どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年1月6日(月)新発売のカップ麺、明星食品「明星 狼スープ 濃厚味噌らーめん」の実食レビューです。
ラーメン激戦区・札幌の名店「狼スープ」のカップラーメンが2年ぶりに登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
狼スープ 濃厚味噌らーめん 2020
「狼スープ」とは、札幌の中島公園に本店を置く味噌らーめん専門店で、純すみ系の源流「すみれ 本店」出身の経歴を持つ店主・鷲見健(わしみ たけし)氏が2000年3月に創業。こだわりはスープにあり、純すみ系の流れを汲む力強い味噌にラードの油膜、焦がし味噌の風味、中でも生姜のキレが最大の特徴といわれています。
もともとは練馬区(東京)に開業した「札幌ラーメン鷲見」という屋台が「狼スープ」の前身で、当時まだ店主が22歳だった頃、ワゴン車の荷台を改造した移動式の小さな店として営業開始。その屋台はすぐに辞めなければいけなくなったそうですが、再び札幌の地へ戻り、「すみれ」の本店で住み込みの修行を始めました。
住み込みで働くこと半年間、ブルーシートで作った屋台の雰囲気が好きだった店主は、やはり屋台でリベンジしたいという思いが強く、中島公園界隈に「狼スープ」の屋台を出したのが2000年3月。無論、北海道の冬は極寒なので、冬の寒い日になると客入りも悪ければ包丁も握ることもできず、そもそも店として成立しない——
ちょうど立ち退き話もあり、2000年10月に移転したのが現在の店舗。当時は店主が自ら “おいしくなかった” と語るほど商品が売れなかったらしく、客から “飲料水が臭い” と指摘されたことを切っ掛けに水の大切さに気付き、だんだんと店が軌道に乗り始めたのが移転後4年目。2006年には、食べログのラーメン部門で全国1位に輝きます。
「狼スープ」という名前の由来は、店主が元プロボクサーという経歴にあり、落合信彦が『月刊プレイボーイ』に寄稿していたコラム『狼たちへの伝言』に感銘を受けて名付けられたもの。一時期はボクサーとしての夢が諦めきれず、2010年9月28日から休業に入り、タイで本格的にプロデビューした後、2012年4月11日からラーメン業に専念。
帰国後は福島の白河ラーメン(手打ち麺)を学び、昼は「狼スープ」として営業、夜は白河らーめん専門店「白河の味 夜そば ふくしま」という屋号で二毛作営業を開始。その二毛作スタイルは1年半で終了したそうですが、現在は安易に化学調味料や既製品に頼ることなく、ひたむきに味噌らーめんを突き詰めるようになりました。
ちなみに冒頭で “2年ぶりに登場” と書いたように、実は2018年1月22日に「明星 狼スープ 濃厚味噌らーめん」という同じ商品名のカップラーメンを明星食品が製造していたので、今回が初のカップめん化ではありません。
しかも2018年1月発売品は、一つのカップ麺として実にレベルが高く、このブログでは超高評価を叩き出しました。実店舗はラーメン舌の肥えた地元民に “非の打ち所がない” と言わしめる名店なので、2020年の仕上がりも楽しみです。
開封
別添の小袋は、「液体スープ」「粉末スープ」「かやく2袋」で合計4種類。かやくのフォントはともかく、液体スープと粉末スープのフォントがチグハグというのが気になるところではあるものの、それはさておきメーカー希望小売価格は税別250円、コンビニで購入した場合の税込価格は270円と地味に高額で、安くありません。
とはいえ取り扱っている企業は多く、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では「ローソン」「ファミリーマート」「ミニストップ」での取り扱いを確認。発売日初日から半分くらい在庫がなくなっている店舗もあって、さすが元食べログ王者といったところでしょうか。
実店舗の麺は北海道の老舗製麺所「西山製麺」と共同開発した狼スープ専用の麺で、黄色味の強い縮れ麺が特徴となっているのに対し、今回のカップラーメンに使用されている麺も同じく色の濃い縮れたノンフライ麺となっています。前回はスープも然る事乍ら麺も美味しかったので、引き続き期待が高まるところ。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 狼スープ 濃厚味噌らーめん 製造者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町大字川島2360) 内容量:105(めん65g) 商品コード:4902881438438(JAN) 商品サイズ:縦165mm×横165mm×高さ73mm |
発売日:2020年01月06日(月) 実食日:2020年01月08日(水) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:270円(税込) 希望小売価格:250円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・かやく2袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、植物油脂、食塩、卵粉)、スープ(みそ、豚脂、ポークエキス、糖類、香辛料、香味油、食塩、ごま、香味調味料、たん白加水分解物、粉末油脂、酵母エキス、酵母粉末、植物油脂)、かやく(チャーシュー、キャベツ、ごま、もやし、ねぎ、赤唐辛子)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、香料、カラメル色素、かんすい、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、乳化剤、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく2袋」のみ先入れで、チャーシューのみ別添されています。その存在感のあるチャーシューをメインに、具材構成はキャベツ、もやし、ネギ、ゴマ、スイートチリとなっていて、メンマは入っていません。この “メンマ不使用” というのも「狼スープ」のこだわりで、出身店「すみれ」との差別化を図るための工夫だそうです。
