どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年9月24日(火)新発売のカップ入りコンビニラーメン、セブンイレブン「熟成ちぢれ麺 喜多方チャーシュー麺」の実食レビューです。
セブンイレブンの人気レンジ麺シリーズに福島のご当地メニュー「喜多方ラーメン」が期間限定で仲間入り!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、チルド麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
熟成ちぢれ麺 喜多方チャーシュー麺
数ヶ月前からネット上でも “チャーシューがヤバい” と話題になっていた、電子レンジで加熱するタイプのカップ入りコンビニチルド麺「喜多方チャーシュー麺」。もともとは宮城・福島・山形・甲信越・北陸・関東にあるセブンイレブン限定商品で、2019年5月29日から発売されていたのですが、他のエリアでは売ってない地域限定商品でした。
しかし、2019年9月下旬に入ってから、やっとこさ近畿地方のセブンイレブン店舗でも取扱開始。特に事前の告知なしで販路が拡大され、逆に販売終了となっている地域もあるらしく、セブン-イレブン・ジャパンの公式ウェブサイトに掲載されている2019年10月4日(金)現在の販売地域は “東北・関東・甲信越・北陸・静岡・近畿・四国” とのこと。
冒頭で書いた新発売の日付は “近畿エリアでの発売開始日” で、製造工場に直接問い合わせて聞いた日付なのですが、店頭に並び始めたのは発売日の翌週という店舗も数軒。今後さらに販売エリアを拡大するのかどうか、念のためセブン-イレブン・ジャパンの本部にも問い合わせてみたところ、現段階では未定との回答でした。
現在、セブンイレブン(近畿)の同じ棚で発売中のカップ入りチルド麺は、うどん・そば(温・冷)のラインナップも含めると、だいたい安いもので370円(税込399円)〜高くても510円(税込550円)が最高値となっていたのに対し、今回の「喜多方チャーシュー麺」は550円(税込594円)とコンビニラーメンの中でも高級品。
喜多方ラーメン(きたかたラーメン)とは、福島県喜多方市発祥のご当地ラーメンで、北海道の札幌みそラーメン、福岡の博多とんこつラーメンと肩を並べる “日本三大ラーメン” の一つ。喜多方ラーメンの歴史は昭和2年創業の屋台「源来軒 (げんらいけん)」に始まり、大正末期に中国から日本へやってきた創業者の藩欽星(ばん きんせい)氏が喜多方ラーメンの始祖。
1925年(大正14年)に王貞治氏の父・王仕福氏と来日した藩欽星氏(当時19歳)は、後に喜多方で「支那そば」の屋台を引くことになり、それが「喜多方ラーメン」の原点。現在は、各店舗によって麺の仕上がりもスープの味も千差万別なんですけど、清湯系の豚骨をベースに煮干しを合わせたスープがオーソドックスで、「平打ち熟成多加水麺」と呼ばれる麺が最大の特徴です。
さて、ちょっと注意したいのが「製造所」の違い。コンビニのカップ入りチルド麺は、通称「ニッパイ」(日配)と呼ばれる消費期限の短い要冷蔵の「デイリー食品」なので、販売地域・取扱店によって製造所が異なります。たとえば手元にある「喜多方チャーシュー麺」は、京都府のセブンイレブンで購入したもので、製造者は “日本で初めてツナマヨおにぎりを開発” した(株)武蔵野の京都工場。
「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(豚骨醤油)」を除くセブンイレブンのチルド麺は “すべて期間限定商品” で、だいたい約2ヶ月間ほど販売されているのですが、武蔵野(京都工場)製造の「喜多方チャーシュー麺」は “10月14日に製造終了” とのこと。販売期間については製造所の都合で変わり、セブンイレブン本社も把握していないため、最寄りの担当工場に直接問い合わせる必要があります。
作り方と注意事項
