どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2020年11月9日(月)新発売のカップ麺、ヤマダイ「名代富士そば 紅生姜天そば(二代目)」の実食レビューです。
昨年に “売り切れ続出” で話題になった年越しカップそば最有力候補「名代富士そば」監修の一杯ついに再降臨!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
名代富士そば 紅生姜天そば 二代目
名代富士そば(なだいふじそば)とは、関東きっての立ち食いそば・うどんの人気店として知られ、首都圏の駅前や繁華街を中心に、2020年12月現在の店舗数は130軒以上を展開。独立採算制の運営企業を統括するのは、日本の実業家・丹道夫(たん みちお)氏が1985年(昭和60年)7月29日に設立したダイタンホールディングス株式会社で、2020年12月現在の運営企業は以下の9社。
※ダイタンフード株式会社、ダイタン企画株式会社、ダイタン食品株式会社、池袋ダイタンフード株式会社、ダイタンイート株式会社、ダイタンミール株式会社、ダイタンキッチン株式会社、ダイタンマルシェ株式会社、ダイタンディッシュ株式会社
「名代富士そば」の歴史は、丹道夫氏が事業の一環として1966年(昭和41年)に渋谷・新宿・池袋・西荻窪で開業した “日本初となる24時間営業の立ち食いそば屋” まで遡り、1972年(昭和47年)ダイタンフード株式会社を設立。そこから破竹の勢いで事業の拡大を続け、2013年(平成25年)7月には日本国内100店舗を達成し、同年10月にはインドネシア・ジャカルタにも出店するなど、海外進出も果たしています。
今回のカップ麺「名代富士そば 紅生姜天そば」は、ニュータッチことヤマダイ株式会社及び名代富士そば(ダイタンホールディングス株式会社)の共同開発商品で、2019年11月18日に発売された名代富士そば初のカップ麺「名代富士そば 紅生姜天そば」に続く第2弾。昨年はマニアも称賛する再現度の高さを打ち出し、インターネット上でも話題になった名作の復活ということで、楽しみにしていた方も多いのではないでしょうか。
2020年11月発売の「名代富士そば紅生姜天そば(二代目)」も初代・紅生姜天そばと同じように、カップ麺でも珍しい “風味豊かなノンフライ蕎麦” を使用しているのがポイントで、麺を油で揚げていないのが最大の特徴。この蕎麦粉入りノンフライ麺は、ヤマダイが誇る「凄麺」シリーズ(旧「手緒里庵」)の流れを汲むもので、数あるカップそばの中でも本格さにおいては右に出る者がいません。
そして、他に類を見ないノンフライ蕎麦もさることながら、インパクトのある紅生姜天(べにしょうがてん)を採用しているのも見どころの一つ。名代富士そば(実店舗)のトッピングには “ちくわ丸々1本に紅生姜をギッチリと詰め込んだ紅生姜入りちくわ天” もあるのですが、それとは違う “刻んだ紅生姜をかき揚げにした紅生姜天” を再現した逸品。
昨年と同じであれば個包装の後入れ仕様になっているはずなので、食べ始めのザクザクとした力強い食感も見どころですが、あえてスープに浸しながら食べることで紅生姜の爽やかな酸味と天ぷら特有のコクが蕎麦つゆに滲み出る「味の変化」が楽しめるのもポイント。昨年は発売の時期も功を奏し、年末の年越しそば需要にも応えるなど、タイミング的な部分でも成功した商品なので、今年も期待せずにはいられません。
実は関東エリア限定商品として開発された2019年11月発売の初代「名代富士そば紅生姜天そば」ですが、最終的に全国で販売されることになり、しかしながら名代富士そばファンの一般客をはじめ、有名ミュージシャンやタレント、お笑い芸人、プロデューサーなど、芸能関係者からも注目されたことで “差し入れ” の需要も満たすことになり、多方面からの箱買いが相次いだ結果、予想を上回る勢いで売り切れ続出——
そのため転売サイトを中心に法外な値段で取引されるなど、ヤマダイの増産が間に合わない騒ぎになってしまったので、2020年はヤマダイの公式ウェブサイト内にある商品情報ページに【お詫び(2020年11月19日更新)】と題し “1回の注文での購入可能数を2ケースに制限させていただきます。ご不便をおかけし、誠に申し訳ございません” という販売数の規制が設けられました。
