どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年8月19日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 麺づくり ゆず香るしお」の実食レビューです。
家族みんなに愛されるスタンダード「麺づくり」から夏に嬉しい期間限定フレーバー「ゆず香るしお」が新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺づくり ゆず香るしお
「麺づくり(めんづくり)」シリーズが初めて発売されたのは、現在から遡ること27年以上も前の1992年6月。ライバル関係にある「日清麺職人」の前身「日清の小麦麺職人」が発売されたのは2000年9月18日、それ以前に発売されていた日清食品のノンフライ高級カップ麺「麺の達人」(通称「めんたつ」1996年10月発売)を踏まえても、東洋水産の「麺づくり」が先輩です。
1992年に「しょうゆ」と「みそ」2つの味からスタートし、1994年に「とんこつ」と現在の “鶏だし塩” の前身「タンメン」を追加。「日清の小麦麺職人」が発売された2000年にノンフライ麺をリニューアル(スープに合わせて麺の形状を変更)して「タンメン」は「コク塩」に刷新、2004年に「コク塩」から「鶏だし塩」になり、初めてフレーバーごとに異なる湯戻し時間が設定されました。
2005年の夏、夏季限定商品として “醤油ベース” の「担担麺」が初めて登場し、同年「醤油」は赤、「味噌」は橙、「豚骨」は緑、「塩」は青とカラフルなパッケージデザインに変更。2006年には冬季限定商品として “味噌ベース” の「担担麺」を再販(※2019年8月現在はレギュラー入り)、そして2013年に「醤油とんこつ」がリリースされ、現在おなじみの6フレーバーが揃います。
現行ラインナップは「鶏ガラ醤油」「合わせ味噌」「旨コク豚骨」「鶏だし塩」「味噌ベースの担担麺」「醤油とんこつ」で、「ゆず香るしお」は期間限定。2017年に「日清麺職人」が小麦全粒粉入りノンフライ麺に刷新した際、「麺づくり」は生めん風に進化して、今回の「ゆず香るしお」の発売日と同じ日に「日清麺職人 鴨だし」が復活するなど、何かにつけて連動している両者。
同日、ライバルの「麺職人」は、シリーズ8品すべてに小麦胚芽を練り込んだ “ごちそうノンフライ麺” にリニューアルすることで、さらに主婦層を意識したマーケティングを展開しているのに対し、「麺づくり」は老若男女を問わず “家族みんなに愛されるスタンダードな味わい” をコンセプトにすることで差別化を図っています。
「ゆず香るしお」の発売と同時に定番の「担担麺」と「醤油とんこつ」がリニューアル発売となっているのですが、2品ともパッケージデザインの変更で、カロリー等の数値は変更なし。そして何を隠そう定番の「麺づくり 鶏だし塩」は独断と偏見に基づくマイランキング塩部門の中で上位3つに数えられる高コスパ商品の一つ(★7クラス)なので、かなり楽しみにしていました。
製造所は愛知県知多郡の「ユタカフーズ株式会社」(愛知県知多郡武豊町字川脇34-1)となっているため、東洋水産の本社工場ではありません。この会社はOEMを生業としている東洋水産のグループ企業で、「鶏だし塩」などの定番品から変わり種まで「麺づくり」シリーズの製造を一貫して担当しています。
もともとは1919年(大正8年)に製材業者として創業、1952年(昭和27年)から味噌や醤油などの醸造を始め、1976年(昭和51年)より東洋水産グループの一員になりました。残念ながら今回は柚子果汁や柚子皮ではなく “ゆず香料” を使用とパッケージに記載されているのですが、もし「鶏だし塩」の柚子しおバージョン的な仕上がりだった場合、かなりの高評価を叩き出すかもしれません。
開封
別添の小袋は「液体スープ」「粉末スープ」「かやく」の合計3袋で、これについては定番の鶏だし塩と同じ構成です。メーカー希望小売価格も同じく同列ラインの193円(税別)、おもにスーパーマーケットやドラッグストアを中心に販売されている商品で、今回はドンキホーテ(MEGAドン・キホーテ)で山積み108円+税のところを捕獲しました。