麺の湯戻し時間は熱湯5分、お湯を注ぐ前に液体スープ・粉末スープを入れてしまうと調理不良の原因になるため、かならず “後入れ” してください。それから容器側面の作り方や小袋の本体にも特に記載されていないのですが、スープに豚脂が含まれているので、お湯を注いでから待っている間にフタの上で温めたほうがいいでしょう。
なお、後入れの粉末スープには “とろみ成分が多めに含まれていた” ので、くれぐれもダマや溶け残りが発生しないよう念入りに混ぜ合わせてください(※推奨まぜ時間は最短でも1分)それでは、お店の個性に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(105g)あたり |
カロリー:397kcal たん白質:10.3g 脂 質:11.8g 炭水化物:62.4g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.7g) ビタミンB1:0.40mg ビタミンB2:0.30mg カルシウム:168mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:397kcal(めん・かやく:304kcal)(スープ:93kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
しっかりとコシの強い麺
麺は加水率の高い多加水麺で、やや札幌の味噌ラーメンにしては縮れが控えめな平打ち麺が採用されているのですが、これについては前回と同じポイント。さらに食べ始めは粘り気よりもギュッと詰まったようなコシの強さが特徴となっていて、平打ち麺という形状からスープのリフト性能は高く、それでいて濃厚なスープに埋没しません。
加えて麺の量も2018年発売品と同じ65gとなっているのですが、やや中盤以降は本店の評判・口コミを調べてみても特に目立っていなかった滑りが気になるところ——とはいえ麺を中心に食べ進めれば、滑りが気になる前に完食できるような量ですし、ある意味この表面をまとう滑りも多加水麺ならではの醍醐味でしょうか。
実店舗の麺は平打ちではなく、比較的に丸断面で縮れも強いため、再現度を最重要視すると妥協すべき点は多いかもしれませんが、単純にスープとの相性は悪くありません。今回は手際よく調理しても粉末スープを溶かすのに1分、液体スープを溶かし終わる頃には1分40秒(合計6分40秒前後)はかかると思うので、このタイミングがフライングなしの食べ頃です。
スープ
ずっしり濃厚!
粉末スープには粉末みそを中心に花椒や生姜、すりごまなどが仕込まれていて、かなり強めのトロミ成分が含まれています。あくまで粉末スープが味に寄与している役割としては囃子(はやし)の立ち位置になるのですが、とろみ成分の溶け残りが生じてしまった場合けっこう残念なことになりそうなので、とにかく念入りに溶かしてください。
そして液体スープには、やや赤味噌寄りの味噌ダレを筆頭に、重心の低い豚骨ベースの動物エキスをブレンド。さらに豚脂と植物油脂を合わせたオレンジ色の香味油が入っていて、粉末スープによる生姜のキレと花椒の軽い麻味(痺れ)には相乗効果があり、やや強烈なトロミが人工的ではあるものの、しっかり豚骨も気張ってきます。
中華鍋で味噌を焦がしたような焦がし味噌のアクセントは思いのほか弱かったので、そこがすこし物足りないポイントに思えたりもしたのですが、お店がコンセプトにしている “疲れた体や風邪を引いた時に欲するようなラーメン” のイメージが伝わってくる重厚感。だいぶ濃い味なのに塩っぱいとは違う、そこにコクの何たるかを感じました。
ちなみに実店舗のスープでこだわりの素材として有名なのは、信州山万味噌(発芽玄米味噌・白味噌)、北あかり(じゃがいも)、黄金生姜、牧野農園産にんにく、八幡谷磯五郎の大辛一味、水(アルカリイオン水)などが挙げられます。
具材
肉よりも野菜と胡麻
キャベツを筆頭に野菜の量は多く、乾燥もやしもカップラーメンの具材にしては太めの資材が入っていて、ネギも大きめにカット。さらに真打ともいえるのは大量に入っていた煎り胡麻で、ジャンルとしては薬味に属す素材ではあるものの、かなりガツンと芳ばしいパンチが効果的なことから、具材の一つとしてカウントしても差し支えありません。
チャーシューは厚みのない汎用のチャーシューで、ちょっと値段相応といえる肉具材ではないけれど、適度に脂身もあって地味に美味しいです。というわけで具材の構成は2年前と同じですが、もっとチャーシューは分厚かったので(1.5倍分ほど)、時代の流れ的なものを感じました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
やや赤味噌寄りの力強いタレに純すみ系のルーツを感じつつ、それでいて生姜や花椒のキレでスパイシーなところにオリジナリティがあり、ひとつの濃厚な味噌ラーメンとして完成度の高い一杯です。やや2年前と比較して見劣りするところはあるけれど、たった2年とはいえ当時とは資材の原価が違うので、それについては致し方ないでしょう。
生姜は明白でありながら焦がし味噌は弱かったので、そこに物足りなさを感じたりもしたのですが、結果的な印象は悪くありませんでした。とろみが強く、濃厚でスパイシーな味噌ラーメンを欲している気分のときにオススメの一杯です。