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熊本が誇る名店の味【桂花】監修カップ麺「赤マー油仕上げ 辛口熊本豚骨拉麺」期間限定の “赤桂花拉麺” 再現!!

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サンヨー食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2023年6月12日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「名店の味 桂花 赤マー油仕上げ 辛口熊本豚骨拉麺」の実食レビューです。

東京で革命を起こした熊本ラーメンの老舗「桂花」監修 “名店の味” シリーズに期間限定のカップラーメン初登場!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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名店の味 桂花 赤マー油仕上げ 辛口熊本豚骨拉麺

桂花拉麺(けいからーめん)とは、1955年(昭和30年)の創業以来、現在も熊本に本店を置く老舗の名店で、熊本ラーメンを東京で流行らせた立役者。創業者である故・久富サツキさんが29歳の頃、8歳と2歳の姉弟を育てながら1軒のラーメン店を立ち上げ、1968年(昭和43年)12月に満を持しての東京進出。その第1号が新宿3丁目の「桂花ラーメン 新宿末広店」で、今もなお多くの方に愛されています。

実は「名店の味」シリーズ初の期間限定品

今回の新商品「名店の味 桂花 赤マー油仕上げ 辛口熊本豚骨拉麺」は、熊本の人気ラーメン店「桂花」の限定メニュー “赤桂花拉麺” を再現したカップラーメンで、販売者はサッポロ一番を展開しているサンヨー食品。2018年(平成30年)3月5日の発売以来、現在も「名店の味 桂花 熊本マー油豚骨」の販売を続けているサンヨー食品ですが、今回の変わり種が「名店の味」史上初となる期間限定品とのこと。

熊本ラーメン(くまもとらーめん)とは‥‥についての詳細は、2023年5月29日に “マルちゃん” のブランドで知られる東洋水産が発売したカップ麺「沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン」をレビューした際に触れているため、その歴史や特徴の概要については省略しますが、現在の熊本ラーメンを象徴する上で欠かせないのが通称 “マー油” と呼ばれる焦がしニンニク油のトッピング。

日常的には使わないであろう「桂花」という言葉は、丹桂(金木犀)・銀桂(銀木犀)・金桂(薄黄木犀)といった “モクセイ属の花” を指す総称で、なかでも金木犀(キンモクセイ)は芳しい花を咲かせることで有名な樹木。その花に由来する「桂花ラーメン」の屋号には “香りを大切にする” という意味が込められており、何を隠そう「桂花ラーメン」の二代目・旅井瑞代さんが香り高いマー油の名付け親。

イメージキャラクターの名前はケイカボーイ(桂花boy)

マー油の考案者は「桂花ラーメン」で調理を務めた後、1968年(昭和43年) に熊本県庁前で「味千ラーメン」を創業することになる劉壇祥(日本名:重光孝治)その人で、熊本ラーメンの礎を築いた「松葉軒」や「こむらさき」が先駆けてチップ状のニンニクをトッピングしていましたが、ひき肉を作る道具でニンニクを挽き、それが焦げる手前のギリギリまで加熱する手法は「桂花ラーメン」が元祖。

あまりに中毒性が高く、求めていた仕上がりに、まるで “麻薬のようだ‥‥” などと感じたそうですが、それでは “あんまり” なので、法のマー油にしよう! というのが語源。今では熊本のみならず、さまざまな地域の人気ラーメン店や即席カップめん業界でも重宝されており、ちょい足しアレンジ用の調味料として有名メーカーからも商品化されるなど、業界の発展に多大な貢献を果たしました。

ちなみに木犀(モクセイ)についての余談なんですけど、幹にある皮目(ひもく)が奇蹄(きてい)目サイ科の哺乳類である犀 ——シロサイやクロサイといった、いわゆるサイ—— の肌に似ていることから、日本ではモクセイを漢字で “木犀” と書き、桂(かつら)という漢字はカツラ科カツラ属の落葉高木を指す際に用いられていますが、中国での桂(Guì)はモクセイを意味します。※このブログは余談が多い

話を戻しまして‥‥

「桂花ラーメン」の店舗における “赤マー油” といえば、2021年8月30日〜2022年3月21日までの期間中「アイドルマスター SideM」とタイアップした「 “円城寺道流プロデュース” THE 虎牙道コラボ 男道ラーメン(赤マー油ver.)」を期間限定で発売していたようですが、それは通常のマー油をピリッと辛い赤マー油に変更した一杯。

