンマ、ねぎとシンプルなラインナップ。汁なしカップ麺で定番のキャベツは使わずに、ラーメンらしい具材を組み合わせています。欲をいえば刻み玉ねぎも入れてほしかった‥‥と、それはさておき構成としては悪くありません。あとは熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で液体スープの小袋を温めながら、待つこと5分——。
時間になったら湯切りして、液体スープを馴染ませた後、粉末スープを満遍なく麺の上に広げたら、よく混ぜ合わせて出来上がり。湯切り口の穴が地味に大きいので、お湯を捨てる際に小さな挽肉やネギが流れ出てしまうところが玉に瑕ではあるものの、液体スープと粉末スープの芳醇な香りが食欲を刺激してくる実食前。
なお筆者はイトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)で購入しましたが、コンビニだとセブンイレブンでの取り扱いが意欲的なので、販売店の参考にしてください。それでは、引き続き「めん」「スープ」「具材」の項目に分けて特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(134g)あたり |
カロリー:545kcal たん白質:12.1g 脂 質:21.3g 炭水化物:76.1g 食塩相当量:4.7g ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.41mg カルシウム:241mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
間違いない品質
形状は丸刃で切り出された平打ち麺で、そこそこ厚みがあり、表面は滑らか。やや加水率は高めに設定してあるものの、粘り気を重視した多加水麺ほどモチモチした食感ではありません。食べ始めのコシは強く、噛めば即座に跳ね返してくる反発性があり、その中から穏やかに漂ってくる小麦の風味が実にリアル。
たとえば「大島」や「三ん寅」の店舗で提供されている麺と比較して、コシの強さや反発性はノンフライ麺らしいタイプではあるものの、油揚げ麺では打ち出せない密度感と雑味のなさが魅力。おそらく既存の商品にも使っているはずなので、新規に開発したノンフライ麺ではないかと思いますが、このクオリティであれば使い回しでも問題ありません。
ちなみに「マルちゃん正麺 カップ」に使われているノンフライ麺は、厳密にいうと汁あり・汁なしで使い分けているのがポイントで、汁なし用のノンフライ麺は「生麺ゆでてうまいまま製法」の誕生から2年の歳月を費やして新規に開発された逸品。経験者にとっては新鮮味こそなくなってしまったものの、未だに色褪せないノンフライ麺で、価格に見合った品質だと思います。
スープ
どっしり濃厚でウマい
先に馴染ませる「液体スープ」は、純すみ系のスープを彷彿とさせる多めのオイルが含まれ、植物油や香味油脂も使用しているようですが、重厚感のあるラードのコクと芳ばしい風味を中心に据えているのがポイント。味噌のブレンドは赤味噌よりも白味噌の使用量が多く、味噌の風味は柔らかくありながらも塩気には鋭さを備え、おろし生姜の風味を強めに効かせるなど、味わいとしてはシャープな面持ち。
意外とシャープな味わいだった液体スープの構成に反し、その後に加える「粉末スープ」には多めの砂糖が含まれていたので、最終的には丸みを帯びたテイストにシフト。さらに乳等を主要原料とする食品により、チーズっぽい風味もプラスされるのですが、あくまでチーズっぽい風味は隠し味。
満遍なく馴染ませると砂糖の甘さも不躾ではなく、むしろ白味噌の甘さにリンクするような演出で、ほんのり山椒と唐辛子のアクセントを効かせているのも効果的。かなりポークエキス(豚骨)の重心も低く、まったりと乳化した豚骨の旨味とラードの芳ばしさによる相乗効果に思わず頬が緩みました。
具材
汎用だけど悪くない
味付挽肉もメンマもネギも「大島」のカップラーメンに入っていた具材と共通で、それ以外のカップ麺にも使い回している汎用の具材。そのため特別な原料ではないものの、ジャンクな旨味の挽肉は今回のスープと相性がよく、全体のワイルドさを底上げ。コリコリしたメンマの食感も箸休めに嬉しかったのと、結果的にスープの満足感を思えば寂しくありません。
ここに刻み玉ねぎが入っていれば‥‥というのは「大島」のカップラーメンに引っ張られてのイメージなのですが、さらに「一味唐辛子」とか「生おろしニンニク」ちょい足しアレンジで化けそうなので、事前に用意しておくのがオススメです。
総評
パッケージでは「生姜、ニンニク、山椒等を利かせた、インパクト抜群の味噌まぜそば!」とアピールしていましたが、どっしりと濃厚でありながらもマイルドな味わいで、まったりと広がる豚骨と白味噌のコクが印象的。具材に特別なポイントはないけれど、あいかわらず「生麺ゆでてうまいまま製法」のノンフライ麺はクオリティが高く、かなり味の満足度が高い一杯でした。
メーカー希望小売価格が250円(税別)の商品なので、やや高めの部類に入りますが、その価値は充分にあると思います。ちなみに「大島」と「三ん寅」の両店舗では、今回のリアル版と思われる限定麺「味噌MAZE」を提供しているようなので、興味のある方は両店の公式Twitterアカウントもチェックしておいてください【author・taka :a(大石敬之)】