どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年12月23日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん正麺 カップ がっつり系豚骨醤油」の実食レビューです。
「マルちゃん正麺」にシリーズ初の “がっつり系” カップラーメンが登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん正麺カップ がっつり系豚骨醤油
マルちゃん正麺(せいめん)とは、 “いま抜群においしく、そして10年後20年後も古びることなく愛され続ける即席麺” がコンセプトの本格派ブランドで、初代・袋麺の発売日は遡ること8年前の2011年11月7日。専任の開発チームが5年の歳月をかけて生み出した、新製法の特許技術 “生麺うまいまま製法” のノンフライ麺が最大の特徴です。
“夕飯に出しても家族に怒られない麺を作ろう——” そんな想いから開発された「マルちゃん正麺」は、彗星の如く現れて即座に固定ファンを掴み、かつて類を見ないクオリティは即席めん業界を震撼。その約4年後となる2015年10月5日に初のカップ麺タイプ「マルちゃん正麺カップ」を発売し、またもや前例にないほどリアルなノンフライ麺で他社を圧倒しました。
ちなみに前述の “生麺うまいまま製法” は「袋麺」のノンフライ麺に使用されている特許技術(特許第5153964号)で、「カップ麺」には袋麺の特許製法から派生した新技術 “生麺ゆでてうまいまま製法”(特許第5719064号)を使用。2019年12月現在、正麺カップは10商品の定番ラインナップを展開し、いずれもノンフライ麺に “こんにゃく” を練り込んでいるのが他のカップ麺にはない特徴です。
汁ありのカップラーメンタイプは、初代から続く三大フレーバー「芳醇こく醤油」「香味まろ味噌」「濃厚とろ豚骨」をはじめ、「旨こく豚骨醤油」「こく野菜タンメン」「うま辛担々麺」の合計6商品。そして2019年4月1日にブランド初の汁なしタイプ「焼そば」と「汁なし担々麺」を展開し、「油そば」や「濃厚魚介豚骨まぜそば」も発売するなど、日々ブランドの強化に力を入れているのですが——
今回のカップ麺「がっつり系豚骨醤油」は、袋麺の発売から8年以上、カップ麺の発売から4年以上続く「マルちゃん正麺」史上初となる “がっつり系” の新商品で、パッケージ(天面)右下にはニンニク風味&背脂の文字。がっつり系の豚骨醤油+にんにく+背脂といえば、マシマシで話題の二郎系・二郎インスパイア系と呼ばれるラーメンジャンルを彷彿とさせる特徴の一つ。
東洋水産曰く “この度の商品は、スープにニンニクをたっぷりと利かせ、かやくに背脂をふんだんに使用した、がっつり系の豚骨醤油味です。” とのこと。公式ウェブサイトで公開されているニュースリリース及び商品情報、並びにカップ麺のパッケージにも二郎系・インスパイア系とは記載されていませんが、商品名は「ラーメン二郎」の看板と同じ黄色と黒のコントラストが際立つデザイン。
2019年は例年以上に二郎系ラーメンが注目されているため、それに便乗してきたのでは——と、それも気になるところではあるものの、もう一つ注目すべきは東洋水産の「メーカー希望小売価格」です。というのも、マルちゃん正麺カップの標準価格は汁あり・汁なし関係なく税別225円に統一されているのに対し、今回のメーカー希望小売価格は「税別270円」と明らかに高額。
たまたま今回はメーカー希望小売価格22%OFF(208円+税)で販売されていたところを捕獲したのですが(驚安の殿堂ドンキホーテにて)、各コンビニでの実売価格を調査したところ、267円(税込288円)と強気の実売価格。マルちゃん正麺カップは “この値段でいいの!?” というコストパフォーマンスの高さも強みだったので、今回そこも論点の中心になるかもしれません。
開封
さて、別添の小袋は「液体スープ」「粉末スープ」「かやく2袋」の合計4袋。おそらくオレンジ色の小袋(かやく)は、同シリーズの「こく野菜タンメン」にも使われているFD野菜ブロック(フリーズドライ製法の野菜ブロック)だと思うので、それについては実食前から安心なんですけど、紫色の小袋に入っている白い背脂加工品の粒が大量で衝撃的‥‥w
