どうも、taka :aです。
本日の一杯は、蒙古タンメン中本の中国版カップ麺、日清食品日(中国)投資有限公司「蒙古湯麺(もうこタンメン)中本 鮮辣辛旨味噌(蒙古汤面)」の比較・実食レビューです。
中国のセブンイレブン限定で販売されている「蒙古タンメン中本」のカップラーメンを食べてみた結果——
日本のカップ麺より辛い? 辛くない? 辛さレベルや味の違いなど、日本版「セブンプレミアム 蒙古タンメン中本 辛旨味噌」と逆輸入版は何が違うのか食べ比べてみました。よろしければ、最後までお付き合いください。
蒙古タンメン中本 中国版カップ麺
蒙古タンメン中本(もうこタンメンなかもと)とは、1968年9月12日に創業した「中国料理 中本」(旧「ボルシチ料理 中本」)を前身とする “からうまラーメン日本一” の老舗。創業51周年を迎えた2019年9月現在、辛旨ラーメンオヤジこと二代目・白根誠店主が代表で、コンビニのセブンイレブンを中心にカップラーメンや冷凍食品が販売されているのですが——
こちら「蒙古湯麺(蒙古汤面)」とは、蒙古タンメン中本の海外進出第1弾商品として開発された “中国のセブンイレブン限定” カップ麺で、発売日は2019年1月14日。「汤面」を日本の常用漢字で書くと湯麺(タンメン)、つまり読み方は「蒙古湯麺」で “もうこタンメン” になります。中国限定の商品なのに平仮名のルビがあり、独特のフォントも日本の “もうこ” と同じもの。
商品のパッケージは日本の基本デザインを忠実に再現しており、日本では「北極ラーメン」などの期間限定商品や「辛旨飯」などの関連商品にしか表立って登場しない白根社長の姿も確認。はちまきや道着の色・デザインも現行の赤基調、はっきり “店主 白根誠” と書いてあるのですが、ほんとに正規品? みたいな‥‥安心してください、正規品です。
販売責任者は中国・上海に本社を構える「日清食品(中国)投資有限公司」で、2001年10月に設立された日清食品の海外事業(有限公司=株式会社 ※有限会社ではない)。「7-SELECT」(セブンセレクト)とは、中国版の「SEVEN&i」(セブン&アイ)マークもしくは「SEVEN&i PREMIUM」(セブンプレミアム)に位置している、中国版セブンイレブンのPB商品であることを示す証。
作り方とか “電子レンジ禁止・移り香注意・倒してヤケドすんなよ” みたいな注意事項のマークは漠然と分かるんですけど、完全に現地・中国仕様なので、とうぜん文字は簡体字(中国語)です。パッケージに印刷されている店舗は「蒙古タンメン中本 渋谷店」の外観、その下に蒙古タンメン中本と商品の特徴が書いてあるのですが、ネイティブじゃないと翻訳が難しそうな言葉遣い。
とりあえず最初の「于1968年在日本东京开业」は、直訳すると “1968年に日本の東京でオープン” なので、前身「ボルシチ料理 中本」が開業した年を表しています。続いて “中本は辛さが特徴的な日本のラーメン店。このカップ麺は日清食品と蒙古タンメン中本の共同開発商品で、野菜の甘みと辛味、旨味が絶妙にマッチした(中略)お店の味を再現したものです” でしょうか。
日本の日清食品に現地法人まで繋いでもらったところ、「蒙古湯麺」の販売地域は中国にあるセブンイレブン全店が対象で、お店から発注があったら供給するシステムとのこと。日本では通常商品のリピーターが多く、新作が発売されるたびにファンが狂喜乱舞する大人気商品ですが、どうも中国での売り上げは小さいとの回答でした。
中国版のサブタイトルは「鮮辣辛旨味噌風味」(鮮辣=辛い)で、外側にも熱湯の目安線(注水至比)を表示。発売当初の値段は7.8元(CNY)、2019年9月21日現在の日本円(JPY)に換算すると約119円ですが、現在は6.5元(約99円)に値下げしているそうです。現地の中国版カップヌードル「合味道」(あいみどう)は5.5元(約84円)なので、ちょっと中本は高級品。
開封
日本版「蒙古タンメン中本 辛旨味噌」は、セブンイレブンで税込価格204円。激辛バージョンの「北極ラーメン」は税込価格213円なので、中国版は発売当初の7.8元(当時の為替で約125円)でも日本と比較して安価な設定。別添の小袋は「香辣調味油」が1袋、容器の高さも口径も日本の縦型ビッグより小さめです(※そして、ありえないほど強力な粘着剤で小袋が貼り付いている)。
