どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年5月16日(火)新発売、ヤマダイのカップ麺「極麺処 熊本 マー油とんこつ」の実食レビューです。
ニュータッチのヤマダイが贈るセブン-イレブン専用ご当地シリーズ「極麺処」第3の味は “凄麺に存在しない熊本ラーメン” を数量限定販売!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
極麺処 熊本 マー油とんこつ
極麺処(きわみめんどころ)とは、なんの前触れもなくセブン-イレブン店舗に現れた数量限定の留型商品で、製造者は “ニュータッチ” のブランドで知られるヤマダイ株式会社。第1弾を飾った2022年10月31日発売の「極麺処 札幌 濃厚味噌」及び「同 横浜 家系豚骨醤油」は、凄麺ご当地シリーズに既存のエリアを題材にしつつ、それとは異なる切り口で “ご当地の旨さ” を再現していたのですが‥‥
今回の新商品「極麺処 熊本 マー油とんこつ」は、マイルドでクリーミーな豚骨スープに、ホロ苦くて芳ばしいマー油(焦がしニンニク油)やニンニクチップのトッピングが特徴的な「熊本ラーメン」の味わいを再現したカップラーメンで、注目すべきは “凄麺ご当地シリーズに既存しないエリア” であること。
あらためまして凄麺(すごめん)とは、ゆでたての旨さを追求したノンフライ麺を特徴とする、ヤマダイきっての即席カップめんブランドで、2001年(平成13年)10⽉29⽇発売の「これが煮玉子らーめん」が最初の商品。その後、当初は凄麺ブランドではなかったのですが、2002年(平成14年)6月1日に「佐野らーめん」を発売したことを切っ掛けに、現在の「ご当地シリーズ」が発足します。
2023年5月時点、凄麺ご当地シリーズのラインナップは、順不同で「千葉竹岡式らーめん」「和歌山中華そば」「名古屋台湾ラーメン」「愛媛八幡浜ちゃんぽん」「横浜とんこつ家」「飛騨高山中華そば」「徳島ラーメン濃厚醤油とんこつ味」「富山ブラック」「長崎ちゃんぽん」「奈良天理スタミナラーメン」「静岡焼津かつおラーメン」「熟炊き博多とんこつ」「喜多方ラーメン」「函館塩ラーメン」
「信州味噌ラーメン」「尾道中華そば」「青森煮干中華そば」「横浜発祥サンマー麺」「新潟背脂醤油ラーメン」「仙台辛味噌ラーメン」「佐野らーめん」「札幌濃厚味噌ラーメン」「京都背脂醤油味」「広島THE・汁なし担担麺」「名古屋THE・台湾まぜそば」計25品(「広島THE・汁なし担担麺」のみ一時的な欠品中)となっているため、前述のように「熊本」は存在しません。
2014年(平成26年)12月15日と2017年(平成29年)2月6日に “ニュータッチ” のブランドでノンフライ麺を使用した「九州じゃんがら 熊本風とんこつ こぼんしゃん」を発売しているため、熊本ラーメンについてのノウハウは保有しているのですが、ひとまず前回の「極麺処」2品よりは新鮮味を感じる展開です。ただし‥‥
もうひとつ注目すべきは価格設定で、販売店は全国のセブン-イレブン店舗が対象となっているのですが、販売価格は328円(税込354.24円)とカップラーメンにしては高級品。ちなみにヤマダイが設定している凄麺ご当地シリーズのメーカー希望小売価格は242円(税別)なので、単純計算その1.35倍以上ということ。
麺は熱湯2分のノンフライ細麺ということで、それについての不安は(凄麺の実績を思うと)控えめではあるものの、はたしてマイルドな-・を訴求している豚骨スープに深みはあるのか、マー油のインパクトは値段に見合っているのか、そして具材にも配慮が行き届いているのかなど、コストパフォーマンスも踏まえた上で評価します。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「液体スープ」と「調味油」の計3パックで、イレギュラーでなければ調味油はマー油。さらに液体スープの量も多いことから、なかなかドキドキさせてくれるファーストインプレッションではあるものの、ふりかけ式のフライドガーリックは別添されていません(かやくに同梱)。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間の設定と調理前の佇まいから察するに、凄麺ご当地シリーズの「熟炊き博多とんこつ」と共通かもしれません。ちなみに凄麺ブランドの製品には、もれなくフタ裏に開発秘話や作り手の想いなどを綴った “フタの裏ばなし” が印刷されているため、それを楽しみにされている方も少なくないかとは思いますが、極麺処のフタ裏は無地です。次に期待か‥‥
前述のようにセブン-イレブン店舗での販売価格は328円(税込354.24円)と高価な部類に入るため、そこもレビューする際には重要視しなければいけない部分。最近はコンビニで400円前後のカップラーメンも珍しくないため、ちょいちょい感覚が狂いそうになりますけど、凄麺ご当地シリーズの仕上がりとメーカー希望小売価格を参考にしながら評価しますね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:極麺処 熊本 マー油とんこつ 製造者:ヤマダイ株式会社 製造所:本社工場(茨城県結城郡八千代町平塚4828) 内容量:125g(めん60g) 商品コード:4903088016566(JAN) |
