どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年2月12日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「沼るタマネギ 八王子風醤油ラーメン」(160円+税)の実食レビューです。
マルちゃんの高コスパご当地ブランド「沼る」に待望の新作、たっぷりの玉ねぎが沼級に美味しい「八王子ラーメン」の魅力をレギュラーサイズで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
沼るタマネギ 八王子風醤油ラーメン
沼る(ぬまる)とは、周りが見えなくなるほど没頭する・熱中する・どっぷりハマる・夢中になる・のめり込む等、そんな様子を表現する際に用いられている通俗的な表現で、趣味の分野ではもちろん、推し活や恋愛話、中毒性のある作品の感想など、さまざまな場面で使われている現在。
そんな “沼る” をコンセプトに、一点の特徴を立たせた「ご当地」縦型カップ麺として企画されたのが本商品「沼るタマネギ 八王子風醤油ラーメン」で、2023年5月29日発売の「沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン / 沼るニボシ 青森風煮干し醤油ラーメン」に続く新フレーバー。途中で縦型ビッグの「沼るニンニク」と「沼るニボシ」をリリースしていますが、純然たる新作としては第2弾に該当します。
「沼るタマネギ」のモデルになっているのは、東京都八王子市子安町を発祥とする「八王子ラーメン(はちおうじらーめん)」で、1959年(昭和34年)創業の老舗「初富士(はつふじ)」にルーツを持ち、現在は「八麺会(はちめんかい)」なる地元の市民団体も存在する、ご当地ラーメンの中でも比較的にメジャーな存在。
古くは「初富士」の創業者・大川 政廣(おおかわ まさひろ)その人が北海道を旅行中、そこで食した某店のラーメンに感銘を受け、なかでも刻みタマネギのトッピングが印象に残り、八王子ラーメンの原型を考案。スープは醤油味の清湯(ちんたん)で、タマネギ特有の辛味を抜くために熱したラードを使い始めたことから、アブラのコクと刻みタマネギのトッピングを特徴とする、八王子において普遍的な現在のスタイルが確立しました。
ちなみに「八麺会」が唱えている「八王子ラーメン」の定義は “醤油べースのタレであること、表面をラードが覆っていること、きざみ玉ねぎを用いていること” の3項目なので、一見するとアバウトに思えますが、八王子ラーメンを提供している専門店を取材すると、多くの店でスープの素材は教えてもらえるのに対し、アブラの取り方や使用している部位は教えてもらえないのだとか。
それほどアブラとタマネギに “こだわり” を持つ「八王子ラーメン」なので、たっぷりのタマネギ具材はもちろん、豚脂を使用した特製油を「沼るタマネギ 八王子風醤油ラーメン」に別添し、臨場感あふれる仕上がりを追求した東洋水産。
さらに、胡椒をガツンと利かせた味わいが沼級に美味しい「沼るコショウ 長崎風ちゃんぽん」を同時に発売することで、ブランドのラインナップを大幅に強化。おかげで2つ揃えて販売している店舗が多く、私が住んでいる地域のローカルスーパーにも搬入されていたので、わりとスムーズに購入できたのですが——
スーパーど田舎にあるローカルスーパーで、なおかつ高齢者が多いエリアにもかかわらず、発売翌日の午前中には品薄も目前の勢いを見せた「沼る」ブランド最新作。第1弾のコストパフォーマンスが高かったこともあり、楽しみにされていた方が多かったのかもしれませんけど、まさかのスピードに焦りました。というわけで、手元に「沼るコショウ」もありますが、先に「沼るタマネギ」から向き合います。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、豚脂を使用した「特製油」1パックのみで、縦型ビッグの容器には「マジ盛」と同じプラ+胴巻紙を採用していましたが、こちらの容器材質はPS樹脂(ポリスチレン)ではなくPP樹脂(ポリプロピレン)となっています。レギュラーサイズの第1弾「沼るニンニク」と「沼るニボシ」の容器もPP樹脂だったので、なにか理由があるのでしょう(ここでは追求しません)。
かやくはFD(フリーズドライ)製法のタマネギに、タマネギフレークとメンマの組み合わせで、味付豚肉などは入っていませんが、八王子ラーメンに必須のタマネギに “こだわり” が見られるのは嬉しい傾向。ちなみにフレークは小さい薄片という意味なので、四角いカットのタマネギがFD製法、細長いカットのタマネギがフレークです。そして、注目すべきはメーカー希望小売価格の設定が異常に安いこと。
「赤いきつね」「緑のたぬき」「麺づくり」「QTTA(クッタ)」など、同社を代表する即席カップめんブランドにおいて、レギュラーサイズの製品は他社の例に漏れず236円(税別)に設定されているのに対し、こちら「沼るタマネギ」のメーカー希望小売価格は160円(税別)と破格の値段。私は118円(税込127円)で購入しましたが、店舗によっては98円(税込105円)前後の商品に位置付けられているかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:沼るタマネギ 八王子風醤油ラーメン 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34) 内容量:67g(めん52g) 商品コード:4901990377119(JAN) |
発売日:2024年02月12日(月) 実食日:2024年02月14日(水) 発売地域:全国(量販店・一般小売店 他) 取得店舗:スーパー 小売価格:160円(税別) 購入価格:127円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:340ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白)、添付調味料(植物油、豚脂、食塩、しょうゆ、乳糖、チキンエキス、発酵調味料、たん白加水分解物、香辛料、粉末かつおぶし)、かやく(たまねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、かんすい、レシチン、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、香辛料抽出物、増粘剤(グァーガム)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は4分とのこと。レギュラーサイズの縦型カップにおける麺重量の平均は “60g” なので、それが事実上の標準となっているのに対し、こちらは “52g” と若干ながら少なめの値となっているのですが、前述のメーカー希望小売価格を思うと納得できる部分。
別添の「特製油」は後入れなので、それを引っ剥がしてから熱湯を注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと4分。時間になったら「特製油」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。熱湯を入れた途端にタマネギの香りが漂ってきたので、ワクワクしながら待っていたんですけど、そのワクワクを裏切らないタマネギの存在感たるや。
ちなみに製造所は酒悦の房総工場(千葉県長生郡)となっていますが、1983年(昭和58年)7月より東洋水産が資本参加している連結子会社の工場なので、単純に “マルちゃんの工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き八王子の臨場感とコスパ的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(67g)あたり |
カロリー:300kcal たん白質:5.7g 脂 質:13.3g 炭水化物:39.4g 食塩相当量:3.9g (めん・かやく:1.0g) (スープ:2.9g) ビタミンB1:0.30mg ビタミンB2:0.29mg カルシウム:121mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:300kcal(めん・かやく:253kcal)(スープ:47kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
値段相応の‥‥いや、取得価格によっては値段以上?
