どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月9日(火)新発売のカップ麺、日清食品「無鉄砲 濃厚豚骨ラーメン」ローソン先行商品の実食レビューです。
店主・赤迫重之氏監修——ファン待望! 濃厚ド豚骨「無鉄砲」の味を数年ぶりにカップラーメンで再現!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
無鉄砲 濃厚豚骨ラーメン
「無鉄砲」とは、どろどろに炊き出した濃厚とんこつラーメンが有名なお店で、現在は京都府木津川市に本店を置いているのですが、創業の地は奈良県奈良市。1998年(平成10年)6月7日にオープンし、当時は『こんなドロドロのスープでは1年後に潰れる』『いやいや1ヶ月はもたない』『白菜を入れろ』などという厳しい声も挙がる中、ひたむきに豚骨と向き合い続け、開業から半年後には行列の絶えない人気店に成長します。
酔狂的なファンが多いことで知られる「ラーメン二郎」のファンは、ラーメン用語のスラングで俗に「ジロリアン」と呼ばれているのに対し、「無鉄砲」の熱狂的なファンは「ムテオタ(ムテ信者)」と呼ばれ、多くのファンが全国に点在しているのですが、 “鶏と水だけ” 系のラーメンが流行っている昨今、国産の「骨(豚骨)」と「水」だけを追求して作られた純度100%の超ど濃厚とんこつスープがマニアの心を射止めました。
煮込み始めの白濁、骨髄のコク、骨から溶け出る旨味の3段階をブレンドし、1日の使用量300kgというゲンコツや背骨を羽釜に入れて骨が溶けきるまで炊き上げ、ひたすら骨の髄から旨味を抽出したスープがコアな信者を獲得しているのですが、その強い中毒性を誇るスープを作り出したのが「有限会社無鉄砲」(ラーメン無鉄砲グループ)の代表であり、今回のカップ麺を監修している店主・赤迫重之(あかさこ しげゆき)さん。
赤迫氏は1968年に京都市左京区で生まれ、幼い頃は親の転勤で千葉・富山・広島・神戸を転々としていたそうですが、中学生の頃には転勤生活も落ち着き、奈良県に自宅が建てられたそうです。中学・高校と卓球部に所属していた赤迫氏は、高校生の頃に国体選抜・奈良県で3位という実力の持ち主で、その経歴からスポーツ推薦で九州にある大学に進学し、専攻は経営学部。
学生時代は大学に通いながらバイトに明け暮れていたそうですが、九州・宮崎で創業30余年となる超有名店「風来軒(ふうらいけん)」のラーメンと出会い衝撃を受け、大学卒業後は和歌山にある鉄鋼関係の一般企業で現場監督として働き始めたものの、3年後には脱サラ。というのも入社式の前に和歌山のラーメンも食べ歩いていたそうですが、どんなに美味しくても自身の好みとハマりすぎた「風来軒」の代わりになるようなラーメン店には巡り会えず、その頃から3年後には脱サラし、「風来軒」で働くことを決めていたそうです。
そして3年後、会社を辞めて荷物をまとめ、いざ単身で宮崎に乗り込んだまではいいものの、「風来軒」店主・中野浩氏に最初は弟子入りを断られ、しかしながら会社を辞めた当時は無職で保証人もいない——そんな状況から河川敷に張ったテントで寝起きして、毎日「風来軒」に通い詰めて弟子入りを志願した結果、ついに悲願の弟子入りを果たし、5年間の厳しい修行を経て奈良県奈良市に「無鉄砲」を開業しました。
自他共に認める “豚骨馬鹿” の赤迫氏が最初にオープンした奈良店は、前述したように閑古鳥が鳴くような状況から行列店へと成長し、2003年12月22日から京都市木津川市に本店を移転。現在は大阪・東京・オーストラリア(シドニー)にも系列店舗を構え、いずれも盛況。普段は奈良県大和郡山市で「無鉄砲がむしゃら」として営業している店舗に赤迫氏が自ら厨房に立ち、年に数える程しかオープンしない「豚の骨(ぶたのほね)」という幻の名店も熱狂的なファンをさらにヒートアップさせている要因です。
ちょうど本日、2019年4月9日(火)からラーメン無鉄砲グループの公式Instagramアカウントが解禁されたのですが、その栄えある最初の投稿が今回のカップラーメン「日清食品 無鉄砲濃厚豚骨ラーメン(ローソン先行商品)」の発売告知という、実店舗のラーメン写真ではなく再現カップ麺の投稿からスタートということで、カップ麺マニアとしては感慨深いものがありました。
これまでにも製造者の日清食品とは何度かタイアップを重ねていて、「豚の骨」もカップ麺で再現されたことがあったんですけど(2014年10月27日発売「有名店シリーズ 無鉄砲×豚の骨 濃厚豚にぼ」)、もしかすると2014年10月発売品以来のカップめん化かもしれません。今回はコンビニのローソン名店シリーズ(ローソン先行商品・ローソングループ限定)ということで、さらに期待が高まります。
開封
容器のサイズは日清食品の「有名店シリーズ」などと同じタテ型ビッグの大盛規格サイズ(縦109mm×横109mm×高さ119mm)となっていて、必要なお湯の目安量も420mlと平均的な量ですね。別添の小袋は後入れの「コク旨たれ」が1袋のみ、フタの上で温めてから食べる直前に入れるようにとアドバイスが書かれているので、待っている間に温めておきましょう(ちょっと中身が固まってます)。
