どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月28日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 縦型ビッグ 黄色い博多ラーメン」の実食レビューです。
復刻版「黄色い博多ラーメン」がコンビニ向けの縦型ビッグになって再び登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
黄色い博多ラーメン 2019 縦型ビッグ
「黄色い博多ラーメン」とは、「赤いきつねうどん」や「緑のたぬき天そば」でおなじみマルちゃんの “和風麺・色シリーズ(和風丼カップ麺シリーズ)” 第3弾として開発された歴史のある商品で、初版は1982年8月に発売。現在はミニサイズの「黄色いまめ博多ラーメン」のみレギュラー商品として取り扱われ、標準どんぶり型と縦型ビッグの復刻版が定期的に再販されています。
まめサイズ(現バラエティパック)は2019年8月5日のリニューアル以降、パッケージの刷新とともに正式な商品名も「黄色いまめ博多ラーメン」になりましたが、もともとの商品名は「まめとんこつ博多ラーメン」。それをレギュラーサイズでも食べたい! というファンの声を取り入れて、2014年3月3日に標準サイズの復刻版「黄色い博多ラーメン」が約27年ぶりにリリースされました。
「黄色い博多ラーメン」が初めて発売された1982年8月、もともとは九州エリア限定販売のカップラーメンとして開発されたもので、初版リリース当時から生産数量・販売期間限定のスポット商品として発売。その後、今度は1987年1月に全国で発売されましたが、引き続き通年販売ではなくスポット商品で、2014年3月の復活まで鳴りを潜めます。
そして、いつからミニサイズの「まめとんこつ博多ラーメン(黄色いまめ博多ラーメン)」が販売されているのか調べてみたところ、実は1985年5月発売の超ロングセラー商品ということが判明。ミニサイズは発売当初から全国区で販売されており、しかも初代からレギュラー商品として通年販売されているという、思わぬ歴史の長さに驚きました。
その「まめとんこつ」をレギュラーサイズにアレンジした復刻版第1弾の発売が2014年3月3日、翌2015年3月2日には「青いちゃんぽん」と抱き合わせで標準どんぶり型が再販され、同年9月14日にコンビニ向けの縦型ビッグを新発売。その縦型ビッグは2016年9月5日にリニューアルしているのですが、2016年は縦型のみで、2017年は縦型・どんぶり型ともに関連商品なし——
そのまま2018年も「黄色い博多」系統の関連商品がリリースされなかったので、ちょっと不安に思っていたのですが、2019年3月4日に標準どんぶり型「黄色い博多ラーメン」が復活。さらにシリーズ初となるカップ焼そばタイプの汁なしアレンジ版「黄色い博多焼ラーメン」が発売され、コンビニやスーパーの棚を黄色く彩りました。
2019年の標準どんぶり型及び焼きラーメンは今年4月に終売しているので、おそらく賞味期限(製造から6ヶ月)的にも出回ってないと思いますが、ちょうど前作が完全に捌けた頃合いに今回の縦型ビッグを発売。どんぶり型とリアルタイムで比較できないのが寂しいところではあるものの、縦型ビッグでは3回目となる今回の新商品。
(写真は2019年3月発売「マルちゃん 黄色い博多焼ラーメン」のレビューより)
当ブログでは、2015年9月発売品・2016年9月発売品ともに高評価を叩き出しているカップラーメンなんですけど、最近の東洋水産が手掛ける縦型ビッグ製品は麺の仕様が大幅に変わっているのが不安なポイント。おおむね太麺は3年前の汎用麺から圧倒的に進化しているのに対し、とんこつラーメン系統の麺は丸刃から角刃に変わってしまったので、どんぶり型や前回(2016年)の縦型ビッグとの違いに注目です。
開封
別添の小袋は「特製油」が1袋で、前回・前々回と同じ仕様。2016年9月発売品の開封口は赤色で、「さらに美味しくなった! コク豚骨スープ」と書いてありましたが、2019年発売品の開封口は縦型ビッグでの初代・2015年9月発売品と同じ橙色。また枠内背景の色だけでなく、容器側面下にも記載されている「味付豚肉入りコク 豚骨スープ」という商品の特徴説明も初代縦型ビッグと一致。
前回・前々回のメーカー希望小売価格は税別205円で、コンビニ購入だと税込216円でしたが、今回のメーカー希望小売価格は税別220円、コンビニで購入すると税込価格は税率8%で232円に値上がりしています。ただ、これは2019年6月1日に実施された価格改定(即席めん類の値上げ)による影響なので、この商品に限った変化ではありません。
開封直後、ノスタルジックでスナッキーな粉末とんこつの香りがマニアのハートをイーグルキャッチ。どんぶり型には丸いチャーシューが2枚入っているのですが、縦型の肉具材は定評のある甘辛い味付豚肉で、ねぎ、ごま、乾燥紅生姜と前回の具材から変更なし。あとは、麺の断面が丸いのか四角いのかが最大の問題——
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 縦型ビッグ 黄色い博多ラーメン 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34) 内容量:96g(めん70g) 商品コード:4901990364447(JANコード) 商品サイズ:縦108mm×横108mm×高さ122mm 発売日:2019年10月28日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙+プラ 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、粉末野菜、卵白、香辛料)、添付調味料(ポークエキス、豚脂、食塩、鶏脂、砂糖、植物油、ごま、香辛料、野菜エキス、粉末煮干し)、かやく(味付豚肉、きくらげ、ねぎ、紅生姜)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、pH調整剤、レシチン、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、酸味料、クチナシ色素、香料、ベニコウジ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