どちらにも “東京 上板橋本店” の表示があり、「蒙古湯麺」のフタ上に記載されている「沸水4分钟」は、単純に “沸騰したお湯(沸水)を入れて4分間(4分钟)待つ” という解釈で問題ないでしょう。日本の「辛旨味噌」は熱湯5分なので、中国版は1分短めの設定です。そして、日本のカップラーメンにはない中国のカップラーメンあるあるネタが以下の写真。
容器の側面は日本と同じような紙製で、底面は発泡スチロールっぽい感じの素材。最初の赤いフタを剥がした先に白いプラ製の内蓋があり、折り畳み式の黒いプラ製フォークが入っています。このフォークはワンタッチで組み立て可能なんですけど、折れない? 大丈夫? ってくらい力を入れなければカチッとハマりませんでした。
2019年9月現在、日本版カップラーメンのフタ裏は創業50年の記念パッケージで、白根誠社長と息子・白根隆也マネージャーの姿が印刷されていますが、中国版のフタ裏は無地です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:蒙古湯麺中本 鮮辣辛旨味噌風味(蒙古汤面) 製造所:福建日清食品有限公司(福建省・2014年設立) 内容量:89克(面饼 62克)/ 89g(めん62g) 商品コード:6958965528012 発売日:2019年01月14日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:レギュラーサイズ 容器材質:紙 湯量目安:不明(※280mlくらい) 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(辛辣调味油) |
原材料名とアレルギー表示
原材料名も簡体字(中国語)なので、ほとんど意味は分かりません。とりあえず中国語ど素人の私でも分かるのは、「配料表」=成分(原材料名)、「面饼」=油揚げ麺、「调味料」=スープ、「菜料」=具材(かやく)といった太字のハイライト部分くらい。ただ、かなり日本版のカップ麺よりも細かい表示で、使用している食品添加物も麺とスープそれぞれ別枠で記載されていました。
実食開始
内容量は89克(グラム)、面饼(めん量)は62克、日本版は内容量118g(めん80g)の縦型ビッグですが、中国版はレギュラーサイズの「カップヌードル」と同じくらい。麺は日本版よりも細めで挽肉っぽい具材の色も違うのですが、具材は思いのほか多く、定番の豆腐やキャベツ、人参、キクラゲと主要具材は一通り揃っていて、粉末スープの量は少なめの仕様。
あとは熱湯を注いで4分待機、そういえば海外のカップラーメンって、ペーストでもオイルでも関係なく最初に全部入れてから熱湯を注いでハイ完成! みたいな商品が多いけど、今回の「香辣調味油」は——と思っていたら、小袋の裏面に “NISSIN 食用前加入(Add before serving)” と書いてあったので、日本版と同じく「蒙古湯麺」の小袋も “後入れ” です。
気になるカロリーなどの栄養成分表示も日本製のカップ麺とは別物で、たとえば「能量:1685干焦」の能量はエネルギー、干焦はキロジュール(KJ)。1kcal=4.184KJなので、カロリー表記に換算すると「1685KJ=約402.7kcal」になります。それぞれ横に書いてあるパーセントは、各栄養素1日分の摂取量目安に対し、その栄養素が何%入っているのかを表している参考値。
他にも反式脂肪=トランス脂肪酸、钠=ナトリウム、毫克=mgとややこしいので、それぞれ日本仕様に変換し、ナトリウム表記も食塩相当量に換算しておきました。さて、かなり辛そうな見た目に仕上がった中国版「蒙古湯麺」と日本のカップラーメンは何が違うのか、日中同時に食べ比べながら「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説します。
栄養成分表示:1食(89g)当たり
カロリー:402.7kcal(20%)*540kcal |
トランス脂肪酸:0g 食塩相当量推定値:5.01g(当ブログ調べ)*6.6g (計算式 “ナトリウム1976mg×2.54÷1000” ) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。「*」横の数値は、日本版の栄養成分表示です。 |
