どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年1月7日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「サッポロ一番 麺屋 翔 香彩鶏だし塩ラーメン」の実食レビューです。
「神の塩」と称されたラーメン激戦区・新宿の人気店「麺屋翔」の味わいをカップラーメンにアレンジして再現!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
麺屋翔のカップ麺 香彩鶏だし塩ラーメン
「麺屋 翔」(めんや しょう)とは、東京都新宿区西新宿(西新宿駅西口から徒歩約9分)に本店を構える「塩らーめん」の名店で、「香彩(こうさい)鶏だし塩らーめん」は実際に本店で提供されている人気No.1メニューのひとつ。サッポロ一番ことサンヨー食品とのタイアップは、今回で2度目になります。
鶏の旨味と香りを極限まで引き出した清湯スープに、4種類の塩(フランス産ゲランドの塩、モンゴル天外天塩、イタリアのロックソルト、赤穂の天塩)をブレンドしたタレをあわせ、SNSでも「神の塩」と絶賛された究極の一杯。丸鶏を煮込んだ上澄みからとった鶏油(チーユ)と海老油をアクセントに入れて、香りにもこだわっているそうです。なるほど、だから「香彩(こうさい)」なんですね。
他にも人気No.2の「鶏白湯つけ麺」や塩に負けないと話題の「香彩鶏だし醤油らーめん」、看板メニューの清湯とは毛色の違う「鶏白湯らーめん」も本店限定のレギュラーメニューにあるそうで、さらに毎月最終火曜日の月一限定「媛っこ地鶏の日」、札幌育ちの店主・大橋望(おおはし のぞみ)氏が試行錯誤の末に辿り着いた毎週水曜日の週1限定「〈札幌風〉味噌らーめん」など、限定メニューにも気合が入っています。
現在の「麺屋 翔」開業前、2004年2月3日にオープンした「池袋ひかり町ラーメン名作座」で2005年11月1日に「麺屋 翔」として出店していたようですが、その施設が2006年2月に閉店。2007年4月に居抜き物件だった現在の店舗にて「麺屋 翔 西新宿本店」を開業するも上手く軌道にのれず、かなり苦戦されていたそうです。その当時、店主の大橋望氏は29歳の若さでした。
その後、2011年に当時付き合いのあった製麺所の方からテレビ東京「愛の貧乏脱出大作戦」という番組に出演しないかと誘われ、番組に出演することを決意。そこで「麺屋こうじグループ」の田代浩二(たしろ こうじ)氏から3週間、経営者としての “いろは” を叩き込まれ、東十条にある「麺処 ほん田」の店主・本田裕樹(ほんだ ゆうき)氏から味を学び、当時のレギュラーメニューを一新して現在の「香彩鶏だし塩らーめん」が生まれたそうです。
それから月日は流れ、ラーメンの激戦区と言われている新宿で行列のできる人気店に成長し、2016年4月18日には2号店の「麺屋翔 品川店」をオープン。さらに2018年10月2日「麺屋翔みなと店」をオープンし、2019年1月現在は3店舗を構えています。「品川店」では限定の「辛味噌らーめん」やトリュフ塩を使用した「塩清湯つけ麺」、「みなと店」では「真鯛」がテーマのラーメン・つけ麺が頂けるそうですね。
さて、そろそろ話を本題のカップ麺に戻しましょう。容器側面には「店主認」との太鼓判が押され、鶏の香りとコクにこだわっていること、また2018年1月に発売した商品より “さらに美味しくなった” 自信作と書いてあるのですが、ちょうど1年前にあたる2018年1月9日(火)にも「サッポロ一番 麺屋 翔 香彩鶏だし塩ラーメン」という同じタイトルのカップ麺が発売されていました。
2018年発売品(以下、「前回」と記載)は移転前のブログで記事にしているのですが、こだわりの鶏油が思っていたよりも弱く、それ以上に海老の芳ばしい風味が強かったことや横広がりの旨味は印象に残った反面、油揚げ麺が即くたばるという驚きの柔麺だったので、ちょっと厳しめに評価しています。さて、2019年「麺屋翔」の仕上がりはどうでしょうか。
開封
な、なんということでしょう‥‥と、言われたところで意味不明かもしれませんが、サンヨー食品のタテ型ビッグ製品はフタ上の小袋が取りにくく、それはそれは強力な接着剤を多めに使って貼り付けているのが基本なんです。それなのに今回、写真の向かって左側は若干の伸びを見せているのですが、接着剤そのものが細く射出されていました。