「麺づくり」シリーズに採用されているノンフライ麺は基本的に3パターンで、「鶏ガラ醤油」と「鶏だし塩」はノンフライ細麺(熱湯4分)、「合わせ味噌」はノンフライ太麺(熱湯5分)、「旨コク豚骨」はノンフライ極細麺(熱湯3分)、「担担麺」と「醤油とんこつ」はノンフライ中太麺(熱湯5分)と3種類の麺を使い分けています。
今回は定番の塩と同じ熱湯4分の細麺かと思いきや、同じ日にパッケージデザインがリニューアルされた「担担麺」と「醤油とんこつ」に使用されているノンフライ中太麺と共通で、湯戻し時間は熱湯5分。湯戻し前は平均的に見積もって中細くらいのサイズ感ではあるものの、あえて太めの麺の採用しているということは、それだけスープが力強いことを意味しているのかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 麺づくり ゆず香るしお 販売者:東洋水産株式会社 製造所:ユタカフーズ株式会社 内容量:88g(めん65g) 商品コード:4901990338882(JANコード) 商品サイズ:縦150mm×横150mm×高さ77mm 発売日:2019年08月19日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺(かんすい使用) スタイル:どんぶり型レギュラー・標準サイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、卵粉、たん白加水分解物)、添付調味料(チキンエキス、食塩、植物油、鶏脂、香味油脂、しょうゆ、ラード、たん白加水分解物、ごま、デキストリン、かつおエキス、香辛料、粉末野菜、砂糖、粉末こんぶ、酵母エキス)、かやく(焼豚、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、炭酸カルシウム、酒精、レシチン、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、増粘多糖類、香料、カラメル色素、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみで、中には大きめにカットされているネギと丸いチャーシューが入っているのですが、残念ながらメンマやチンゲン菜は入っていません。麺づくりの塩系統はメンマと相性がいいパターンが多いので、ちょっと寂しさが否めない実食前の現在なんですけども、それはさておき “この状態で” 熱湯を注いでください。
フタの上にも「スープは必ずお召し上がりの直前にお入れください。※熱湯を注ぐ前に入れますと麺が戻りません」と注意書きがあり、スープの小袋は両方とも後入れ指定です。以前、試しに麺が戻らなくなるのかスープ類を先入れしてみたところ、ほんとに戻りませんでした(部分的に戻りムラが生じる上にスープの香りも落ちるWデメリットを確認)。
というわけで熱湯を注いで5分待機、待っている間に液体スープの小袋を温めて、麺をほぐしてから粉末スープ(軽く混ぜる)、液体スープの順に入れるとスムーズです。思っていたほど柚子の香りは強くないけれど、早くも香りに定番 “鶏だし塩” との共通点を感じました。それでは、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(88g)当たり
カロリー:329kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:329kcal(めん・かやく:273kcal)(スープ:56kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
「麺づくり」的には中太麺ですが、カップラーメン全体での水準を思うと中細で、加水率の高い多加水麺タイプ。食べ始めの強烈なコシと小麦の芳醇な香りが特徴的なノンフライ麺で、丸刃でカットされているため口当たりがよく、麺の表面は摩擦抵抗のない滑らかな質感。けれども小刻みな縮れによって、スープの掴みは悪くありません。
