どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年3月8日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「元祖ニュータンタンメン本舗監修 スタミナタンタンメン メチャ辛」の実食・比較レビューです。
お店で最強の辛さレベルを再現!? 横浜・川崎のソウルフード “川崎溶き卵系” の源流「ニュータンタンメン」から激辛仕様のカップラーメンが初登場!!
辛い? 辛くない? 既存の「通常版」と「メチャ辛」を実際に食べ比べみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
元祖ニュータンタンメン メチャ辛
元祖ニュータンタンメン本舗(がんそニュータンタンメンほんぽ)とは、神奈川県川崎市を中心に30を超える店舗を展開している中華系チェーンストアで、1964年(昭和39年)に先代・五十嵐源吉(いがらし げんきち)氏が創業。元祖ニュータンタンメン本舗に「イソゲン(五十源)」という別の呼称があるのは、創業者の名前にちなんだもの。
「元祖ニュータンタンメン本舗」は、もともと “町の中華料理店” としてオープンし、創業者が中国・四川省に古来から伝わる「担々麺」に着目。それをベースに「スタミナがつく料理を」と独自にアレンジしたのが「ニュータンタンメン」で、1967年(昭和42年)に商品化。以降は「ニュータンタンメン」を看板に、中華料理や焼肉を提供するハイブリッド型のレストランとして、地元民から根強く愛されています。
今回のカップ麺「元祖ニュータンタンメン本舗監修 スタミナタンタンメン メチャ辛」は、サッポロ一番で知られるサンヨー食品株式会社と元祖ニュータンタンメン本舗(株式会社みなもと)の共同開発商品で、お店の看板商品「ニュータンタンメン」を縦型ビッグのカップラーメンで再現。これで両社のタイアップは3度目になるのですが、今限定の辛さレベル「メチャ辛」の再現はシリーズ初の試み。
「元祖ニュータンタンメン本舗」のカップ麺が初めて発売されたのは、現在から遡ること1年以上前の2019年11月18日。初代・カップ麺の商品名は「元祖ニュータンタンメン本舗監修 タンタンメン」で、製品スタイルはコンビニ向けの縦型ビッグ。これも実店舗の「ニュータンタンメン」を再現していたのですが、如何せん麺の再現度が皆無に等しく、このブログでは評価が伸び悩みました。
けれどもTwitterなどのSNSや動画投稿サイトなど、インターネット上では注目度が高く、2020年9月14日に “帰ってきた” と題して二代目「元祖ニュータンタンメン本舗監修 タンタンメン」を新発売。それも数量・期間限定のスポット商品に終わるかと思いきや、2021年1月にシレッとパッケージを変更し、そのままサンヨー食品の通年ラインナップに食い込んだニュータンタンメン。
2021年1月のリニューアルはパッケージのみ変更のマイナーチェンジ、つまり内容としては変わっていないため、2021年3月現在も販売されている「元祖ニュータンタンメン本舗監修 タンタンメン」の中身は二代目のまま。しかし、このページでレビューする新作は、実店舗の表メニューで最大の辛さレベル「メチャ辛」を再現した激辛商品ということで、どれほど辛いのか、それに加えて通常版との違いも気になるところ——。
ちなみにカップ麺のパッケージにも表示されている「元祖ニュータンタンメン本舗」の辛さレベルは、辛味の弱い順に「ひかえめ(レベル1)」「普通(レベル2)」「中辛(レベル3)」「大辛(レベル4)」「メチャ辛(レベル5)」の5段階。実店舗のメチャ辛は “見た目ほど凶悪じゃない” といった評判・口コミが多く、さらに辛い「メチャ辛以上」という裏メニューも存在するのですが、今回その裏メニューほどではない様子。
しかし、容器の側面にある辛さレベル表の横には “辛味成分が強いので、小さなお子様や辛味の苦手な方の飲食には十分にご注意ください” と、激辛カップ麺で定番のコーション(警告文)を記載。というわけで、新作の辛さレベルもさることながら、通常商品との違いにも注目しながらレビューします。
開封
さて、開封前から一見して明白に違うのは小袋の有無。通常の「元祖ニュータンタンメン本舗監修 タンタンメン」(以下「通常版」)には小袋が別添されていないのに対し、新作の「メチャ辛」には “仕上げの小袋” を別添。さらに通常版の容器はPP(ポリプロピレン)樹脂となっているのですが、メチャ辛の容器はPS(ポリスチレン)樹脂に胴巻き紙と仕様が異なります。
どちらも具材のラインナップは共通で、味付卵・唐辛子・味付鶏肉そぼろとなっているのですが、粉末スープの色は微妙に「メチャ辛」のほうが濃いめ。さらに必要なお湯の目安量にも違いがあり、通常版のフタ上には430mlと書いてあるのですが、メチャ辛は420mlと少なく、ここにも容器の違いや小袋の有無に合わせての調整が見られました。