東洋水産はニュースリリースの商品特徴に “食べごたえのある太めの麺。” とだけ記載しているため、あいかわらずシンプルだなーと思いつつ、それはさておき今回のメーカー希望小売価格は160円(税別)という破格の値付け。ぶっちゃけ麺のクオリティには期待していなかったのですが、食べ始めは少し硬めの食感で、何度も噛み込める反発性の持ち主。
しばらくしてスープに馴染んでくると、徐々に粘りが増してくると同時に、なめからさもアップ。236円(税別)だったら量的に文句の一つや二つ書き殴るかもしれませんけど、オープン価格すれすれの値段設定にもかかわらず、悪い意味での安っぽさは目立ちません。むしろ品質的に見れば値段相応の‥‥いや、場合によっては値段以上に感じられる可能性も高く、揚げ油に由来する芳ばしさも嫌味ではない、なかなかの取り合わせ。
ちなみに昨年の「沼るニンニク」と「沼るニボシ」の麺重量は “55g” だったので、それと比較して3g(約5%)の減量となっているのですが、2023年6月1日出荷分より適用されている価格改定(東洋水産は即席カップめんの希望小売価格を10%~13%値上げ)を経た上で「沼る」は “5円しか値上がりしていない” ことを考慮すると、逆に大丈夫? みたいな気持ちになりました。
スープ
悪い意味での安っぽさは感じない
まずは「特製油」を入れる前の状態を確認してみたところ、やはり粉末の限界を感じる味ではございますが、安売り用のスープにありがちなピリピリとした刺激は控えめで、麺を戻している間に具材のタマネギやメンマの風味が滲みでてくることもあり、むしろ奥深いのでは? などと。
あっさりとした鶏の旨みを軸に、粉末しょうゆでエッジを効かせ、ほんのり鰹節の隠し味を忍ばせている、ほっと庶民に寄り添ってくれるようなテイストです。なんか落ち着きますよね、こういうの。
続けて「特製油」を加えた途端に豚脂の芳ばしさドーン!!! みたいなインパクトに期待していたのですが、オイルのバランスは植物油のほうが多めの比率で、動物油脂ならではの荒々しさは強くありません。しかし、タマネギから抽出したオイルを植物油にブレンドしているのか、豚脂で全体のコクが深まると同時に “具材のタマネギとは異なる芳ばしい甘味を感じた” ので、そこが印象に残りました。
かやく
ほんとに赤字じゃない? 大丈夫?
上記画像の向かって左手前がタマネギフレークで、AD(エアドライ)製法=熱風乾燥だからこその繊維質を残している、シャキシャキとした歯触りも然る事乍ら、特有の香味も強め。片や向かって右手前の四角いタマネギには、FD(フリーズドライ)製法=凍結乾燥を用いているため、タマネギフレークよりも比較的に優しい歯触りが伝わってくるのですが、クタッと柔らかいわけではありません。
こちらはこちらでシャリシャリと、心地よいリズムが印象的な食感で、きちんとタマネギの風味が伝わってくるところも魅力的。またADタマネギは容器の底に沈みがちなのに対し、FDタマネギは常に浮いている状態なので、食べ始めから食べ終わりまでにタマネギの個性が移り変わることから、そこも飽きない工夫に寄与していたポイント。さらにコリコリ食感のメンマも量が多く、160円(税別)の商品とは思えない内容でした。
総評
2024年2月14日現在、まだ東洋水産のホームページに「縦型ビッグ 沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン」と「縦型ビッグ 沼るニボシ 青森風煮干し醤油ラーメン」の製品情報が掲載されているので、それと並行なのか、それとも入れ替わりなのかは現段階まだ断言できませんけど、沼る待望の新フレーバー「八王子風醤油ラーメン」もコストパフォーマンスに優れた一杯。
2種のタマネギ+オイルの組み合わせも巧妙で、ご当地の魅力が手軽に楽しめる、そのコンセプトにも上手くハマッていました。東洋水産のニュースリリースに記載されている販売ルートは “量販店、一般小売店 他” となっているため、CVSの記載がない=コンビニでの取り扱いは視野に入れていないようですが、スーパーやドラッグストアなど、取り扱っている店舗は多いと思います。コスパ重視の方は、ぜひ【author・taka :a(大石敬之)】