どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年5月27日(月)新発売、エースコックのカップ麺「賢者の蕎麦 肉ラー油味」(271円+税)の実食レビューです。
リラックス効果に期待できるカップそば!? ストレス社会と闘う大人の賢い選択。GABA配合のスープで午後からの仕事を応援する “サラリーマン向け” の意欲作!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
賢者の蕎麦 肉ラー油味
今回の新商品「賢者の蕎麦 肉ラー油味」は、ストレス社会で闘う大人を応援することを目的に、大阪府吹田市のエースコックが開発した即席カップめんで、注目すべきは「GABA」を配合していること。公式が想定しているシチュエーションは “サラリーマンのランチ„ ということで、午後からの仕事を応援することが目的です。
賢者(けんじゃ)とは、道理に通じた賢い人を指す単語なので、ストレス社会で闘う賢い大人の賢い選択的な? エースコックの社員さん、ストレス溜まってんのかな‥‥。それはさておきGABA=ストレスを緩和してくれるとか、疲労感を軽減してくれるとか、そういうヤツよね? くらいの漠然としたイメージは根付いているかと思いますが、そもそも「GABA」とは何ぞやと。
GABA(ギャバ)とは、γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)の頭文字を取った略称で、たんぱく質を構成しないアミノ酸(遊離アミノ酸)の一種。多種多様な植物や動物、もちろん人間の体内にも広く存在し、抑制系の神経伝達物質として使われている、つまり神経の興奮を抑える作用があるため、ストレスの緩和や疲労感の軽減に期待できる物質といわれています。
そもそもストレスとは? 元来 “物体に圧力を加えた際に生じる歪んだ状態„ を指す物理学用語で、それを19世紀初頭、生物の恒常性(ホメオスタシス)を提唱したアメリカの生理学者「ウォルター・ブラッドフォード・キャノン(Walter Bradford Cannon)」が生理学に応用し、医学の世界でも使われるようになった単語。
さらにハンガリー系カナダ人の内分泌学「ハンス・セリエ(Hans Selye)」が『ストレス学説』という論文を唱え “生体に作用する外からの刺激(ストレッサー)に対して生じた体の歪み(生体の非特異的反応)の総称である„ と定義し、いわゆる心理的な負担=ストレスとして認知されるようになったのですが、ストレス=悪の根源ではありません。
ストレス(stress)には、大きく「ユーストレス(eustress)」と「ディストレス(distress)」の2種に分類され、いわゆるネガティブなストレスは後者。片や前者のユーストレスは “よいストレス„ と呼ばれているストレスで、たとえば心地よいと感じる程度の刺激だったり、達成したい目標に向かって努力しているプロセスだったり、向上心に繋がる適度な緊張感を‥‥そろそろ話を戻しましょうかw
ちなみに “GABA配合の即席カップめん„ といえば、機能性表示食品にも指定されている「だしの旨みで減塩」シリーズを展開しているエースコックなので、このページでレビューする「賢者の蕎麦」が初の試みではないけれど、こちらに流行りの低糖質や減塩などの付加価値は備わっていません。
本商品に配合されているGABAの量は、1食(89g)あたり45.4mgということで、数字だけ見せられてもピンとこないかと思いますが、江崎グリコの「メンタルバランスチョコレート GABA」を例に挙げますと、10gあたりのGABA(γ-アミノ酪酸)配合量は28mg‥‥うむ、メンタルバランスチョコレートの偉大さが際立ってしまった。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「液体スープ」1パックのみ。こっちは先入れで‥‥あっちは後入れで‥‥みたいな煩わしさはないけれど、最初から容器の中に入っている状態につき、もれなく表面は粉末スープまみれ状態です。なんというか、こういうとこやぞw
かやくは “程良く味付けした肉そぼろ、ごま、色調の良いねぎ、唐辛子„ の組み合わせで、商品名の「肉ラー油味」から漠然とスライスした肉を想像していたのですが、まさかの肉そぼろ。ギャップを感じたのは私だけでしょうかw ちなみにエースコックの肉そぼろには「あたり」と「はずれ」があるんですけど、今回は前者とみて間違いなさそうな雰囲気。
メーカー希望小売価格は271円(税別)ということで、2024年6月現在の縦型ビッグ製品における事実上の標準ど真ん中。コンビニで購入した場合の税込価格は292円になりますが、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外も販売店に含まれるNB(ナショナルブランド)商品です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:賢者の蕎麦 肉ラー油味 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:89g(めん70g) 商品コード:4901071404413(JAN) |
