どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年7月11日(月)新発売、エースコックのカップ麺「熱烈スパルタン 刻みニンニク入り 濃辛 太そば」の実食レビューです。
これぞ和蕎麦の新定番!? 熱烈スパルタン第1弾は「噛みごたえ抜群の太そば×ラー油と唐辛子の辛さ」が特徴の濃辛そばを展開!! そして、時系列で分かった “熱烈スパルタンの正体” とは‥‥。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
熱烈スパルタン 刻みニンニク入り 濃辛 太そば
熱烈スパルタン(ねつれつすぱるたん)とは、大阪府吹田市に本社を置くエースコックの新ブランドで、辛口かつ濃厚な味わいの “パワフルな和風カップめん” がテーマ。数えきれないほどの自社ブランドを積極的に展開しては第1弾限りの一発屋に終わることも多いエースコックなのでw 漠然と続編が危ぶまれるところもありますけど、昨今の世論的に需要が高い切り口です。
今回の新商品「熱烈スパルタン 刻みニンニク入り 濃辛(こいから)太そば」は、夏にこそ食べたい刺激的な辛口そばをコンセプトにした和風カップ麺で、熱烈スパルタンの記念すべき第1弾。噛みごたえ抜群の太蕎麦に、ラー油と唐辛子の辛味を効かせた辛口濃厚つゆ、さらに新開発の刻みニンニクを搭載しているのが特徴で、エースコックの担当曰く “これぞ和蕎麦の新定番” とのこと。
熱烈(ねつれつ)とは、感情が昂ったり、物事に熱中したり、興奮した際に激しい言動や態度をとること、またはその様を表す言葉で、冷静(れいせい)の対義語。たとえば「熱烈な恋」とか「熱烈なファン」「熱烈な歓迎」など、激しい感情や衝動が抑えられない人の様子を指し、その状態や使い方について比較的に想像しやすい単語かと思います。
片やスパルタン(spartan)とは、古代ギリシア時代に栄えた都市国家(ポリス)の中でも “ギリシア最強と謳われたスパルタの民” を指し、幼少期から想像を絶するほどの厳しい訓練や教育を受けていたことから、転じて厳格な教育法を「スパルタ教育」と表現するようになったほど。つまり、エースコックの「熱烈スパルタン」は、それほどまでに衝撃的なシリーズであることを意味する羅列。
スパルタ式を思わせるほどに利かせたニンニク感と刺激的な辛さで体が熱くなる!?「刻みニンニク」の力強い風味と唐辛子を利かせたつゆに食べ応えのあるぶっとい太そばが絡む、なんとも雄々しい和風カップめんです。
「熱烈スパルタン 刻みニンニク入り 濃辛 太そば」とは
東京都港区・虎ノ門にあった名店「そば処 港屋(みなとや / MINATOYA)」が金字塔を打ち立てた、いわゆるラー油入り蕎麦の進化系で、即席カップめん業界にも新たな和蕎麦のジャンルとして定着しましたが、容器の側面でも “スパルタ式” について触れているように、ここまで刻みニンニクの存在感と唐辛子の辛さを訴求した和風カップ麺は稀。
しかし、ぶっとい太麺を特徴とするエースコックのラー油入り蕎麦といえば、タテロングの「厚切太麺(あつぎりふとめん)」が代表的で、過去に2度「タテロング 厚切太麺 濃いつゆラー油肉そば」(2019年5月6日発売品、2020年5月11日発売品)を出していた経緯があり、そういえば2021年5月10日に「ソバヂカラ 濃いつゆラー油肉そば」をリリースしていたのは、記憶に新しいところ——。
2022年5月のニンニク枠には「じわとろ ガリバタチキン味醤油ラーメン」が当てられたので、約2ヶ月のズレが生じているのですが、時系列的に「熱烈スパルタン」は「ソバヂカラ」の後釜であり “ソバヂカラは第1弾限りの一発屋” に終わってしまった様子。ただ、いずれにせよニンニクの強さは歴代最強のスパルタンクラスになりそうなので、その効き目と「濃辛」にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されているフタ上の「特製ペースト」を触ってみると、中に粒状の原材料が確認できるため、おそらくコレがスパルタ式を思わせる刻みニンニク。粉末状のガーリックパウダーや流動状のガーリックペーストは頻繁に使っているエースコックですが、わざわざニュースリリースに “新開発の「刻みニンニク」パックを-・” と記載しているため、その仕上がりが気になるところ。