一方、麺は熱湯5分の平打ちノンフライ麺で、いつも通り安定してクオリティの高そうな雰囲気。ただ、テーマは「がっつり系」かつメーカー希望小売価格も既存の標準価格(225円)と比較してジャスト20%増し(270円)となっているのに対し、調理前の麺量は「マルちゃん正麺カップ」の標準量75gなので、麺の量に関してはガッツリ系の大盛り商品ではありません。
コンビニではクリスマスイブの2019年12月24日(火)から新発売で、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」「ミニストップ」すべての店舗で取り扱いを確認しました。コンビニでもスーパーでも仕入れ担当者の意向によっては売ってないこともあるので、ぜったい確実ではないのですが、各コンビニでのエンカウント率は高かったです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん正麺 カップ がっつり系豚骨醤油 販売者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(M1)群馬県館林市赤生田本町3831-1 内容量:130g(めん75g) 商品コード:4901990364980(JANコード) 発売日:2019年12月23日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(かやく2袋・粉末スープ・液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、こんにゃく、大豆食物繊維、植物性たん白、植物油脂)、添付調味料(しょうゆ、ポークエキス、豚脂、植物油、香辛料、デキストリン、果糖ぶどう糖液糖、食塩、たん白加水分解物、発酵調味料)、かやく(キャベツ、味付豚肉、背脂加工品、たまねぎ、こまつな、ねぎ、にんじん、でん粉)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、かんすい、酒精、レシチン、炭酸カルシウム、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、クチナシ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・大豆・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
液体スープと粉末スープは熱湯5分後に加える後入れで、最初に開封するのは「かやく」2袋。やはりオレンジ色の小袋にはFD野菜ブロック(キャベツ、たまねぎ、こまつな、ねぎ、にんじん)が入っていたので、既存の「こく野菜タンメン」と同じものだと思います。もう一つの小袋には味付豚肉と背脂加工品が入っていて、やはり衝撃的な見た目‥‥w
お湯を注いだら液体スープをフタの上で温めて、5分経ったら先に麺をほぐし、粉末スープを溶かしてから液体スープを馴染ませるとスムーズです。というわけで、ぜんぜん調理後の見た目はラーメン二郎っぽくないのですが、FD野菜ブロックのボリュームは申し分なく、けっこうニンニクの香りも強めに漂ってきました。
果たして優等生の「マルちゃん正麺」が打ち出す “がっつり系” のラーメンとは——思いのほかニンニクのニオイが強かった実食前の現在、引き続きニンニクの風味と背脂のコク、念のため二郎インスパイア系の再現度も意識しながら「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(130g)当たり
カロリー:463kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:463kcal(めん・かやく:336kcal)(スープ:127kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
二郎系のラーメン店で主流の麺は、オーションと呼ばれる灰分値0.52%の2等粉を使用した縦切りの極太ちぢれ麺が一般的で、太さのわりに加水率は低く、強靭なコシに加えてゴワゴワ・ワシワシとした低加水極太麺特有の無骨さが魅力となっています。しかし、今回の「がっつり系豚骨醤油」には「マルちゃん正麺カップ」らしいノンフライ多加水麺を採用しているため、まったく再現度は高くありません。
