背脂チャッチャ系の究極型!? 千葉・津田沼「なりたけ」の味をカップラーメンで再現!
どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年3月19日(火)新発売のファミリーマート限定カップ麺、エースコック「なりたけ監修 みそらーめん」の実食レビューです。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
なりたけ監修 みそらーめん 2019
「こってりらーめん なりたけ」とは、千葉・津田沼(千葉県船橋市前原西2-11-7)に本店を構える背脂こってりスープが有名なラーメン店で、国内の直営店は津田沼店(本店)、本八幡店(千葉県市川市八幡)、幕張店(千葉県千葉市花見川区武石町)、錦糸町店(東京都墨田区錦糸)、池袋店(東京都豊島区南池袋)の5店舗。
名古屋・栄にあった支店は閉業してしまったようですが、カップ麺のパッケージで「パリにも展開」とアピールされているように、パリ1区・ルーブル美術館とオペラ座の真ん中らへん(31 Rue des Petits Champs, 75001 Paris, France.)にも支店「Kotteri Ramen Naritake」があって、連日かなりの行列を作っているのだとか‥‥
とどまるところを知らない海外のラーメン人気ですが、実はラーメンの激戦区と言われているパリ。「ひぐま」「一風堂」「どさん子」なども軒を連ねる中、舌の肥えたフランス人を相手に極寒の1月でも外待ち1時間半〜2時間もザラという盛況ぶりだそうで、 “どうしてこうなった‥?” という “海外支店あるある”(悪い意味でのギャップ)もなく、正真正銘の「ラーメン」が味わえるとの評判です(※ちなみに店内には日本語が通じるスタッフもいるとのこと)。
ただし、1日の平均食事時間は135分、休日のランチともなれば2~3時間かけることも珍しくないフランスなので、日本のラーメン店と比較して約3倍ほど回転率が悪いらしく、しっかり防寒対策しておかないと真冬は行列に並んでいる間に生存が危ぶまれるような、行列待ちで凍え死ぬ危険性を伴うエキサイティングなラーメン文化が築き上げられているそうです。そんなラーメンを作っているお店もスゴいけど、並ぶフランス人もスゴいですよね。
「なりたけ」の本店がある船橋といえば「船橋ソースラーメン」が真っ先に思い浮かんだりするのですが、屋号に「こってりらーめん」とあるように、背脂を大量に浮かべた “背脂チャッチャ系” の有名ラーメン店。背脂の量は「サッパリ(控えめ)」「普通(多め)」「ギタギタ(特に多め)」の3つから選べるようですが、一般人には知らされていない第4の背脂「超ギタ」という裏メニューもあるそうです。もはや名前が怖い。
お店のメニューは人気急上昇中の「特製みそつけめん」(池袋店を除く)や幕張店限定の「魚だしラーメン」などもあるそうですが、基本のメニューは「しょうゆラーメン」と「みそラーメン」。これまでにもファミリーマート限定・エースコック製造の再現カップラーメンが何度かリリースされていたのですが、前回(2018年3月27日発売)、前々回(2017年4月25日発売)のコラボ商品は「しょうゆラーメン」の再現でした。
最後に「なりたけ」の「みそラーメン」がカップ麺で再現されたのは、おそらく2016年1月26日(火)発売品なので、およそ3年ぶりの復活になります。エースコックは良質な背脂を持っていることでも有名なメーカーなんですけど、まさに “背脂×濃厚味噌” は打って付けのテーマですね。
開封
別添の小袋は、先入れの「粉末スープ」と「かやく」、後入れの「液体スープ×2袋」で合計4袋。これまでの流れから、おそらく液体スープは水色の小袋に味噌を中心としたスープ成分が入っていて、白い小袋にも液体スープと書いてありますが、ほぼ中身は100%豚の背脂が入っているものと思われます(けっこう重たいですし冷えると固まります)。
麺は油で揚げていないノンフライ麺で、みそラーメンにピッタリな黄色味の強いビジュアル。形状は平打ちで縮れは弱く、雰囲気的にエースコックが得意とする多加水麺タイプのノンフライ麺に思えます。ファミリーマート通常価格(希望小売価格)は税別258円、ファミリーマート限定のカップ麺なので、税込価格は278円での販売が基本。カップ麺としては高めの値段設定なので、価格と仕上がりの釣り合いも評価対象に入れなければいけません。
ところでカップ麺の原材料名は「めん」「スープ(またはソースや添付調味料)」「かやく」「食品添加物」の順に記載されるのが一般的なんですけど、今回は「スープ」「めん-・」と真っ先にスープの原材料が表示されています。原材料名は “最も一般的な名称で、使用した重量の割合の高い順に表示しなければいけない” という取り決め(ルール)があるので、つまり今回のカップ麺は「スープ」が主体の製品ということになりますね。
概要(製品情報・購入価格等)