いつも「接着担当はスパイダーマンかww」ってくらい強力なのに、ほとんど小袋側にも接着剤が残りません。たまたまなのか2019年になってスパイダーマンがサンヨー食品からリストラされたのか‥(※それは違う)、とりあえずペリッと剥がれちゃって拍子抜けでした。とはいえ強力だと強力で、いつも反動のパンッ! という音にビビッてるんですけどね私。←
ハイ、それはさておき開封してみますと、あまり具材の量が豊富とは言えません。構成としては前回と同じような雰囲気ですし、もしかすると麺の下に隠れているのかもしれませんが、現段階では少し頼りない印象です。ちなみにカップ麺の製造所は「太平食品工業株式会社 関西工場」となっているのですが、サンヨー食品のグループ会社で、新商品では頻繁に出てくるメーカーですから、ご安心ください。
それからカップ麺の発売日は2018年12月31日(月)という情報がネット上に流れているのですが、正しい発売日は2019年1月7日(月)です(2019年1月8日現在、サンヨー食品のホームページにも掲載されています)。
製品情報・購入価格
製品名:サッポロ一番 麺屋 翔 香彩鶏だし塩ラーメン 販売者:サンヨー食品 製造所:太平食品工業 内容量:90g(めん70g) 発売日:2019年1月7日(月) 実食日:2019年1月8日(火) JANコード:4901734036449 希望小売価格:205円(税抜) 発売地域:全国(全チャネル販売) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:タテビッグ 容器材質:紙 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、チキンエキス、粉末卵)、スープ(食塩、チキンエキス、鶏脂、糖類、植物油脂、昆布粉末、香辛料、椎茸エキス、発酵調味料、酵母エキス、えび粉末、ホタテエキス、デキストリン、煮干いわし粉末、かつおエキス)、かやく(味付豚肉、味付鶏肉そぼろ、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸カルシウム、クチナシ色素、トレハロース、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、香辛料抽出物、ビタミンB2、カラメル色素、ビタミンB1、増粘剤(キサンタン)、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【アレルギー表示】えび・小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉 |
実食開始
さて、これは別添「仕上げの小袋」を開封して直後の図なんですけど、中身は無色透明のオイルです。写真では黄金色に輝いているスープですが、事前に容器の中に仕込んである粉末スープだけの段階から黄金色でした。スープの原材料を見る限り、これといって黄金色に染まりそうな成分は含まれていないので(鶏油は黄金色だけどオイルは無色透明だったので)、ちょっと不思議。
ちなみに「仕上げの小袋」ですが、投入した瞬間から鶏油や海老油を彷彿とさせる芳ばしい香りがパァァーッ‥と、花開くわけではありません。ほんのりと香りは漂っているのですが、目に見えて芳ばしい香りではないです。前回ここでズッコケたので、今回は期待値を調整していたのですが、やはりグワッ! と押し寄せてくるタイプではありませんでした。
さて、完成です。調理前は具材ちょっと寂しいかな‥? と思ったのですが、意外とメンマけっこう入ってますね。チャーシューチップと肉そぼろは少なめなんですけど、だいたい前回と変わらない仕上がりのビジュアルです。それでは、実際に食べてみましょう。「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
1食(90g)当たり
カロリー:419kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:419kcal(めん・かやく:344kcal)(スープ:75kcal) |
めん
表面につるみがありしなやかで、適度なコシのあるめんに仕上げました。適度なちぢれをつけることにより、スープがよく絡みます。
(出典:サンヨー食品「製品情報」)
角刃でカットされた縮れのある平打ち油揚げ麺で、サイズは中細。きっちり3分で開封し、かき混ぜてから調味油を投入してサクッと撮影(「実食開始」1枚目の写真)。それから具材を整える前(2枚目の調理後完成写真を撮影する前)に食感を確認してみたところ、食べ始めはイイ感じにモチッとした弾力でしたが、お湯を注いでから計5分(開封してから2分前後)で早くも頼りない食感に変わります。