2021年3月現在、サンヨー食品が設定しているメーカー希望小売価格は通常版・メチャ辛ともに220円(税別)となっているため、コンビニで購入した場合の税込価格は232円が相場。すでに通常版を取り扱っているコンビニは少なくなりましたが、新作の「メチャ辛」は「ローソン」「セブンイレブン」「ミニストップ」での取り扱いを確認したので、販売店の参考にしてください。
製品詳細情報・購入価格等(メチャ辛)
製品名:元祖ニュータンタンメン本舗監修 タンタンメン メチャ辛 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:W・太平食品工業株式会社 関西工場 内容量:93g(めん70g) 商品コード:4901734042075(JAN) |
発売日:2021年03月08日(月) 実食日:2021年03月09日(火) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:MEGAドン・キホーテ 商品購入価格:172円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PS)+胴巻き紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、粉末卵)、スープ(糖類、食塩、香辛料、ポークエキス、しょうゆ、チキンエキス、酵母エキス、にんにく調味料、粉末ごま油、デキストリン、発酵調味料、植物油脂)、かやく(味付卵、唐辛子、味付鶏肉そぼろ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、トレハロース、カラメル色素、香辛料抽出物、微粒二酸化ケイ素、かんすい、乳化剤、香料、酸味料、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、パプリカ色素、カロチン色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
栄養成分表示:カロリー 400kcal(めん・かやく 330kcal / スープ 70kcal)、たんぱく質 8.4g、脂質 14.3g、炭水化物 59.4g、食塩相当量 7.0g(めん・かやく 2.3g / スープ 4.7g)、ビタミンB1 0.34mg、ビタミンB2 0.48mg、カルシウム 284mg【通常版】 |
さて、まずは「通常版」の調理直後。ほとんど見た目は初代と変わっていませんが、2020年9月に実施されたリニューアルで “麺の食感を改良” したらしく、さらに “具材を増量することで店の味に近付けた” と当時の紹介文(サンヨー食品の公式ウェブサイト)には記載されていました。しかし、麺に関して劇的な改良は見られなかった二代目——。
栄養成分表示:カロリー 400kcal(めん・かやく 333kcal / スープ 67kcal)、たんぱく質 8.4g、脂質 14.7g、炭水化物 58.6g、食塩相当量 7.0g(めん・かやく 2.4g / スープ 4.6g)、ビタミンB1 0.34mg、ビタミンB2 0.59mg、カルシウム 216mg【メチャ辛】 |
で、こちらが「メチャ辛」の調理直後。カロリー、たんぱく質の値は完全に同じですが、よく見ると調理直後に分別して分析した値(めん・かやく、スープ)のカロリーは違い、なおかつカルシウムの値だけが歴然と違うなど、そこが地味に興味深い変化。とりあえず「仕上げの小袋」は粗挽きの赤唐辛子100%だったので、これを減らせば辛さの調節は可能です。
ちなみに製造所は通常版=太平食品工業株式会社:本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)、メチャ辛=太平食品工業株式会社:関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっているのですが、太平食品工業はサンヨー食品が1963年(昭和38年)1月に設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。
それでは、引き続き通常版・メチャ辛の違いに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、最後の総評は「メチャ辛」の感想に基づきます。 |
めん
たぶん同じ油揚げ麺だけど‥‥
通常版:油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、粉末卵) |
