中華そば処【琴平荘】監修 東洋水産の「カップ麺」と “本物” を食べ比べてみた結果——

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東洋水産

どうも、taka :a です。

本日の一杯は、2021年1月5日(火)新発売のカップ麺、東洋水産「中華そば処 琴平荘 中華そば」の実食レビューです。

ファミリーマートでしか買えない「琴平荘」のカップラーメンと “本物” の「中華そば(あっさり)」を徹底比較!!

本物との違いは? 再現度は高い? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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琴平荘のカップ麺と「本物」を比較

中華そば処 琴平荘(こんぴらそう)とは、日本海の荒波が打ち付ける山形県鶴岡市三瀬己の沿岸に建ち、なおかつ営業期間は10月1日〜5月31日限定という特殊な環境下にありながら、週末になると昼営業のみで1日500人以上の客が訪れるという、ラーメン王国・山形県の中でも屈指の大行列店として知られ、なおかつ1965年(昭和40年)に開業した民宿「旅館 琴平荘」が前身という珍しい歴史の持ち主。

現在の営業期間は10月1日〜5月31日迄

たとえばテレビ朝日の『いきなり!黄金伝説。』(2016年2月4日放送分「行列のできる即日完売グルメ」)や 『マツコ&有吉の怒り新党』(2017年1月25日放送分「新3大・こだわりすぎて冬しか営業しない名店」)に、毎日放送(MBS)の『情熱大陸』(2020年1月5日放送分)など、人気テレビ番組や各種メディアにも取り上げられている有名店なので、お店の名前をご存知の方も多いのではないでしょうか。

もともと簡易宿泊所のような施設としてオープンした「旅館 琴平荘」は、現「中華そば処 琴平荘」店主・掛神淳(かけがみ あつし)氏の祖母が始めた民宿で、1965年(昭和40年)11月から1970年(昭和45年)7月まで続くことになる “いざなぎ景気”(高度経済成長時代の好景気)により、しばらく順風満帆の旅館業を営んでいました。

しかし、いざなぎ景気のピークから1995年(平成7年)頃にかけて、公害による環境破壊が深刻化した結果、日本の漁獲量が急速に減少したことで魚の価格が高騰。そのため料理の原価も上がり、旅館業の衰退が否めなくなった頃、現店主の掛神淳氏が「旅館 琴平荘」の経営を受け継ぎ、調理を担当することになるのですが、さらに危機的な状況は続くことに——。

店舗外観は現在も旅館の名残を見せる

道路が整備されたことで夏の海水浴客は日帰りが増え、冬季の売り上げを伸ばしたくても三瀬には遠方から客を呼び込むほどの温泉はない‥‥と、一念発起で始めたのがラーメン事業。客足が遠退く冬場(11月〜3月)の閑散期対策として、2002年(平成14年)11月から「中華そば処 琴平荘」を始めたところ、当時は “旅館の大広間で食べる片手間のラーメン” との厳しい声もあったそうですが、3年後には多くの固定ファンを獲得。

その味は著名のラーメンマニアにも認められ、客から “通年で営業してほしい” との声も届くようになり、営業期間を10月〜4月に延ばしたこともあったそうですが、2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大地震)の影響でゴールデンウィークの予約キャンセルが続出。これを機に営業期間を10月1日〜5月31日まで伸ばし、旅館業をやめて「中華そば処 琴平荘」に専念し始めました。

このページでレビューするカップ麺「中華そば処 琴平荘 中華そば」は、東洋水産株式会社(マルちゃん)と「中華そば処 琴平荘」店主・掛神淳氏の共同開発商品で、全国的な知名度を誇りながらも “幻” と呼ばれた琴平荘の看板メニュー「中華そば」を大判どんぶり型のカップラーメンで再現。コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、数量限定のPB商品です。

焼あごの旨みを効かせた醤油味のスープに注目

2016年(平成28年)8月30日、東北・関東・長野と新潟除く信越・近畿地区のサークルKサンクス限定商品として、東洋水産×琴平荘コラボ初のカップ麺「琴平荘 中華そば」を市場に投下。サークルK・サンクスがファミリーマートにブランド統合を完了した後もファミリーマート限定商品としてコラボを続けており、昨年は “平日20食限定” の人気メニュー「味噌そば」を商品化していました。

関連ページ:ファミリーマート「琴平荘 味噌そば」平日20食限定!? “幻の一杯” ついにカップ麺で再現!!