フタの裏には「無鉄砲 店主オススメ アレンジメニュー」として「無鉄砲メシ(ムテメシ)」の作り方が書いてあるのですが、残ったスープに「温かいご飯」または「おにぎり」を入れて、よく混ぜて完成! という、もっともオーソドックスなカップラーメンの〆(しめ)で定番のアレンジですね。
また、その下には「無鉄砲 京都総本店」の住所や「豚の骨」「がむしゃら」「しゃばとん」「つけ麺 無心」「つけ麺 無極」「○無製麺」などの無鉄砲グループ店舗、そして “NO-NAME” 移動式トレーラー店舗も記載されていました(移動式なので住所不定)。で、ちょっと驚いたのが麺の位置——
とても低いw 通常、内側の線(お湯の目安線)より5mm〜1cmほど下に麺が設置してあるパターンが毎度おなじみの光景なんですけど、容器の半分より下のカップ底面ギリギリに麺が落ちています。ただ、かなり粉末スープの量が多いので、もしかするとスープの溶け残りや熱湯があふれる危険性を下げるための配慮なのかもしれません。
販売ルートはローソン「先行」となっているのですが、基本的にはローソングループ限定商品(※後日「ポプラ」や「ナチュラルローソン」などのグループ店舗でも販売される可能性がある商品)を意味しています。ただ、稀にドンキホーテなどのディスカウントストアに後日しれっと流れることもありますけどね(笑)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:無鉄砲 濃厚豚骨ラーメン 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場・静岡県焼津市相川17-2(製造所固有記号 F) 内容量:102g(めん70g) 商品コード:4902105250099(JANコード) 規格サイズ:縦109mm×横109mm×高さ119mm 発売日:2019年04月09日(火) |
麺の種類:ノンフライ麺(かんすい使用・中華麺) スタイル:縦型ビッグ・大盛サイズ 容器材質:紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(コク旨たれ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、食塩、チキンエキス、植物油脂、大豆食物繊維)、スープ(ポーク調味料、豚脂、でん粉、粉末しょうゆ、食塩、しょうゆ、糖類、ポークパウダー、たん白加水分解物、酵母エキス)、かやく(味付豚肉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、増粘多糖類、かんすい、カラメル色素、炭酸Ca、グリセリン、乳化剤、マリーゴールド色素、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・大豆・ごま・ゼラチン(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載) |
実食開始
やたら下に位置している麺ですが、なんと油揚げ麺(フライ麺)ではなく油で揚げていないノンフライ麺が採用されています。最近は日清食品×有名店(セブンの一風堂コラボ等)でもタテ型ビッグ+ノンフライ麺という構図は珍しくなくなってきましたが、少なくとも「無鉄砲」のタテ型カップ麺でノンフライ麺を採用したのは今回が初の試みかもしれません。
“がむしゃら” と書かれた別添「コク旨たれ」の裏側には「香り高い豚骨スープが特徴の商品です」と記載され、ローソンの公式ウェブサイトにある商品情報欄には “お店で人気の超濃厚豚骨ラーメンを豚骨を炊き出した風味と、ザラザラな口当たりが感じられるスープで忠実に再現しました” と紹介されているのですが、お湯を注いで待っている間、まろやかで芳醇な豚骨の香りが漂います。
で、別添の「コク旨たれ」が強烈だったんですけどw(詳しくは「スープ」の項目で解説します)、とろみ成分が粉末スープに仕込んであったので、容器の底から念入りにかき混ぜてください。ちょっと調理後の出来上がりは寂しい見た目ですが、パッケージでも “豚のコクと旨みのやみつき濃厚スープ” とアピールされている旨味の濃度に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(102g)当たり
熱 量:403kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:403kcal(めん・かやく:302kcal)(スープ:101kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
以前、日清食品が製造していた「有名店シリーズ 無鉄砲×豚の骨 濃厚豚にぼ」では油で揚げた平打ち中細麺が採用されていたのですが、今回は中太(中〜中太)くらいのサイズ感で、かなりコシの強いノンフライ麺です。特に食べ始めは歯応えのある硬めの食感で、ギュッと小麦同士が密着して詰まったような密度の高さが印象的。