そして、エースコックの縦型ビッグといえば、容器の中に最初から入っている小袋の存在を忘れてはいけません。こちらの名称は「液体スープ」となっており、おそらく濃口しょうゆベースのタレとラー油が主成分。パッケージではスパルタ式の指標に “辛さ” も含まれていたので、はたして激辛クラスに到達しているのかどうか——。
ちなみにメーカー希望小売価格は245円(税別)なので、2022年7月現在の縦型ビッグ(大盛り)製品における標準的な値段。コンビニで購入した場合の税込価格は264.60円が相場になりますが、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外のルートも販売店に含まれます。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:熱烈スパルタン 刻みニンニク入り 濃辛 太そば 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:92g(めん70g) 商品コード:4901071247751(JAN) |
発売日:2022年07月11日(月) 実食日:2022年07月13日(水) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ミニストップ) 商品購入価格:264円(税込) 希望小売価格:245円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(特製ペースト・液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、ヤマイモパウダー)、スープ(食塩、ガーリックペースト、糖類、植物油脂、にんにく加工品、しょうゆ、でん粉、チキンエキス、たん白加水分解物、粉末しょうゆ、魚介パウダー、発酵調味料、カツオ調味料、カツオブシエキス、コンブエキス、唐辛子、ポーク調味料)、かやく(大豆加工品、にんにく加工品、ねぎ、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、ソルビット、炭酸Ca、カラメル色素、リン酸Na、香料、酒精、酸味料、香辛料抽出物、セルロース、酸化防止剤(ビタミンE)、増粘多糖類、カロチノイド色素、甘味料(スクラロース)、微粒二酸化ケイ素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・そば・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・やまいもを含む) |
実食開始
麺は油で揚げた太めの蕎麦で、湯戻し時間は熱湯5分。かやくは “大豆加工品、にんにく加工品、ねぎ、唐辛子” となっているため、大豆加工品=本物の挽肉を使用しているわけではないのですが、それに近い色のフライドガーリック? ローストガーリック? も入り、この時点で香りにニンニクの存在を感じるファーストインプレッション。
別添の小袋は2つとも後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で2つの小袋を温めながら‥‥いや、今回は温めなくてもいいのかな?(※容器の調理方法や小袋に指示はない)。ひとまず特製ペーストの中身は刻みニンニク、液体スープの中身はカエシ+ラー油が主成分といったところで、かなりニンニク臭が強い調理直後。
ちなみに “特製ペーストを絞り出すのに苦労した” ので、余すことなく中身を出すには箸を突っ込んで掻き出すなど、すこし工夫が必要かもしれません。それでは、引き続き味覚に対するニンニクの刺激と唐辛子の辛さレベルにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(92g)あたり |
カロリー:368kcal たん白質:10.9g 脂 質:11.5g 炭水化物:55.3g 食塩相当量:6.0g (めん・かやく:1.6g) (スープ:4.4g) ビタミンB1:0.37mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:165mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:368kcal(めん・かやく:314kcal)(スープ:54kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