開封

別添の小袋は3種類

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れの「液体スープ」と「焼のり」で合計3袋。ちなみに一部地域のサークルKサンクス限定で販売されていた2016年8月発売品(初代)にはレトルト調理品のメンマを採用していたのに対し、2017年11月発売のファミリーマート限定版になってからは乾燥具材のみに変わっているのですが、焼き海苔の別添が嬉しいポイント。

本物は「宅麺.com」を利用して取り寄せ

そしてタイトルにも書いたように、このページでは “カップ麺と本物を食べ比べる” のですが、コロナ禍で外出自粛の要請が出るだけでなく、政府に緊急事態宣言の発出を検討している都道府県も多い現在。また筆者の住まいが関西ということもあり、この時期に関西と山形県鶴岡市を往復するのはキツい‥‥というわけで、冷凍ラーメン及び冷凍つけ麺の通販サイト「宅麺.com」から本物の「中華そば(あっさり)」を取り寄せました。

カップ麺のファミリーマート通常価格は258円(税込278円)に設定されているのですが、それを監修している「琴平荘」の店主が実際に作った本物の「中華そば(あっさり)」を “そのまま冷凍して” 届けてくれる「宅麺.com」で商品を取り寄せた場合、本体価格1,000円+送料・冷凍配送料・梱包手数料1,020円+消費税+182円ということで、1食あたりの税込価格は2,202円と安くない値段。

2021年1月現在「琴平荘」の実店舗で「中華そば」を注文した場合の税込価格は750円なので、一見すると割高に思えるのですが、往復の交通費や行列の待ち時間などを加味すると、お住まいの地域によっては結果的に割安といえるかもしれません。

カップ麺の製品詳細情報・購入価格等

製品名:中華そば処 琴平荘 中華そば
製造者:東洋水産株式会社
製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1)
内容量:106g(めん65g)
商品コード:4901990367806(JAN)
発売日:2021年01月05日(火)
実食日:2021年01月10日(日)
発売地域:全国
取得店舗:コンビニ(ファミリーマート)
商品購入価格:278円(税込)
ファミリーマート通常価格:258円(税別)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:410ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:3袋(液体スープ・かやく・海苔)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂)、添付調味料(しょうゆ、チキンエキス、鶏脂、植物油、たん白加水分解物、魚介エキス、食塩、酵母エキス、野菜エキス、砂糖、香辛料、発酵調味料)、かやく(焼豚、メンマ、のり、ねぎ)/ 酒精、かんすい、炭酸カルシウム、レシチン、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、増粘多糖類、香辛料抽出物、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

焼き干しの香りが印象的な「本物」の調理直後

さて、まずは「本物」の調理直後。麺の茹で時間は2分30秒〜3分、スープの湯煎時間は10分、具材の湯煎時間は3分となっているため、事前に沸騰させた熱湯を用意しておけば、だいたい10〜12分前後で食べられます。

実店舗の中華そばにトッピングされている海苔や輪切りの白ネギは入っていませんが、それ以外は本物の中華そばを “そのまま冷凍している” ので、お店の味と臨場感を家庭で楽しめるのが最大の売り。しかも実店舗の「中華そば」は “海苔以外すべて手作り” という、こだわりと安心が詰まっているのもポイント。

焼あごの香りは本物以上

それを再現しているカップ麺の調理直後、さすがに本物と完璧に同じ香りとはいえず、チャーシューもインスタント感の強い成型肉を使用しているのですが、焼あご(焼き干し)の香りは本物以上に強く、琴平荘の個性を強調して表現。さらに宅麺.comの商品には別添されていない焼き海苔が嬉しく、歴代の再現カップ麺と比較して、チャーシューの枚数も1枚から2枚に増えていました。

はたして「琴平荘」が誇る幻の中華そば(税込750円)の味を、どこまでカップラーメン(税込278円)で再現できているのか、引き続き違いや共通点に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(106g)あたり
カロリー:325kcal
たん白質:12.6g
脂  質:6.8g
炭水化物:53.4g
食塩相当量:5.7g
(めん・かやく:1.5g)
   (スープ:4.2g)
ビタミンB1:0.23mg
ビタミンB2:0.37mg
カルシウム:159mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:325kcal(めん・かやく:267kcal)(スープ:58kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、各項目の評価と総評はファミリーマート限定のカップ麺「中華そば処 琴平荘 中華そば」に基づきます。

めん

本物の中華そばに使われている多加水ちぢれ麺

タイプは違うけどクオリティは高い

5.0

実店舗で提供されている麺は、加水率50%以上の完全自家製麺で、原材料は “小麦粉、塩、かん水” ときわめてシンプル。なめらかな口当たりと喉越しを特徴とする多加水麺ですが、丁寧に手揉みされた縮れがスープを掴み、スープとの一体感も悪くありません。

しかし、事前に加水率が高いことは分かっていたので、茹で時間は3分きっちり守ったのですが、もっちりとしたグルテン特有の粘りを重点的に強化しているのではなく、中心部に芯を残す独特のコシと強めの歯応えが印象的。そこまで小麦の香りは強くないけれど、茹でる前の状態で麺の量は210gと食べ応えがあり、後半にかけて続く独特のコシがクセになりました。