二郎系・インスパイア系で定番の無骨な極太低加水麺とは裏腹な、むしろ上品に洗練されている “意識高い系” のノンフライ麺で、表面は摩擦抵抗ゼロの滑らかさ。小麦の香りもムンムンと息が詰まるようなタイプではなく、もっと繊細かつ芳醇に香るマルちゃん正麺クオリティ(あの店内に充満する等級の低い強力粉のニオイも醍醐味なんですけどねw)。
食べ始めのコシは強く、その後もっちりとした粘り気が増してゆき、箸で持ち上げた時の重量感も特筆すべきポイント。つまり既存の「旨こく豚骨醤油」あたりから引っ張ってきたと思われる汎用のノンフライ麺で、新開発でもなければ二郎っぽい麺でもないけれど、税別270円の製品に使用されていても恥ずかしくない、ハイクオリティなノンフライ麺であることは間違いありません。
スープ
まず粉末スープに多めのガーリックパウダーを仕込んでいて、早くも化学調味料特有の雑味を感じます。などと書いたらネガティブに見えるかもしれませんが、とんでもありません。この雑味も二郎系・インスパイア系にとって重要なポイントで、ある意味いつもの「マルちゃん正麺カップ」らしからぬ方向性がナイス。
さらに液体スープにも生おろしニンニク系のガーリックペーストが仕込まれており、粉末のガーリックパウダーでは出せないエッジの効いたニンニク感を演出。スープのタイプは乳化系で、カエシが強い醤油寄りの非乳化スープよりも柔らかく、比較的まったりとした味わい。けれども濃口醤油のコクとニンニクのエッジが適度に鋭いため、体感的な塩分濃度は低くても味の焦点がボヤけることはありません。
液体スープに背脂の粒は入っていませんでしたが、けっこう動物油脂の量が多く、なにより驚いたのが “豚臭い” こと。さすがにガチの二郎系ラーメン店ほどではないですし、大衆的なマルちゃん正麺らしく飲みやすいようにアレンジされてはいるものの、イメージとしてはセブンイレブンのジェネリック二郎「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン」を乳化させてマイルドにしたようなテイストです。
それだけにイメージと反する正麺クオリティの高品質なノンフライ麺が仇となっていたのですが、スープ単体で評価すると二郎インスパイア系カップ麺の入門編といっても過言ではない味わい。あくまで素人向きの仕上がりではあるものの、ブランドの立ち位置を思えば正統ですし、その正麺カップにしては思いのほか雰囲気があって驚きました(※にんにく注意)。
具材
FD野菜ブロック(キャベツ、たまねぎ、こまつな、ねぎ、にんじん)は、その内容からして既存の「こく野菜タンメン」と同じですし、体感的にも大差ありません。熱湯5分後には何倍にも膨れ上がり、大口径な大判どんぶり型の容器にもかかわらず、ヤサイだけで麺が覆い隠せるほど。
二郎系を表現するのであれば、既存の定番商品「でかまる バリシャキ!もやし味噌ラーメン」に入っているレトルトもやしを入れるのがベストではあるものの、キャベツを筆頭に値段相応の食べ応え。豚(ぶた)も二郎系のバラチャーシューには及びませんが、毎度おなじみ甘辛く煮付けたリアル系の豚肉で、ほんのり漂う獣臭が臨場感を打ち出します。
そして、大量に入っていた背脂加工品もカタチだけのイミテーションではありません。ほぼ単体では無味無臭ですし、豚脂の芳ばしさや甘味は楽しめないものの、背脂を模したものではなく “ちゃんと背脂から加工した” 具材。この背脂加工品はスープ表面のアブラを纏うことで真価を発揮する素材で、全体のこってり感アップに寄与していました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
ガチの二郎系を想像していた場合、麺は「マルちゃん正麺カップ」らしい定番のストレート多加水麺で、アイデンティティのもやしは不在など、明らかにイメージと相反する箇所はあります(特に麺とか真逆——)ただ、スープの意識している先は「ラーメン二郎」及び二郎系・二郎インスパイア系のラーメン店なのは間違いありません。
それでも結果的に系統は類似郎(モドキ)なので、もうちょっと振り切ってほしかった思いもあるけれど、あらためて今回のブランドは「マルちゃん正麺」という東洋水産きっての優等生。その部門としては攻めた内容だったので、希望小売価格にも納得できたのと、麺を激変させるのは至難の業ですが、ヤサイニンニクマシマシカラメにアレンジしたら大化けすると思います。