しかし、カップ麺のモデルになった「赤桂花拉麺」は “通常のマー油を入れたスープに、赤マー油をプラスした” 期間限定メニューなので、マー油と赤マー油の掛け合いや辛味の強さなど、そういった部分に注目しながらレビューします。

開封

仕上げの小袋と調味油を分けているのが見どころ

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「液体スープ」「仕上げの小袋」「調味油」の計4種。液体スープはズッシリと重く、仕上げの小袋と調味油の中身も触った感じ液体なので、後者の2袋に関しては赤マー油と黒マー油を分けて充填しているのかもしれません。だとしたら、けっこう芸が細かいですよね。

ちょっと黒ずんだ感じがサンヨー食品らしい

麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は長めの5分。原材料名の構成が「名店の味 桂花 熊本マー油豚骨」と同じなので、もしかすると共通のノンフライ麺を使用しているのかもしれません。ちなみに内容量は126g(めん75g)となっているので、麺の重量は縦型ビッグのカップラーメンでいうところの大盛りサイズです。

2023年6月現在のメーカー希望小売価格は260円(税別)なので、前述した「名店の味 桂花 熊本マー油豚骨」と同じ値段。ちなみに「名店の味 」シリーズの通年商品を例に挙げると「純連 札幌濃厚みそ」の希望小売価格も260円(税別)なんですけど、2022年9月26日にリニューアルした「天下一品 京都濃厚鶏白湯(二代目)」のみ350円(税別)に設定されています。例の値上げで金銭感覚が狂いそうw

製品詳細情報・購入価格等

製品名:名店の味 桂花 赤マー油仕上げ 辛口熊本豚骨拉麺
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品工業株式会社 本社工場
内容量:126g(めん75g)
商品コード:4901734050223(JAN)
発売日:2023年06月12日(月)
実食日:2023年06月15日(木)
発売地域:全国
取得店舗:スーパー
小売価格:260円(税別)
購入価格:213円(税込)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:460ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:4袋(液体スープ・調味油・仕上げの小袋・かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、植物油脂、食塩、大豆食物繊維)、スープ(ポークエキス、デキストリン、食塩、豚脂、たん白加水分解物、糖類、香味油、調味油脂、植物油脂、ガーリックペースト、チキン調味料、ガーリックエキス、酵母エキス)、かやく(チャーシュー、茎わかめ、ねぎ、にんにく加工品、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、キサンタン)、乳化剤、酒精、カラメル色素、香料、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、パプリカ色素、クチナシ色素、カカオ色素、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

ちょっと分かりにくいけど茎わかめが個性的

別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、目を引くのは丸いチャーシューですが、即席カップめんの具材としては珍しい “茎わかめ” が見どころ。これは「名店の味 桂花 熊本マー油豚骨」がサッポロ一番だった頃、2019年3月25日のリニューアル(二代目)で導入された具材なので、まったく新しい資材ではないけれど、他の商品でのエンカウント率は高くありません。

調理後の茎わかめは目立つw

「かやく」を除く別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」「仕上げの小袋」「調味油」を温めながら待つこと5分。時間になったら後入れの小袋すべて加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。なお容器側面には “辛味成分が強いので、小さなお子様や辛みの苦手な方の喫食には十分ご注意ください。” との注意事項があったので、けっこう辛いのかも‥‥?

ちなみに製造所は太平食品工業の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続きマー油と赤マー油の掛け合いや念のため辛さレベルにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(126g)あたり
カロリー:446kcal
たん白質:11.4g
脂  質:13.9g
炭水化物:68.9g
食塩相当量:8.1g
(めん・かやく:2.2g)
   (スープ:5.9g)
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:446kcal(めん・かやく:308kcal)(スープ:138kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

おそらく「桂花 熊本マー油豚骨」と同じ

5.0

サンヨー食品の公式ウェブサイト内にある製品情報には “張りとしっかりとした噛み応えがあるコシの強い中太のちぢれめんです。また、めんがちぢれているのでスープの絡みもよいです。見た目、食感において、お店のめんの雰囲気を再現しております。” と記載されているのですが、実店舗の麺とは形状が異なるため、完全再現ではありません。ただ、スープとの相性は悪くないですよ。

もうちょっと実際は縮れ強めです

熱湯5分きちんと守ってからフタを開け、液体スープを馴染ませた後、仕上げの小袋と調味油を入れて‥‥などと調理している間に1分ほど経過していると思いますが、それでも食べ始めは硬めの歯応えで、どちらかといえばスープを弾くタイプ。しかし、麺の下味(塩気)を強めに効かせているため、スープとの一体感は悪くありません。

