「マルちゃん 富士宮やきそば」富士宮やきそば学会・B-1グランプリ公認カップ麺

スポンサーリンク
東洋水産

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、静岡県富士宮市の著名ご当地グルメを再現したカップ麺、東洋水産「マルちゃん 富士宮やきそば」の実食レビューです。

愛称は “う宮!(ウミャー)” 「B-1グランプリ」公認・「富士宮やきそば学会」承認の公式ご当地カップ焼そばを徹底解説!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。

スポンサーリンク

マルちゃんの富士宮やきそば再現カップ麺

今回のカップ麺は、「B-1グランプリ」第1回(2006年in八戸)・第2回(2007年in富士宮)大会で2年連続ゴールドグランプリを獲得した「富士宮やきそば学会」が監修し、 “マルちゃん” こと東洋水産(とうようすいさん)が富士宮のご当地やきそばをカップ麺にアレンジして再現した一杯です。数量・期間限定商品ではなく、平成19年(2007年)2月13日(火)より通年商品として全国販売されているレギュラー商品なんですけど、地域によっては普段めったに見かないかもしれません。

B-1グランプリ」(ビーワン・グランプリ)とは、 “日本最大級のまちおこしイベント” として認知されている国民的イベントなので、実際に参加したことはないけど聞いたことはあるよ、という方も多いでしょう。ただ、ひとつ再認識しなければいけないのは “あくまで出展団体の地元を盛り上げる町おこし” であって、 “特定の食べ物を販売するためのグルメイベントではない” というイベントの趣旨。

もちろんイベント開催時には会場で各団体が地物に愛されている「ご当地グルメ」を提供しているのですが、前述した「ゴールドグランプリ」などの表彰は “地域ブランドを確立しようと日々活動する町興し団体に対して行うもの” なので、 “特定の料理が表彰されているわけではありません”(つまり「富士宮やきそば」はブランド名であって料理名ではない)。

B-1グランプリグランプリ開催当初の「B」はB級ご当地グルメのBを意味しており、正式名称も「B級ご当地グルメの祭典 B-1グランプリ」でしたが(2006年~2012年)、本来の趣旨である町興しの理念が伝わらないという理由から2013年より正式名称を「ご当地グルメでまちおこしの祭典! B-1グランプリ」に改名し、大会名変更以降の「B」は「ブランド(Brand)」のBであると再定義されました。

「ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会」(通称:愛Bリーグ)及び開催地の実行委員会がイベントの主催者で、名称の商標権は同協議会が保有しています(※勝手に名乗って製品化したら怒られます)。毎年、B-1グランプリで有名になった料理の模倣品(パクリ商品)が出回っていたりするのですが、今回のカップ麺は売り上げの一部が「愛Bリーグ」及び「富士宮やきそば会」の町興し活動の支援金として活用される本気の公式商品なので、ご安心ください。

富士宮やきそば」(ふじのみややきそば)の歴史は古く、何十年も前から静岡県富士宮市にて食されていた焼そばなのですが、「富士宮やきそば」という名称が使われ始めたのは1999年頃。もともと富士宮市は焼そばの消費量が日本一だったそうで、2000年に町興しとして「富士宮やきそば学会」を発足、地元で食べられている焼そばを「富士宮やきそば」と名付けてPRを開始しました。

その特徴は実に「12箇条」もあるらしいのですが、主なポイントは「コシの強い麺」「炒め油にラードを使用」「肉かす」「ソースは辛口のウスターソース」「仕上げにイワシの『削り粉(だし粉)』をかける」などが基本として挙げられます。で、それを再現した今回のカップ麺は「全国発売」とのことなんですけど‥‥

私の住んでいる地域(兵庫県)では、まず売ってないですね。たまたま今回はコンビニのミニストップで開催されていた「ご当地カップ麺フェア」(2019/01/07〜01/20)に遭遇して入手できたのですが、けっこう地域性の高いカップ麺かもしれません。最終リニューアルは2016年05月16日(月)となっており、その際はパッケージのみ変更だったようです。

ちなみに「う宮!(ウミャー)」というのは静岡県などで使われている「うまい(おいしい)」を意味する方言で、それを捩った富士宮やきそばの愛称になるのですが、富士宮やきそば学会のコーポレートサイトのURLも「umya-yakisoba.com」(うみゃーやきそばどっとこむ)となっていました。いいですね「うみゃー」って、響きが可愛いし文字にしても可愛い。それでは、開封して中身を確認してみましょう。

開封

別添の小袋は「液体ソース」「かやく」「削り粉」の合計3袋構成となっているのですが、削り粉の小袋はスポット商品(数量・期間限定)の新作カップ麺では見慣れないデザインですね。富士宮やきそばの特徴としてイワシの削り粉もポイントだと前述しましたが、原材料名(添付調味料)には「煮干し粉末」の文字がありました。東洋水産は煮干に強いメーカーなので、早くも期待値がアップしております(笑)。

