どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年6月17日(月)新発売のカップ麺、寿がきや食品「中華そば國松(くにまつ)監修 シビレMAX」の実食レビューです。
広島汁なし担担麺ブームの火付け役「中華そば國松」で人気の激辛メニュー「KUNIMAX」を「シビレMAX」にアレンジ!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
中華そば國松監修カップ麺 シビレMAX
「中華そば國松(ちゅうかそば くにまつ)」とは、広島・立町に本店を構える “広島汁なし担担麺” の専門店で、創業は2009年12月9日。福岡と東京にも進出しているのですが、なんと店の生命線ともいえる企業秘密のレシピを堂々と店内で公開、それを真似た汁なし担担麺を提供している店も多く、第二次汁なし担担麺ブームを牽引した名店です。
今回の新商品「中華そば國松(汁なし担担麺くにまつ)監修 シビレMAX」は、お店で人気の激辛新味「KUNIMAX(クニマックス)」をイメージした汁なしカップ麺。「KUNIMAX」とは、お店の辛さレベルZERO「0辛(辛くない)」から「4辛(激辛)」までの通常メニューとは別の「激辛新味」で、肉・ネギ・花椒もMAXに入っているもの——今回それが「シビレMAX」の痺れ特化型にアレンジされました。
もともと店主の松崎司さんは長野県松本市で魚介豚骨系のラーメン店を営んでいたそうですが、旅行先の広島・舟入で口にした広島汁なし担担麺発祥の店「きさく」(店主・服部幸一さん)が提供する味に感銘を受け、信州から広島に移住することを決意。オープン後は企業秘密であるべきのレシピを広め、一大ブームを巻き起こすほどに育て上げます。
そのレシピ「『くにまつ』調味料・材料のつくり方」は、お店のメニュー表と一緒にシレッと置かれ、誰でも見られるようになっているのですが、漠然とした目分量での作り方ではありません。たとえば一味唐辛子600g~1500gにサラダ油5,250cc、ごま油750cc――といったように材料の量や加熱時間、油の温度に至るまで、実に細かく掲載されているから驚き。
上記のレシピは今回のカップ麺「シビレMAX」でも意識されている「五香辣油」からの一部抜粋で、他にも「甜麺醤(すこし甘め)」や「インチキ芝麻醤」「醤油だれ」「ジャージャン(味付けひき肉)」と、お店の味付けに必要な調味料・材料・調理方法すべて記載されているのですが、レシピの最後に「無断転載『可』」と記載されているのも店主のユーモアとセンスを感じるポイントです。
そんな國松の店主・松崎司さんの思いが実を結び、「広島汁なし担担麺」は「激辛つけ麺」に次ぐ広島の名物ご当地グルメとして全国的にも認知されているのですが、特に “こうでなければいけない” などの定義はありません。ただ、共通している特徴は唐辛子の辛さと花椒の痺れが効いた麻辣味のスープと細い麺、トッピングのネギと温泉卵が王道——といったところでしょうか。
他にも “広島式” の名を広めた「キング軒」や “辛さ100倍の梵天切り” で有名な「梵天丸」、「武蔵坊」「すずらん亭」「麻沙羅」など、広島県内に専門店は25軒以上あり、提供店に至っては200店を超えるといわれているのですが、今回の「シビレMAX」は「ぶどう山椒の痺れ(※香辛料に占める割合10%)」と「五香辣油」の香りが特徴となっている模様。
國松の「五香辣油」には、一味唐辛子の他に長ネギや生姜、シナモン、大茴香(八角)、花椒(ホワジャオ)、鷹の爪、陳皮を使用しています。「ぶどう山椒」とは、紀州有田川に沿った山間部が発祥の地とされ、ぶどうの房に似た大粒の実をつける高級な和山椒のこと。中国の花椒(華北山椒)だけでなく、日本の和山椒による痺れのニュアンスにも注目ですね。
開封
別添の小袋は「液体スープ」と「あとのせかやく」の合計2袋で、なぜか液体スープの小袋がシワシワになっているのが気になったりもするのですがw 品質には問題ないでしょう。どちらの小袋も湯切り後の食べる直前に入れる後入れ仕様で、液体スープの小袋は熱湯を注いだ後、フタの上で温めるようにとアドバイスがありました。
