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ローソン「キリマルカップラーメン」あの “キリマルラーメン” がカップ麺に!? エースコックと小笠原製粉が企業間コラボ

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エースコック

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2020年2月18日(火)ローソン限定発売のカップ麺、エースコック×小笠原製粉「キリマルカップラーメン」の実食レビューです。

小笠原製粉が誇る愛知県西三河のソウルフード「キリマルラーメン」の味をカップめん化!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。なぜ商品名が “キリンラーメン ” から “キリマルラーメン” に変わったのかについても解説しているので、よろしければ最後までお付き合いください。

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キリマルカップラーメン

今回のカップ麺「キリマルカップラーメン」は、小笠原製粉(おがさわらせいふん)株式会社とエースコック株式会社の共同開発商品で、小笠原製粉を代表する “キリン” が目印の袋麺「キリマルラーメン」の味わいをカップラーメンで再現したもの。エースコックやローソンから事前の告知はありませんでしたが、全国のローソン限定商品として、ついにファン待望のカップめん化が叶いました。

パッケージの再現度は完璧

キリマルラーメンとは、昭和40年(1965年)に愛知県西三河地方で発売された小笠原製粉の元祖ご当地即席めん(袋麺)で、静岡県浜松市の「住岡食品株式会社」が製造(製造所固有記号 G1)。発売当初は「キリンラーメン」という商品名で登場し、平成10年(1998年)に一時生産を休止しているのですが、地元ファンからの熱い要望に応え、平成15年(2003年)に1万食限定で復活します。

当時は1回限りの限定発売を予定していたそうですが、なんと用意していた1万食が初日に予約のみで完売。その反響を受けた小笠原製粉は、評判がよかった西三河地方を中心に「キリンラーメン」の限定生産を再開し、平成22年(2010年)から本格的に全国展開を始め、平成30年(2018年)8月に “諸般の事情” で商品名を従来の「キリンラーメン」から「キリマルラーメン」に変更しました。

なぜ小笠原製粉が商品名を変更したのかというと、東京都中野区に本社を置くKIRIN(キリン株式会社)と商標権を巡る係争中だったのが原因。もともとKIRINが1956年に “キリン・麒麟・きりん・KIRIN” を商標出願(1963年に商標登録)しており、当時の区分では調味料のみでしたが、1996年6月に “穀物の加工品”(登録4180368)を追加して、1998年8月に登録を完了します。

いろいろ乗り越えてきたキリマルラーメン

そう、1998年といえば小笠原製粉の「キリンラーメン」が一時生産中止になった年。調べてみたところ小笠原製粉は「キリンラーメン」の商標登録を申請しておらず、2014年7月24日に商標権の不使用取消審判(取消2014-300549)をKIRIN側に請求していたようですが、当時のキリン共和フーズがキリンのライセンス商品として穀物の加工品 “かゆ” を販売しており、その対応で状況は悪化。

結果的に商標権の不使用取消審判(継続して3年以上、その商標が日本国内で使用されていないときに限り、特許庁が商標権を取り消すことができる申し立て)は認められず、一般公募で過半数を占めた「キリマルラーメン」を商品名に採用し、2018年10月30日出荷分から完全に切り替わりました。ちょっと裁判のやり方に問題があったようですが、多くのファンに支えられ現在に至ります。

なお、パッケージのキリンはKIRINの麒麟(中国神話に現れる伝説上の霊獣)ではなく、キリン科キリン属に分類される偶蹄類のキリン(giraffe)。旧商品名の由来は、調理している間にも “首を長くして待ってもらえるように” と名付けられたもの。つまり問題だったのは係争中の対応と1996年6月以前に商標登録していなかったことで、KIRINのキリンとは当初まったく関係ないものでした。

撮影協力:ローソン

さて、前述のように袋麺は静岡県浜松市中区に本社を置く即席めんメーカー・住岡食品(すみおかしょくひん)が製造者となっており、今回のカップラーメンは大阪府吹田市に本社を置くエースコックの担当で、小笠原製粉監修のもと開発。再現元の「キリマルラーメン」は、昔ながらの優しくて素朴な味を特徴としているため、手元にある袋麺と食べ比べながら再現度を評価します。

開封

キリマルカップラーメンは熱湯を注ぐだけ

エースコックの「キリマルカップラーメン」に小袋は別添されていないので、熱湯を注ぐだけの簡単調理。袋麺と違って何種類かの具材も入っているのですが、ひとつは大豆加工品(フェイクミート)です。なお、本家のキリマル家庭用ラーメンには「しょうゆ味」「しお味」「みそ味」とあり、今回もっともオーソドックスな「しょうゆ味」が再現されました。

