どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年2月4日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 昔ながらのナポリタン味焼そば」の実食レビューです。
つやもち麺で食べる懐かしい味わいのナポリタン味焼そば!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
昔ながらのナポリタン味焼そば
「昔ながらのソース焼そば」は、1996年(平成8年)2月に誕生したマルちゃんのカップ焼そばシリーズで、コンセプトは「下町の食堂で食べる懐かしくておいしい焼そば」。焼そばに強いマルちゃんならではのノウハウを生かしつつ、焼そばとしてのおいしさを日々追究し続けており、2011年2月から実装されている独自製法の「つやもち麺」が特徴となっています。
東北・甲信越エリア限定の「焼そばバゴォーン」や北海道エリア限定の「やきそば弁当」と同じく、たしか2008年頃から吉本興業所属のお笑いコンビ・タカトシこと「タカアンドトシ」の鈴木崇大(すずき たかひろ)氏と三浦敏和(みうら としかず)氏がイメージキャラクターとして起用されていますね。
今回の新商品に合わせたタカトシ出演の特別なCMは用意されていないようですが、長年のご愛顧に感謝して、「キユーピーからしマヨネーズ」を添付した数量限定の「マルちゃん 昔ながらのソース焼そば キユーピーからしマヨネーズ付」と「マルちゃん 昔ながらのナポリタン味焼そば」が2品同時にリリースされました。
ご存知かもしれませんが、「ナポリタン」は日本の料理です。もちろん和食ではなく洋食として分類されますが、よく似た名前の古典的なイタリア料理「スパゲッティ・アッラ・ナポレターナ(Spaghetti alla Napoletana)」とは別物で、現地・イタリアのナポリに「ナポリタン」というメニューは存在しません。
「ナポリタン」のルーツは諸説あるんですけど、「ドリア」や「プリン・ア・ラ・モード」発祥の地としても有名な、横浜にある昭和2年(1927年)創業の老舗「ホテルニューグランド」で誕生したという説が有力で、アメリカの軍人が塩胡椒やトマトケチャップで味付けした具なしのスパゲッティを食べていることを知った当時の2代目総料理長・入江茂忠(いりえ しげただ)氏が着目し、ホテルでも提供できるようにアレンジしたものが原型といわれています。
ナポリタンではないのですが、17~18世紀頃にアメリカ大陸からもたらされたトマトで作ったソースを和えるパスタ料理がイタリアのナポリでも食されていて、その食べ方がフランスに伝わった時、ナポリ風スパゲッティを意味する「スパゲッティ・ナポリテーヌ(Spaghetti Napolitaine)」と呼ばれていたので、それが日本で親しまれている「スパゲッティナポリタン」という名前の由来になったのかもしれませんね。
とりあえず家庭で調理するなら、味付けはシンプルにケチャップでOK(隠し味に少量のウスターソースを入れると美味しい)。パスタは1.6mm前後のスパゲッティーニを標準+1分ほど茹でてから流水で締め、冷蔵庫に入れて3時間以上寝かせるのがポイント。具材は玉ねぎ、ハムやソーセージ、ベーコン、ピーマン、マッシュルームあたりが定番でしょうか。はい、そろそろカップ麺を開封しますw
開封
別添の小袋は、「粉末ソース」「特製油」「かやく」の合計3種類。一般的なソース味のカップ焼そばには液体ソース、もしくは粉末ソースが基本で特製油が別添されることは多くないため、そこがまず個性的なポイントと言えるかもしれません。あと、かやくもキャベツではなく四角い人参と輪切りになったインゲン、ひき肉などが見えるので、一般的なソース焼そばの雰囲気とは異なります。
しかし、これがまた容赦なく油揚げ麺臭を漂わせている油揚げ麺は東洋水産が製造するカップ焼そばの系譜ど真ん中といいますかw もう麺に関しては完全に「やきそば」で、スパゲッティの印象は皆無。しかし、あくでも「ナポリタン味の焼そば」なので、これがカップ焼そばの亜種製品であることを理解して気持ちを整えておかねばなりません。