寿がきや食品の公式ウェブサイトに販売地域は記載されていませんが、基本的には全国発売(※もしかすると沖縄では取り扱いがないかもしれません)。販売店はコンビニを中心にスーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストアなどで、メーカー希望小売価格は税別238円となっています。
販売店については地域性と店の采配に大きく左右されますが、コンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)それぞれの店舗複数に足を運んでリサーチしてみたところ、「セブンイレブン」と「ローソン」での取り扱いが多く、コンビニで購入すると税込257円が実売価格の相場でした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:中華そば國松監修 シビレMAX 販売者:寿がきや食品株式会社 製造所:加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場 内容量:105g(めん75g) 商品コード:4901677082527(JANコード) 個装サイズ:φ167×70(mm) 発売日:2019年06月17日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:どんぶり型・汁無し標準サイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:2袋(液体スープ・あとのせかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、小麦たん白、植物油脂、大豆食物繊維、たん白加水分解物)、スープ(香味油、しょうゆ、動物油脂、植物油脂、糖類、チキンエキス、ポークエキス、食塩、たん白加水分解物)、かやく(大豆たん白加工品、ねぎ、香辛料(花椒、唐辛子、山椒))/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、増粘剤(アルギン酸エステル)、乳化剤、着色料(パプリカ色素、クチナシ、カラメル、カロチノイド)、香料、酸化防止剤(V.E)、酸味料、(一部に乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン ※特定原材料及びそれに準ずるものを表示(27品目中) |
実食開始
麺は加水率の低そうな細麺で、しかしながら湯戻し時間は熱湯4分、けっこう強めに縮れが施されています。カップ麺の販売者は寿がきや食品、製造所は加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場(群馬県高崎市新町2330−26)となっているのですが、寿がきや食品の工場にはノンフライ麺の生産設備が整っていないため、加ト吉(カトキチ)に麺の製造を委託しているのが定番の流れ。
湯切りしたら液体スープを混ぜ合わせ、あとのせかやくをトッピングしたら完成です。調理方法では “あとのせかやくを入れてから混ぜる” と記載されているのと、広島汁なし担担麺は最低20回〜30回は混ぜるのが基本の食べ方になるのですが、あとのせかやくを混ぜる前と混ぜた後に生じる味の違いを意識しながらオススメの食べ方や注意点を紹介しますね。
それから今回の新商品は厳密にいうと「KUNIMAX」の再現カップ麺ではなく “寿がきや流のアレンジ版” なので、そういったコンセプトも踏まえつつ、「めん」「スープ」「あとのせかやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(105g)当たり
熱 量:424kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
丸刃でカットされた断面の丸い中細麺で、けっこう縮れが強く、お店の麺よりも独立心が強いような印象です。寿がきや食品(加ト吉水産)の麺としては比較的に加水率の低い麺になりますが、それなりに粘り気のある食感で、お店ほど加水率は低くありませんし、コシのベクトルもノンフライ麺特有のもの。