それでは、製品の本体について触れていきましょう。まず家庭で調理する際に気をつけたいのは「帯状のフィルム」(開け口)に記載されている調理方法で、そこには “1.「電子レンジ」で加熱。2. フィルム・フタを取る” とあります。このフィルムを剥がしてから加熱すると、表面の具材や麺がカピカピに乾くおそれがあるので、剥がさずに加熱してください。
そして、商品のラベル(フタ上及び容器底面の2箇所)並びに店頭の値札を見ると、商品名の右に「*(アスタリスク)」が表示されていると思います。このマークが付いている商品は軽減税率の対象商品なので、2019年10月1日に施行された増税(消費税率10%への引き上げ)以降も一時的に価格が変動しない、つまり税込価格は8%の税率で表示されているのですが——
もし “セブンイレブンの店内にあるイートインコーナーで食べる場合” は「外食」扱いになるので、消費税率は「10%」に引き上げられます(※ただし、コンビニの電子レンジで温めてもらってから “外に持ち出した場合” はセーフ)。正直ちょっとグレーゾーンな話で、自己申告無しの税率8%で購入してから店内で食べても店員さんは怒れないそうですが、モラルは守ってください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:熟成ちぢれ麺 喜多方チャーシュー麺 製造者:株式会社武蔵野 京都工場 製造所:京都府八幡市戸津55 内容量:563g(めん170g) 商品コード:2090704200538 発売日:2019年09月24日(火) |
麺の種類:ゆで中華麺 スタイル:コンビニラーメン・チルド麺 保存方法:要冷蔵(10℃以下) 加熱目安:500W 6分00秒 / 1500W 2分00秒 小袋構成:1袋(あらびきコショー) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】ゼラチンスープ(液体調味料、醤油、食用油脂、ゼラチン、その他)、ゆで中華麺(小麦粉、食塩、卵加工品、水あめ)、豚肉チャーシューたれ和え、ねぎ / 調味料(アミノ酸等)、加工澱粉、かんすい、糊料(加工澱粉)、トレハロース、着色料(カラメル、カロチノイド)、重曹、酸味料、(一部に卵・小麦・鶏肉・大豆・ゼラチン・豚肉を含む)、〈添付こしょう〉こしょう |
実食開始
作り方は、電子レンジで加熱するだけ(※電子レンジ専用商品)で、コンビニの電子レンジ(1500W)で加熱してもらった場合の調理時間は2分00秒と短いのですが、家庭用の電子レンジ(500W)で加熱する場合の目安は6分00秒。帯状のフィルムとフタの間にS&Bの「あらびきコショー」が別添されていますが、このまま加熱しても問題ありません。
消費期限は商品の搬入から約2日後、カロリーは598kcalとチャーシューメンにしては控えめ。もしご家庭の電子レンジが600Wの場合は5分00秒、700Wの場合は4分15秒、800Wの場合は3分45秒、900Wの場合は3分20秒、1000Wの場合は3分00秒が加熱時間の目安になります。あくまで単純計算ですけど、500W以上の電子レンジをお使いの方はご参考ください。
加熱が終わったらフィルムとフタを剥がし、お好みで「あらびきコショー」をかけたら完成です。たしかにチャーシューやばいですねw 中華蕎麦とみ田の豚ラーメンよりも高い値付けですが、なるほど納得の迫力。それでは、平打ち熟成多加水麺の再現度にも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、コンビニラーメンとしての総合力を判定します。
栄養成分表示:1包装(563g)当たり
カロリー:598kcal |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
実食前に「喜多方ラーメン」は千差万別あると触れたように、麺の太さや縮れの強さ、加水率(麺に含まれている水分量)、手揉みならではのコシ、茹で加減など、各店舗によって特徴は変わってくるのですが、とりあえず「平打ち熟成多加水麺」と呼ばれる麺の切刃番手は12番〜14番(麺幅2.50〜2.14mm、標準麺帯厚1.88〜1.61mm)の太麺が一般的。