発売日:2024年05月27日(月) 実食日:2024年06月01日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 小売価格:271円(税別) 購入価格:292円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、ヤマイモパウダー、卵白粉)、スープ(食塩、砂糖、豚脂、しょうゆ、発酵調味料、植物油脂、でん粉、香味油、粉末しょうゆ、たん白加水分解物、魚介調味料、ポークエキス、カツオブシパウダー、チキンエキス、酵母エキス、GABA、香辛料、ポーク調味料)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、ごま、ねぎ、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、炭酸Ca、リン酸Na、重曹、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、香料、微粒二酸化ケイ素、甘味料(カンゾウ、スクラロース)、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、乳酸、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・そば・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・やまいもを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライそばで、そこそこ細めに切り出されていますが、湯戻し時間は4分と若干ながら長めの設定。エースコックのフライそばといえば、個人的に「厚切太麺」シリーズの無骨な田舎そば風が印象的なんですけど、あえてオーソドックスなサイズで勝負してきました。
別添の小袋は後入れなので、それを取り出してから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと4分。時間になったら「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。数年前から即席カップめん業界でも準定番に位置しているラー油入りの肉蕎麦ですが、イメージとのギャップはさておき、このジャンルで肉そぼろのトッピングは珍しい組み合わせ。
エースコックのニュースリリースやパッケージにも辛さレベルの表示はないけれど、かなりラー油の芳ばしさが強いので、念のため辛味の強さにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(89g)あたり |
カロリー:384kcal たん白質:10.1g 脂 質:16.6g 炭水化物:48.5g 食塩相当量:6.6g (めん・かやく:1.4g) (スープ:5.2g) ビタミンB1:0.29mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:157mg |
GABA:45.4mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:384kcal(めん・かやく:300kcal)(スープ:84kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
取り立てた個性はないけど欠点もない
湯戻し時間は4分と中途半端に思える設定ですが、きちんと守ってからフタを開け、いきなり麺の食感から確かめてみたところ、部分的な戻りムラが気になることはなく、適度な歯応えと軽快な歯切れの良さが心地よい仕上がり。
エースコックの揚げ油に由来する特有のニオイも比較的に弱く、そば粉の香りはハッキリと伝わってくるため、ひとつの油揚げ蕎麦としてのクオリティは低くありません。ニュースリリースには “滑らかさを持たせた„ とあるのに対し、どちらかというとボソッとした質感なので、そこにギャップを覚えた節もありますけど、その粗さがクセになるというか、いい取り合わせ。
もちろんノンフライ麺ほど洗練された質感ではないですし、途中で例に引いた「厚切太麺」シリーズほどのインパクトもないけれど、最初から最後まで歯切れの良さが楽しめる、丁寧な作りに好感が抱けました。
スープ
がっつり濃いめ
「液体スープ」を入れる前に味を確認してみたところ、何かが突出しているわけではなく、しかしながら減塩系の商品であれば、ソツない出汁(だし)感だったり、粉末しょうゆの加減だったり、このままでも充分と思える水準。ちなみにチラホラと赤唐辛子が浮いていますが、この時点で辛味を感じません。
続けて「液体スープ」を加えると、濃口しょうゆ特有のコクとキレ、それと同時に甘さも強く、さらに鰹の出汁感もグッと深まるフレームワークから、途端に力強い味わいに。ラー油の辛さはピリ辛の範疇を超えないので、よほど苦手でなければユーストレスになってくれるアクセント。
ラー油に関しては辛味よりも芳ばしさのほうが強く、ラー油入り蕎麦の王道を地で行くピリッと甘濃いテイストでした。それと同時に、エースコックが想定しているランチタイムに調理するには香りが強すぎるようにも感じたので、すこし気を付けたほうがいいかもしれません。
かやく
これはこれと割り切れば
エースコックの肉そぼろといえば、スポンジみたいにスッカスッカの「はずれ」に遭遇する確率が高いので、それが入っていたら容赦なく酷評するつもりだったんですけど、今回はスパイシーな味付けで食感も自然。いわゆる肉蕎麦のトッピングとは異なるイメージになりますが、パワフルな蕎麦つゆとの相性は悪くありません。
ネギの量は少なめですが、歯触りが強い熱風乾燥の青ネギなので、意識しなくても自己主張を感じます。スープの項目で触れた赤唐辛子は飾りでしたけど、ゴマのプチプチした食感は効果的でした。これ系には必須ですよね、ゴマのアクセント。
総評
やばい、食後にメッチャととのった‥‥みたいなリラックス効果は得られなかったので、GABA配合の恩恵は実感できるレベルに達していなかったけれど、健康に配慮しているから薄味とか、蕎麦の食感が不自然とか、そういったネガティブ要素は皆無に等しく、よくも悪くも “ふつうに美味しい„ 一杯。私なんかは小袋のストレスで結果的にプラマイゼロでしたけどw ラー油入り蕎麦にGABA配合は面白いですよね。
続けて「賢者の中華そば」や「賢者のうどん」などとシリーズ化を目論んでいるのか、とりあえずやってみよう精神が持ち味のエースコックらしく “とりあえず(1回)やってみた„ で終わるのか、今後の動向は定かでないけれど、効能はさておきGABA配合のコンセプトは面白いので、GABA配合の第2弾はもちろん、それカップ麺に配合しちゃう!? みたいな新しいチャレンジにも期待しています。【author・taka :a(大石敬之)】