どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年6月5日(月)新発売、ヤマダイのカップ麺「ニュータッチ 名代富士そば 冷したぬきそば」の実食レビューです。
即席カップめん業界最強の冷やし和風めん爆誕!? 名代富士そばコラボ第4弾は “初の夏季限定” 冷たい蕎麦を新発売!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
名代富士そば 冷したぬきそば
名代富士そば(なだいふじそば)とは、現在の運営母体であるダイタングループの創業者:丹 道夫(たん みちお)その人が1966年(昭和41年)に “日本初となる24時間営業の立ち食いそば屋” として立ち上げた渋谷の1号店を皮切りに、新宿・池袋・西荻窪と矢継ぎ早に店舗を拡大していた「そば清」を原点とする人気チェーンで、1972年(昭和47年)から首都圏の駅前や繁華街を中心に店舗を拡大。
1987年(昭和62年)には立ち食いそば業界に先駆けて「生そば」を導入し、24時間営業の立ち食いスタイルを維持しつつ、茹でたての蕎麦を早く・安く提供していましたが、2000年(平成12年)からの順次改装で99%の店舗に椅子を導入。今や “純然たる立ち食い可能な店舗は「笹塚店」だけ” となり、各店が奇想天外な限定メニューを出し合って鎬を削るなど、異色の方針で独自の市場を確立しました。
今回の新商品「名代富士そば 冷したぬきそば」は、ニュータッチのブランドで知られるヤマダイとダイタングループの共同開発商品で、2019年(令和元年)11月18日発売の「名代富士そば 紅生姜天そば」を皮切りに、2020年と2022年の冬にも「名代富士そば 紅生姜天そば」(レビューは2代目)を発売していましたが、2023年はコラボ第4弾にして初となる “夏季限定の冷やしメニュー” を市場に投下。
ヤマダイの冷やし製品といえば、夏の風物詩に定着しつつある「凄麺 冷し中華」が台頭で、2023年5月15日に「海鮮サラダ風」がリリースされたのは記憶に新しいところ。しかし、和風めんジャンルにおける冷やし製品は同社初の試みで、なおかつ “ノンフライそばの冷やし製品” は「スッキリ!! 商品開発部 締まりとコシの純和風冷やしカップ麺 ジャポ~ネ」(とかち麺工房)以来の快挙かもしれません。
2023年6月現在、ノンフライそばを搭載した「凄麺(すごめん)鴨だしそばの逸品」(2022年9月12日発売品)を通年販売しているヤマダイですが、その歴史は古く、2005年(平成17年)11月に登場した「手緒里庵(ておりあん)かき揚げ天ぷらそば」が同社におけるノンフライそばのカップめん第1号。
発売当初は五割蕎麦(そば粉50%)から始まって、2006年10月のリニューアルで四割蕎麦(そば粉40%)に切り替わり、手緒里庵から凄麺に移籍することになった2017年9月からは三割蕎麦(そば粉30%)に変更されるなど、そば粉の含有量に変化は生じているのですが、現在も “挽きたてのそば粉を使用” しており、それは「名代富士そば」コラボのノンフライそばも例に漏れず。
ただ、これまでと大きく異なるのは “熱湯で麺を戻した後に湯切りを行い、それから冷水で冷やす” ちょっとした手間を要すること。作り方は「凄麺 冷し中華」と共通なので、すでに経験済みの方にとっては余裕の工程かと思いますが、そもそも “この麺は冷やしに対応しているのか” という根本的な疑問が無きにしも非ず。
というのも「凄麺 冷し中華」には “冷し中華専用のノンフライ麺” を搭載していたのに対し、名代富士そばコラボ初となる「冷したぬきそば」のニュースリリース(めんの商品特長)には専用など記載が見当たらないため、きちんと適切な食感に仕上がるのかどうか、そこが最終的な評価を左右する項目になるかもしれません。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「かやく」と「液体つゆ」の計3種。ヤマダイのニュースリリースには “かつおをベースにしたダシ感と醤油感のバランスを図った冷し専用のそばつゆ” との記載があったので、液体つゆに関しては冷やし専用のチューニングが施されている様子。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライそばで、湯戻し時間は「凄麺 鴨だしそばの逸品」と同じ熱湯5分となっているのですが、湯切り後に冷水を注ぎ、湯切り口から水を捨てる作業を2〜3回繰り返さなければいけません。ただ、自宅での調理を想定したカップ麺なので、湯切りのタイミングでザルに移し、そのまま冷水でジャバジャバするのが手っ取り早いですw
ちなみにメーカー希望小売価格は255円(税別)なので、厳密にいうと凄麺ブランドではないのですが、ノンフライ麺を搭載した既存の「ご当地シリーズ」や「逸品シリーズ」などと同じ値段。公式が発表している販売店は “スーパーマーケット、ドラッグストア等” となっているため、取り扱いについては地域差もあるかと思いますが、原則としてコンビニには売ってないかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ニュータッチ 名代富士そば 冷したぬきそば 製造者:ヤマダイ株式会社 製造所:本社工場(茨城県結城郡八千代町平塚4828) 内容量:141g(めん72g) 商品コード:4903088016542(JAN) |
