どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年12月27日(月)新発売、エースコックのカップ麺「辛魂 プデチゲ風ラーメン」の実食レビューです。
今度の新シリーズは辛魂!? 第1弾は韓国の軍隊にルーツを持つ鍋料理「プデチゲ」の味わいをカップラーメンにアレンジ!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
辛魂 プデチゲ風ラーメン
辛魂とは、なんの前触れもなくエースコックが立ち上げた新シリーズで、読み方は辛魂(しんこん)ではなく「辛魂(からだましい)」が正解。昨年末の最後にデビューを飾った企画商品なので、もしかすると売り上げ次第で今後の存続が決まるパターンもありますが、辛魂というネーミングにも表れているように、ひとまず “辛い” がテーマの根底にあると見て間違いありません。
その第1弾として開発された「辛魂 プデチゲ風ラーメン」は、韓国の軍隊を発祥とする鍋料理「プデチゲ」の味わいを再現した大盛りサイズのカップラーメンで、スープにはコチュジャンや豆板醤を使用し、パッケージでは “パワフルな肉の旨み” をアピール。加えてエースコックのニュースリリースには “鍋に入れて食べる韓国の即席めんをイメージした大盛りのめん” と記載されていたので、そこも見どころ。
プデチゲ(부대찌개)とは、現在を遡ること60年以上、朝鮮戦争以降に韓国の軍隊で生まれた鍋料理で、日本語に訳すとプデは軍隊、チゲは鍋。もっともポピュラーなキムチチゲに、米軍から流れてきたポークランチョンミートやソーセージを入れたのが始まりとされ、発祥の地は韓国軍の部隊や在韓米軍が多く駐屯するソウル近郊の軍事都市・議政府(ウィジョンブ – 의정부)といわれています。
現在の議政府にはプデチゲ専門店が軒を連ねるプデチゲ通り(부대찌개거리)があり、そこで食べられている本場のプデチゲは、スパムなどのポークランチョンミートやソーセージのほかに、微塵切りの牛肉が主原料とされ、韓国料理に欠かせない合わせ調味料のヤンニョムやコチュジャン、キムチ、トック(米から作る韓国餅)など、さらに途中でインスタントラーメンを入れて煮込むのが定番のスタイル。
加工肉やインスタントラーメンを入れて煮込む、辛くてジャンクな味わいから、近年は若い世代を中心に人気を博し、韓国を代表する大衆的な鍋料理として定着。若者の間ではチーズを入れるのも定番で、現在は多岐にわたるプデチゲですが、今回の「辛魂 プデチゲ風ラーメン」には “韓国産唐辛子” を使い “本場の辛さ” を強調しているエースコック。
なかにはハバネロより辛い品種も存在しますが、韓国産の唐辛子は “基本的に辛くない” ので、辛味の強さよりも特有の甘さや香り高い味、そういった部分が表現できているのかどうかが重要なポイント。そして、エースコックがニュースリリースに記載していた「韓国の即席めんをイメージしためん」の仕上がりも気になるところ——。
エースコックの大盛りカップ麺といえば、そのジャンルを切り開いた1988年(昭和63年)7月25日発売の「スーパーカップ1.5倍」を筆頭に、2018年9月24日以降、定番フレーバーの「鶏ガラ醤油」「熟成味噌」「濃コクとんこつ」は特盛り(めん100g)の「スーパーカップMAX」にリニューアル。麺のブラッシュアップにも積極的で、2022年1月現在は “THE のどごし麺” になりました。
はたしてスーパーカップの麺を流用しているのか、それとも「辛魂」専用に開発した麺を搭載しているのか、またパッケージにも大々的に「パワフルな肉の旨み!」と表示しているため、そこにも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく入り粉末スープ」に、後入れの「液体スープ」で合計2袋。かやく入り粉末スープの小袋には “スープに熱湯をかけてよく溶かしてください” とあり、液体スープの小袋には “フタの上で温め、よくもみほぐし、お召し上がりの直線に-・” との記載があるので、調理の際は留意してください。
麺は油で揚げたフライ麺で、すこし太めに見えますが、湯戻し時間は熱湯3分と標準的。プデチゲに入れる麺といえば、日本のスーパーでも目にする機会が増えた「オットギ サリ麺」の印象が強いところ、その系統とは異なる印象を受けます。ただ、実際に鍋で煮るのと熱湯を注ぐだけでは仕上がりが大幅に変わるので、どこまで煮込んだ感を表現できているのかに期待したいところ。
メーカー希望小売価格は230円(税別)に設定されているため、既存の「スーパーカップMAX」各種(税別210円)並びにコンビニ限定の「スーパーカップ1.5倍 ブタキムラーメン」(税別220円)よりも高めの設定になりますが、スーパーカップの変わり種は具材のボリューム感に欠けるのが毎度のパターン。それを補えているのであれば、ちょっと高めの値段でも納得できるかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:辛魂 プデチゲ風ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:W・関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:130g(めん90g) 商品コード:4901071235611(JAN) |
