どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2018年10月22日(月)新発売のカップ麺、日清食品「日清麺職人 水炊き風鶏だしそば」の実食レビューです。
主婦層から特に高い評価を得て、しかも手頃な価格で購入できる日清食品のノンフライ麺ブランド「麺職人」シリーズより、女性に人気の鍋メニューをアレンジしたカップラーメン「火鍋風麻辣麺」と「水炊き風鶏だしそば」がリリースされました。
水炊きって博多の?関西の?全粒粉入りノンフライ麺って?再現度は?これまでの経験と実際に食べてみた感想に基づいて評価し、その疑問を解消します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
日清麺職人 水炊き風鶏だしそば
「水炊き」とは、昆布や鶏などを水から煮立たせた “わずかな出汁だけ” を使用して、いっさい他の調味料は使わない、実にシンプルな鍋料理です。関西地方では普通に豚肉なども入れるので、おそらく今回の水炊きは鶏に特化している九州・福岡の “博多水炊き” がモチーフでしょう。
すでにレポ済みの同時発売品「火鍋風麻辣麺」と比較して穏やかなテーマなので、早くも差別化はバッチリです。
このままハンカチにでもなってしまいそうな、鶏を基調とした和モダンなパッケージも印象的です。全麺リニューアルしてから刷新された麺職人のパッケージはデザイン性が高いので、けっこう店頭でもスタイリィッシュに目立っているんですよね。
ちなみにパッケージにも掲載されているように、今回のカップ麺は期間限定商品です。
ところで2017年8月から “全粒粉入りノンフライ麺” にリニューアルされた麺職人シリーズですが、 “小麦全粒粉” とは小麦を丸ごと粉にしたもので、お米でいうところの精米(白米)ではなく “玄米” みたいな立ち位置と例えれば伝わりやすいでしょうか。
お店のラーメンにも使われるようになってきた全粒粉ですが、カップ麺でも珍しいことではなくなり、中でも日清食品はノンフライ麺だけでなく油揚げ麺でも全粒粉入りの麺を採用しています。「火鍋風麻辣麺」は刺激の強さから小麦の風味が感じ取りにくかったので、それについては「水炊き風鶏だしそば」のほうが上かもしれません。
博多水炊きをモチーフにしたカップ麺といえば2018年10月にリニューアルした「サッポロ一番 和ラー 博多 鶏の水炊き風」がスーパーの棚にも定番品としてあるので、それに匹敵する骨っぽさに期待したいところ。製品スタイルとしては別物ですが、メーカー希望小売価格は同じ税別180円ですし、だいたい両者ともに120円前後で購入できますよね。
同じ水炊きをテーマにしているカップ麺ということで、軽く比較対象にしてみます。それでは、開封して中身を確認してみましょう。どうでもいい話なんですけど、私はフタ描かれている4羽の中で最も上にいる鶏に惹かれました。こいつ、たぶん剽軽な性格だなw
開封
小袋は「液体スープ」「かやく」の2袋構成で、かやくが先入れ、液体スープは後入れです。液体スープは熱湯を注いでから待っている間にフタの上で温めるように指示されているので、可能な限り満遍なく温まるように2分前後で裏表ひっくり返しましょう。(これ地味にポイント)
現在の麺職人らしく小麦全粒粉が余裕で視認可能な全粒粉入りノンフライ麺が採用されているのですが、おそらく色の濃さとサイズから「火鍋風麻辣麺」と同じだと思います。それでは、お湯を注いできますね。
製品情報・購入価格
製品名:日清麺職人 水炊き風鶏だしそば 製造者:日清食品 製造所:関東工場 内容量:88g(めん65g) 発売日:2018年10月22日(月) JANコード:4902105246382 希望小売価格:180円(税別) 発売地域:全国(全チャネル販売) |
麺の種類:ノンフライ麺 容器材質:プラ(PS) 必要湯量:400ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:2袋(液体スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】 めん(小麦粉、小麦全粒粉、食塩、植物油脂、卵粉、しょうゆ、チキンエキス、大豆食物繊維)、スープ(食塩、植物油脂、チキンエキス、チキン調味料、たん白加水分解物、糖類、鶏脂、チキン調味油、酵母エキス)、かやく(キャベツ、味付肉そぼろ、ねぎ、赤唐辛子)/ 加工でん粉、かんすい、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、酒精、増粘多糖類、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、セルロース、香料、炭酸Mg、ビタミンB2、ビタミンB1、カラメル色素、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【アレルギー表示】 小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・大豆・ごま |
