どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年8月7日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん焼そば」の実食・比較レビューです。
マルちゃんが “焼いてない問題” をジュワッと解決!? みんなが知ってるロングセラーのチルド焼きそばを湯切りタイプのカップ焼きそばで再現!!
おいしい? まずい? チルド麺の「マルちゃん焼そば 3人前」とカップ麺を食べ比べてみた結果——。実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん焼そば
マルちゃん焼そば 3人前(ソース付)とは、赤いきつねの前身となる業界初のカップ入り即席きつねうどん「カップきつねうどん」や、後に北海道のソウルフードとなる「やきそば弁当」などの誕生と同時期、1975年(昭和50年)11月に東洋水産が発売したチルド麺(むし中華めん)のロングセラーで、POSデータに基づく「生麺・ゆで麺」カテゴリーの売れ筋ランキングNo.1に君臨する絶対王者。
2002年(平成14年)6月に「塩焼そば 3人前」を発売して以来、現在は「たらこ味 3人前」や「お好みソース 3人前」を通年販売しつつ、期間限定の変わり種もコンスタントにリリースしている「マルちゃん焼そば」シリーズですが、定番の「マルちゃん焼そば 3人前(ソース付)」だけは “ずっとかわらない、この味を。” 揺るぎないコンセプトに、発売当初からの魅力を頑なに守り続けています。
そんな不動のチルド焼きそば「マルちゃん焼そば 3人前」の味わいを、手軽に食べられるカップ焼きそばで再現したのが今回の新商品「マルちゃん焼そば」で、調理方法は湯切って仕上げる即席カップめん特有の仕様。そのため “焼きそばなのに焼いてない問題” が最大の難関になるのですが、チルド焼きそばの「マルちゃん焼そば 3人前」を公式が即席カップめん化するのは初めての試みではありません。
少なくとも現在を遡ること12年以上、2011年(平成23年)7月25日に「マルちゃん焼そば 3人前」の味をモデルにしたカップ焼きそば「マルちゃん 焼そば大盛り」を発売していた東洋水産。フライパンに油を引く工程は「特製油」で補い、別添の「粉末ソース」はオリジナルよりもスパイス感を強めるなど、それなりに必要なデフォルメを施しつつ、きちんと雰囲気のある商品に仕上げていました。
「マルちゃん 焼そば大盛り」は当初、東洋水産のNB(ナショナルブランド)商品として誕生し、何度かリニューアルを繰り返していたのですが、何を隠そう “その後身が現在のセブン-イレブンで販売されている「セブンプレミアム 1分湯戻し大盛ソース焼そば 中華スープ(特製カップスープ)付き」である” というのは知る人ぞ知る話。
セブンプレミアムの「大盛ソース焼そば」は、2019年(令和元年)6月10日のリニューアルで熱湯3分から “1分湯戻し” に変わり、2022年(令和4年)10月10日のリニューアルで “中華スープ付き” になったので、東洋水産が誇る「俺の塩」並びに「やきそば弁当」及び「焼そばバゴォーン」のノウハウも組み込まれているのですが、今でもソースの配合は「マルちゃん焼そば 3人前」をイメージしています。
というわけで、これまでの流れを踏まえると、2023年(令和5年)8月発売の「マルちゃん焼そば」は原点回帰的な企画に該当します。しかし、セブンプレミアムではなく東洋水産のNB商品として「マルちゃん焼そば 3人前」のカップ麺がリリースされるのは、おそらく2014年(平成26年)8月25日発売の「マルちゃん 焼そば大盛り」以来となる話。
パッケージには「マルちゃん焼そば 3人前」を堂々と印刷し、なおかつ “マルちゃん焼そば3人前の味をカップ焼そばで再現しました!” と訴求しているのですが、向かって左側に小さく “このチルド麺の画像は味のイメージです。「マルちゃん焼そば3人前」の麺とソースは使用しておりません。” との注意事項を記載しているため、どれほど再現度が高いのか、チルド麺と比較しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「特製油」と「ふりかけ付き粉末ソース」の計3パック。チルド麺の「マルちゃん焼そば 3人前」に「かやく」「特製油」「ふりかけ」は別添されていないため、これについてはカップ麺ならではのステータスになりますけど、例の “焼きそばなのに焼いてない問題” をカバーできているのかどうか、というのが見どころの一つ。
