どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年8月26日(月)新発売のカップ麺、寿がきや食品「濃い!! 豚骨ペッパーちゃんぽん」の実食レビューです。
豚頭使用の濃厚スープに胡椒たっぷりスパイシーな新感覚の “次世代ちゃんぽん” 新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
濃い!! 豚骨ペッパーちゃんぽん
「ちゃんぽん」とは、広義として “さまざまなものを混ぜる” こと、または “混ぜられたもの” を意味する言葉であり、そのような料理を指す名前の総称でもあります。たとえば麺類の場合、もっとも代表的なものは「長崎ちゃんぽん」になるかと思いますが、今回のカップ麺に「長崎」の文字は見当たりません。
フタ上のパッケージど真ん中で「濃い!!」とアピールされているように、テーマは味の濃さ。寿がきや食品の公式ウェブサイトには、 “ちゃんぽんならではの「野菜」「魚介」「あっさり」「コク」といったおいしさに、「濃厚」「スパイス」を加えたインパクトのある濃厚でスパイシーな新しいちゃんぽん” と記載されています。
野菜・魚介・あっさり・コクについては長崎ちゃんぽんにも共通する定番のイメージですが、そこにトレンドの「濃厚」と「スパイス」を組み込んでいるらしく、明らかにパッケージの印象はワイルドで、長崎ちゃんぽん系のイメージとは一線を画す雰囲気。しかも、 “豚頭を使用” したスープに “米粉でとろみをつけている” そうです。よもやカップ麺で「豚頭」をアピールしてくるとは‥‥
たとえば北海道の「網走ちゃんぽん」や滋賀の「近江ちゃんぽん」、佐賀の「井手ちゃんぽん」、北九州の「戸畑ちゃんぽん」など、全国には “ご当地ちゃんぽん” と呼ばれる特殊なちゃんぽんが多く、中には兵庫・姫路の「ちゃんぽん焼き」(焼そばと焼うどんを合わせたもの)や「沖縄ちゃんぽん」(肉野菜炒めの卵綴じオンザライス)など、「ちゃんぽん」の定義は様々です。
パッケージの右下には “トロッと濃ゆ〜い” の文字があり、「濃ゆい」といえば九州・四国の方言——というわけで、もうちょっと突っ込んだ商品の開発経緯を調べてみたところ、とりあえず今回の「濃い!! 豚骨ペッパーちゃんぽん」は特定のご当地ちゃんぽんや名店の味を再現したものではなく、「寿がきや流オリジナルちゃんぽん」とのこと。
加えて激辛カップ麺やスパイシーなカップ麺が人気を博していることを背景に、ペッパーを効かせることでトレンドを意識しつつ、味の濃さを重点的に強化。さらに「豚骨ペッパーちゃんぽん」専用のノンフライちゃんぽん麺を開発し、安定感のあるちゃんぽんを “あえて尖らせる” ことで、新しさとインパクトを前面に押し出したそうです。
具材は長崎ちゃんぽんを参考にしたそうですが、あくまでも濃くてスパイシーな寿がきや食品のオリジナルちゃんぽん。ちなみに「濃ゆい」という表現について理由を尋ねてみたところ、イメージが堅くなりすぎないように遊び心を意識したもので、 “特に地域性などの深い意味はない” とのことでした。ちょっと拍子抜けw
販売エリアは沖縄を除く全国で、スーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストア、コンビニなど、特に取扱店の縛りはありません。営業の関係かコンビニでは「ローソン」での取り扱いが意欲的だったので、もし近くに売ってない場合はローソンを積極的に探してみてください。それでは、開封して中身をチェックしてみましょう。
開封
別添の小袋は「液体スープ」「粉末スープ」「かやく」の合計3袋で、それぞれの小袋は大きめです。コンビニ限定の商品ではありませんが、メーカー希望小売価格は税別250円と地味に高く、ローソンで購入すると税込価格は270円だったので、けっして安い値段とは言えません。
参考までに同社が販売している「全国麺めぐり 富山ブラックラーメン」は税別218円、「銀座香味徳監修 鳥取ゴールド牛骨ラーメン」は税別227円、「中華そば國松監修 シビレMAX」は税別238円、「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」は税別260円となっているので、その中でも高値のランクに位置しています。