時間の経過による食感の劣化にも簡単には屈しない耐久力の持ち主で、食べ始めはコシの強い硬めの歯ごたえが楽しめるのですが、どちらかというと後半しっとりスープに馴染んでくる頃合いがベスト。その頃には粘り気と同時に小麦の甘味も強くなってくるので、熱湯5分後にスープ類を混ぜた後、さらに1〜2分ほど休ませるのがオススメです。
ちょっと食べ始めはコシが強すぎるというか、「鶏だし塩」と同じ熱湯4分のノンフライ中細麺のほうが合うような気がする‥‥というのがファーストインプレッション。けれども後半けっこうスープの体感的な塩分濃度が強く、もし中細麺を採用していたら麺が負けていたかもしれない——と思ったので、結果的に適切なサイズだと納得できました。
スープ
おもに柚子の香料は粉末スープ側に仕込んであったので、それを開封した瞬間ふわっ‥と柚子が漂ってくるのですが、ペッパー系の香辛料を中心とした押しの強さは柚子以上、かつ芳ばしい白ごま(煎り胡麻)が大量に入っているのもポイント。この特徴的な個性から、粉末スープのベースが「鶏だし塩」なのは明らかです。
続いて液体スープのルーツも同じく「鶏だし塩」にあり、芳醇なチキンエキスをベースにラードで厚みを持たせている “こってり” 系のスタイルを取っているのですが、本家よりもラードの主張は控えめ。そのかわり鶏脂をブレンドすることで鶏に寄せつつ、夏季限定に合わせてスッキリと、また塩気もキュッと強めに調節してあります。
ちょっとスープ単体だと塩気の強さが気になったりもしたのですが、普段あまり汗をかくことがない私の感覚なので、もし日中に汗をかいて塩分が抜けていた場合、けっこう程よい塩梅かもしれません。ただ、柚子の香りは弱く、全体的なバランスとしては “こってりスパイシー = 塩のキレ > 甘味 >>> ゆずの香り” といったところ。
けっこう柚子の香りはハッキリとしているのですが、あくまでも「香料」なので、果汁の酸味や皮の苦味には期待できません。ただ、漠然と青唐辛子っぽい香りのアクセントが面白く、それは柚子胡椒ほど強いわけではないけれど、夏に嬉しい爽やかさを演出する上で効果的な個性だと感じました。
具材
かやくは焼豚、ねぎとシンプルな内容で、ネギは大きめにカットされていますし、そこそこ大きめの丸い焼豚で見栄えはいいのですが、実際それが今回の製品にベストマッチかと言われると微妙なライン。おいしくないわけではないけれど、機能的には可も無く不可も無しといったところでしょうか。
ケミカルな風味は比較的に控えめですし、どんぶり型・レギュラーサイズのカップラーメンにしては充分な肉具材ですが、成型肉特有のプリッとした歯切れが人工的。また、「ゆず香るしお」というテーマなので、無理に肉を入れなくても他にも選択肢があったように思います。それこそ「鶏だし塩」と同じようにチンゲン菜・メンマ・ねぎのほうが合いそうですし、この焼豚よりも玉ねぎのほうがゼッタイ効果的。
もしくは先入れ具材に汎用性の高いメンマ or チンゲン菜、あとのせかやくに小葱・ごま・柚子皮・唐辛子あたりで手を打ってほしかったです。とはえいえ大量の胡麻にはインパクトがあったので、及第点に0.5プラスしました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
もうちょっと具材に捻りがほしかったのと、柚子の存在感には香料の限界を感じましたが、とりあえず定番ラインナップの塩ラーメン「麺づくり 鶏だし塩」が好きなら今回の期間限定「ゆず香るしお」も間違いありません。一見すると優しそうなパッケージの雰囲気ですが、実際の味は鶏とスパイスが強めのキリッとした攻めのスタンスです。
故に定番の「鶏だし塩」を知らない方は大幅なギャップを感じるおそれがありますし、想像していたよりも力強い味に驚かれるかもしれませんが、「日清麺職人」の繊細な全粒粉入り麺では成立しない力強さはブランドの差別化を図る上でも効果的なポイント。テーマも魅力的なので、具材や柚子をブラッシュアップしつつ、来年以降も夏の定番麺づくりとして発売してもらいたいですね。