通常版(二代目)に使われている油揚げ麺は、なるほど初代の細麺よりも幅と厚みがあり、スナック的な軽さも幾分かマシになっています。しかし、本格的かスナック的かで分類するなら後者。たしかに食べ始めの弾力は従来よりも強く、もちもちとした粘りも多少は意識されていますが、あくまでもカップラーメンのベクトルを逸脱しない仕上がり。
メチャ辛:油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、粉末卵) |
おそらく「メチャ辛」に使っている麺も通常版と共通の油揚げ麺で、原材料名も完全に一致するのですが、PS容器+胴巻き紙のほうがPP容器よりも保温性に優れている、つまり「メチャ辛」のほうが(きもち)柔らかめに仕上がるような‥‥などと書けばネガティブに見えますが、実際にスープとの一体感が高かったのは「メチャ辛」で、その違いがマイナスに働くことはありません。
とはいえ実店舗の「ニュータンタンメン」に使われている自家製麺は、もちもちとした加水率の高いストレート状の多加水麺なので、タイプとしては完全に別物。初代と比較して改良は見られましたが、実際の自家製麺とは違う‥‥と、完全に割り切って食べる必要があるでしょう。
スープ
土台の方向性は同じ
通常版:スープ(糖類、食塩、香辛料、ポークエキス、しょうゆ、チキンエキス、粉末ごま油、酵母エキス、豚脂) |
お店の「ニュータンタンメン」には牛骨を使用しているのに対し、通常版のスープはニンニクの風味と唐辛子の辛味を効かせた “豚ガラ塩味” なので、再現性を重視すると難ありのフレームワーク。けれどもアッサリとした豚骨ベースの清湯(ちんたん)に、がっつりとニンニクのパンチを効かせた風味は中毒性が高く、これはこれと割り切れるのであれば、けっして悪いスープではありません。
ただ、実際のスープはトロミが強いのに対し、通常版のスープはトロミが弱く、これについてはイマイチと評価せざるをえないポイント。ちなみに通常版の辛さレベルは一般的に見てもピリ辛の範疇なので、よほど辛い食べ物が苦手でなければ大丈夫(それよりもニンニクの風味が強いため、そっちに注意)。
メチャ辛:スープ(糖類、食塩、香辛料、ポークエキス、しょうゆ、チキンエキス、酵母エキス、にんにく調味料、粉末ごま油、デキストリン、発酵調味料、植物油脂) |
一方の「メチャ辛」も途中まで使用している原料は共通で、なおかつ原材料名の並びも同じなのですが、豚脂(ラード)を抜いて「にんにく調味料」や「デキストリン」「発酵調味料」「植物油脂」を新たに追加しているのがポイント。なるほど通常版と比較してニンニクの風味に奥行きがあり、なおかつ粉末スープだけの状態で中辛くらいの辛さ。
トロミの強さは(デキストリンが入っているのに)通常版と変わらないため、そこが残念なところではあるものの、通常版よりも味の重心が低いイメージ。さらに「仕上げの小袋」を加えると‥‥
具材
最初から入っている具材は共通だけど
通常版:かやく(味付卵、唐辛子、味付鶏肉そぼろ) |
通常版に使われている味付卵(かきたま)は、しっかり混ぜても原型を残し、ふんわりとした優しい口当たりがスープのニンニクや唐辛子と対比を描く、これに関しては無条件に嬉しい具材。なるほど初代よりも卵の量は増えているのですが、実店舗の挽肉は豚肉なのに “カップ麺では味付鶏肉そぼろ” というのは初代から変わっていません。ただ、これはこれでスパイシーな味付けが好印象。
メチャ辛:かやく(味付卵、唐辛子、味付鶏肉そぼろ) |
「メチャ辛」に使われれている主要具材も同じなので、そこに大きな違いはないけれど、こちらに別添されている「仕上げの小袋」には思いのほか大きめの粗挽き唐辛子が多めに入っており、全体の辛さも大幅にアップ。口に含んだ瞬間もう痛くて食べられない! みたいに常識はずれの辛さではないのですが、けっこう瞬発力のある刺激。
それでいてスッと引き際のいい爽やかな辛味だったので、じりじり舌に残る陰湿なタイプではありません。たとえばペヤング(まるか食品)の「獄激辛やきそば」ほど強烈な辛味ではないものの、なかなか硬派に辛口だったので、辛い食べ物が得意な方には辛口、苦手な方には大辛〜激辛に片足を突っ込む程度の辛さには達していると思います。
総評
味だけで評価すると星5でも差し支えないのですが、明らかに実店舗の自家製麺と似ても似つかぬ油揚げ麺やトロミの弱さなど、割り切らなければいけないポイントが多いので、再現度の高さはイマイチといわざるを得ません。また辛味の強さも “大辛” 程度の刺激から、もうすこし頑張ってほしいところはあるものの、スープの中毒性は高く、結果的に「おいしい」か「まずい」かでいえば前者。
ちなみに実店舗では “メチャ辛以上” の裏メニューも注文できると前述したように、次回作ではメチャ辛以上の辛さレベルを再現したガチの激辛カップ麺を開発。もしくはノンフライ麺に定評のあるサンヨー食品なので、それを使用した本格志向の大判どんぶり型にも期待しています(author・taka :a)