麺は油で揚げたフライ麺で、ちょっと色が濃いめの見た目と精製ラードの芳ばしさが印象的。この色と芳ばしさについては東洋水産のカップ焼きそばに共通する特徴なので、マルちゃんらしいポイントになるのですが、オリジナルの「マルちゃん焼そば 3人前」に使われているのは蒸し麺。フライ麺とは大きく製法が異なるため、ここも再現度の観点から見ると高いハードルになります。
ちなみにメーカー希望小売価格は236円(税別)なので、2023年8月現在の即席カップめん製品におけるレギュラーサイズで標準的な値段。オリジナルの「マルちゃん焼そば 3人前」は370円(税別)ですが、それぞれの税込価格を例に挙げると、私が購入した店舗での販売価格はカップ麺=138円、チルド麺=192円だったので、ちょっとカップ麺のほうが割高です。その分、作るのは楽ですけどね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん焼そば 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場 内容量:107g(めん90g) 商品コード:4901990375399(JAN) |
発売日:2023年08月07日(月) 実食日:2023年08月12日(土) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:スーパー 小売価格:236円(税別) 購入価格:138円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:560ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(ふりかけ付き粉末ソース・特製油・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、しょうゆ、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料及びふりかけ(植物油、砂糖、食塩、ソース、香辛料、デキストリン、あおさ、しょうゆ、紅生姜)、かやく(キャベツ、味付挽肉)/ 加工でん粉、トレハロース、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、ビタミンB2、ビタミンB1、酸味料、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む)※本製品で使用しているアオサは、えび・かにが混在する方法で採取しています。 |
実食開始
栄養成分表示[1人前(めん150g、ソース1袋)あたり]カロリー 274kcal、たんぱく質 7.6g、脂質 3.2g、炭水化物 53.6g、食塩相当量 3.5g(めん 0.5g / ソース 3.0g)[製造所:M15 相模工場(神奈川県伊勢原市神戸426)] |
さて、まずは「マルちゃん焼そば 3人前」の調理直後。かやくは別添されていないため、各家庭での調理方法や使う具材により味が変わること、それによってアレンジの幅が無限大に広がるのもチルド麺ならではの魅力となっているのですが、今回は比較検証のために “素” の状態で調理しています。‥‥キャベツくらい入れるべきやったかなw(詳しい調理方法は商品外装の裏面を参考にしてください)。
栄養成分表示[1食(107g)あたり]カロリー 515kcal、たんぱく質 7.5g、脂質 25.7g、炭水化物 63.4g、食塩相当量 3.6g、ビタミンB1 0.36mg、ビタミンB2 0.39mg、カルシウム 203mg[製造所:M1 関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1)] |
次に即席カップめん版「マルちゃん焼そば」の調理直後、こちらは別添ふりかけ(アオサ・紅生姜)とキャベツをはじめとする具材で比較的に賑やかな雰囲気。香りの深層心理まで追いかけると異なる源泉に辿り着くのですが、ソースのスパイシーさを筆頭に、まったくもってオリジナルからは遠いわけではありません。
ちなみにカップ麺を作るときには「特製油」を軽く麺に絡めてから「粉末ソース」を馴染ませるのがポイントなので、調理の際は留意してください。それでは、引き続きオリジナルとの違いや再現度の高さに注目しつつ「めん」「ソース」「かやく・ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、各項目の評価と総評は即席カップめん「マルちゃん焼そば」の感想に基づきます。 |
めん
原材料名:めん(小麦粉(国内製造)、植物油、食塩 / グリシン、かんすい、クチナシ色素、保存料(しらこたん白)、(一部に小麦・さけを含む)) |
