どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年8月26日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん正麺 カップ こく野菜タンメン」の実食レビューです。
マルちゃん正麺カップ全商品 “麺10g増量” リニューアルにあわせて定番の「野菜ちゃんぽん」が「こく野菜タンメン」に代替わり!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん正麺カップ こく野菜タンメン 2019
「マルちゃん正麺(せいめん)」とは、 “いま抜群においしく、そして10年後・20年後も古びることなく愛され続ける即席麺” をコンセプトに発足したブランドで、2011年11月7日にブランド初の「袋麺」を発売。カップ麺タイプの「マルちゃん正麺カップ」が初めて発売されたのは2015年10月5日、以来どちらもハイレベルでコストパフォーマンスの高いラインナップを展開しています。
今回から正麺カップの定番5品「芳醇こく醤油」「香味まろ味噌」「濃厚とろ豚骨」「うま辛担々麺」「旨こく豚骨醤油」の麺量を65gから75gへ10g増量し、「こく野菜タンメン」を新商品として発売しているのですが、そのタイミングで東洋水産の公式ウェブサイトから「野菜ちゃんぽん」の製品情報は削除されていました。
つまり「こく野菜タンメン」の参入をもって「野菜ちゃんぽん」は廃盤、しばらくはカップラーメン計6品、湯切りタイプの汁なし計3品(焼そば・汁なし担々麺・油そば)が定番商品になるようです。ときに新商品として発売された「こく野菜タンメン」、実は今回が同シリーズ初の野菜タンメンではありません。
2017年5月8日、「マルちゃん正麺 カップ こく野菜タンメン」という、まったく同じタイトルの期間限定商品を発売していました。2017年5月発売の「こく野菜タンメン」は、塩豚骨ベースのスープに生姜のアクセントを効かせた濃いめスープの完成度が高く、具材は野菜タンメンらしく野菜たっぷりで、文句の付け所が見当たらないくらい強烈に美味しかったんです。
麺は定評のある「生麺ゆでてうまいまま製法(特許5719064号)」のノンフライ麺で、当時から値段に釣り合わないほどクオリティの高い出来栄えではあったものの、無条件で存在感の強い多加水麺というスタイルからスープを選ぶ傾向にありました。しかし、当時の「こく野菜タンメン」は濃い味スープが麺を支え、両者のバランスは完璧。
白濁色のスープは強めの生姜と黒胡椒の清涼感に動じないほど豚骨の乳化感が強く、さらにタンメンの指標として重要な炒め野菜の風味が臨場感を醸し、正直ちょっとヘタなラーメン屋で食べるよりも美味しくて、なおかつ具材はフリーズドライの個性派さやえんどうを筆頭に、キャベツ、にんじん、たまねぎ、ねぎ、さらにエアドライのリアルな味付豚肉、香りの強いチンゲン菜と具沢山。
しかも当時の希望小売価格は税別205円、購入価格はスーパーで税込170円という意味不明なコストパフォーマンスの高さから、とうぜん総評も難なく「星7つ」の超絶高評価を叩き出し、文句の付け所がないと絶賛したのを覚えています。そして、2019年8月の「こく野菜タンメン」のパッケージデザインは現行品に沿って大幅に変わっているのですが——
東洋水産のニュースリリースには、炒めた野菜の風味が食欲をそそる、自家製豚骨だしを使用した「塩豚骨ベース」のタンメンスープであること。また「おろし生姜」と「粗挽き胡椒」がアクセントと記載されているため、まさに2017年5月発売品を彷彿とさせる今回、思わず胸の高鳴りが抑えられません。
開封
別添の小袋は「液体スープ」「粉末スープ」「かやく2袋」の合計4袋で、構成自体は2017年5月発売品(以下「前回」)と大差なく、かやくはオレンジの小袋にFD(フリーズドライ)と呼ばれる凍結乾燥製法を用いた具材、赤い小袋にAD(エアドライ)と呼ばれる熱風乾燥製法を用いた具材が入っています。
2019年6月1日に施行された即席めん業界全体の価格改定により、希望小売価格は当時の税別205円から税別225円に値上がりしていますが、これについては時代の流れによる逆らえない推移の一つなので、仕方ありません(※詳細は「『価格改定のお知らせ』カップ麺の値上げについて」をご覧ください)。
麺は熱湯5分のノンフライ麺で、「こく野菜タンメン」もリニューアル前の定量65gから10gアップの恩恵を受けています。しかし、重量が増えて根本的な麺の基礎クオリティが落ちては意味がありません。それに前回発売品が実に好印象だったので、スープや具材に目立った落ち度が見られた場合、思い出補正を抜きにして厳正に評価します。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん正麺 カップ こく野菜タンメン 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:104g(めん75g) 商品コード:4901990363952(JANコード) 商品サイズ:縦180mm×横180mm×高さ77mm 発売日:2019年08月26日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・かやく2袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、こんにゃく、大豆食物繊維、植物性たん白、植物油脂)、添付調味料(香味油脂、ポークエキス、食塩、植物油、しょうゆ、香辛料、チキンエキス、たん白加水分解物)、かやく(キャベツ、味付挽肉、チンゲン菜、たまねぎ、こまつな、ねぎ、にんじん、でん粉)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、レシチン、炭酸カルシウム、カラメル色素、酒精、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE、ローズマリー抽出物)、増粘多糖類、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
