どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年6月27日(月)新発売、エースコックのカップ麺「タテロング 飲み干す一杯 どこってり背脂豚骨醤油ラーメン」の実食レビューです。
背脂×砕き豚骨×豚コラーゲンの豚がさね!? いつもの「飲み干す一杯」よりも “さらにスープの上質感と本格感を追求した” どこってり縦型BIG登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
飲み干す一杯 どこってり背脂豚骨醤油ラーメン
飲み干す一杯(のみほすいっぱい)とは、最後の一滴まで飲み干したくなる、コク深いスープが特徴のカップ入り即席麺で、2003年(平成15年)の発売以来、エースコックがウェイトを置いているブランドの一つ。発売20周年を目前にした2022年6月現在の定番ラインナップは、標準サイズの「担担麺」「味噌バター味ラーメン」「鴨だし中華そば」を中心に、津々浦々の「ご当地シリーズ」も展開しています。
今回の新商品「タテロング 飲み干す一杯 どこってり背脂豚骨醤油ラーメン」は、いつものタテ型(レギュラーサイズ)よりもワンランク上の味わいを目指したタテロングの新作で、直近だと2022年3月14日発売の「贅沢担担麺」に続く第2弾。それ以前から “新式” という名称でタテロングにも力を入れていましたが、贅沢担担麺まで7年半以上も鳴りを潜めていたので、いよいよ本格的に再始動した様子。
タイトルに “どこってり” とあるように、ずいぶんとスープの濃度に気合いを詰め込んでいるようですが、エースコックの “こってり” といえば玉石混交のジャンル。なかでも「極どろ 特濃○○ラーメン」(現在は製造終了)が分かりやすい例で、粘度の高さとコラーゲンにばかりスポットを当てており、どろどろなのに骨の旨味が伴っていないケースが大半でした。
反対に「MEGA(メガ)」シリーズを代表する「MEGA豚(メガトン)どトンコツラーメン」は、豚レバー・豚エキス・豚脂などを絶妙なバランスで配合した “どトンコツの素” が強烈で、このブログでは歴代MEGA豚すべて高評価を記録。また大味の印象が強い「スーパーカップ1.5倍」にも「豚骨の神 超濃厚どトンコツラーメン」という素晴らしい商品があり、今でも強く印象に残っています。
残念ながら今回の「飲み干す一杯 どこってり背脂豚骨醤油ラーメン」に豚レバーは配合していないようですが、容器側面に「豚がさね」の訴求があるように、背脂・砕き豚骨・豚コラーゲンを重ねているのが最大の見どころ。スーパーカップ1.5倍が打ち出した「豚骨の神」にも “砕き豚骨” を使っていたので、これは久々にキたんじゃないかと。
さらにエースコックといえば、競合ひしめく即席カップめん業界で他社の追随を許さない “最強の背脂” を保有しているメーカーで、たとえば「飲み干す一杯」にも使われている「深うまいの素」などが該当します。もしも「豚骨の神」と同じ砕き豚骨エキスを使っていて、なおかつ例の背脂パックが別添されていたら‥‥と、期待値は鰻登り。
ちなみに直近の “豚骨醤油” といえば、エースコックの「飲み干す一杯 どこってり背脂豚骨醤油ラーメン」と同じ日に、東洋水産(マルちゃん)が本気盛改め「マジ盛 ど豚骨醤油」を発売しています。残念ながらスープに商品名ほどのインパクトは感じられなかったものの、本気盛とは違う “新がっつり太麺” が美味しくて、そこが印象に残る商品でした。
偶然か示し合わせか、同じ日に「ど」が付く「豚骨醤油」リリースしてきた東洋水産とエースコック。東洋水産の「マジ盛」についてはレビュー済みなので、感想や評価などの詳細が気になる方は、関連ページ「今届けたい、本気(マジ)の一杯。本気盛の進化系『マジ盛』第1弾は “がっつりうまい” ど豚骨醤油!!」をご覧ください。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「液体スープ」が1袋なんですけど、エースコックの縦型カップといえば “最初から容器の中に小袋が入っている” パターンが定番。粉末スープまみれの小袋を取り出す作業が一つの通過儀礼になっているため、フタの上に小袋が別添されているのは比較的に珍しいケースなのですが‥‥
エースコックが “わざわざフタの上に小袋を別添” してきた場合、もうひとつの小袋が容器の中で粉末スープまみれになっていることが大半で、今回も例に漏れず。どちらも名称は「液体スープ」で、フタの上に貼り付けてる小袋は赤、容器の中に入っている小袋は緑と色分けされています。サイズを比較してみると、赤よりも緑のほうが大きいですね。
ちなみに2022年6月30日現在(2022年6月1日出荷分から適用された価格改定後)の縦型ビッグにおけるメーカー希望小売価格は、245円(税別)が標準のラインになっているのに対し、今回は254円(税別)となっています。つまり、すこし平均よりも高めの価格設定なので、それも踏まえた上で評価しなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:タテロング 飲み干す一杯 どこってり背脂豚骨醤油ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:+K 東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:99g(めん70g) 商品コード:4901071247744(JAN) |
発売日:2022年06月27日(月) 実食日:2022年06月30日(木) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:235円(税込) 希望小売価格:254円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体スープ×2) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(ポークエキス、背脂加工品、食塩、しょうゆ加工品、豚脂、チキンエキス、鶏油、香辛料、砂糖、おからパウダー、魚介エキス、乳化油脂、粉末しょうゆ、しょうゆ、酵母エキス、全卵粉、でん粉、ポークコラーゲン、カツオブシパウダー、たん白加水分解物)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(増粘多糖類、加工でん粉)、炭酸Ca、カラメル色素、酒精、重曹、香料、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、甘味料(アドバンテーム)、微粒二酸化ケイ素、酸味料、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、そこそこ太めのサイズに見えますが、湯戻し時間は熱湯3分と標準的。かやくは鶏・豚味付肉そぼろ、メンマ、ネギとシンプルで、エースコックの肉そぼろといえばスカスカで残念なことも多く、調理前の見た目から察するに‥‥今回はハズレっぽいですね。
