どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年9月30日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 大盛! 喜多方系醤油ラーメン」の実食レビューです。
福島・喜多方の人気ご当地グルメ「喜多方ラーメン」を伸長傾向にある大盛りカップラーメンで再現!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん 大盛! 喜多方系醤油ラーメン
「マルちゃん 大盛!」とは、セブン&アイグループと東洋水産の共同開発商品で、登録販売店はIYグループ(セブン&アイ系列のスーパーマーケット店舗:イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート)及びネット通販サイトのオムニ7。コンビニのセブンイレブンには売ってないスーパー限定商品で、大盛りなのに手頃な価格で購入できる格安カップ麺シリーズです。
今回の新商品「マルちゃん 大盛! 喜多方系醤油ラーメン」は、福島県喜多方市発祥の人気ご当地ラーメンを再現したもので、同時に「マルちゃん 大盛! 名古屋台湾ラーメン」も発売。なぜ喜多方ラーメンは喜多方 “系” で台湾ラーメンは “名古屋系ではない” のだろう——と、それはさておき両商品とも今回が初めての発売ではありません。
「マルちゃん大盛! 喜多方系醤油ラーメン」は、東洋水産がセブン&アイ・ホールディングスから “自社のスーパーマーケット専用商品を開発してほしい” と依頼を受けて開発した商品で、初めて発売されたのは2017年4月24日。その翌2018年9月17日に再販しているため、今回の2019年9月30日発売品で3度目の販売。
また、同時発売品の「マルちゃん 大盛! 名古屋台湾ラーメン」も過去に同じ条件で発売されていた経緯があり、「同 喜多方系醤油ラーメン」よりも歴史は古く、初めて発売されたのは2015年11月30日。翌2016年5月23日に再販されているのですが、そこから3年以上のブランクを経て、喜多方系と同じく今回で3度目の発売になりました。
喜多方ラーメン(きたかたラーメン)とは、北海道の「札幌みそラーメン」や福岡の「博多とんこつラーメン」と肩を並べる “日本三大ラーメン” の一つに数えられ、昭和2年創業の屋台「源来軒 (げんらいけん)」が発祥の店と言われています。中でも “平打ち熟成多加水麺” と呼ばれる太い縮れ麺が大きな特徴としてあげられるのですが——
どう見てもパッケージのイメージ写真は毎度お馴染み “いつもの縮れた中細麺” なので、もはや開封前から再現度の低さを物語っている現在。再現する気ゼロかw などと思いつつ、先ほど格安カップ麺と書いたように「マルちゃん 大盛!」の本体価格は95円、イトーヨーカドーのネット通販サイト・オムニ7で購入しても税込価格は105円の格安商品です。
ただ、2019年6月1日(土)に実施された即席めん業界の一斉値上げ(価格改定)の影響を受け、それ以前は税込価格100円ジャストだったのに対し、2019年10月現在は税込105円に値上げされているのですが、それでも105円。ブランドの立ち位置としては、IYグループ専用の「ごつ盛り」(マルちゃんの大盛り廉価版シリーズ)といったところ。
このブログでレビューしている前回の新作は、「マルちゃん 大盛! 富山ブラックラーメン」と「マルちゃん 大盛! 福島白河系ワンタン麺」で、2019年は2度目の福島。オムニ7の売り上げランキングを確認すると、同時発売品の「名古屋台湾ラーメン」よりも「喜多方系醤油ラーメン」のほうが圧倒的に売れていたので、まずはコチラからレビューしたいと思います。
開封
別添の小袋は「液体スープ」と「粉末スープ」の2袋、フタの上には “玉ねぎの甘みと煮干しを利かせた” スープという商品説明があり、斜め格子状のデザインが施されています。これは昨年発売品と同じデザインで、福島・喜多方は別名 “蔵(くら)のまち” とも呼ばれていることから、おそらく蔵の格子模様をイメージしているのでしょう。
イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート店舗での販売価格も税込105円が標準価格になっていると思いますが、オムニ7では10月7日(月)23:59まで衣料品・食料品・住まいの品がポイント3倍かつカップめん類は10%オフのセール期間中なので、税込価格95円で販売されていました(※でもオムニ7は通販だから送料及び支払手数料が別途必要)。
麺は油揚げ麺で、パッケージのイメージ写真どおり中細ちぢれ麺が待ち構えています。ええ、平打ち熟成多加水麺の印象など皆無。基本的に「マルちゃん 大盛!」シリーズに使用されている熱湯3分の麺は、ちゃんぽん系の太麺(熱湯5分)を除いて共通の麺が使用される傾向にあり、これは同社の廉価版ブランド「ごつ盛り」の麺とも酷似しています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 大盛! 喜多方系醤油ラーメン 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関西工場(M8)兵庫県神戸市西区見津が丘6-8 内容量:106g(めん85g) 商品コード:4901990364553(JANコード) 商品サイズ:縦100mm×横100mm×高さ110mm 発売日:2019年09月30日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛バケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:530ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(粉末スープ・液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(しょうゆ、食塩、チキンエキス、豚脂、植物油、砂糖、粉末野菜、香味油脂、魚介エキス、香辛料、ポークエキス、たん白加水分解物、ねぎ、酵母エキス、発酵調味料)、かやく(味付鶏挽肉、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、酒精、かんすい、レシチン、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、増粘多糖類、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