そしてコシの強い麺も富士宮やきそばの特徴とされていたので、熱湯5分の太麺かと思いきや、意外にも熱湯3分の角ばった油揚げ麺が待ち構えていました。早くも東洋水産らしく精製ラードの芳ばしい香りが漂い、醤油が練りこまれているためか、ちょっとくすんでいるような独特の見た目ですね。

地元では富士宮市内にある4つの製麺業者(「マルモ食品工業」 「叶屋」 「曽我めん」 「さのめん」)が製造する富士宮やきそば蒸し麺を使用しているらしく、富士宮やきそばが作られ始めた終戦直後は冷蔵技術が乏しかったので、日持ちや行商に対応させるために麺の加水率を下げたことで独特のコシが生まれたのだとか(参考:富士宮やきそば学会コーポレートサイト)。

ちなみに賞味期限欄右端に記載されている製造所固有記号は「M1」となっているのですが、これは北関東エリアにある東洋水産の自社工場「関東工場」(群馬県館林市赤生田本町3831-1)を意味しています。2010年7月19日(月)に「富士宮やきそば 塩味」という期間限定の塩味も過去に販売されていたのですが、地元では定番のソース味とは別に醤油味や塩味も一般的みたいですね。

製品情報・購入価格

製品名:マルちゃん 富士宮やきそば
販売者:東洋水産
製造所:関東工場(製造所固有記号[M1])
内容量:165g(めん120g)
発売日:2016年05月16日(月)リニューアル
実食日:2019年01月19日(土)
JANコード:4901990335973
希望小売価格:税別205円(ミニストップ店頭価格:税別198円)

発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他)
購入価格:税込213円
取得店舗:コンビニ(ミニストップ)

麺の種類:油揚げ麺
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:660ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:3袋(液体ソース・かやく・削り粉)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、精製ラード、食塩、植物性たん白、醤油、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(ソース、豚脂、砂糖、植物油、食塩、煮干し粉末、醤油、野菜エキス、ポークエキス、酵母エキス、香辛料)、かやく(キャベツ、味付豚肉)、加工でん粉、カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、酒精、炭酸カルシウム、レシチン、かんすい、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(原材料の一部に乳成分、ごま、りんごを含む)
【アレルギー表示】卵・乳・小麦・大豆・豚肉・りんご・ごま

実食開始

お湯を注ぐ前に入れるのは「かやく」のみで、中には定番のキャベツと豚肉が入っているのですが、東洋水産の味付豚肉って無条件に美味しいんですよね。ただ、「富士宮やきそば」として成立させるための定義としても実に重要な立ち位置にある、「肉かす」的な具材は見当たりません。

「肉かす」とは、いわゆる “油かす” のことで、その正体はラードを抽出した後に残る豚の背脂なんですけど、富士宮やきそばには欠かせないアイテムとされています。削り粉の中にも混ざっていないようですが、東洋水産のニュースリリースを確認してみたところ、どうやら液体ソースに肉かすを彷彿とさせる芳ばしい風味を仕込んでいるようです。

カップ麺の作り方は一般的なカップ焼そばと同じなので、なにも難しいことはありません。かやくを入れたら熱湯を注いで3分待機、お湯を捨てる、液体ソースを入れて混ぜる、最後に特製の削り粉(けっこう多い)をトッピングすれば出来上がり。特に記載はありませんでしたが、液体ソースは3分間、フタの上で温めました。

フタ上3分では動物油脂が軽く固まったままだったので、お湯を張った丼とかに小袋を入れて事前に温めておいたほうがよさそうです。それでは、実際に食べてみましょう。液体ソースの肉かす風味や鉄板で炒めたような臨場感、削り粉による味の変化に注目しながら解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

1食(165g)当たり

カロリー:721kcal
たん白質:15.0g
脂  質:34.3g
炭水化物:88.0g
ナトリウム:2.3g
ビタミンB1:0.53mg
ビタミンB2:0.58mg
カルシウム:297mg

(食塩相当量:5.8g)
エネルギー:kcal(めん・かやく:kcal)(スープ:kcal)

めん

富士宮やきそばらしい、コシの強い硬めの角麺。

(出典:東洋水産「ニュースリリース」)

硬め食感で加水率も低め

そんなに粘り気は意識されておらず、けっこう硬めの食感で、張りのある表面の質感も印象的な油揚げ麺です。東洋水産のカップ焼そばらしく精製ラードの芳ばしさが顕著に目立っているため、どうしても蒸し麺のベクトルとは違ってくるのですが、水分の含有量が少なくて硬めの食感というポイントはアピールできているのではないでしょうか。

鋭利な角刃でカットされた角麺は口当たりに確固たる輪郭があり、サイズは中太くらいなんですけど、かなり麺単体としての存在感と自己主張は強いです。しかしながらボソボソ・ごわごわ系の無骨な太麺とは違っていて、インスタント感の強い精製ラードの芳ばしさもソースと相俟って臨場感の表現に一役買っていていいですね。