別添の小袋は2つとも後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で2つの「液体スープ」を温めながら待つこと3分。時間になったら「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。どちらを先に入れろ的なアドバイスは記載されていませんが、それ以前の粉末スープに “とろみ成分が含まれていたので、溶け残りがないように、容器の底から念入りに混ぜる” のが美味しく食べるためのコツ。
ちなみに緑の小袋は文字通り液体スープで、赤の小袋には粒状の背脂と豚脂(ラード)が入っていました。さて、あいかわらずタテロングでも具材は後回しになっているのですが、それも気にならないほどにスープの満足度が高いのか「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(99g)あたり |
カロリー:405kcal たん白質:10.5g 脂 質:15.8g 炭水化物:55.3g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:2.0g) (スープ:4.9g) ビタミンB1:0.39mg ビタミンB2:0.40mg カルシウム:340mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:405kcal(めん・かやく:310kcal)(スープ:95kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いいですよ
形状は平打ちの縮れ麺で、そこまで厚みがあるわけではないのですが、表面から中心部にかけてミチッ、と詰まった密度の高さが魅力。熱湯を注いで3分きっちり待った後、2つの液体スープを入れて、とろみが付くまで念入りに容器の底から‥‥などと調理している間に30〜40秒ほど経過するかと思いますが、ちょうど食べ頃。
スープに特化したコンセプトでありながら、麺についても有名店監修の縦型ビッグに見劣りしない品質で、ラーメンというよりも “つけめん” の延長線上にあるような、しっかりとした食べ応えが楽しめます。それなりに油揚げ麺特有の風味も並行しますけど、ネガティブに作用することはありません。
後述する “どこってり背脂豚骨醤油” スープとの相性にも問題はなく、いい意味で予想を裏切ってくれました。そして、予想を裏切ってくれた項目といえば、スープの味が “厳密にいうと背脂豚骨醤油ではなかった” こと——。
スープ
ごりごりの動物系かと思いきや “背脂豚骨魚介醤油” ですなコレは
まずは液体スープを入れずに味を確認してみたところ、不自然な粘度の高さを掻き分けて、勢いよく飛び込んできたのがカツオの風味。パッケージに “魚介” の文字はないけれど、この時点でのイニシアチブはカツオが握っていて、まさかの魚介感に驚いたファーストインプレッション。
「緑」の小袋(液体スープ)には、砕き豚骨エキスのほかに、液体しょうゆベースのタレが含まれているのですが、さらに魚介エキス(煮干し系)の旨味も重なるため、もはや商品名を「どこってり豚骨魚介醤油」にしても成立するようなフレームワーク。魚粉たっぷりの “またおま系” ほど振り切った味ではないにしろ、魚介系のスープが苦手な方は、ひとまず警戒しておくに越したことはありません。
まったりとした豚コラーゲンの口当たりに、砕き豚骨に由来する骨っぽさ‥‥は、けっこう控えめ。漠然とリッチに思わせようとしているテイストではあるものの、想像以上に魚介の存在感が強かったのは意外すぎる展開です。
「赤」の小袋も名称は液体スープとなっていますが、その実態は粒状の背脂と豚脂に食塩を加えたアイテムで、前述の “深うまいの素” と共通する内容。これによって豚脂に由来する芳ばしい風味が格段に強くなり、背脂の甘みがコクを深め、それを食塩のキレがキリッと引き締めてくれる、ちゃんと濃厚でありながらもバランスの取れたスープに着地。
ただ、最終的なバランスで見ても動物と魚介のバランスは6:4(動物:魚介)だったので、砕き豚骨に由来する骨っぽさと背脂の芳ばしさを全面に押し出した「どこってり背脂豚骨醤油」に期待している方は、事前に魚介の旨味も強いことを念頭に置いておく必要があります。
具材
とりあえず的な取り合わせ
小振りのメンマは風味、歯応えともに強く、スープとの相性も良好で、なるほど価値が見出せるアイテムなのですが、例によって例の如く “程良く味付けした肉そぼろ” テメェはダメだw 食感はスカスカだし、味付けも頼りないし、調理前に食べても調理後に食べてもイマイチと救いようがない肉そぼろなので、これなら大豆加工品(フェイクミート)のほうがマシ。
ネギも歯触りの強いエアドライなので、特別な存在ではありません。そもそもスープが主役のブランドなので、もとより具材は二の次でも問題ないといえば問題ないわけなんですけれども、それも踏まえた上での及第点‥‥いや、それに一歩足らず。
総評
密度の高い油揚げ麺は値段に伴った品質で、かやくは‥‥まぁ、ブランドのコンセプトを加味して大目に見られる項目だとしても、予想外だったのが魚介の存在感。たとえば商品名を「どこってり背脂魚介豚骨醤油」にしていた場合、それだと魚介(魚粉)のインパクトが頼りない気もしますけど、ひとまず魚介系の豚骨醤油が苦手な方にとっては厳しいレベル。
パッケージで謳っている砕き豚骨よりも魚介の幅が気になるとは如何なものか、でも単純に味でいえば美味しかった‥‥と、なかなかに評価するのが難しかったのですが、とりあえず純度100%の豚骨スープ+醤油ではなかったので、事前に魚介系のエッセンスが備わっていることを理解した上で試してください【author・taka :a(大石敬之)】