これまでナポリタンを題材にしたカップ焼そばといえば、まるか食品の「ペヤング ナポリやんやきそば」、日清食品の「八王子ナポリタン」「日清焼すぱ 下町ナポリタン」「日清焼そばU.F.O. ナポリタンビッグ」などをレビューしてきたのですが、2014年7月14日にも「マルちゃん 昔ながらのナポリタン味焼そば」が発売されていて、ちゃっかり食べてレビューしていました。
製品情報・購入価格
製品名:マルちゃん 昔ながらのナポリタン味焼そば 販売者:東洋水産 製造所:兵庫県神戸市西区見津が丘6丁目8番(製造所固有記号・M8) 内容量:104g(めん90g) 発売日:2019年02月04日(月) 実食日:2019年02月09日(土) JANコード:4901990362474 希望小売価格:180円(税抜) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) |
麺の種類:油揚げ麺(つやもち麺) 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:560ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(粉末ソース・特製油・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、でん粉、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(砂糖、植物油、粉末野菜、食塩、乳糖、チキンエキス、たん白加水分解物、香辛料、香味油脂、パセリ)、かやく(味付挽肉、にんじん、いんげん)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、レシチン、かんすい、カラメル色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、酸味料、パプリカ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
日清食品のカップ焼そば版ナポリタンは、炒めたような調理感を演出するために、粉末ソースを入れてから調味オイルを加えるようにとアドバイスしていたのですが、東洋水産の場合は潤滑油よろしく先に特製油、そして粉末ソースを加えるようにと調理方法に書いてあったので、湯切りの後は特製油から入れて馴染ませましょう。
色はラー油のような見た目をしていますが、まったくと言っていいほど辛味はありません。ほんのりトマトっぽい、しかしながらジャンクなタイプのスナック的なトマトの香りが上がってきて、すこし舐めてみると甘味も添加されていることが分かります。湯切り中は強烈な油揚げ麺臭が漂っていたのですが、特製油を入れると若干ながらマシになりました。
ところで先ほど同シリーズから以前にもナポリタン味の焼そばがリリースされていたと書きましたが、2012年1月23日に「マルちゃん やきそば弁当 ナポリタン味」を発売、さらに同年2012年3月5日にも「マルちゃん ナポリタン味焼そば」をリリース、さらに2015年7月20日には「マルちゃん 焼そばバゴォーン ナポリタン味」を発売するなど、けっこう昔から意欲的に取り組んでいたようです。
それでは、実際に食べてみましょう。2014年7月発売品については完全に忘れていたんですけど、過去記事を読み返してみると★4(個人的な満足度は★5)と評価していたので、当時の印象と軽く比較しながらレビューします。
1食(104g)当たり
カロリー:478kcal |
めん
なめらかでモチモチとした食感の麺。しっかりとしたコシがあり、食べごたえがあります。
(出典:東洋水産「ニュースリリース」pdf)
原材料の構成やPDF(ニュースリリース)で紹介されていた製品説明など、「マルちゃん 昔ながらのソース焼そば」と完全に一致するので、おそらく同シリーズで使われている「つやもち麺」なのでしょう。とりあえずスパゲッティらしさですが、ほぼ皆無に等しいです。ええ、完全にカップ焼そばの麺ですねコレはw
ただ、さすが東洋水産が誇る「つやもち麺」のクオリティは高く、噛み始めのファーストインプレッションから中間、中心と内部は終始もちもちで、歯切れの良さを捨てて粘り気に特化しているような弾力は食べ応えあり。そうとう風味はジャンクなんですけど、今回のスナック的なナポリタン味と違和感なくフィットしています。