なので「くにまつ」の麺というよりも「カトキチ」の麺といった表情を強めに感じたりもしたのですが、ひとつのノンフライ麺としての基礎クオリティは高く、単純に印象は悪くありません。もうちょっとしなやかに一体感を重視した麺のほうが再現度的には好印象なんですけど、後述する刺激を思うと麺の独立心はプラスに作用していました。
しかし、ひとつ物足りないのは麺の量。汁なしカップ麺は基本的に麺量90g(定番商品は100g)となっているのに対し、今回の麺量は75gとタテ型ビッグのカップラーメンと変わりません。もし実店舗だった場合、麺を食べ終えた後の残ったスープに半ライス入れて腹八分目かな、といった雰囲気です。
スープ
寿がきや食品の製品説明には “芝麻醤(ねりゴマ)不使用の醤油だれに——” とあるのですが、たしかに芝麻醤は原材料に含まれません。お店の汁なし担担麺も炒り胡麻1kgにサラダ油を1リットル混ぜ、フードプロセッサーにかけた “インチキ芝麻醤”(そうレシピに書いてありますw)なんですけど、植物油脂に要約されているのか練り胡麻っぽいコクを感じます。
醤油は濃口でキレがあり、タレの塩気は温泉卵が欲しくなるほど強め。液体スープだけの状態でも辣油の辛さを感じますが、色はパプリカ色素による着色で、唐辛子の辛さレベルはピリ辛に過ぎません。花椒の痺れに関しては唐辛子よりも弱く、到底 “シビレMAX” には及びませんが、ふわっと鼻を抜ける中国の清涼感と同時に香る和山椒のアクセント、そして「五香辣油」の複雑で繊細なスパイス感が個性的。
広島の汁なし担担麺は「くにまつ」をはじめ軽くスープに麺が浸かっているような状態が基本なので、完全な汁なしではないのですが、今回のカップ麺では豚脂が主体と思われる動物油脂の含有量が多く、どちらかというと「まぜそば」ライクにアレンジ。ちゃんと混ぜ終えた後にも容器の底にある溝に油脂が多少は溜まりますが、ちょっと追い飯(白ご飯を投入)するには心細いですね。
お酢の酸味は目立っておらず、甜麺醤も意識されていませんが、とりあえず動物油脂を筆頭にポークとチキンの重ね技で動物系の旨味は問題ありません。中でも「五香辣油」の繊細で複雑な風味が面白かったんですけど、それは「あとのせかやく」で吹っ飛びますw
あとのせかやく
花椒の含有量が多く、けれども花椒特化型にありがちなガリッとする不快な歯触りも目立っていません。ただ、「シビレMAX」を「10」としてシビレの強さを例えると、 “まぜなければ「7」くらい” のイメージ。さすがに量が量なので、ダイレクトに食べると口の中がビリビリしますし、なんだったら歯茎まで痺れてきますけど、激辛もとい激痺(ゲキシビ)ではないですね。
大きく全体を混ぜてみたところ、ダイレクトな花椒が穏やかになり(イメージ「5」くらい)、ぶどう山椒に由来する和山椒の香りが頭角を現しはじめ、本場四川の担担麺とは違った個性を醸します。けれども混ぜてしまったらシビレはMAXから遠のきますし、山椒は繊細なので、どうせなら振り切ってほしかったな‥‥と、やや中途半端な印象も受けました。
あと小さな肉そぼろに見えるのはサクサクとした食感の「大豆たん白加工品」なんですけど、今回は忠実な再現が目的ではないので、フライドガーリックのほうが効果的だったかなと。ネギは後入れで香りが良く、広島汁なし担担麺の個性を象徴していましたが、どちらも混ぜると湿気て歯触りが悪くなってしまったので、もし混ぜるなら手早く食べることをオススメします。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4+)
あとのせかやく全投入後も唐辛子の辛さは大したことありませんが(せいぜい中辛)、痺れは強いのか弱いのかでいうと「強い」です。けれども「シビレMAX」というには中途半端な印象を受けたので、最初は液体スープだけの状態で「五香辣油」のスパイス感を楽しみ、あとのせかやくは半分くらい食べてからドサーッと入れるのがいいかもしれません。
ちなみに「キング軒」の “超山椒的スペシャル” や「梵天丸」の “梵天切り” などの激辛ニューよろしく「中華そば國松(くにまつ)」にも辛い裏メニューがあり、お店の券売機で「KUNIMAX」の券を購入してから『デスで』と一言添えると “超激辛” の「death MAX(デスマックス)」が出てきます。寿がきや食品は本気を出したら怖いメーカーなので、次は「death MAX」の再現カップ麺にも期待したいですね。