カップ焼そばの平均的な麺重量は変わり種レギュラーサイズの新作だと90g、定番品の中でも看板のソース味なら100g、大盛だと130gとなっているのですが、今回の内容量は麺120gなので(ちょっと珍しい値ですけど)、ほぼ大盛仕様で食べ応えもバッチリ。だいぶ力強い麺ですが、これくらいやってくれないと今回のソースとは渡り合えなかったでしょう。

ソース・削り粉

ウスターソースをベースに、ポークとたまねぎの旨味を加え、適度にスパイスを利かせたソース。隠し味に醤油を使用し、削り粉のトッピングとの相性をよくしました。また、高温で炒めたラードで「富士宮やきそば」の特徴である肉かすの風味を出しています。

(出典:東洋水産「ニュースリリース」)

こってりソースに通る煮干のセンスたるや‥

辛口というほどスパイシーではなかったんですけど、かなり味は濃いめに仕上がっていて、思っていた以上にファーストインプレッションからガツン! と殴り込んできます。動物性油脂(豚脂)の量が多く、それは体感的にもハッキリ重厚で、かなり重心の低いテイストになるのですが、そこにウスター基調のソースがシャープに切り込んでくる、こってりなのにクドすぎない後味のキレが絶妙ですね。

特筆すべき油脂の量でありながら油そばほど強烈ではない、そんな動物系の重厚感に加えて砂糖の甘味がコクを深め、ちょっと肉かすの風味はイマイチだったんですけど、高温で炒めたラードの芳ばしさは調理感の表現に際して実に効果的でした。ここまでは削り粉を加える前(撮影前に別皿へ移しておいた)の感想になるのですが、正直このまま最後までいけます。

と、そういうわけにはいかないので削り粉を全投入したのですが、まず色ですよ。事前に「煮干し粉末」の文字を確認していたとはいえ、私の住んでいる関西では一般的な削り粉(カツオやサバなどもミックス)と比較して明らかに違う色の粉末で粒子は細かく、香りも圧倒的に煮干メインで投入した瞬間からインパクト大。

しかもウスターソース基調の濃い味こってりソースと煮干魚粉の相性が抜群! 鰹節や鯖節などの膨よかな旨味とは違う、煮干特有の鋭くて真っ直ぐな攻めの旨味が濃い味ソースに通り、元にある縦のラインに寄り添いながらも埋没しない存在感。これまでソース焼そばに煮干主体の魚粉をトッピングする文化圏に身を投じたことがなかったので、けっこうな衝撃を覚えました。

かやく

味付豚肉、キャベツ、削り粉

(出典:東洋水産「ニュースリリース」)

豚肉少なめ、キャベツ多め

富士宮やきそばのキャベツは富士宮市にある高原で育ったキャベツ、それも水分が少なくて歯ごたえのある「秋キャベツ」が最良とされているそうですが、今回のカップ麺に使用されているキャベツの主な原産国は中国で、最終加工地も中国です(※この商品に限らず、たいていのカップ麺に採用されているキャベツは中国産・中国加工)。

ただ、けっこうキャベツの量は多く、みずみずしさと柔らかい旨味が濃い味ソースの間で効果的なインターバルになっていて、食感は例に漏れず茹でキャベツ系ではあるものの、さすが定番の具材なだけあってソース味を相手に外しません。ちょっと豚肉は少なめでしたが、あいかわらず豚肉のクオリティは全メーカーの中でもトップクラスですよ。

ピンポイントで脂身も入っていたし、その脂身の部分は甘く、逆に赤身の部分は肉の繊維質が楽しめる歯ごたえと風味も実にリアルなもので、東洋水産らしいこだわりが感じられました。実際の富士宮やきそばも基本の具材はキャベツ、あとはお好みで‥みたいな感じらしいので、けっこう再現度は高いのかもしれません。

総評

★★★★★★★☆☆☆(★7)

「肉かす」の破片(または代用のイメージ具材)が入っていたら完璧だったんですけど、いやコレほんと美味しいですねw 。本場で富士宮やきそばを何度も食べ歩いたわけではないので、再現度については偉そうに言及できませんが、こってりとしたソース味の焼そばが好きなら単純に大満足な逸品になると思います。

とはいえ実際に富士宮やきそば学会承認・B-1グランプリ公認のゴーサイン(太鼓判)もあるわけですし、こってり豚脂にシャープなウスターソース、そこに重なる削り粉(煮干し粉末)のパンチが絶妙で、もはや手放しに美味しかったです。液体ソースだけでもバッチリだったので、半分くらいソースだけの状態で食べてから魚粉でガツンと味変すると、より味覚がパワフルになって気分転換にもなる、まさに2度おいしいですよ。

原材料名及び栄養成分表示などの表示が古いままなので、廃盤にならなければ2015年4月より施工されている「新食品表示制度」(猶予期間5年:2020年3月に完全移行)に伴って確実にリニューアルされます。その際は、ぜひ中身のクオリティを落とすことなく、これからも永久不滅に販売を続けてください。「富士宮やきそば」の魅力が伝わってくる、とても素晴らしい再現カップ麺でした。

タイトルとURLをコピーしました