正麺カップの延長線上にあるが‥‥

対する今回のカップラーメンに使われている麺は、東洋水産が誇る「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」と同じ “生麺ゆでてうまいまま製法” のノンフライ麺で、こんにゃくを練り込んでいるのが最大の特徴。この製法は加水率の高い多加水麺を得意とし、琴平荘の歴代カップ麺にも粘りの強さと箸で持ち上げたときの重量感を重視した多加水麺を採用していたのですが、従来の麺よりも加水率を下げています。

さらに縮れのない平打ちストレート麺ということで、形状の再現度は高くないのですが、あえて粘りを抑えているような歯応えを感じさせる、従来のノンフライ麺よりも本物の質感に近付いているような姿勢が感じられました。とはいえ厳密にいうとタイプは別物なんですけど、ひとつのノンフライ麺としてクオリティが高く、スープとの相性もいい、高品質なノンフライ麺です。

スープ

絶妙なバランスが印象的な本物のスープ

あながち再現度は低くない(というか高い)

5.5

実店舗のスープは「あっさり」と「こってり」が選べるのですが、2021年1月現在「宅麺.com」で取り扱っている「中華そば」のスープは “あっさり” のみで、原材料には「丸鶏、豚肉、鶏足、飛魚(あご)焼き干し、鯖煮干、イワシ煮干、鰹節、醤油、スルメ、玉葱、長ネギ、生姜、ニンニク、砂糖」を使用。

岩手県産の高級丸鶏から出汁(だし)を取り、地元で取れるトビウオを店主が自ら市場で仕入れ、下処理はもちろん天日干し・焼き入れまで完全に自家製なのがこだわり。その味わいは、とにもかくにも店主のセンスが光る、出汁×醤油×香味野菜の計算され尽くされたバランスは芸術的で、焼き干し特有の芳ばしさと若干のホロ苦さもさることながら、スルメの複雑な風味など、シンプルなようで唯一無二のスープを実現。

カップ麺でも “あっさり” の味わいを再現

それを再現している東洋水産のスープからスルメの隠し味が感じられることはなく、お店のスープよりも生姜のアクセントが弱かったので、ずいぶんと香味野菜の存在感は控えめですが、香りからも伝わってきたように “焼あご(焼き干し)については本物以上のインパクトを放っている” のがポイント。

本物よりも生姜のキレが控えめで、なおかつ全体を包み込むような甘みが強く、そこに明確な違いを感じるのの、焼あごの芳ばしさを前面に主張させることで個性を強調。なおかつ醤油の効かせ方を同じようなラインに落とし込んでいるため、雰囲気の再現度は低くありません。むしろ値段差を思えば再現度は高く、実際に食べ比べて驚きました。

具材

チャーシューはもちろんメンマも店主の手作り

具材に関しては完全にカップ麺クオリティ

4.0

実店舗で使われているチャーシューは、ややパサつきのある赤身と甘みの強い脂身のコントラストが楽しめるクラシックなチャーシューで、控えめな味付けから豚肉特有の風味が強めに残っているのですが、それも雑味ではなく旨味と思える懐かしいタイプ。流行りの低音調理(レア)チャーシューではないけれど、素朴なスープによく合います。

細長いメンマはシャクシャクとした繊維質を強めに感じる歯応えで、発酵感は控えめですが、スープとの相性がよく、量も10本以上と申し分ありません。

前回の「味噌そば」よりもボリューム感あり

対するカップ麺のチャーシューは、インスタント感の強いプリッとした歯切れのよさに、成型肉特有の風味など、本物のチャーシューには及びませんが、そこそこ大きめのサイズで2枚入りなのが嬉しいポイント。メンマは本物よりも柔らかく、それでいて適度な繊維質を残し、ネギは斜め切りにされた高級感のあるタイプで出しゃばりません。

さらに宅麺.comの商品には別添されていなかった焼き海苔が効果的で、焼き干しの芳ばしい風味が効いたスープにベストマッチ。もし冷凍の「中華そば(あっさり)」を注文するのであれば、とりあえず焼き海苔と白葱は事前に用意しておいたほうがいいでしょう。

総評

★★★★★☆☆☆☆☆(★5)

「中華そば処 琴平荘」が誇る本物の「中華そば(あっさり)」とファミリーマート限定定のカップ麺(東洋水産)を食べ比べてみた結果、たとえば具材のクオリティをはじめ、麺の形状や食感だったり、生姜の効かせ方やスルメの隠し味だったり、本物と比較して違いを感じるポイントはありましたが、思いのほか再現度は低くありません。

本物の中華そば(税込750円)とカップ麺(税込278円)の値段差があるので、それなりに妥協すべきところもありますけど、たとえばスープにおける焼あごのインパクトに関しては本物以上に強く、ひとつのカップ麺として高く評価できる良品でした。ファミリーマート以外の店舗には売ってない、なおかつ数量限定商品なので、気になっている方は早めに最寄りのファミリーマートをチェックしてください(author・taka :a)

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