再現度は低い(でもウマいw)
「マルちゃん焼そば 3人前」に別添されている粉末ソースの構成は、ほとんど発売当初から変わっていないのに対し、蒸し麺はマイナーチェンジを繰り返しているのが特徴で、現時点での最終リニューアル日は2014年2月1日。しなやかでソフトな食感はそのままに、ほぐれやすさを向上させることで、従来よりも粉末ソースとの混ざりが良くなり、なおかつ調理の際にも麺が切れにくくなりました。
原材料名:油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、しょうゆ、香辛料、粉末野菜、卵白) |
片や「マルちゃん焼そば」の油揚げ麺は、精製ラードの芳ばしさを特徴とする東洋水産らしい仕上がりで、形状もチルド麺ではストレートなのに対し、こちらは遠慮なく縮れを施すなど、ぶっちゃけ再現度は高くありません。後味に残る風味も別物なので、すっぱりと割り切る必要があります。ただ、なんというか、うん‥‥異様に美味しいですねw
ぜんぜん特別な麺じゃないのに、チルド麺の雰囲気とも別物なのに、後述するソースとの親和性は申し分なく、精製ラードの風味がフライパンに豚脂を広げたような調理感を演出するなど、そのような工夫が伝わってくる仕様。保存の観点から要冷蔵の蒸し麺を使うことはできないので、それとは異なる質感ではあるものの、だからこその工夫と魅力に注目しながら楽しんでみてください。
ソース
原材料名:添付調味料(砂糖、食塩、粉末ソース、香辛料、粉末醤油、ポークエキス、植物油 / 調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸味料、(一部に小麦・大豆・豚肉・りんごを含む)) |
本家よりもスパイシー
「マルちゃん焼そば 3人前」に別添されている粉末ソースは、日本人の味覚に合わせて隠し味に “粉末しょうゆ” を使っているのがポイントで、原材料名にも記載されている砂糖や塩、ポークエキスなどのほかに “秘伝のスパイスを20種類” 配合し、唯一無二のスパイシーな味わいを打ち出しています。
ちなみに秘伝のスパイスは「レッドペッパー」「ブラックペッパー」「クローブ」「シナモン」「オールスパイス」「ナツメグ」「タイム」「セージ」「ガーリック」「ジンジャー」の計10種だけ開示されているのですが、残りの10種は門外不出とのこと。
原材料名:添付調味料 |
それをイメージしている「マルちゃん焼そば」の添付調味料は、フライパンに引く油を「特製油」でイメージし、基本は「粉末ソース」で味を付けながらもオイリーな口当たりを表現。ただ、セブンプレミアムの「1分湯戻し大盛ソース焼そば」に別添されている特製油と比較して香りは弱く、ある程度は調理感を底上げしてくれていますが、どちらかといえば潤滑油としてのステ振りが目立ちます。
片や「粉末ソース」はオリジナルにルーツを持つ味で、比較的にスパイスが強めのチューンナップ。フライパンで炒めたような芳ばしさを完全に再現できているわけではないけれど、うっかり炒め過ぎてソースがフライパンに持っていかれた‥‥などのトラブルが皆無に等しいのはストレスフリーで嬉しいですよね。——え、私が作るの下手くそなだけ?w
かやく・ふりかけ
ふりかけ嬉しい、めっちゃ嬉しいw
かやくのキャベツは炒めたキャベツではなく茹でたキャベツのベクトルなので、カップ焼きそばの限界を感じるポイントになりますが、みずみずしい食感と野菜の甘さは粉末ソースと相性良好。肉具材は例のリアルな味付豚肉ではなく挽肉系なので、ちょっと残念に思えたものの、結果的にジャンクな風味も悪くない。
さらに「ふりかけ」のアオサと紅生姜が効果的で、普遍的な粉末ソースと結託してムード爆上がり。紅生姜は乾燥ですけど、だからこそノスタルジックというか、めっちゃよかったです。
総評
チルド麺とフライ麺の違いを筆頭に、あの「マルちゃん焼そば 3人前」を忠実に再現できているわけではないのですが、精製ラードの芳ばしさが印象的なフライ麺と粉末ソースの相性は素晴らしいの一言。湯切りタイプでも「マルちゃん焼そば 3人前」の調理感が楽しめるように「特製油」を別添し、なおかつスパイス感も強めるなど、可能な範囲で正しくデフォルメされた仕上がりでした。
しかし、味付けに関してはセブンプレミアムの「1分湯戻し大盛ソース焼そば」が一枚上手。最強クラスのPB(プライベートブランド)品と比較するのもアレかと思いますけど、もうひと押し‥‥などと感じた節が無きにしも非ずでした。でもね、おいしいです。とてもw 多角的に見て総評は「★5」としましたが、けっこう雰囲気ありますよ【author・taka :a(大石敬之)】