どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年10月10日(月)新発売、エースコックのカップ麺「にんにくまみれ。黒マー油豚骨醤油ラーメン」の実食レビューです。
エースコックのタテロング史上最大量のニンニクを投入!? 3種のニンニク具材にマー油の芳ばしさを重ねた「にんにくまみれ」のカップラーメン新登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
にんにくまみれ。黒マー油豚骨醤油ラーメン
今回の新商品「にんにくまみれ。黒マー油豚骨醤油ラーメン」は、文字通りニンニクを全面に押し出したカップラーメンで、製造者は大阪府吹田市に本社を置き「スーパーカップ1.5倍」や「スープはるさめ」などのヒット商品を展開しているエースコック。
生おろしニンニクは使っていないようですが、AD(エアードライ=熱風乾燥)のニンニクを筆頭に、フライドガーリック(揚げニンニク)とローストガーリック(炙り焼きニンニク)を組み合わせ、それらをエースコックの縦型BIGカップ史上における最大量搭載。さらにトドメのマー油(焦がしニンニク油)を別添するなど、かなり振り切った仕様の新作を世に送り出してきました。
あらためましてニンニクとは、ヒガンバナ科ネギ属の多年草で、学名を “Allium sativum” といい、世界各国で使われているメジャーな食材であり香辛料の一つ。名前の由来については諸説ありますが、強い匂いを皮肉ったニホヒニクム(匂悪・匂憎)の略語、あるいは六波羅蜜における第3の徳目・忍辱波羅蜜(侮辱や苦しみを耐え忍び、心を動かさないこと)が由来である‥‥というのが有力説。
また英名のガーリック(garlic)は、葉が槍(Gar)のように尖っている植物(Leak)を意味するアングロ・サクソン語(古英語)に因み、どちらもニンニク特有の強烈な風味と攻撃性を喚起しているかの如く、インパクトの強い名前の由来を持っているのですが、適量であれば料理にコクを与え、肉や魚の臭み消しや漢方の世界でも重宝されるなど、かなり用途の広い植物です。
ちなみにニンニクと似た形状でありながら、一般的なニンニクよりも4〜8倍の大きさに育つことから「ジャンボニンニク」あるいは「無臭ニンニク」などと呼ばれているニンニクは “ネギ科ネギ属の植物” なので、厳密にいうとリーキの仲間に属している、つまり厳密にはニンニクではないんですけど、ちょっとニンニクを掘り下げ過ぎですかねw
というわけで話を本題に戻しまして‥‥残念ながら日本ではコロナ禍収束の目処が立っていない現在、引き続きマスク着用やテレワークが日常となっている方も多いため、ニンニクの需要が高まっているイマだからこそ、今回の「にんにくまみれ。黒マー油豚骨醤油ラーメン」が生まれたといっても過言ではありません。
ニンニクのインパクトについてはもちろんのこと、エースコックのニュースリリースには「めん」について “しっかりとした噛みごたえのある角刃の太めん” との訴求があり「スープ」についても “ポークをベースにガーリックやジンジャー等の香味野菜の旨みを加えた” とあるため、麺とスープの仕上がりも問われるところ。
はたしてニンニクにステータスを全振りしているのか、それともニンニクを全面に打ち出しながら総合力の高い仕上がりなのか、お手並み拝見と参りましょう。
開封
エースコックの縦型カップに小袋が別添されていた場合、最初から容器の中に入っているパターンが定番で、また表面が粉末スープまみれに‥‥などと、ある種の精神的な洗礼を受けることになるのですが、今回の「にんにくまみれ。黒マー油豚骨醤油ラーメン」ではフタの上に小袋が別添されています。
しかし、そこはファンの期待を裏切らないエースコック。フタを開けたら「液体スープ」の小袋が粉末まみれになってるんでしょ? という恒例のオチを予想していたのですが、まさかの別添は1袋のみ。そ、そんなことがあっていいのだろうか‥‥ええ、別に問題ありません。なぜか普段よりも麺の位置が高いので、構造上の問題から小袋を中に入れることができなかったのか、たぶん気まぐれ(それはない)。
2022年10月現在、縦型ビッグのカップラーメンにおけるメーカー希望小売価格は245円(税別)が基準となっているところ、今回は254円(税別)ということで、平均的な値段よりも高めに設定されています。たかが9円と思われるかもしれませんが、即席カップめん業界は1銭(100分の1円)単位でコストを調整しなければいけないシビアな世界なので、9円の差は無視できません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:にんにくまみれ。黒マー油豚骨醤油ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:89g(めん70g) 商品コード:4901071247881(JAN) |
発売日:2022年10月10日(月) 実食日:2022年10月11日(火) 発売地域:全国 希望小売価格:254円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(食塩、ポークエキス、植物油脂、豚脂、糖類、おからパウダー、ポーク調味料、香味油、ガーリックパウダー、乳化油脂、ポークコラーゲン、オニオンパウダー、酵母エキス、胡椒、ジンジャーパウダー、粉末しょうゆ、たん白加水分解物、全卵粉)、かやく(にんにく)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、炭酸Ca、重曹、香料、カラメル色素、かんすい、香辛料抽出物、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、フラボノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、調理前から「スーパーカップ1.5倍」の流れを汲んでいるような佇まい。湯戻し時間も熱湯5分と長く、実際に太めのサイズから、力強い食べ応えに期待できそうです。ちなみにエースコックの油揚げ麺といえば特有のニオイを伴うため、それが人を選ぶ要因になることも多いのですが、それ以上に強いのがニンニクの香り。