お店のラーメンは菅野製麺が製造している平打ちストレート麺で、ちょっと粉っぽさが感じられるのが特徴だそうです。それも特注で麺の表面にザラつきを与えるような作り方をしてもらっているそうで、その製法によりスープが絡みやすく、適度に粉っぽさが感じられながらもシルキーで滑らかな質感が‥‥うーん、おそらくカップ麺けっこう遠いですね(笑)。
サンヨー食品には「和ラー」(わらー)という素晴らしいブランドがあって、それに使用されている油揚げ麺は非の打ち所がないくらい秀逸な質感なんですけど、残念ながら足元にも及びません。同じ社内でも開発部によって社内秘の製法とかあるらしいので(以前、1回だけセブンプレミアムのカップ麺に和ラーの麺が使用されていましたが)、ちょっと貸して! みたいなのは無理なんでしょうね。油揚げ麺臭が邪魔にならなかったのは好印象でしたが、ちゃんと3分待ってからフタを開けたら少し早めに食べ切ったほうがいいかも。
スープ
チキンのうまみに魚介系のうまみを合わせ、鶏脂の風味をきかせた、コクのある上品な味わいの塩味スープです。
(出典:サンヨー食品「製品情報」)
仕上げの小袋(オイル)を加える前からスープは黄金色に輝いていたと書きましたが、実際そこまで鶏は強くありません。お店のスープに使用している動物系は鶏オンリーで、 “鶏の大群が襲ってくるようなインパクトのあるスープ” と大橋望氏も仰っていたのですが(でもって私は本物を食べたことがないので偉そうなことは言えないんですけど)、かなり食べやすくアレンジしているのではないかと思います。
仕上げの小袋に入っていた成分は無色透明で、芳ばしい鶏油特有の香りも目立っておらず、ちょっと癖はあるけれど、鶏脂よりも植物油脂が手前にあるような、あまり印象的なオイルではありません。店主こだわりの海老油もブレンドしていないようですし、直接オイルを舐めてみてもグッとくる鶏油のコクは得られませんでした。
原材料にポークエキスや豚脂などは使用せず、動物系の素材はチキンエキスと鶏脂のみという潔さにはこだわりを感じますし、そこへ昆布や椎茸、煮干いわし粉末、かつおエキスなどの和風だしを重ね、やわらかいホタテエキスの旨味で味を広げつつ、えび粉末で海老油個性を再現しようとしている前回通りの設計なんですれども肝心要の鶏が‥w 食塩のキレは効いてますバッチリ。でも、鶏の大群は休暇中。
かやく
チャーシュー、鶏肉そぼろ、メンマ、ねぎの組み合わせです。
(出典:サンヨー食品「製品情報」)
お店のラーメンには「麺処 ほん田」店主・本田裕樹氏直伝「吊し焼き」のバラチャーシューがトッピングされているらしいのですが、残念ながらカップ麺のチャーシューはチップ状で情緒のない肉具材‥なんですけど、これについては仕方がないので諦めてください(笑)。チャーシューチップはスカスカな食感で旨味も控えめ、量も多くありません。
鶏肉そぼろは生姜が効いたスパイシーな味付けで、けっこうサイズのわりに存在感があって好印象だったんですけど、如何せん少ないです。メンマはコリコリというよりもシャキッと歯切れがよく、風味は控えめなタイプでしたが、その歯触りは食感のアクセントに効果的でした。
ネギも適量で緑が映えていたのですが、ラインナップとしては可も無く不可も無しでしょうか。お店のメニュー写真を見ると具材には白髪ねぎに糸唐辛子、水菜などで彩りのよい見た目だったんですけど、手軽さが売りのタテ型カップ麺ですからね。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)
(けっしてイマイチではないのですが‥)
2年連続で「店主認」のゴーサインが出ているわけなので、まったく遠い仕上がりではないのかもしれませんが、ネットにアップされている評判の数々や店主こだわりのコメント(インタビュー)などから想像し得る味とは別物でした。実際の味を知らないため、その想像力(私の)に問題があったら申し訳ないんですけど、鶏が好きな人ほど物足りなさを感じてしまうかもしれません。
お店の「香彩鶏だし塩らーめん」は意外なほど鶏が濃厚と評価されているのに、その魅力はカップ麺の味から伝わってきませんでした。もちろん「麺屋翔」をディスっているわけではありませんよ! 評判が高いことと実に本物が美味しそうだったので、それだけにハードルも上がってしまったのです。ただ、サンヨー食品はノンフライ麺に強いメーカーなので、もし来年もタイアップしていただけるのなら、値段を上げてでもノンフライ麺・どんぶり型の本気が見たいですね。