製品名:なりたけ監修 みそらーめん 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:126g(めん60g) 商品コード:4901071287597(JANコード) 規格サイズ:縦165mm×横165mm×高さ75mm 発売日:2019年03月19日(火) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:360ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(粉末スープ・液体スープ2袋・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】スープ(みそ、動物油脂、糖類、ポークエキス、食塩、香辛料、チキンエキス、野菜エキス、野菜パウダー、しょうゆ、おからパウダー、野菜調味料、香味油、チキン調味料、粉末みそ、たん白加水分解物、ポークコラーゲン、酵母エキス、植物油脂)、めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維、卵白粉)、かやく(ねぎ、もやし、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、酒精、乳化剤、香料、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごま(表示が義務付け及び推奨されているもの) |
実食開始
先入れの小袋は「粉末スープ」と「かやく」の2袋と書きましたが、粉末スープの小袋には “スープに充分熱湯をかけてよく溶かしてください” との注意書きがあったので、 “かやくを入れてから、その上に粉末スープをあける” のがいいかもしれません。具材はメンマ、ねぎ、もやしで肉っ気はありませんが、例のスポンジ肉そぼろが入っていないのは安心ですね(余談ですが、かなり細切れだと意外に違和感がない‥ということが最近になって判明しました)。
先入れの粉末スープをあけると香辛料や香味野菜、ポークエキス系、中でも加熱した玉ねぎを彷彿とさせる芳ばしい香りが漂ってきます。おそらく香辛料や野菜パウダー、おからパウダーも粉末スープに仕込まれているのでしょう。あとは熱湯を注いで5分待ち、ノンフライ麺をほぐしてから液体スープ2袋を入れるのですが、けっこう強めのトロミ成分が粉末スープに仕込んであったので、液体スープを入れる前に必ず念入りにかき混ぜてください(怠るとダマになる危険性アップ)。
で、完成‥‥なんですけど、いまからトッピングするの? ってくらい簡素に仕上がりましたねw やはり小袋のデザインが水色の液体スープに味噌を主成分とするスープが入っていて、白いデザインの小袋はフルで背脂と思われる動物油脂で構築されていました。どちらもフタの上にのせて温めるようにと書いてあるのですが、フタ上5分では完全に温まらないかもしれません。
あつあつスープが好きな方は別の容器に熱湯を張り、そこへ小袋を浸けるなどして温める必要がありそうですが、背脂パックは温めすぎると特有の粒が溶けて魅力が半減してしまうため、ちょっと悩ましいところですね。とりあえず “白い小袋が背脂” なので、事前に液体スープは温めたいけど背脂は溶かしたくない‥という方は、水色の小袋だけ温めましょう。
それでは、こってり背脂と濃厚味噌に注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します(※この記事では液体スープ2袋とも調理の際にフタの上で温めただけの仕上がりをレビューします)。
1食(126g)当たり
熱 量:429kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:429kcal(めん・かやく:223kcal)(スープ:206kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
やはりエースコックが得意とする “もちもっち多加水麺”(最近あまり聞かない響きだけど‥)の流れを汲むノンフライ多加水麺で、かなり加水率は高めの設定。まずは熱湯5分待つ、粉末スープをよく溶かす(45秒くらい)、液体スープ(水色の小袋)を馴染ませてから背脂(白い小袋)をトッピングして、再度かき混ぜてから撮影の前に‥えっと、だいたい熱湯を注いでから合計7分前後のタイミングで食感を確認しましたが、戻りムラもなく食べごろでした。
しかし、そこから強靭なのがエースコックの多加水ノンフライ麺で、10分経っても何のその‥15分くらい経ってもヘッチャラでモッチリとした弾力とコシの強さをキープ。20分経っても粘り気は衰えることを知らないため、さすがに伸びにくすぎるのがノンフライ麺らしかったりもするのですが、ゴワゴワとした無骨さや特有のゴムっぽさなども気にならないハイレベルなノンフライ麺です。
お店のラーメンには硬めに茹で上げた自家製中太麺が使用されているらしく、公式ウェブサイトでは加水率について言及されていませんでしたが、実際に食べた方のコメントには加水率やや高めという意見がチラホラあったので、もしかするとお店の自家製中太麺よりも加水率は高いかもしれません。また、芳醇な小麦の風味も大きな特徴になるのですが、かなりスープの味が強く、どんどんスープと麺の一体感が増してくる後半は完全に麺がスープに負けていたので(しょっぱかった)、とりあえず熱湯5分しっかり守り、その後はダラダラと食べないほうがいいかもしれません。
スープ・背脂
数種類の味噌とたっぷりの背脂が入った、濃厚こってりみそスープ
(出典:ファミリーマート公式ウェブサイト「HOME > 商品情報 > 加工食品 > なりたけ監修 みそラーメン」)