発売日:2023年05月16日(火) 実食日:2023年05月18日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:328円(税別) 購入価格:354円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯2分 小袋構成:3袋(調味油・かやく・液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、大豆食物繊維)、スープ(ポークエキス、動物油脂、食塩、デキストリン、たん白加水分解物、香味油、糖類、ガラスープ)、かやく(味付豚肉、キャベツ、フライドガーリック、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、キサンタン)、酒精、かんすい、カラメル色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、カカオ色素、(一部に小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)※本品製造設備では、そばを含む製品を生産しています。 |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、もやしやキクラゲなど、熊本ラーメンのトッピングといわれてパッと思い付く具材は入っていませんが、やや多めのキャベツとフライドガーリックの芳ばしさは印象的。このフライドガーリックが別添だったら‥‥などと思いつつ、昨今の即席カップめん業界はSDGsに対して敏感なので、小袋の数が少ないのは評価すべき項目かも。
添付調味料は2パックとも後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」と「調味油」を温めながら待つこと2分。時間になったら「液体スープ」と「調味油」を加え、よく混ぜ合わせたら完成です。なんというか‥‥めっちゃよくない?(語彙力)
白濁したスープにマー油のコントラストが映える様は、まさに熊本ラーメンを象徴するイメージで、雰囲気は悪くありません。ただ、繰り返すように値段が値段なので、引き続き費用対効果にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(125g)あたり |
カロリー:422kcal たん白質:14.4g 脂 質:14.4g 炭水化物:58.8g 食塩相当量:7.5g (めん・かやく:0.9g) (スープ:6.6g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
博多とんこつ系だけど相性は良好
もちろん専門店や製麺所によって基準は変わってくるのですが、熊本ラーメンに使われる麺の加水率は平均27〜30%とされ、切刃番手は22~26(溝巾1.36〜1.15mm)で切り出した角断面のストレート麺が主流となっています。それと比較して今回の「極麺処 熊本 マー油豚骨」には、博多の豚骨ラーメンを彷彿とさせるような丸断面のストレート細麺を合わせている、つまり‥‥
前述した凄麺ご当地シリーズの「熟炊き博多とんこつ」と同じ仕様、あるいは厳密に違ったとしても微調整に過ぎません。そのため新鮮味はないけれど、これは開発担当者が「もう直すところが見つからない」と絶賛しているノンフライ麺で、数年前のピーク時と比較した場合、表面の粉っぽさこそ鳴りを潜めてしまったものの、あいかわらず1本芯の通った歯応えとリアルな小麦の風味は魅力的。
熊本ラーメンらしいかと聞かれたら、それよりも博多寄りと答えますけど、後述するスープとの相性は問題なく、販売価格が328円(税込354.24円)のカップラーメンに使っても見劣りしない品質でした。熱湯2分+液体スープ・調味油を混ぜ合わせている間に不具合なく戻るので、あとは好みになるのですが、調理後さらに1分くらい休ませたほうがナチュラルに仕上がります。
スープ
いい意味で優等生な味わい
液体スープを小袋から絞り出したとき、からし酢味噌(市販のヤツ)みたいな粘度の高さだったので、すこしギョッとしたんですけどw いざ馴染ませて口に含むと砕いた豚骨を強火で長時間じっくり煮込んだような、それでいて血生臭さを彷彿とさせるクセは徹底して取り除かれている、まったりとした乳化度の高い豚骨感が口いっぱいに広がって、後味に残る余韻の骨っぽい旨味も印象的。
熊本ラーメンのスープには、豚骨のほかに鶏ガラも併用する店が多いため、原材料のガラスープは鶏に由来しているのかもしれませんが、体感的には9割が豚骨。それもハイレベルな白湯(ぱいたん)で、やや塩っぱさが気になったものの、とにかくクリーミーさに振り切っている、それでいて単調ではない奥行きのある味わい。
こってりギトギトではないけれど、調味油の量は大口径の容器でも寂しくないくらいには多く、イッキに熊本ラーメンらしさがブースト。カカオ色素で色を足していることが要因か、見た目ほど味覚に焦がしニンニクが主張してくることはなかったので、ホロ苦さに期待していると肩透かしを食うかもしれません。ただ、豚脂の厚みは効果的で、マー油が強過ぎないからこそ土台も尊重されたバランスでした。
かやく
もうちょっとだけ頑張ってほしかった
上記の画像は撮影用に盛り付けたので、ふつうに調理すると先入れのフライドガーリックはスープに馴染んでしまうのですが、それだけにスープとマー油のインパクトを底上げしてくれるアイテム。量も多過ぎない、然りとて少なくもない配分で、みずみずしいキャベツとスープの相性も悪くありません。
焼豚は個体差か風化した感じの味が気になったので、そこが残念に思えたのですが、カップラーメンといえば定番の丸型ではなく、バラ肉のような四角い形状は印象に残るポイント。ネギも熱風乾燥ではなく凍結乾燥の青ネギで、主張し過ぎない存在感に好感が抱けました。
総評
たとえばフライドガーリックを後入れ可能な個包装にする、あるいは海苔を別添するなど、もっと雰囲気が出る工夫もあったかと思いますが、ストレート状の低加水ノンフライ麺は生半可なクオリティではないですし、まったりとクリーミーな豚骨スープの作り込みも見どころで、それを壊さないマー油の効かせ方も計算を感じたポイント。
前回の「札幌 濃厚味噌」は358円(税込386.64円)だったので、それよりも手に取りやすい価格設定ではあるものの、1食あたり328円(税込354.24円)のカップラーメンは高級品。しかも数量限定なので、後頭部にガツンとくるような特別感が欲しかった‥‥との不満から気持ち差し引きましたけど、バランス型の熊本ラーメンとしては完成度の高い一杯です【author・taka :a(大石敬之)】