キリマルラーメンは鍋で調理

そして本家「キリマルラーメン」に別添されているのは、個包装になった油揚げ麺と粉末スープの合計2袋。一般公募で集まった商品名には社名に因んだ「オガサワラ」や本社を置く碧南市から取った「ヘキナン」もあったそうですが、「キリマル」が過半数を占めていたそうです(※漫画『落第忍者乱太郎』及びアニメ『忍たま乱太郎』の登場人物 “摂津のきり丸” とは関係ないとのこと)。

他にも家庭用ラーメン「ペンギン」「カピバラ」「イルカ」「アザラシ」「カレイ」「チンアナゴ」をはじめ、鳥好き用ラーメン「ブンチョウ」「インコ」「セキセイ」や女性用「べっぴんラーメン」、フェリシモ猫部とコラボした猫好き用「にゃーん麺」に「カレーにゃるうどん」など、様々なキャラクターをモチーフにした関連商品(フレーバー)を展開しています。

カップ麺の製品詳細情報・購入価格等

製品名:キリマルカップラーメン
製造者:エースコック株式会社 東京工場
製造所:埼玉県川越市今福461-1(固有記号 K)
内容量:80g(めん70g)
商品コード:4901071288280(JAN)
商品サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm
発売日:2020年02月18日(火)
実食日:2020年02月19日(水)
発売地域:全国
取得店舗:コンビニ(ローソン)
商品購入価格:232円(税込)
希望小売価格:215円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:紙
湯量目安:440ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:-(別添なし)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、砂糖、しょうゆ)、スープ(食塩、粉末しょうゆ、砂糖、おからパウダー、香味調味料、豆乳パウダー、香辛料、乳化油脂、チキン調味料、植物油脂、ポーク調味料)、かやく(大豆加工品、卵、ねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、カラメル色素、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、酸味料、微粒二酸化ケイ素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・を含む)

実食開始

素朴な香りが尊いキリマルラーメン

袋麺「キリマルラーメン」の作り方は、お湯450mlを沸騰させ、麺の茹で時間は2分間と短めの設定。スープは液体ではなく粉末で、2分後に火を止めてから加えます。今回は素ラーメンの状態で実食しますが、小笠原製粉オススメのトッピングは卵、ねぎ、ほうれん草となっていて、化学調味料・着色料・保存料不使用というのもキリマルラーメンの優しい個性。

キリマルカップラーメンは具材たっぷり

エースコック「キリマルカップラーメン」の作り方は、お湯を注いでから3分待つだけの利便性が売り。化調も着色料も遠慮なく使用しているのですが、利便性を優先しているタテ型カップ麺なので、これについては妥協点になります。なお、袋麺は公式オンラインショップをはじめ一般販売中ですが、カップラーメンはコンビニの “ローソンにしか売ってない” ので、他のコンビニでは買えません。

なお、袋麺を公式から単体で買った場合のメーカー希望小売価格は200円(税込216円)、カップ麺をローソンで買った場合は215円(税込232円)だったので、ややカップ麺のほうが高めに設定されていました。それでは、引き続きキリマルラーメンとキリマルカップラーメンの違いや共通点に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、総合力と再現度を判定します。

栄養成分表示:1食(80g)あたり
カロリー:322kcal
たん白質:9.4g
脂  質:9.9g
炭水化物:51.3g
食塩相当量:5.2g
(めん・かやく:1.2g)
   (スープ:4.0g)
ビタミンB1:0.45mg
ビタミンB2:0.41mg
カルシウム:273mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:322kcal(めん・かやく:298kcal)(スープ:34kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。なお、このページでの評価はカップラーメンに対するものです。

めん

キリマルラーメンの麺(鍋で2分)

カップ麺は調理後に1、2分ほど休ませたほうが本家に近い

4.5

本家「キリマルラーメン」の麺は、角刃でカットされた縮れ麺で、けっこう鋭角な口当たり。適度な粘り気を感じるものの、比較的に加水率は低めの設定で、コリッとした独特の食感と歯切れの良さが印象的です。地元の農家で穫れた国産小麦100%の小麦粉に国産大豆100%の “豆乳” を練り込み、国産米100%の “米粉” も使っているため、大手企業の油揚げ麺とは大きく印象が異なりました。