発売日:2021年12月27日(月) 実食日:2022年01月07日(金) 発売地域:全国 希望小売価格:230円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛りバケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(かやく入り粉末スープ・液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩)、スープ(みそ、発酵調味料、ポークエキス、植物油脂、豚脂、香味調味料、ガーリックペースト、食塩、ハクサイエキス、酵母エキス)、かやく入りスープ(キャベツ、ポーク調味料、魚肉練り製品、砂糖、白菜キムチ、ねぎ、唐辛子、酵母エキス、たん白加水分解物、香味調味料)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、カラメル色素、香料、酒精、増粘多糖類、かんすい、香辛料抽出物、カロチノイド色素、重曹、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、微粒二酸化ケイ素、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、酸味料、クチナシ色素、ビタミンB2、ベニコウジ色素、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の「かやく入り粉末スープ」は先入れで、ちょっと画像では分かりにくいのですが、そこそこ具材の全体量は多く、薄切りのソーセージが嬉し‥‥あ、魚肉練り製品w というわけで、残念ながらスパムやソーセージなどは入っていませんが、ここに韓国産唐辛子を使用しているらしく、キムチと唐辛子の香りが食欲を刺激。
先入れの粉末スープを溶かしながら熱湯を注ぎ、液体スープの小袋をフタの上にのせ、温めながら待つこと3分。時間になったら粉末スープを完全に溶かし、液体スープの小袋を “もみほぐしてから” 中身を加え、再度よく混ぜ合わせたら出来上がり。漠然と香りのベクトルは韓国風で、それっぽい雰囲気は無きにしも非ず。
ちなみにコンビニで購入した場合の税込価格は248円になりますが、スーパーマーケットやドラッグストアなども販売店に含まれるため、コンビニ以外の店舗であれば‥‥いや、それでも税込200円は超えますかね。ひとまず辛さレベルとプデチゲの再現度はもちろん、コストパフォーマンス的なことにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(130g)あたり |
カロリー:499kcal たん白質:12.2g 脂 質:17.3g 炭水化物:73.7g 食塩相当量:7.1g (めん・かやく:2.0g) (スープ:5.1g) ビタミンB1:0.66mg ビタミンB2:0.51mg カルシウム:342mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:499kcal(めん・かやく:396kcal)(スープ:103kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
なるほどそうきたか
形状としては縮れのある平打ち麺で、なめらかな口当たりは「スーパーカップ」の “THE のどごし麺” にも共通するのですが、それよりも表面のキメは粗く、もっとも印象的だったのは “時間が経っても伸びにくかった” こと。いつも撮影している間に麺が伸びてしまうので、それとは別に撮影なしでも実食しているのですが、今回は諸々の撮影が終わってもコシが強く、すこし驚きました。
もちろん鍋で煮込んだわけではないのですが、鍋の〆(しめ)を想定して作られた韓国の油揚げ麺は伸びにくく、もっちりとした弾力が長く持続するため、そこを重点的に強化したようなイメージ。タイプとしては「スーパーカップ」の延長線上にありますが、麺量90gの大盛りでも最後まで弾力が楽しめたので、もしかすると使い回しではないかもしれません。
それなりに油揚げ麺の風味を感じるのですが、本場のプデチゲに使われるインスタントラーメンも基本的に油で揚げた麺ですし、そのジャンクさこそが魅力。鍋がテーマの大盛りカップ麺にもピッタリだったので、いい取り合わせだと感じました。
スープ
韓国産唐辛子使用の個性は弱い
エースコックのニュースリリースを見る限り、チラホラと浮いている赤唐辛子が韓国産らしいのですが、その特色よりもジャンクさが優勢で、旨み成分の配合は「スーパーカップ」の延長にあるイメージ。ポーク調味料は下支えで、やや砂糖の甘さが強いと感じたのですが、具材の白菜キムチから滲み出る旨みは「ブタキム」にも通じる魅力。たぶん、同じ白菜キムチを使用しているのでしょうね。
続けて多めの液体スープを加えると、雰囲気は一変。原材料名にヤンニョムやコチュジャンなどの記載はなく、みそも日本の味噌を使用しているため、タイプとしては日本式になりますが、発酵調味料で “それっぽい” 複雑な旨みを演出。さらにガーリックペーストで味のパンチを強め、白菜エキスで鍋っぽさを表現し、ポークエキスで肉の旨みを押し上げるなど、なかなか悪くありません。
辛さレベルも「ブタキム」より上だったので、いろいろパワフルだと感じたのですが、本場の味かと聞かれると、うーん‥‥みたいな。プデチゲの個性を表現する上で重要なソーセージ、スパムなどを彷彿とさせるポイントは弱く、日本人の味覚に合わせてデフォルメした日本式のプデチゲというか、それだけに親しみやすかった利点もありますけど、もうすこし肉の旨みのベクトルを変えてほしかったです。
具材
ちょっと魚肉練り製品の雑味が気になる
一見すると具沢山に思えるのですが、いざ調理してみると白菜キムチは少なめで、それよりもキャベツの量が多く、ピンク色の魚肉練り製品も部分的に風化したような味が気になる具材。魚肉ソーセージっぽさが皆無ではないものの、食べた時の満足感は見た目ほどではなかったので、ひとまず具材の評価は及第点としました。
総評
思っていたよりも辛味が強かったので、いい意味で意表を突かれたのですが、新ブランドの「辛魂」ではなく、ふつうに「スーパーカップ1.5倍」の変わり種として出されても違和感なさそうな仕上がり。そのため「スーパーカップ1.5倍」が好きな方にはオススメできますが、韓国産唐辛子の個性や加工肉から滲み出る旨みなど、本場のプデチゲっぽさに期待していた場合、すこし物足りないかもしれません。
そんなこんなで総評を付けるのに悩んだのですが、インスタントラーメンを入れて食べる鍋(チゲ)の雰囲気をカップ麺で再現する試みは面白く、辛さも万人受けする中辛ちょい上くらいだったので、個人的には第2弾の登場が楽しみになりました。なんかこう、要約するとエースコック(スーパーカップ)だなー、って感じの仕上がりですw【author・taka :a(大石敬之)】