カテゴライズするなら二郎インスパイア風の蕎麦
原材料名の食塩とヤマイモパウダーの間に “砂糖” を挟めば「ソバヂカラ」に使われていた油揚げ麺と同じ並びになるのですが、そもそもの形状から別物で、例えるなら更科(さらしな)とは真逆に位置するタイプ。ランダムな縮れと太めのサイズが放つ躍動感たるや、啜り心地もインスパイア店の極太麺よろしく壮大で、後述の辛口濃厚つゆにも負けません。
小麦粉に由来する特有の弾力を伴うため、純粋な蕎麦からは遠いものの、加水率は低く、そば粉の香りは強め。もしも「ラーメン二郎」に触発されたインスパイア店が和蕎麦に手を出したら‥‥と、そのようなストーリーを連想させる質感に、なるほど時代を注意深く見つめているなと感心したほど。
かなり単体としての存在感が強く、エースコック特有の油揚げめん臭も備わっているのですが、それについては後述する刻みニンニクが相殺してくれるため、ほとんどネガティブに作用することはありません。むしろ特有のニオイさえも辛口濃厚つゆに合っていると感じたので、今後の活躍に期待したくなりました。
スープ
にんにくスパルタンで思いのほか辛い
まずは「液体スープ」と「特製ペースト」を加えずに味を確認してみたところ、出汁(だし)は鰹節を中心に、昆布で旨味を調えている、いかにも優等生な作り。この時点での辛さは少しピリッとする程度なので、特筆すべきレベルにあらず、むしろ甘味料の存在を手前に感じるほど。
しかし、そこに「液体スープ」を加えた途端‥‥想像していたよりも辛かった件w たとえば激辛カップめん界において「ペヤング 獄激辛やきそばFinal(ファイナル)」の辛さをスパルタの基準にするならば、今回の「熱烈スパルタン」における辛味のハードルは比較的に低いものの、辛さレベルは現在の基準で判断しても “大辛” に到達する域で、10年ほど前なら充分に激辛といえるレベル。
その源泉は表面に浮かぶラー油なので、それが減ってくる後半は辛味も弱まってくるのですが、うっかり喉にラー油が張り付くと‥‥むせます( ← むせた人)。ほかに液体しょうゆベースのタレと魚介の旨み、さらに隠し味としてポーク調味料も入っているため、つゆの味が深くなるのですが、忘れちゃいけない「特製ペースト」も強烈で——
中身は刻みニンニク+おろしニンニクに食塩を加えたような代物。ええ、問答無用でクサいですw それ以上でもそれ以下でもないアイテムなので、なんというか刻みニンニクですとしか表現できないのですが、少量でも威力は凄まじく、喫食の際は部屋のニオイにまで気を配らなければいけないほどのスパルタ具合でした(※刻みニンニクは容器の底に沈みがちなので、定期的に混ぜながら食べてください)。
具材
麺とスープを思えば及第点
かやくは全種細切れで、大豆加工品はフェイクミート特有のグニッ、とした弾力を伴いますが、エースコックといえばスポンジみたいな食感の “程良く味付けした肉そぼろ” より断然マシ。チップ状のニンニクは特製ペースト(刻みニンニク)にはない芳ばしさを備え、シャキッとしたネギの歯触りに、赤唐辛子の風味もアクセントに嬉しい存在でした。
お世辞にも具沢山とはいえないけれど、食べ応えのある太蕎麦とラー油の辛さ、そして刻みニンニクが放つインパクトを思えば充分かもしれません。
総評
熱烈スパルタンの指標となっている「刻みニンニク」は容器の底に沈みがちですが、それが飛び込んできた際の生ニンニクに由来する破壊力は凄まじく、それに加えてペースト状のニンニクがスープ全体に行き渡るため、終始しっかりニンニク。そして躍動感のある太蕎麦も然る事乍ら、けっこうラー油も辛かったので、きちんとテーマは体現できているように感じました。
かくして2022年7月に始動した「熱烈スパルタン」ではあるものの、来年には「ソバヂカラ」と同じ末路を辿るのか、それとも「厚切太麺」から正当な進化を遂げたブランドとして存続するのか、少なくとも和風カップ麺が伸長を見せる秋・冬、あるいは2022年5月〜7月までに第2弾が出るかどうかで「熱烈スパルタン」の命運が決まるので、引き続き注目しておきます【author・taka :a(大石敬之)】