どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年10月23日(月)新発売、エースコックのカップ麺「渾身の逸品 特製中華そば 大盛り」の実食レビューです。
ラーメンの三大要素を突き詰めた新ブランド!? 新開発の多加水真空仕立て麺に、黒豚エキス使用の極上スープ、さらにワンタンを搭載した渾身の一杯!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
渾身の逸品 特製中華そば 大盛り
渾身の逸品(こんしんのいっぴん)とは、ラーメンを構成する上で必要な三大要素とされる「めん・スープ・具材」すべてにおいて “こだわり抜いた” 即席カップめんの新ブランドで、製造者は「スーパーカップ」「スープはるさめ」「モッチッチ」「ワンタンメン」「わかめラーメン」「飲み干す一杯」などを展開している大阪府吹田市のエースコック。
その記念すべき第1弾を飾るのは、こだわり食感の『多加水真空仕立て麺』に、一般的なポークエキスとは異なる『黒豚エキス』を使用したスープ、さらに『つるんと食感のワンタン』を搭載した「渾身の逸品 特製中華そば 大盛り」で、製品スタイルはTL(タテロング)。加えて同社のニュースリリースには “ひとくちめの感動を実現させた、お腹も心も大満足” との記載がある、まさに文字通り渾身の一杯。
エースコックの『真空仕立て麺』といえば、一般社団法人日本フードアナリスト協会が主催する、日本初の食品・食材評価制度『ジャパン・フード・セレクション』にて、即席カップめんカテゴリーでは初となる金賞に輝いた「焼そばモッチッチ」の十八番。しかし、今回の『多加水真空仕立て麺』は、独自製法の麺を “さらに美味しくするために、味付け方法を刷新した” 新開発の自信作。
スープにおける『黒豚エキス』の産地までは明記されていませんが、黒豚エキスの他に鶏や魚介の旨みを加えつつ、ニンニクや生姜、白・黒コショウで味を調え、さらに揚げネギやネギ油の風味を効かせるなど、一筋縄ではない様子。個人的に『つるんと食感のワンタン』の戻り具合に懸念が否めない展開ではあるものの、エースコックの “渾身” が込められた “逸品” ということで、仕上がりが楽しみです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「液体スープ」1袋のみで、エースコックのTL製品にしては珍しく、フタの上に貼り付けてあるのですが、おそらくワンタンとの兼ね合いが理由。ワンタンは通常の具材よりも嵩張るので、あらかじめ容器の中に小袋を放り込めなかったのでしょう。
かやくはメインのワンタンを筆頭に、メンマ、ネギとシンプルなラインナップで、ワンタンの数は3個。容器側面の調理方法にも “ワンタンの上に充分熱湯を注いでください。” とあるように、この上から熱湯を注がなければいけないのですが、エースコックのワンタンは皮の繋ぎ目が適切に戻らず、バキッとした食感が残ることも珍しくないので、そこが不安なポイント。
ちなみに2023年10月現在、縦型ビッグのカップラーメンにおけるメーカー希望小売価格は各社、271円(税別)を基本としているのに対し、こちらは285円(税別)ということで、基本となる価格設定よりも高めの値段。スーパーやドラッグストアなども販売店に含まれますが、コンビニで購入した場合の税込価格は307.8円なので、そこも考慮しながら評価します。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:渾身の逸品 特製中華そば 大盛り 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816−175) 内容量:98g(めん80g) 商品コード:4901071402297(JAN) |
発売日:2023年10月23日(月) 実食日:2023年10月25日(水) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:285円(税別) 購入価格:257円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、植物性たん白、食塩、たん白加水分解物)、スープ(食塩、植物油脂、チキン調味料、黒豚エキス、しょうゆ、粉末しょうゆ、豚脂、砂糖、おからパウダー、でん粉、香辛料、たん白加水分解物、酵母エキス、香味油、魚介エキス、カツオブシパウダー、揚げねぎ、全卵粉)、かやく(ワンタン、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、香料、カラメル色素、かんすい、乳化剤、酒精、カロチノイド色素、微粒二酸化ケイ素、酸味料、増粘剤(キサンタンガム)、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、これが今回の “こだわり” の中でも特にエースコックが力を入れている多加水真空仕立て麺。揚げ油に由来する特有のニオイが並行するため、この時点ではノンフライ麺に見紛うようなクオリティとはいえないけれど、縮れの弱さが目立つ形状に、おもわず期待が高まります。