開封
かくして絶大な支持を得ている「名代富士そば」のカップ麺(二代目・紅生姜天そば)に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れの「液体スープ」と「紅生姜かき揚げ天ぷら」で合計3袋。液体スープ及びかやくの小袋は色・デザインともに変わっているのですが、紅生姜かき揚げ天ぷらは今年も後入れ仕様の個包装となっているため、小袋の構成そのものは昨年の初代と同じラインナップ。
麺は前述のように油で揚げていないノンフライ蕎麦で、本商品のステータス。メーカー希望小売価格は昨年と同じ税別240円に設定されており、ヤマダイが公開している販売店は「セイコーマート」「全国のスーパーマーケット」「ドラッグストア等」となっているのですが、やはり関東以外の取り扱いは少ないらしく、筆者の住む関西では(田舎だからかもしれませんけど)どこにも売ってない——
というわけで、レビューのためにヤマダイの公式ネット通販サイトから取り寄せることに。たとえばイトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)よろしくバラ売りしてもらえると助かるのですが、基本的に1箱(今回の場合は12食)単位での購入になるため、本体価格3,110円+送料957円+手数料330円=合計金額は4,397円(1食あたりの値段は366円以上)と地味に高くつきました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:名代富士そば紅生姜天そば 製造者:ヤマダイ株式会社 製造所:本社工場(茨城県結城郡八千代町平塚4828) 内容量:124g(めん60g) 商品コード:4903088014968(JAN) |
発売日:2020年11月09日(月) 実食日:2020年12月24日(木) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:ヤマダイ公式ネット通販サイト 商品購入価格:4,397円(税込 / 1箱12食入) 希望小売価格:240円(税別 / 1食あたり) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく・紅生姜かき揚げ天ぷら) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、そば粉、植物性たん白、食塩、大豆食物繊維)、スープ(しょうゆ、糖類、食塩、鰹エキス、鰹節エキス、たん白加水分解物、昆布エキス、デキストリン、宗田鰹節粉末、オニオンエキス、酵母エキス、香辛料)(国内製造)、かやく(紅生姜かき揚げ天ぷら、ねぎ、わかめ)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、紅麹色素、クチナシ色素、膨脹剤、カラメル色素、増粘剤(キサンタン)、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、アカダイコン色素、(一部に小麦・そば・えび・大豆を含む) |
実食開始
先入れの小袋は、わかめとネギが入っている「かやく」のみで、これについても昨年と同じフレームワーク。ちなみに調理前の麺に付着しているオブラート状の透明な成分は大豆由来の食物繊維で、麺のほぐれをスムーズにするために施されたもの。食べても害のない成分ですので、そのままゆっくりと熱湯を注いでください。
あとは待つこと5分間、液体スープの小袋はフタの上にのせて温めて、時間になったらノンフライ麺をほぐし、それから液体スープを馴染ませるのがポイント。あとは紅生姜かき揚げ天ぷらをトッピングして、いきなり天ぷらのサクサク感を楽しんでもいいのですが、前述のように紅生姜の風味で変化していく味の移り変わりが楽しめるのが魅力。
ちなみに名代富士そばが自社の公式Twitterアカウントにて、カップ麺を “再販してほしい” かどうかアンケートを取ったところ、1週間で1,492票の意見が集まり、90.6%の比率で “再販してほしい” に投票されたことが再販売の決定打になったとか——というわけで、引き続き前回との違いや共通点に注目しつつ「めん」「つゆ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(124g)あたり |