発売日:2023年06月05日(月) 実食日:2023年06月08日(木) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:255円(税別) 購入価格:246円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:540ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体つゆ・かやく・後入れかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、そば粉、植物性たん白、食塩、大豆食物繊維)、つゆ(しょうゆ、糖類、鰹節、鰹節エキス、たん白加水分解物、みりん、食塩、宗田鰹節、イワシ削り節)(国内製造)、かやく(紅生姜入り揚げ玉、わかめ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、酸味料、紅麹色素、酸化防止剤(ビタミンE)、(一部に小麦・そば・大豆を含む) |
実食開始
別添の小袋はオレンジ色の「かやく」のみ先入れで、内容は少量の「わかめ」のみ。関東と関西では “たぬき” の定義が違う‥‥という蘊蓄はさておき、後入れかやくには “富士そばで大人気の紅生姜天をアレンジした、紅生姜揚げ玉” が入っているため、トッピングについては調理後が本番です。というわけで、かやくをあけたら熱湯を注ぎ、フタをして待つこと5分——。
時間になったら湯切りを行い、その後は “フタを全部剥がさずに” 冷蔵庫などで冷やしておいた冷水で麺を締め、湯切り口から水を捨てる作業を繰り返すこと2〜3回。麺が冷えたら「液体つゆ」を絡め、仕上げに「後入れかやく」をトッピングしたら完成です。ええ、パッケージのイメージ画像に反し、紅生姜揚げ玉のボリュームが3倍くらいだったので、ちょっとビックリしましたw
ちなみに調理の際は “湯切り前に箸で麺を(揺らしたり持ち上げたりしながら)ほぐす” こと、それから “液体つゆをフタの上で温めない” ことが地味に重要なポイントになるので、この2点は注意してください。それでは、ここから先は「めん」「つゆ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(141g)あたり |
カロリー:316kcal たん白質:11.9g 脂 質:2.3g 炭水化物:61.9g 食塩相当量:3.3g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
温かいほうが美味しいかもw
おそらく「凄麺 鴨だしそばの逸品」と同じノンフライそばで、しれっとマイナーチェンジしていなければ、現在も配合は三割蕎麦(そば粉30%)。つまり、そば粉よりも小麦粉の含有量が多いので、冷やし調理でも特有の粘りを感じます。そのため蕎麦ならではのザラつきや歯切れ感からは遠退いてしまうのですが、揚げ油に由来する風味を伴わないのは大きなメリット。
温かいまま食べる「凄麺 鴨だしそばの逸品」と比較して小麦粉に由来する弾力が目立っていたり、そば粉の風味を弱く感じたり、そういった部分に冷やし調理だからこそのデメリットを感じたものの、これから暑くなってくる季節、油揚げ麺のようなクドさを感じさせないところは大きな強みになります。ただ、ちょっと冷やし過ぎには注意したほうがいいかも。
というのも試しに氷水でキンキンに冷やしてみたところ、熱湯5分だと戻りムラが発生したので、しっかり冷やす場合の湯戻し時間は6分前後がベストかもしれません。正直、想定の範囲内というか「凄麺 冷し中華」ほどの感動は覚えなかったので、たとえば通常よりも細めに切り出すとか、もう一手間ほしかった思いもありますけど、それだけにポテンシャルの高さを感じました。
つゆ
ちょっと酸味が気になる
原材料名には記載されていませんが、かえしに “超特選濃口醤油” を使用しているらしく、しかしながら醤油の主張は意外と穏やか。出汁(だし)には鰹節・潤目鰯(うるめいわし)削り節・宗田鰹節をブレンドし、糖類と味醂(みりん)の甘さが程よくカドを丸めてくれている、関西人にも食べやすいテイストです。ただ、昆布や干し椎茸は不使用なので、ちょっと後半は単調な印象も。
その単調さを覚えるかどうかに関しては、好みの問題や地域差もあるでしょう。ただ、醤油に由来する酸味ではない、おそらく削り節(カツオの乳酸)が原因と思われる酸味が口の中に長く残ったので、奇を衒っていないからこそ、余韻の酸味が残念でした(※念のため紅生姜入り揚げ玉を入れずに調理したパターンも確認済みです)。
かやく
つゆの方向性を思うと紅生姜の酸味を強めてほしかった
わかめは‥‥えっと、わかめなのでw それ以上でもそれ以下でもないんですけど、冷水を通過することで適度に歯応えのある食感に。——で、想像以上に紅生姜入り揚げ玉が多かった件w ただ、冬の「紅生姜天そば」にトッピングされている、あの紅生姜天を砕いた揚げ玉(その場合だとジャンル的に天かす?)ではありません。
たしかに紅生姜の風味は感じるのですが、例の紅生姜天ほど顕著なアタックではなく、たっぷりと入っているわりに酸味などは主張してきません。もっと紅生姜の酸味が強ければ、前述した液体つゆの酸味も気にならなかったと思うんですけど、それほどのパワーは備わっていませんでした。
総評
冬の風物詩になりつつある「名代富士そば 紅生姜天そば」の完成度が高いこと、加えて夏の「凄麺 冷し中華」が秀逸なこともあり、どうしても厳し目に見てしまったのですが、結論として悪い商品ではありません。
できれば専用のノンフライそばを開発してほしい、液体つゆの酸味を抑えてほしい、あるいは紅生姜の酸味を強めてほしいなど、複数の要望を感じる結果にはなりましたが、それだけに伸び代が多いスタートダッシュだったので、来年の夏は「凄麺 冷し中華」を脅かすようなグレードアップに期待しています【author・taka :a(大石敬之)】