別添の小袋は後入れなので、熱湯を “ワンタンの上から” ゆっくりと注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったら「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。引き続き揚げ油に由来するニオイも漂ってきますけど、それ以上にスープの香りが強く、動物系の存在感も然る事乍ら、そこに絡む醤油感と揚げネギの芳ばしさも印象的。
ただ、メーカー希望小売価格の設定が高めなので、問題になってくるのがコストパフォーマンス的な部分。はたして値段相応の‥‥いや、それ以上の価値が感じられる引きがあるのかどうかに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(98g)あたり |
カロリー:406kcal たん白質:10.0g 脂 質:13.1g 炭水化物:61.9g 食塩相当量:6.6g (めん・かやく:2.1g) (スープ:4.5g) カルシウム:247mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:406kcal(めん・かやく:351kcal)(スープ:55kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いきなり値段以上のクオリティ発見
スーパーカップ1.5倍しかり、わかめラーメンしかり、エースコックの揚げ油を通過した麺は独特の風味を伴うため、今回の “多加水真空仕立て麺” も例に漏れずではあるものの、後述する液体スープや揚げネギとの兼ね合いか比較的に穏やかで、なによりも驚いたのがノンフライ麺に見紛うような密度の高さ。
風味についてはフライ麺の限界を感じる要素になりますが、多加水の文字通り加水率は高めの設定で、真空仕立て麺といえばの「焼そばモッチッチ」や「ラーメンモッチッチ」にも通じる “気泡を全力で押し出したような密度感” は、いい意味でフライ麺らしからぬポイント。エースコック、本気出してきました。
フライングすると戻りムラが目立つタイプになりますが、きちんと熱湯5分を守り、液体スープを馴染ませている間に食べごろを迎える設定で、太麺に有り勝ちな不具合は目立ちません。ただ、調理後に2、3分ほど放置すると、あきらかに食べ始めよりも麺の密度が高くなる変化が実感できるので、熱湯5分+液体スープを馴染ませてから、ちょっと休ませるのがオススメです。
スープ
ちょっと攻撃的だけど、繊細さも感じられる丁寧な作り
まずは粉末スープだけの状態で味を確認してみたところ、まだまだ完成といえない発展途上のテイストで、いかにもカップラーメンらしい軽さと刺激が目立ちます。しかし、そこに光る揚げネギの芳ばしさは “こだわり” を感じるところ。そして、後入れの「液体スープ」を加えた途端に雰囲気は一変。
充填されているオイルは少量なのに、芳醇な動物系のコクと葱油(ねぎあぶら)の働きは目覚ましく、さらに全体をキリッと引き締めてくれるフレッシュな醤油感も見どころ。ぶっちゃけ「これが黒豚エキス使用の恩恵だ!」みたいに分かりやすいインパクトは備わっていませんが、クリアなのに丁寧な出汁(だし)感は黒豚エキス由来なのかなと。思い込みですかねw
ただ、実際にスープの作り込みは丁寧で、その指揮を執る醤油のキレと余韻に微睡む酸味も味わい深く、ふわっと漂うように泳ぐ魚介の隠し味もワザありポイント。生姜とニンニクの効かせ方はスナック的ですが、揚げネギのホロ苦い芳ばしさだったり、醤油のフレッシュな存在感だったり、大人向けの “こだわり” が伝わってくる設計でした。
かやく
ワンタンの繋ぎ目の不具合は解消されていた(おかげで皮が破れやすいw)
エースコックのニュースリリースには “新開発のもちもち食感と喉ごしを兼ね備えた大盛りのめんとワンタン具材が-・” との記載があったので、もしやワンタンも新開発なのかと思っていたのですが、おそらく既存のワンタンですねコレ。ただ、皮の繋ぎ目がバキッとくる不具合は目立ちません。
それと引き換えに皮が破れやすくなっていたので、液体スープを馴染ませる段階で中身が流出しちゃいましたけどw 噛んだ瞬間にバキッとくる戻りムラに当たるよりはマシ、だいぶマシ。ネギは熱風乾燥だったので、ジャキジャキとした安っぽい歯触りが気になったのですが、コリコリ食感のメンマはスープと相性よかったです。
総評
メーカー希望小売価格の設定が現在の基準よりも高めなので、そこだけがネックになりますが、新たに開発された “多加水真空仕立て麺” の仕上がりは素晴らしく、それを確かめるためだけに買っても損ではありません。具材は使い回し感が否めなかったので、あまり期待してはいけない部分になりますけど、スープの作り込みについても高く評価できる、想像していた以上に良品でした。
ちなみにエースコックの新ブランドといえば、積極的に立ち上げては最初の1商品のみで自然消滅するパターンも珍しくないため、第2弾が出るのかどうか怪しいところはありますけど、いい意味でフライ麺らしからぬ “多加水真空仕立て麺” については是非とも今後の商品に活かしてほしいです【author・taka :a(大石敬之)】