カロリー:446kcal たん白質:12.8g 脂 質:14.5g 炭水化物:66.1g 食塩相当量:7.9g (めん・かやく:2.5g) (スープ:5.4g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
あいかわらず唯一無二の存在
2005年11月、前身の手緒里庵が発売された当時、もともとは五割蕎麦(そば粉50%)を使用していましたが、2006年10月のリニューアルをもって四割蕎麦(そば粉40%)に変更。そして2017年9月11日、従来の手緒里庵から凄麺に移籍したタイミングで三割蕎麦(そば粉30%)になり、それが今回の「名代富士そば紅生姜天そば」にも使われているのですが、きもち昨年よりも蕎麦の風味を強めに感じます。
そば粉よりも小麦粉の含有量が多いため、小麦粉に由来する弾力も目立ちますが、すこしザラついた舌触りと明確な蕎麦の香りは一見の価値あり。カップ麺でしか食べられない、油で揚げた蕎麦ならではの風味にも捨てがたい魅力を感じるものの、やはり本物志向の商品においてヤマダイのノンフライ蕎麦を超える逸品はありません。
このノンフライ蕎麦を最大限に楽しむには、熱湯5分きちんと守った後 “液体スープを馴染ませてから1、2分ほど休ませる” のがポイント。ちなみに手緒里庵(ておりあん)から「凄麺」にブランドを変更した後、しばらく「かき揚げ天ぷらそば」や「カレー南ばんそば」も定番フレーバーとして通年販売していたのですが、2020年12月現在「鴨だしそば」しか残っていないため、以前よりも貴重な存在になりました。
スープ
おおむね前回と方向性は同じ
「名代富士そば」は首都圏を中心に店舗を展開しているため、つゆの方向性も濃口醤油と鰹の旨みを効かせた関東風の味わい。かえしに使用している醤油は本醸造濃口醤油、そこへ鰹節の香り高い燻香と宗田鰹節の濃厚な旨み、さらに後引く味わいを演出する甘みを適切に効かせ、昆布が旨味の相乗効果を図り、全体の旨みを底上げ。
七味唐辛子などの別添はありませんが、ほんのり赤唐辛子のアクセントを感じさせる、昨年のつゆと比較して大幅な変化は見られません。しかし、従来のつゆよりも鰹の旨みが強く、昆布も膨よかで、より味わい深くなったように感じました。もちろん、ここに滲み出る紅生姜かき揚げ天ぷらの心地よい酸味も重要な要素。
具材
紅生姜天は単体で販売してほしいレベル
わかめは少量ですが、ほのかに漂う磯の香りが昆布とは違う方向からアプローチをかけ、歯触りの強い青ネギも食感のアクセントに効果的。そして今年も主役の紅生姜かき揚げ天ぷらの存在感は申し分なく、いっさいのテコ入れを感じない、つまりコスト調整による劣化などの改悪は行われていません。
たとえば東洋水産の「マルちゃん えび天ぷら 3枚入」よろしく単体で売ってほしいくらい、かなりハイレベルかつ存在感の強い逸品で、紅生姜特有のガツンとした刺激が味蕾に伝わってくるのですが、それも紅生姜ならではの魅力。最初にサクサクとした食感を楽しんだ後は、刻一刻と酸味が滲み出る、つゆの味わい深い変化を楽しんでください。
総評
★★★★★★★☆☆☆(★7)
油で揚げていないノンフライ蕎麦を筆頭に、紅生姜かき揚げ天ぷらが放つ強烈なインパクトなど、ほぼほぼ前回の2019年発売品と差を感じなかったのですが、昨年もっと高く評価すべきだったと心残りがあったので、今年は評価を見直しました。首都圏以外の地域では、場合によって入手困難な商品かもしれないけれど、草の根を分けてでも探す価値のある逸品といっても過言ではありません。
※ちなみにヤマダイの「お客様相談室」に問い合わせれば、最寄りの販売店を調べてくれます。
というわけで「名代富士そば」監修の本格カップ麺「紅生姜天そば」2020年版も最高峰に位置している、現状ほぼほぼ文句の付け所が見当たらない一杯に仕上がっていたのですが、昨年と同じ商品を再現していたので、たとえば関東の立ち食いそば屋で定番の「春菊天そば」など、次は新たな展開にも期待しましょう(author・taka :a)