実食開始
麺は熱湯3分の油揚げ麺で‥‥丸刃復活!? なにを大袈裟にと思われるかもしれませんが、2017年後期に実施された「ハリガネ」の改悪(2017年11月13日発売「ハリガネ スパイシー豚骨」)以降、同社の縦型ビッグ・とんこつ系統に使用される油揚げ麺は、有名店監修商品を含めて角刃の平打ち麺に統一されたので、もしかすると縦型ビッグでは “約2年ぶりの丸麺” かもしれません。
今回の商品名をGoogleなどで検索すると、サジェストには過去の検索履歴が影響して「黄色い博多 売ってない」と出てきますが、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では「セブンイレブン」「ローソン」「ミニストップ」での取り扱いを確認。かなりエンカウント率が高く、しかしながら週の後半には再入荷が必要な店舗もチラホラと‥‥
別添の「特製油」は後入れなので(※先に入れると調理不良の原因になるため注意)、お湯を注いでから待っている間にフタの上で小袋を温めておきましょう。さて、調理後の見た目は3年前の前回発売品と瓜二つで安心感の漂う実食前の現在、引き続き前回との違いや共通点に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(96g)当たり
カロリー:462kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:462kcal(めん・かやく:351kcal)(スープ:111kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
3年前の麺は断面の丸いスナック的な丸麺、対する今回も丸断面の油揚げ麺が採用されていて、最近かなり勢いを伸ばしている “新・ナチュラルウェーブ製法” の角断面ではありません。正直、現在の製麺水準を思えば可も無く不可も無しのクオリティではあるものの、「黄色い博多」に必要なのは最新鋭の技術ではなく “懐旧の念” に触れられるかどうか。
やや食べ始めは硬めの食感ですが、そんなに耐久力のある麺ではないので、比較的に早い段階から柔らかくなってきます。食感も風味も油揚げ麺特有のスナック的なタイプですし、高級・本格なイメージなど皆無に等しく、ぜんぜん3年前から進化してないなぁ‥‥みたいな。ええ、つまり “復刻版” としては理想的な状態。
もし有名なラーメン店が監修した商品だった場合、このスナッキーな雰囲気が仇となることも珍しくありません(というか基本的にマイナス)。ただ、あくまで今回の新商品は古き良きカップラーメンの復刻アレンジ版なので、むしろ最低限のクオリティがプラスに働き、後述するスープとの相性もよく、まだマルちゃん縦型ビッグに “この麺” が残っていたんだ——と、思わず安堵しました。
スープ
東洋水産の豚骨エキスには、とんこつスープにこだわる有名店の再現カップ麺で威力を発揮する、かなり本格的な骨っぽいタイプもあるのですが、今回そういった荒々しさはありません。いかにも土台の豚骨スープは粉末的で味わいで、やや化調っぽさも強く、骨っぽさや獣臭・とんこつ臭も控えめ。
それを誤魔化すかのように香味野菜と香辛料を効かせている、なんとも人工的なスープとなっているのですが、それを “古き良き” と素直に思えるよう現代人の味覚に合わせて調節しているようなフレームワーク。昔ながらの伝統的な豚骨味に野菜エキスのコクや煮干しの隠し味を重ね、様式は古くとも浅はかなスープには落としません。
別添の特製油は量が多く、ごま油を軸に豚脂や鶏油による動物油脂特有の香ばしさ、そしてガーリックオイルをブレンドしているような内容で、前回・前々回の味わいを忠実に再現。基本的に丼型のスープを踏襲していますが、多めの特製油に口径の狭い縦型カップがあいまって、こってり感は縦型ビッグのほうが強いのも特徴です。
今回はスーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストアなども販売店として登録されているのですが、基本的に縦型ビッグはコンビニ向けの商品(企画上)ということもあり、ちょっと濃い目になっているのも特徴ですね(今回のスープは白ご飯と相性抜群なので、くれぐれもご注意ください)。
具材
たぶん紅生姜が山盛りで豚肉とキクラゲが少ない——みたいなことはないと思いますけど、東洋水産の具材は “重量判定” で振り分けられているため、どうしても比率が変わります。たとえば味付豚肉が多くてキクラゲ少なめになることもあれば、その逆もしかり。今回の場合きれいに半々で、キクラゲは細切りではなく大振りにカット(これは共通)、味付豚肉は脂身が少ない赤身がメイン(これは変動あり)。
味付豚肉は他のカップ麺にも使用されている、マルちゃん鉄板のリアル系肉具材で、あいかわらず新鮮味はないけれど、定番の甘辛い味付けがインスタント感の強い豚骨味のスープとマッチ。部位は個体差によって左右するため、おそらくジューシーな脂身が多いパターンもあると思います。
キクラゲは細切りだとコリッコリ、大振りだとプルコリ系(今回はコッチ)で、とうぜんスープとの相性は申し分ありません。紅生姜は別添ではなく最初から入っているので、もし苦手な方は注意しなければいけませんが、生タイプの紅生姜ほど強烈な存在感ではないですし、適度な酸味がスープを単調に思わせない効果的なアクセントになっていました。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
今回のカップラーメンに “なにを求めているか” で評価は変わってくると思うのですが、とりあえず「黄色い博多ラーメン」が好きなら確実に買いです。あと食べ終わってから気が付いたんですけど、2016年9月5日に発売されていた製品の栄養成分表示(カロリー等)と今回の栄養成分表示が “まったく同じ数値” だったので、もう単純に3年前の再販とみて間違いありません。
工場内の設備が変わって絶滅したのではないか——そう思っていた縦型ビッグにおける丸麺の復活には感慨深いものがあり、復刻版から派生した商品に相応しい再販でした。まったく高級感などなければ新鮮味もないですし、東洋水産からは今年も通年商品にするつもりはないと聞いているのですが、今後とも年に1、2回のペースでコンスタントに発売していただきたい名作です。