別添の小袋は後入れなので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「調味油」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら「調味油」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。パッケージのイメージ画像に匹敵するほどの山にはなりませんでしたが、縦型ビッグに使われるニンニク具材としては規格外の使用量で、なかなかのインパクト。
おかげでニンニクの存在感については申し分ないのですが、それに感けてスープがイマイチだと本末転倒なので、引き続き総合力の高さにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(89g)あたり |
カロリー:377kcal たん白質:8.3g 脂 質:12.1g 炭水化物:58.7g 食塩相当量:5.3g (めん・かやく:1.4g) (スープ:3.9g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:346mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:377kcal(めん・かやく:305kcal)(スープ:72kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
厚切太麺のノウハウを感じる
エースコックのニュースリリースに記載されていた “しっかりとした噛みごたえのある角刃の太めん” という表現ど真ん中の質感で、表面には適度な反発性を備えつつ、噛むと中心部にかけて密度の高い噛み応えが印象的。それでいて強く噛み込むと内側からブチンッ、弾けるような歯切れのよさが心地よく、後述するニンニク具材のインパクトにも負けていません。
実食前に脳裏を掠めたのは「スーパーカップ1.5倍」の存在だったのですが、どちらかというと「厚切太麺(あつぎりふとめん)」の流れを汲んでいるような質感で、がっしりとした噛み応えが長く楽しめます。それでいて強めの縮れと適度な味付けが功を奏し、麺の存在感だけが独り歩きする嫌いもなく、適切な取り合わせだと感じました。
実食中はエースコック特有の油揚げ麺臭も並行するのですが、それ以上にニンニク具材の消臭効果とマー油の芳ばしさが強いので、極端に苦手でなければマイナスに作用することはありません。むしろ油揚げ麺ならではの風味はニンニクと相性がよく、全体のジャンクさを底上げしてくれるような、マイナスよりもプラスのほうが大きかったです。
スープ
にんにく感の底上げを重視した骨組み
粉末スープの構成は複雑で、豚骨を表現する原材料に特有のクセは備わっていませんが、生姜をはじめとする香味野菜を強めに効かせていたり、おからパウダーでザラついた口当たりを演出していたり、エースコックらしい個性が伝わってくるフレームワーク。
具材のニンニクから滲み出てくる風味も大きく影響していますが、粉末スープにもガーリックパウダーを使っているため、土台からニンニクの相乗効果を図っているのもポイント。生おろしニンニク特有のキレこそ打ち出せていませんが、この時点で人に会う前の実食は避けたいほど、しっかりニンニクでジャンクな味わいです。
続けて加える「調味油」の中身はマー油(焦がしニンニク油)で、見た目のわりに焦がしのホロ苦さは控えめだったのですが、豚脂のコクがスープに行き渡り、粉末だけでは出せないコクを表現。また面白かったのがニンニクのベクトルで、具材の刻みニンニク(AD)やフライドガーリック、ローストガーリックとも違う “生おろしニンニクに近いキレ” を備えていたのが印象的。
専門店のスープとは真逆に位置するような、漠然と身体に悪そうなタイプではあるものの、それもカップラーメンならではの魅力。とにもかくにもニンニクを活かす姿勢は評価すべきポイントで、ニンニク具材のインパクトと麺の仕上がりを加味すれば、充分な内容だと思います。
具材
エースコックの縦型ビッグ史上最大量は伊達じゃない
原材料名でも「かやく(にんにく)」となっているように、ネギすらも外野に押しやった構成で、潔いほどニンニクに振り切っているのですが、ただ量が多いだけでなく、個性が異なる3種のニンニクを使っているところが見どころ。熱風乾燥の刻みニンニクはシャキッとした歯触りで、比較的に風味もフレッシュ。
対してフライドガーリックはホロ苦いテイストで、マー油の個性を加速させることに寄与。それとは異なるローストガーリックはホクホクした食感が印象深く、それぞれ違うアプローチに特別感を覚えました。しかし、いずれも “容器の底に沈みがちなので、定期的混ぜながら食べる” のがポイント。逆に麺を食べ終えた後、白ごはんドボン派の方におかれましては、あえて底に沈めておくのもアリですね。
総評
スープ単体で見た場合、もうちょっとマー油のホロ苦さが強かったら‥‥という不満が無きにしも非ずではあるものの、それについては具材のフライドガーリックがサポートしてくれていたことに加え、ADの刻みニンニクとローストガーリックの掛け合いも面白く、なるほど「にんにくまみれ」という商品名が持つインパクトに負けない良品でした。
2022年10月現在の縦型ビッグにおける相場よりも希望小売価格が高く、生おろしニンニク特有の攻撃性には期待できない商品になりますが、エースコックのタテロング史上最大量のニンニク具材は伊達じゃありません。コンビニだと発売日から2週間前後、長くても年内には見かけなくなると思うので、気になっている方は早めに確保しておいてください【author・taka :a(大石敬之)】