さらに水分を多く含ませてから、じっくりと熟成させているのもポイントで、独特の縮れも代表的な特徴としてあげられるのですが、株式会社武蔵野(京都工場)の麺にも “手揉み風” のランダムな縮れがあり、工場内の製麺室で熟成させた太めの平打ち縮れ麺が採用されています。しかも、麺の中には小麦全粒粉と思われる小さな粒が視認できました。
とはいえ全粒粉の含有率は体感的に3%あるかないか程度ですし、500Wの電子レンジ加熱調理後は食べ始めから柔らかく、ほとんどコシも感じられませんが、熟成麺ならではの芳醇な小麦の風味と甘みが楽しめて、ブリンッとした歯切れの良さが特徴的。この麺は他の商品にも使われている武蔵野の汎用麺なので、新開発の麺ではないのですが、今回の穏やかなスープと相性がよかったです。
スープ
ごく少量ではあるものの、スープには豚の背脂がトッピングされ、レンジ加熱中にチャーシューから豚肉の旨味も滲み出てくるのですが、スープの動物系は鶏ガラが主体。そこに淀みのない清湯(チンタン)系の豚骨スープをブレンド、さらに煮干しの出汁(だし)を重ねている “Wスープ(ダブルスープ)” なのですが、煮干しは実に穏やかな主張です。
動物系の癖は丁寧に取り除き、煮干しの持つエグ味を中心とした攻撃性も極限まで抑えつつ、じっくりと低温で旨味を抽出したような、まるで日本料理の和風だしに通じる出汁の取り方。やや甘さは強めで、じんわりと身体に染み渡るような優しいテイストのスープに仕上がっているのですが、節系では出せない煮干し特有のシャープな旨味がスッ‥と通る、なんとも絶妙な加減。
かなりスープは淡い色合いで、タレに使用している醤油のイメージは濃口醤油を少量と白だしを合わせているような味わい。食塩相当量のわりに体感的な塩分濃度は低く、ファーストインプレッションから余韻に至るまで、終始この優しい感じがイイなぁ‥‥と思いながら食べ勧めていたのですが、そこに香るブラックペッパーの粋なアクセントがバイプレイヤー。
余韻に響き続ける塩気の弱いWスープの旨味と甘味、それをハイカラに引き締める黒胡椒の清涼感が絶妙で、辛味を感じさせない程度に味覚をリセット。おかげで次の一口がより美味しくて、醤油のエッジが控えめでも味に飽きません。それに黒胡椒の製造元も聞き慣れない謎のメーカーではなく、大手の「エスビー食品」ですし、別添(後入れ)ならではのフレッシュな香りが実に効果的でした。
具材
チャーシューの部位は豚バラ肉で、箸で持つと崩れそうになるほど柔らかく、赤身の部分はホロホロとした歯触り。脂身の部分はトロットロで、とろけるような食感と豚の脂身特有の甘みが楽しめます。どうしても大量生産の加工肉に有り勝ちな特有の食感と風味は並行しますけど、いたって許容範囲内かと思いますし、枚数も8枚と申し分ありません。
およそ1枚2mm程度にカットされているため、そんなに厚みのあるチャーシューではなく、やや部分的に端っこが乾いてしまったのですが、ちゃんと乾きにくいようにゼラチンでコーティング。味付けは醤油・食塩ともに控えめで、やや甘さ強めの優しい味わいから、攻撃性のないスープともベストマッチ。
ネギは加熱調理でクタクタ、量も多くないので飾りみたいな存在でしたけど、薄切りとはいえ麺が見えないほどのチャーシューには見た目にもインパクトがありますし、なるほどチャーシュー麺を名乗るだけのことはあるなと素直に納得できました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
今回の「熟成ちぢれ麺 喜多方チャーシュー麺」に限らず、コンビニのカップ入りチルド麺は “各地域に点在する工場によって仕上がりが左右される” ため、麺における全粒粉の有無やサイズ、茹で加減、加水率など、かなり喜多方ラーメンに近い麺もあれば遠い麺もあるかもしれませんし、スープの濃淡(塩分濃度)も微妙に変わってくるかもしれません。
ただ、いずれにせよセブンイレブンが企画した共通レシピに沿って製造されていますし、チャーシューの枚数は8枚が標準量。果たして喜多方ラーメンに忠実かと言われたら当たらずと雖も遠からずの部分はあるものの、結果的に値段相応の満足感が得られるコンビニラーメンでした。まったく派手さはないけれど、現地よろしく朝ラー(朝からラーメン)も可能な優しい味わいの一杯です。オススメ!