めん
ノンフライ麺ではなく油揚げ麺を採用しているのは日中共通のポイントですが、中国版の形状は縮れの強い平打ち麺で、見た目は「カップヌードル カレー」の麺と酷似しています。日本の箸に慣れていると小さな折り畳みフォークでは食べにくいかもしれませんが、ちゃんと付属のフォーク1本で食べられる現地仕様のヌードル系。
上の写真左が日本版「蒙古タンメン中本 辛旨味噌」の麺で、右が中国版「蒙古湯麺」の麺。日本の麺は縮れのないストレート状の太麺(直太麺仕上げ)で、中国の麺はラーメンというよりも軽食感が強くスナック的ですが、カップヌードルの麺よりもコシの強さは別次元。やや加水率の低い食感ではあるものの、見た目のわりに弾力があるので、なるほど熱湯4分は必要です。
油揚げ麺特有の風味は日本と違っていて、ちょっと乾いた感じというか、臭いわけじゃないけれど、コクは弱くて独特の香り。いずれにせよ中本の実店舗とも日本のカップラーメンとも完全に別物で、食べ応えも控えめですが、同梱されたフォークで食べる現地の文化を思えば納得ですし、中国で「カップラーメン」という食べ物がどういう立ち位置なのかを考えさせられる麺でした。
スープ
まず中国版のベースとなっている土台の粉末スープは、本家と同じく和風味噌で構築されてはいるものの、圧倒的に日本の中本よりも粉末スープの量自体が少なくて、どことなく味は “味噌汁っぽい軽さ” が先行します。現段階ほぼ唐辛子の辛味については皆無に等しい状態で、明らかに甘さは弱く、余韻に残る酸味が気になりました。
そして、日本の中本でいうところの辛味オイル「香辣調味油」の中身はドス黒い赤。これは北極ラーメンを再現しているのかな? などと期待値を煽ってくれる紅に染まったオイルは動物油脂が主体で、フタの上で温めずに投入すると濁りが見られます。ただ、小袋の端に残っていたオイルを直接舐めてみたところ、ぜんぜん非常識な辛さではありません。
もちろん辛くないわけではないけれど、日本版のスープを辛さレベル100%とした場合、中国版の辛さレベルは70%くらいの大人しい辛さ。オイル投入後は動物油脂によるコクがプラスされ、同時に抽出系の薬品チックな癖が目立ち、日本の辛味オイルで特徴的な炒め野菜風の香りは意識されていないのも大きく違うところ。
とろみも日本のスープより控えめで、甘さも弱いことから必然的に中毒性も下がっています。けれども日本の蒙古タンメン中本は200円以上、中国では100円以下。味のルーツは間違いなく「蒙古タンメン中本」ですし、とろみと甘さが控えめで酸味のアクセントがある、スッキリとした中国版のスープも悪くないと思いました。
具材
具材はキャベツ、挽肉、キクラゲ、人参で、挽肉は原材料名上 “猪肉” と表示(※つまり豚肉)。挽肉の食感はザラついた舌触りで、大豆たん白が混ぜてあり、意識して食べても旨味は控えめ。結果、よくも悪くも目立っていませんでしたが、主役の大きな豆腐は3.5個。スープと違って豆腐から酸味は気にならず、口当たりも風味も優しくて、ほぼ日本の豆腐と変わりません。
もともと日本の中本は具材が多すぎるので、比較すると量の違いは2.5〜3倍くらい。日本では大ぶりのキクラゲも細長くカットされていますが、日本の具材を実売価格にあわせてコンパクトにしたような内容で、日清食品のキャベツは中国とミャンマーから輸入、人参とキクラゲは基本的に中国産ですし、中本のカップラーメンにおける具材の加工技術は同等の水準でした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
まったく共通点がないわけではないけれど、たしかに中国で100円くらいと言われたら納得できる値段に見合ったクオリティで、印象は完全に安売り用の廉価版(れんかばん)中本。日本のカップラーメンと比較して中国版は辛さも中毒性も弱く、見劣りする部分は否めません。しかし、販売価格のレートも実際に2倍ちかく違いますからね。
たとえばイトーヨーカドーなどのセブン&アイ系列スーパー専用商品として、税込98円の蒙古タンメンを作った場合、こんな感じになるかもしれません。それにフォーク付属のコストも踏まえると、現地の需要と仕様にあわせて絶妙にアレンジされた状態。結論どっちが美味しいか聞かれたら日本版と答えますが、これで100円前後ならコスパの高い良品だと思います。