小袋を入れる順番は、「粉末スープ」のみ “先入れ” で、液体スープの小袋は熱湯を注いでから待っている間にフタの上で温めます。具材は最初から容器の中に入っていて、写真にはメンマが1個と小さな肉そぼろ系の具材がチラホラとしか写っていませんが、おそらく麺の下に潜り込んでいるのでしょう。
粉末スープの中には小さなネギが入っていて、早くも漂う煮干しの香り——ほんのちょっと箸先につけて粉末スープの味を確かめてみたところ、ふりかけよろしく白ご飯にかけたらヤバそうな味でしたw ちなみに喜多方ラーメンのスープは千差万別で、味噌ラーメンや塩ラーメンを提供している店もあるのですが、今回の題材は煮干しを効かせた醤油スープ。
麺は当社比大盛りでも85gと大盛バケツ型の平均値(90g)よりも少ないですし、さすが安売り用のカップ麺だけあって具材も必要最低限ですが、意外とメンマの量は多めに入っていて、何と言っても “実際に安い” 。それでは、喜多方ラーメンらしさとコストパフォーマンスの高さに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(106g)当たり
カロリー:473kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:473kcal(めん・かやく:418kcal)(スープ:55kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
喜多方ラーメンの平打ち熟成多加水麺は、12番〜14番(麺幅2.50〜2.14mm、標準麺帯厚1.88〜1.61mm)の切刃番手でカットされた太麺が一般的で、手揉みによる独特の縮れも特徴なのですが、写真のとおり「喜多方系ラーメン」の麺は丸刃でカットされた中細麺を採用。適度に縮れてはいるものの、平打ち麺でもなければ熟成麺でもなく、多加水麺でもありません。
喜多方系というよりも完全に「ごつ盛り系」で、容器に記載されている “小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、香辛料、粉末野菜、卵白” という原材料名も「ごつ盛り」の油揚げ麺(熱湯3分バージョン)と一言一句まったく同じ内容。かなりスナック的な軽めの食感で、多加水麺どころか加水率の低いインスタント感フルスロットルの油揚げ麺です。
正直、この麺は個人的に大好きなので、もはや無条件に美味しいと感じてしまうバイアスがあり、今回のスープとも相性はよかったのですが、喜多方ラーメン的にはナンセンスと言わざるを得ません。安売り用のカップラーメンなので、汎用性の高い今回の麺を使い回すこと自体は悪くないんですけど、麺に特色のある人気ご当地ラーメンを再現するのには不向きな麺ですね。
スープ
たとえば喜多方市内で “もっとも有名な店” と言っても過言ではない、喜多方ラーメンの名店「坂内食堂(ばんないしょくどう)」で提供されている「支那そば」のスープを例に挙げると、醤油は香り付け程度にしか使わない “塩ラーメン” なのに対し、今回のスープは醤油ベースの枠組みでオーソドックスな動物系と魚介系のWスープ(ダブルスープ)を再現。
鶏ガラや豚骨から取った清湯(チンタン)系の動物ダシと煮干し系の魚介ダシをブレンドしたもので、たしかに玉ねぎを中心とした香味野菜の旨味と甘みも効いているのですが、醤油ダレに使用している液体しょうゆ(濃口醤油)のアタックも強く、思いのほか煮干しのシャープな旨味もガツンとくる攻めの味わい。
液体スープの小袋には、豚脂(ラード)や植物油、香味油脂といったオイル分も含まれますが、全体的な油気は控えめ。粉末醤油では出せない液体ならではのフレッシュな醤油感と若干の酸味が心地よく、しっかりと醤油を立てながらも深みがあり、やや癖のある煮干し感には税込105円以上の価値を感じました。けれども同時に化学調味料のピリピリとした刺激も強いので、苦手な方は注意が必要です。
具材
ネギはパリッパリに乾燥させた状態で壁に叩き付けられたのか、それとも擂鉢でゴリゴリされたのか、細切れというよりも粉砕型なので、風味も食感も目立ちません。それに量も多いとは言えず、混ぜた後のネギは飾りにもなりませんでしたが、そこそこ大きなメンマと小さな味付鶏挽肉は多めに入っていて存在感あり。
さすがに「でかまる」(オープン価格じゃないマルちゃんの大盛りブランド)や「激めんワンタンメン」に入っているレトルト調理品のメンマには敵いませんが、コリコリとした歯触りが箸休めに嬉しく、煮干しの効いた醤油濃いめのスープにピッタリ。味付鶏挽肉は援護射撃的な要員で、粗挽き肉系の食感とスパイシーな味付けから、結果的に具材の印象は悪くなかったです。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3+)
思いのほか煮干しのシャープな旨味がスッと通っていたことには値段以上の価値を感じたのですが、麺は完全なる汎用麺で、喜多方ラーメンらしさは皆無。単純に味だけで評価すれば★4は付けたいですし、麺もマルちゃんらしい個性が魅力的ではあるものの、「福島白河系ワンタン麺」と同じように麺で差別化を図っているラーメンを再現するのには向いていない——というのがネックでした。
ひとつ前の記事でセブン&アイの関連商品「熟成ちぢれ麺 喜多方チャーシュー麺」をレビューしていて、そちらはコンビニのセブンイレブン限定商品として発売。お値段は今回のカップラーメンと比較して5倍くらいしますけど、同じセブンの喜多方でも食べるならセブンイレブン版をオススメします。単純にカップ麺も味としては悪くないのですが、やはり麺がテーマとなる地域を選びますね。