麺は「豚骨ペッパーちゃんぽん」専用のノンフライ太麺とのことですが、ちゃんぽんらしい見た目ではなく、これまで寿がきや食品のカップ麺で何度も見てきた中太麺と変わりません。しかし、このサイズは今回のカップ麺が初めてだそうで、一般的なちゃんぽん麺よりもラーメンに寄せているのも寿がきや流のポイント聞きました(※麺の製造は例に漏れず「加ト吉水産」が担当しています)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:濃い!! 豚骨ペッパーちゃんぽん 販売者:寿がきや食品株式会社 製造所:加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場 内容量:120g(めん65g) 商品コード:4901677082619(JANコード) 個装サイズ:φ167×70(mm) 発売日:2019年08月26日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、小麦たん白、大豆食物繊維、たん白加水分解物)、スープ(チキンエキス、ポークエキス、動物油脂、しょうゆ、食塩、香味油、たん白加水分解物、デキストリン、ゼラチン、香辛料、米粉)、かやく(キャベツ、キクラゲ、カマボコ、えび風味乾燥品)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、着色料(カラメル、クチナシ、パプリカ色素、紅麹)、かんすい、炭酸カルシウム、乳化剤、増粘剤(増粘多糖類、アルギン酸Na)、膨張剤、酸化防止剤(V.E、V.C)、粉末セルロース、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・いか・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】卵・乳成分・小麦・えび・いか・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン ※特定原材料及びそれに準ずるものを表示(27品目中) |
実食開始
「かやく」と「粉末スープ」は両方とも先入れで、粉末スープの小袋には “スープに熱湯を直接かけてよく溶かしてください” との注意書きがあります。写真では左右に分けて開封していますが、けっこう粉末スープの量が多いので、すこしでも溶かしやすいように “かやくを麺の下に” あけてから “粉末スープを麺の上に” あけるといいかもしれません。
ちなみに “販売エリアは沖縄を除く全国” の件について、基本的に寿がきや食品のカップ麺は沖縄では売ってないそうです。これは別に寿がきや食品と沖縄が険悪ムードにあるからとかではなく、寿がきや食品と契約している配送業者の管轄外であること、また九州地域に営業所がないため、物流が沖縄まで網羅されていないことが理由と聞きました。
さて、あとは粉末スープめがけて熱湯を注いで5分待機、その間に液体スープの小袋をフタの上で温めて、5分後 “必ず粉末スープを完全に溶かしてから” 液体スープを投入しましょう(しかし寿がきや食品らしからぬ大量の具材ですよコレは‥‥どうしたスガキヤ)。それでは、我流の個性に注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(120g)当たり
カロリー:406kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:406kcal(めん・かやく:276kcal)(スープ:130kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
これまで寿がきや食品(加ト吉水産)のノンフライ麺で熱湯5分の太麺といえば、基本的に角刃でカットされた平打ち麺が主流となっていたの対し、2017年9月18日から「全国麺めぐり 富山ブラックラーメン」の麺を丸刃でカットしたノンフライ太ちぢれ麺に変更しているのですが、今回その麺と似たような印象を受けます。