原材料名の「小麦粉(国内製造)、でん粉、植物油脂、食塩、大豆食物繊維」という構成から察するに、おそらく既存の「桂花 熊本マー油豚骨」と共通のノンフライ麺で、加水率は中位。湯戻し5分でも滞りなく戻りますが、表面の透明感が増してくる中盤以降に本領発揮だと感じたので、後入れの小袋を3種すべて入れてから2、3分くらい休ませるのがオススメです。

スープ

土台の豚骨スープも丁寧で好印象

5.0

まずは「液体スープ」だけの状態で味を確認してみたところ、やや強めのグルタミン酸ナトリウムが気になったのですが、土台を支える豚骨の旨みは丁寧で、そっと鶏が脇を支えているようなフレームワーク。ちょっと塩気を強めに感じたものの、前述したようにスープを弾くタイプのノンフライ麺だったので、それとの相性を思うと悪くありません。

実は2018年9月以来、約5年ぶりに「桂花」監修のスープを評価しているのですが、しっかりブラッシュアップされてますね。ちょっと塩気が強いところは、あいかわらずではあるものの、一般的にネガティブとされる豚骨のクセは抑えつつ、まろやかな部分だけをグイッと底上げしているような、この状態でも単体で勝負できるレベルには余裕で到達しています。しかし、忘れちゃいけないのが2種のマー油。

仕上げの小袋:赤マー油 / 調味油:マー油

店舗の「赤桂花拉麺」には赤マー油マー油を使っていると前述したように、片や「仕上げの小袋」には “赤マー油” を、片や「調味油」には “マー油” を分けて充填しているのがポイント。赤マー油(仕上げの小袋)は単なる辣油かと思いきや、胡麻油と豚脂をミックスした感じの芳ばしさと程よい辛味が個性的。辛さレベルはピリ辛の枠を出ないので、構える必要はないけれど、アクセントには充分です。

そして「桂花ラーメン」を象徴するマー油(調味油)は、いわゆる黒マー油(見た目が真っ黒になるまでニンニクを焦がしたマー油)ほど強烈なインパクトではありません。しかし、苦味を不快に思わせないギリギリの芳ばしさと、豚骨にはない固有の特性と豚脂の厚みを与えながらも土台のスープは壊さない、その絶妙な香りの加減は監修者の “こだわり” を感じるところ。

さらに赤マー油との掛け合いも絶妙で、焦がしニンニクが芳ばしいマー油に、ピリッとした唐辛子の辛さ、ほんのり胡麻油の風味など、メジャーな組み合わせではないのに落ち着いている、その一体感も印象に残りました。

かやく

キクラゲじゃなくて茎わかめなのがよき

5.0

カップ麺のトッピングとしては珍しい茎わかめは、うす塩味の “よく見るアレ” を刻んだ感じの具材で、湯戻し前は乾燥わかめよろしく縮んでいるのですが、しっかりと戻した後の存在感は主役級。歯応えも風味もリアルな質感で、にんにく加工品(黒くて小さな粒)はマー油の個性をブーストしてくれるアイテム。唐辛子は辛味の弱い品種を使っていましたが、独特の芳ばしさが赤マー油をサポートしています。

ただしチャーシューてめぇはダメだw ってくらいチャーシューはショボい品質で、熱風乾燥の青ネギも特筆すべきポイントになってはいなかったものの、個性的な茎わかめで物足りなさは感じませんでした。さらに自前の追い茎わかめはもちろん、店舗の「赤桂花拉麺」には煮抜きの味玉やメンマもトッピングされていたので、カスタマイズしたい方は事前に用意しておいてください。

総評

5.0

ノンフライ麺が独特の仕様につき、お店の麺をイメージしていると疑問符が浮かぶおそれもありますが、液体スープは単体でも勝負できるくらい練られた内容で、なおかつ赤マー油×マー油の掛け合いが面白く、値段相応の価値が見出せる良品でした。

さらに本文中でも触れたように、今回が「名店の味」シリーズにおける期間限定商品の第1弾。つまり、第2弾として「さっぽろ純連(じゅんれん)」あるいは「天下一品」監修の変わり種が出る確率も高いので、続編の展開にも注目です【author・taka :a(大石敬之)】

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