スープ2袋は後入れで、かやく2袋は先入れ。写真の向かって左がオレンジ色の小袋に入っていたフリーズドライ製法の野菜ブロック、右が通常の乾燥かやくです。FD野菜ブロックの中身は個性的だった「さやえんどう」が「小松菜」に変わり、マルちゃんが誇るリアル系の「味付豚肉」は「味付挽肉」に変わっていますが、Wかやくパックのヤサイマシ状態なのは前回から変わっていません。
ちなみに定番5品も麺の増量に伴い、「香味まろ味噌」は山椒などのスパイス感やラードの焦がし感、また炒め野菜の風味をアップしているとのこと。香味まろ味噌・こく野菜タンメンを除く残りの定番4品について、何が変わったのか詳細は記載されていませんが、 “それぞれの味を変えることなく、麺重量に合わせた仕上がりに調整” しているとザックリした解説がありました。
お湯を入れる時はFD野菜ブロックめがけて注湯、待っている間に液体スープの小袋はフタの上で温め、5分後にスープ類を馴染ませたら完成です。その瞬間から漂ってくる野菜を炒めたような調理感に期待値が上昇しつつ、想像以上に膨れ上がった野菜に度肝を抜かれました(※もちろん1食分)。それでは、前回との違いも意識しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(104g)当たり
カロリー:390kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:390kcal(めん・かやく:336kcal)(スープ:54kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
一般的な中華麺の加水率は平均30〜35%と言われているのですが、正麺カップのノンフライ麺は加水率40%に到達していると感じる多加水麺(たかすいめん)で、幅と厚みのある平打ち太ストレート麺が採用されています。スープのあるカップラーメンの標準麺量は基本的に60g前後なので、麺量75gだと充分「大盛り」を名乗っても差し支えありません。
箸で持ち上げた時の重量感は他社の追従を許さないレベルで、10gの増量による質のビハインドは微塵も感じられず、ただ純粋に麺の量を増やしてくれたような状態。指定の熱湯5分でフタを剥がしてもスムーズにほぐれますし、目立った戻りムラも気になりません。あえて言えば後入れスープ2袋を馴染ませ終わった後、さらに1分ほど休ませるのが美味しく食べるポイントです。
「生麺 “ゆでて” うまいまま製法」はデビュー当時から衝撃的な完成度を誇っていましたが、文字通り熱湯をカップに入れて5分間放置しただけとは思えない、まさに茹でたての臨場感が楽しめる革新的な麺。「濃厚とろ豚骨」の麺だけは原材料と商品特徴が異なっているのですが、他の5品は原材料名も特徴も同じで、今回のスープと重量感のある麺はベストマッチです。
スープ
後入れのスープ類は、まず熱湯5分後にノンフライ麺をほぐし、粉末スープを溶かしてから液体スープを馴染ませるとスムーズです。粉末スープはブラックペッパーを中心とする香辛料やポークエキスパウダーが仕込んであるような内容で、下地を整えつつ動物系の癖は目立ちません。どちらかとうとイメージは、ポタージュっぽい洋風の面持ち。
けれども液体スープを開封した瞬間、炒め野菜の風味がグワッと押し寄せるように鼻腔を付き、スープと具材に臨場感を吹き込みます。さらに醤油ダレ系の成分も入っているのですが、基本は「塩豚骨」の体を守り、豚骨の丁寧な乳化を吹き飛ばすことなく、それでいて大量の野菜と存在感の強いノンフライが浮かないように絶妙な加減で監督。
やや油脂は多めでも植物性のオイルが主体なので、これなら普段こってり系の店ラーメンやカップ麺を食べ慣れていない方でも楽しめる優等生なテイストです。したがって前回のスープと比較した場合、豚骨のコクや生姜のキレを控えめに感じたのですが、大量の具材が水分を持って行くことで味の重心は低く、定番商品に求められる安心感を考慮すると上出来ですね。
具材
写¥
具材はFD野菜ブロック(キャベツ・たまねぎ・ねぎ・小松菜・にんじん)、味付挽肉・チンゲン菜の合計7種類で、かなり具沢山な内容です。中でも目立っているのは「味付挽肉」「ちんげん菜」「キャベツ」の3本柱で、フリーズドライのキャベツはクタクタですが、それこそタンメンらしく煮込まれた感を演出する上で誂え向きな食感。
味付挽肉はインスタント感の強いスパイシーな味付けで、どちらかというとジャンクに傾倒した肉具材ではあるものの、前回よりも穏やかになったスープに対して程よいパンチ。ちんげん菜はキャベツにはないシャキッとした歯応えと青い風味が個性的で、きちんと自己アピールしつつ、何気に量が多いのも嬉しいですね。
基本的にフリーズドライの具材は柔らかめで、玉ねぎ・ねぎに関してはスープに同化していましたが、人参は風味がよく、どれも湯戻し調理の過程でスープの優しい旨味を強化することに寄与。ふと顔を覗かせる小松菜の風味も地味にバイプレイヤーで、調理後はφ180mmの大口径でもFD野菜ブロックだけで麺が覆い隠せるほど、野菜メインで優しいのに強烈です。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
2017年5月発売品の「こく野菜タンメン」と比較してスープが穏やかになったように感じたのですが、それでも旨味は丁寧かつ濃厚で、存在感の強い麺とのバランスもよく、コストパフォーマンスもバッチリ。優等生なスープも新たな定番商品という立ち位置を思えば納得のランディングですし、クオリティを落とすことなく大盛りになった麺や大量の具材など、いやはや素晴らしいですね。
大盛り麺+大量の野菜で男性ユーザーも納得の食べ応えが得られると思いますし、普段はラーメンやカップ麺を頻繁に食べない方でも食べやすく、老若男女を問わない総合力の高さが光る仕上がりでした。もし味が物足りなければ、黒胡椒・生おろしニンニク、おろし生姜ちょい足しアレンジで解決です。「野菜ちゃんぽん」の脱退は寂しいけれど、その後釜を担う人材としては申し分ありません。