麺の肌は摩擦抵抗が皆無に等しい滑らかな質感で、加水率は比較的に高く、食べ始めは芯のある硬めの歯応えを打ち出しているのですが、後半しっとり・もっちりとした多加水麺らしい質感にシフト。やや最初はスープを弾く嫌いが見えましたが、中盤以降は程よくスープと馴染み、適度な縮れが濃厚なスープを口に運んでくれます。
弾力の持続性は高く、小麦の香りは芳醇で、食べ終わる頃に差し掛かっても粘り気のある弾力をキープ。やや食べ始めは一部に戻りムラが見られたので、とりあえずフライングは回避したほうが安全です。あと、もちろん好みにもよりますが、後半しっとり馴染んできた頃合いが美味しかったので、しっかり混ぜてから1〜2分ほど休ませるのがベストかもしれません(※お好みで調節してください)。
スープ
お店で人気の超濃厚豚骨ラーメンを豚骨を炊き出した風味と、ザラザラな口当たりが感じられるスープで忠実に再現しました。
(出典:ローソン公式ウェブサイト「Home > 商品・おトク情報 > オリジナル商品 > 日清食品 無鉄砲濃厚豚骨ラーメン【ローソン先行商品」)
いやいやいや‥‥日清食品あっぱれw “ザラザラな口当たり” というのは正直そんなに目立ってなくて、むしろクリーミーで柔らかい、あまり攻撃性のない口当たりに仕上がっていたのですが、別添の「コク旨たれ」が強烈——中には醤油ダレ系の成分が含まれていて、あとは動物性のオイル成分で構築。そんなにオイルの量は多くなかったんですけど、入れた瞬間に人を選ぶほどの “豚骨臭” が漂います。
このブログでは「豚骨臭」と「獣臭」を区別して書き分けていて、やや今回のベクトルは “獣臭” サイドが正しいようにも感じたのですが、ベースの濃厚な豚骨が相俟って “豚骨臭” と讃えたくなる野趣に富んだフレーバー。やや糖類のサポートありきですが、とんこつ由来と思える純度の高い旨味と奥から上がってくる甘味が秀逸で、かなり強烈なインパクトを放ちつつも結果としてはオイル成分だけに頼っていない硬派な仕上がりが好印象。
別添の醤油ダレによって粉末醤油では出せないコクと香りを付与し、適度にキレを演出しつつ、しかしながら後味に残るのは豚骨の濃厚な余韻——でん粉でトロミを出していたり、たん白加水分解物や酵母エキス(核酸関連の旨味)の援護もありますが、鶏ガラや煮干し、野菜などの旨味は見えない豚骨主体の高濃度スープ。麺が油揚げ麺ではないので絶妙な臭いをマスキングする要素もなく、ここ最近の日清食品が手掛けるスープとしては、だいぶ攻めの姿勢にありました。
具材
クオリティの高いノンフライ麺に豚骨臭を打ち出した牙のある豚骨スープという構成から、ほぼ個人的には気にならなかったんですけど、具材は味付豚肉とネギのみというシンプルな構成で、量も多くありません。味付豚肉はチップ状のハムみたいなチャーシューで、量・質ともに食べ応えがあるとは言えず、ネギも「どん兵衛(きつねうどん)」に入っているネギくらい細切れです。ただ——
実はチップ状のチャーシューとは別に挽肉具材が入っていて、あまり量は多くなかったし(1個だけ妙にデカいヤツもありましたが)基本的にサイズも小さかったんですけど、これはカップヌードルにも入っている “謎肉(ダイスポーク)” でも “コロチャー” でもない挽肉(ミンチポーク)と同じ肉具材ですね。ジャンクな味付けがスープとマッチ、何気に優秀な援護射撃要員でした。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6+)
もちろんお店の濃度を100%再現しているとは言えませんし、具材も貧弱と言わざるを得ませんが、特に「コク旨たれ」のクセ(豚骨臭)が秀逸で、なおかつクオリティの高いノンフライ麺とスープの完成度は税込216円のタテ型カップ麺として上出来以上だと感じたので、当ブログでは超高評価となる★6としました(プラスマークは正直ちょっと★7と迷ったので‥‥)。
本物の無鉄砲と比較して “カップラーメンだから——” と、妥協しなければいけない点はありますが、これを税込225円(税別210円)ではなく税込216円で仕上げてきたのも高く評価できるポイント。さすが無鉄砲と思える「コク旨たれ」の鼻に付くインパクト(※もちろん褒め言葉です)は豚骨系のカップ麺が好きなら是が非でも体験しておくべきとオススメしますが、逆にアクの強い無骨な豚骨スープが苦手な方は注意してください。
スープを残さずに飲み干したくなる衝動に駆られつつ、残ったスープに白ご飯を入れる赤迫重之さんオススメのカップ麺アレンジ「無鉄砲メシ(ムテメシ)」も試してみましたが、白ご飯でベースの豚骨は適度に中和されるものの、コク旨たれの鼻を抜ける豚骨臭は鳴りを潜めることなく主張を続ける秀逸さ。ローソンの塩むすびだと味が濃くなり過ぎるかもしれませんが、〆ごはん派の方やラーメンライス派の方にもオススメしたい、ローソン限定「無鉄砲」監修の濃厚なカップ麺です。