パスタらしさでいえば日清食品の「日清焼そばU.F.O.」や「日清焼すぱ」と比較して完全に劣りますし、思いっきり縮れた角刃の麺なので、スパゲッティをイメージしていると畑違いもいいところ。なんですけど、あくまでナポリタン味の焼そばであることを理解して割り切ると結果的な印象は悪くありませんでした。
ソース
トマトをベースに、たまねぎやにんにくの旨味をあわせたナポリタン味のソース。パセリ入り。
(出典:東洋水産「ニュースリリース」)
野菜エキスが粉末野菜という表記に変わっているのですが、それを除く原材料の構成は2014年7月発売と比較してまったく同じです。で、調味油の量自体そんなに多くなかったんですけど、びっくりするほどオイル感が強いw 油そばほど強烈ではありませんが、ひと口目から唇テッカテカこってり仕様で驚きました。
もはや人を選ぶオイリーな口当たりなんですけど、かなり味の方向性もジャンクに仕上がっていて、なんかもう開き直ったような姿勢が清々しいですね。これまでに発売されてきた他社も含むナポリタン系カップ焼そばの例に漏れず、甘さは強めで塩気は弱め、しかしながら強烈な油脂感のアタックがマルちゃん流のオリジナリティを打ち出しています。
トマト風味ではあるものの、ケチャップみたいに酸味はなくて、遠慮なく甘いジャンクで即席感マックスなナポリタン味にガーリックパウダーのアクセント‥いいですね(笑)。強いオイルの主張が焼そば感フルスロットルな油揚げ麺の芳ばしい風味と重なることで焼そばらしさを強調し、これは焼そばなんだ! という意思が伝わってくるスナック的なナポリタン味には中毒性を覚えました。
かやく
味付挽肉、にんじん、いんげん。
(出典:東洋水産「ニュースリリース」)
ソースと同様に具材も2014年7月発売品と同じ構成ですが、実食前に挙げたナポリタンのイメージに通じるハムやソーセージ、玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームなどは入っていません。けっこうインゲンは印象的な具材ですし、ジャンクなソースにジャンクな味付挽肉もマッチしているのですが、ぜんぜんナポリタンではないです。
とはいえジャンクなトマト基調のソースにジャンクな挽肉の旨味は素直に相性がよく、インゲンの風味も個性の演出に効果的で、あいかわらず人参は甘みが強くてクッタクタな食感だったんですけど、ナポリタンらしさに強くこだわらなければ単純に相性としては悪くありませんでした。
2012年3月5日に発売されていた「マルちゃん ナポリタン味焼そば」にはFDトマトブロック(赤系品種の甘く熟したザク切りトマトをフリーズドライ製法でブロック状に加工したもの)を使用していたと過去のPDFに書いてあったので、また次回カップ焼そば版ナポリタンをリリースする際にはFDトマトブロックの復活も検討していただきたいですね。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
まず「スパゲッティナポリタン」の観点から見た場合、カップ麺というスナック的なジャンルを加味しても再現度は★3(及第点)です。お弁当の隅っこや揚げ物の下敷きにされている付け合わせナポリタンのような‥いや、それ以上にジャンクなソースに焼そば用の油揚げ麺を合わせているので、スパゲッティらしさは感じられません。
具材からもナポリタンらしさは見出せず、パセリのアクセントもジャンクなソースに飲まれ、トマトの風味も人工的‥‥なのに、なぜ★5の高評価なのかというと、あくまでカップ焼そばで在ることにこだわるマルちゃんのプライドが伝わってきたからです。そういった意味では実に個性的かつ極端で、まるか食品や日清食品とは違う振り切ったスタイルに唯一無二の価値を感じました。
女性にはオススメしにくいオイリーでジャンクなソースと精製ラードの主張が激しい油揚げ麺は人を選ぶレベルですが、異様に中毒性の高い味付けだったので、根強い固定ファンを獲得するかもしれません。ほんとうにジャンクな甘い味付なのでw 途中で味を変えるアレンジ用にタバスコや定番の粉チーズを用意しておくと安心です。