キリマルカップラーメンの麺(熱湯3分)

対する「キリマルカップラーメン」の麺は、豆乳も米粉も不使用で、本家では気にならなかったエースコック特有の油揚げめん臭が気になるところ。しかしながら白っぽい見た目に角刃でカットされた縮れ麺というのは共通ですし、輪郭のある口当たりも再現。最初は袋麺と比較してコシが強すぎると感じたのですが、スープに麺が馴染んでくる中盤以降は本家に通じる歯切れの良さを感じました。

ちなみに「キリマルラーメン」の小麦粉は “国産小麦100%” なので、文字通り日本産小麦を使用しているのは間違いありません。けれども「キリマルカップラーメン」(エースコック)の小麦粉は “国内製造” となっているように、外国産小麦を含む “小麦粉の最終加工地が国内であることを意味している” に過ぎないため、ちょっと注意が必要な表記です。

スープ

実はアニマルフリーなキリマルラーメン

アレンジしながらも要所は押さえている

4.5

キリマルラーメンのスープは「粉末しょうゆ、食塩、酵母エキス、砂糖、香辛料、乾燥ねぎ、植物油脂、混合節粉末」とシンプルに構成されており、使用している添加物は “炭酸カルシウム” だけ。無化調ならではの素朴な味わいですが、意外と塩気はキリッと強く、麺から染み出した豆乳と米粉の風味に若干の粉っぽさ、そしてキリンなのにアニマルフリー(動物系素材不使用)なのもポイント。

カップめん用にアレンジされたスープ

対する「キリマルカップラーメン」のスープには、チキン調味料やポーク調味料といった動物系の原材料に旨み調味料も使用しています。またエースコック特有の油揚げ麺のコクや具材のメンマから滲み出る旨味もあるため、本家の袋麺よりも複雑な味わい。スープの色は似ているのですが、コンビニ限定のカップラーメンとして通用するように、けっこう大胆にアレンジしていました。

しかし、麺には米粉や豆乳は練り込まれていなかったものの、おからパウダーで粉っぽい舌触りを再現しつつ、豆乳パウダーを加えて風味を出すなど、まったく遠いスープではありません。もうすこし動物系のコクを控え、米粉と豆乳の風味を強調し、ペッパー系の香辛料を効かせたほうが近くなるように感じたのですが、本家の特徴を再現すべく随所に工夫が見られる味です。

具材

具材が豊富なのはカップ麺の強み

4.5

卵とネギは小笠原製粉が「キリマルラーメン」のパッケージ裏面でオススメしていたトッピングと同じなので、ほうれん草が入っていたらパーフェクトだったのですが、思いのほかメンマの量が多くて好印象。サイズは小さめにカットされているものの、スープに影響するほど風味は強く、食感もコリコリとした存在感のある歯応え。

かきたま系の卵は口当たりがよく、乾燥の青ネギはシャキッとした歯触りで、歪な形の大豆加工品もネガティブではありません。大豆ミート・フェイクミート、偽肉(にせにく)などとも呼ばれている大豆加工品は、あいかわらず大豆たん白特有のクニッとした食感ではあるものの、エースコックといえばのスポンジ肉そぼろよりもポジティブなのは間違いない。

意外と侮れないエースコックの大豆加工品

特別な味付けは施されていませんが、騙し騙し食べると挽肉の筋っぽい部分に似た食感と思えなくもないですし、本家のキリマルラーメンが動物系の素材を使っていないため、ある意味このヘルシーな具材は打って付けの存在といえるかもしれません。

総評

★★★★☆☆☆☆☆☆(★4+)

「キリマルラーメン」と「キリマルカップラーメン」を同時に食べ比べてみた結果、厳密にいうと複数の相違点が否めなかった反面、しょうゆ味でも一般的な醤油ラーメンとは違う淡白な味わいだったり、おからパウダーや豆乳パウダーの導入だったり、カップ麺にアレンジしながらも袋麺に近付けようとしている工夫が見られる作りだったので、あながち再現度は低くないと感じました。

まったくキリマルラーメンを知らない方が食べた場合、おそらく “しょうゆ味とは書いてあるけど、すこし変わったカップラーメンだな” という感想を抱くかもしれません。その感覚がキリマルラーメンらしさの一つになると思うので、気になった方は最寄りのローソンでチェックしてみてください。他にもキリマルラーメンの仲間には様々な味があるので、またコラボしてほしいですね。

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