さらに原材料名も一致するのですが、寿がきや食品の公式ウェブサイトや通販サイトに “ちゃんぽん専用ノンフライめん” と明記されているように、まったく同じ麺ではありません。とりあえず長崎ちゃんぽん系統の太ストレート麺と相反する形状ではあるものの、アイデンティティを感じる食べ始めの硬い食感と小麦感の強さは寿がきや×カトキチらしく、かなり強烈なコシが印象的。
ダラダラと食べなければ、ファーストインプレッションの魅力をキープしたまま麺を食べ終えてしまうくらい耐久力があり、あいかわらず濃いめのスープと相性抜群です。ただ、ちょっと放置してモチモチ感がアップしてきた頃合いになると、その粘り気には「ちゃんぽん」に通じる面持ちが見られたので、わざと時間をかけて食感の変化を楽しんでみるのもオツですよ。
スープ
先入れの粉末スープにはデキストリンやゼラチンも含まれていて、とろみの源泉は米粉よりも前者に託されているような構図。そしてスープが黒ずんでいるように、けっこうペッパー系の香辛料が多く、粗挽き黒胡椒とパウダー状の細かい黒胡椒×白胡椒をブレンド。さすがに同社の「富山ブラック」ほど強烈な主張を見せてくることはありませんでしたが、タイトルのスパイシーは明白です。
粉末スープにも動物系の旨味成分が軽く仕込んでありましたが、液体スープを入れた後の豚骨は純度が高く、同時に鶏白湯系の主張も強めにあり、ちゃんぽんでも海鮮の旨味は特に意識されていません。具材にエビボールは入っていますが、それが強く海鮮を打ち出してくることはなかったので、イメージは完全に動物系が主体。
構造としては鶏白湯×豚骨醤油ベースのスープでありながら、いわゆる豚骨醤油ラーメンとか鶏白湯ラーメンを単純に掛け合わせたようなスープではありません。ブラックペッパーの清涼感が強いため、豚頭の癖は抑制されていますが、それでも一般的な豚骨スープとは違ったコクがあり、米粉の舌触りが面白く、既存の枠組みに囚われない斬新なスープでした。これは新感覚ですよ。
かやく
ちゃんぽんといえば具沢山、でも寿がきや食品といえば具がショボい——という定番のパターンから、まったく具材には期待していなかったんですけど、おそらく地味に希望小売価格が高いのは、具材のボリュームにコストを注いだ結果の表れなのでしょう。キャベツ、キクラゲ、かまぼこ、エビボールとシンプルな内容ですが、φ167mmの大口径容器に広がる具材は異例の光景です。
おもにボリュームは膨張率の高いキャベツによる貢献度が高く、けっこう厚みのある個体がザクザクと入っていて、とろみの強いスパイシーな濃いめのスープとベストマッチ。きくらげもゴロンと大きくて分厚い個体が多く、プルプル・コリコリとした特有の食感がキャベツと同じくスープにフィット。
スープは異質な変わり種ちゃんぽんでしたが、4枚のピンクかまぼこが定番感を演出。そしてエビボール(えび風味乾燥品)は、なんというか20年以上前のカップ麺に入っていた海老風味の乾燥具材‥? みたいな。パサパサしてますw でも白身魚を原料とする魚肉練り製品っぽいプリッとした食感ではなかったので、スカスカのエビを食べているようなリアリティが楽しめました。うんw
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
なんというか実に個性的な一杯で、豚頭(豚骨)、鶏白湯、米粉、野菜を “まさにチャンポン” しまくって、強めのペッパーで強引に捩じ伏せているような構図かと思いきや、意外と全体のバランスは良好。食べ終わってから直後は「とりあえず一度経験しておけばいいかな」だったのに、数時間後「どんな味だっけ‥?」と再確認したくなるような、ある意味ちょっと中毒性のあるカップ麺かもしれません。
たぶん、好みに合う・合わないの賛否両論あると思います。タイトルどおり味は濃くてスパイスも強め、でも豚骨なのに鶏も強く、かなり米粉が主張してくるザラ付いた舌触りもターニングポイントになるでしょう。したがって “従来のイメージとは大きく異なる新しいちゃんぽん” というコンセプトは果たせていたので、とりあえずカップ麺が好きなら一度は食べておくべき一杯だと感じました。