実食開始
「火鍋風麻辣麺」では先入れの粉末スープが採用されていたので、どうしてもフタを開けてから部分的にほぐれにくさが気になってしまったのですが、「水炊き風鶏だしそば」は後入れの液体スープで戻りムラは気になりません。ただ、そこまでスムーズにほぐれるわけではないので、やはりフライングせず4分きっちり待つのが適切です。
麺のクオリティは折り紙付きですから、「鶏だし」の濃度や炊き出し感のある “骨っぽさ” に注目しながら食べてみましょう。
1食(88g)当たり
カロリー:287kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:287kcal(めん・かやく:257kcal)(スープ:30kcal) |
めん
“全粒粉” を練り込むことで小麦本来の風味が感じられる、しなやかなノンフライ中細ストレート麺。
(日清食品「ニュースリリース」より引用)
やはり同時発売品の「火鍋風」と比較して麺の根本的な質感に大きな差はありませんでしたが、こちらはスープが淡麗系なので、麺の風味については段違いでダイレクトに伝わってきます。むしろコシと香りの強さから、バランスとしては麺勝ちしている状態かもしれません。
それだけに麺とスープのバランスをフィフティに楽しみたい方にとっては、評価が左右に転ぶポイントになる恐れがあります。しかし、ブランド名にもなっているように「麺」職人なので、むしろ麺がスープに軽く勝つ、くらいでいいんじゃないかとも思うのですが、いかがでしょう。
全粒粉特有の粒感については具材を絡めずに麺だけ口に入れて、じっくり意識しながら噛む必要があるのですが、やはり小麦の甘味については一般的なノンフライ麺とベクトルが違いますし、はっきり全粒粉入りであることが分かる見た目も大切ですよね。熱湯4分すぐでも食べられないことはありませんが、スープとの一体感を高めるために、あえて1分ほど余分に待ったほうがいいかもしれません。
スープ
口当たりはあっさりとしていながらも、あとから濃厚な鶏のうまみが口の中に広がる塩スープ。
(日清食品「ニュースリリース」より引用)
たとえばサンヨー食品の「和ラー(青)」と比較して、まったく骨っぽさについては足元にも及びません。しかし、粉末スープのみで構成されている和ラーと違って液体スープなので、鶏脂やチキン調味脂など、液体(油脂)ならではの深みが楽しめます。
原材料を見ると動物系の成分は主に鶏が主軸となっており、たん白加水分解物や酵母エキスによる旨味のサポート、また植物油脂による厚みの演出などもありますが、よく見るとカップ麺のスープでは必須と言っても過言ではない原材料「香辛料」の記載が見当たりません。
ほかの調味料を “いっさい使っていない” というレベルではありませんが、コショーなどのスパイスやガーリック、生姜などの香味野菜など(これも香辛料扱いされることがあります)、それさえも入っていませんでした。
シンプルで癖のない鶏の旨味を軽く食塩で整えただけ、みたいなテイストだったので、それだけに “カップラーメンとしては” 少しボヤけた印象を受けてしまうかもしれませんが、水炊きのシンプルさを大切にしている、よくできた構成だと思います。
かやく
キャベツ、ミンチ肉、ネギ、赤唐辛子。
(日清食品「ニュースリリース」より引用)
カップ麺としては大きくも小さくもないミンチ肉ですが、香味野菜のキレや旨味成分など、かなり味付けしっかりで、ふと口に入ってきた時の存在感が大きく、淡白なスープをワイルドに押し上げます。いっさいの調味料を使用しない博多水炊き的にはタブーですが、かなり穏やかなスープだったので、そのバランスを取るためにもカップ麺としては大正解。
ネギは歯触りが食感のアクセントに寄与しており、ただでさえ具材が寂しくなりがちな麺職人の穴をカバー。とはいえ量としては多くなかったんですけど、淡麗系のスープによってキャベツの優しい風味がよく分かります。
地味に効果的だったのが輪切り唐辛子で、たまにピリッとキますピリッと。それでもピリ辛以下なので、辛い食べ物が苦手な方でも構えなくて大丈夫ですよ。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(4)
(標準は★3です)
正直、カップ麺としての総合力でいえばサンヨー食品の「サッポロ一番 和ラー 博多 鶏の水炊き風」が上だと私は感じました。でも雑味のない博多水炊き風を意識した原材料のシンプルな構成は印象的で、塩気もカップ麺は濃い味で少し食べにくい‥という主婦層の方には適度な塩梅だと思いますし、麺勝ちしているバランスもブランド的にはオッケーですよね。
そんなにインパクトのある新商品ではありませんが、繊細に全粒粉入りノンフライ麺を楽しみたい方には素直にオススメしたい、きちんと価値の見出せるカップ麺でした。もしも味気ないと感じた場合、ちょい足しアレンジとして柚子胡椒を少しだけトッピングしてみてください。