いくら油っ気の少ないノンフライめん製品とはいえ、背脂たっぷり系で脂質が15.8gなら大したことないなぁ‥などと思ったりもしたのですが、あらためて参考値(調理直後に分別した値)のカロリーを確認すると206kcal‥けっこう高いですねw(※油揚げ麺を使った製品でもスープだけの熱量・エネルギーを見ると100kcal未満が平均で150kcalを超えることは珍しい)。
で、まず味噌なんですけど濃いです、めちゃくちゃ。動物系は豚骨ベースで軽く鶏がサポートに入り、背脂による厚みもありますが、とにかく味噌が濃い。豚骨ベースのスープに味噌ダレというよりも味噌そのものを強く感じる仕上がりで、麺の項目でも触れましたが後半は麺を食べているだけでも塩っぱいレベル。
しかし、お店のスープも大量の背脂に負けないように味噌を濃いめにしているようで、実際に塩っぱい、味が濃くて喉が渇く‥などのコメントもあったので、再現度は高いかもしれません。また、かなり体感的な塩分濃度が高めではあるものの、味噌が持つ麹由来のコクや旨味も濃厚なことからガテン系の味噌スープが好きなら堪らないスープになると思います。
以前、エースコックが2度販売していた「EDGE(エッジ)鬼背脂とんこつ醤油ラーメン」という背脂推しのギトギト系カップラーメンがあって、再販された2度目の時はアブラ20%増量! ということで特大サイズの背脂パック+追加のアブラという強烈なヤツだったんですけどw それと比較したらかわいいもんですが、カップ麺の別添としては多いです。
例えば同社が製造している「飲み干す一杯 背脂とんこつ」などの背脂系に別添されている後入れ液体スープ “深うまいの素”(という名の背脂パック) と比較すると、だいたい約2倍~2.5倍くらいの量でしょうか。絶妙に鼻を抜ける背脂特有の芳ばしさが実にリアルで、さすがエースコックと思える上質な背脂の質には文句の付け所が見当たらなかった反面、ちょっと量に物足りなさを感じました。
カップ麺の別添としては多めで規格外の量ではあるものの、かなりベースの味噌が強く、今回のスープとお店のイメージを思うと頼りなさが否めません。想像ですがスープに対する背脂こってりのバランスは、お店でいうところの「サッパリ(脂 控えめ)」くらいなのではないかと思います。
かやく
具材は税込価格278円のカップ麺としては実に頼りない量で、お店のようにチャーシューやニラは入っていません。それに写真もテキトーに具材を集めて撮影したのではなく、徹底的に “ぜんぶ集めて” これですからね。メンマはコリコリとした食感が心地よく、箸休めに嬉しい存在‥に、なるはずだったんですけど小さいのが3つだけで、あまり存在感はありません(※ただ、あまりにも少なかったので、もしかすると個体差で当たり外れがあるかもしれません)。
ネギも汎用の青葱でしたが、意外と存在感があったのはモヤシ。大量ではないものの、けっこう太くてシャキッとした食感が濃い味噌スープに対してインターバルになりました。とはいえ具材が貧弱と言わざるを得ない内容だったんですけど、リアルで上質な背脂が多めに入っていたので、妥協すべきポイントかもしれませんね。
お店のレビューを読んでいると強烈な背脂たっぷりスープにトッピングの「辛ねぎ」を組み合わせたものが暴力的に美味しそうだったので、いつかカップラーメンにも実装、もしくはファミマでトッピングの辛いネギだけレトルトパックで別売りしてほしいです。いや、真面目に150円〜200円くらいなら買いますよ。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
私は実店舗のラーメンを経験したことがないので想像ですが、おそらくベースの濃い味噌スープは再現度が高いのではないかと思います。ただ、カップ麺としては多めの背脂でも「こってりらーめん なりたけ」のイメージ的には頼りない印象を受けたので、大量の背脂に期待している方や実店舗のファンの方は物足りなさを感じてしまうかもしれません。
こってりか、あっさりか‥と聞かれたら文句なしで「こってり」と即答しますし、実際けっこうガツンとくる味覚に中毒性を覚える方も多いとは思うのですが、濃いめの味噌に強烈な背脂の「甘み」が熱烈なファンを獲得している最大の要因なのではないかと感じたので(先ほどから想像で話を進めておりますがw)、値段もコンビニ限定で税込278円ですし、背脂の量あと2倍くらい増やしてほしかったです。いや、さすがに2倍は無理か‥でも「EDGE」みたいに麺を油揚げ麺に変えたら背脂もうちょっと頑張れそうですけどね。
値段を思うと具材も頼りなかったので、結果的に割高感が否めないかもしれませんが、お店の味を知らない私でも特徴や雰囲気を掴むことができた濃いめで濃厚な味噌スープと背脂の芳ばしい風味は及第点(★3)では勿体無いと思い、及第点に★ひとつプラスしました。だいぶ味が濃いめだったので、カップ麺のヘビーユーザーにしかオススメできませんが、押しの強いガッツリ系の味噌ラーメンが好きなら試す価値はあると思います。
ちょっと私にはスープの味が強すぎて味を確認する以上には飲めなかったので、ノンフライ麺だけだと物足りないなぁ‥と麺を食べ終えた後に白ご飯ではなく冷凍うどん(@カトキチ)を電子レンジでチンしてスープに入れてみたんですけど、これがなかなか美味しかったですw 背脂こってり濃厚なりたけ味噌うどんアレンジ(笑)。ぶっとい味噌スープだったので、ぶっとい冷凍うどんを入れても味のバランスばっちりでした。