どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年6月3日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清の辛どん兵衛 特盛きつねうどん」(285円+税)の実食レビューです。
まさかの辛辛魚インスパイア!? 唐辛子の辛さ×鰹×豚コク旨だしが相性抜群、特製辛鰹粉(とくせいからかつおこ)で仕上げる真っ赤な「どん兵衛」爆誕!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清の辛どん兵衛 特盛きつねうどん
日清のどん兵衛(にっしんのどんべえ)とは、1976年(昭和51年)8月9日の発売以来、即席カップめん市場の丼型うどん・そばカテゴリーにおいて “売上No.1” に君臨しているブランドで、安心と信頼の定番フレーバーはもちろん、和風めんの既成概念に囚われない変わり種も積極的に開発。時代にあわせて移り行く我々消費者の心を的確に掴み、アッと驚かせることに長けているブランドでもあるのですが‥‥
今回の新商品「日清の辛(から)どん兵衛 特盛きつねうどん」は、豚の旨みに醤油を合わせた「液体スープ」と、鰹などの魚粉に唐辛子をブレンドした「特製辛鰹粉(とくせいからかつおこ)」で仕上げる、真っ赤なスープが特徴の変わり種で、おあげの上に盛られた “特製辛鰹粉の山„ のインパクトたるや。これを見て泣く子も黙る「辛辛魚らーめん」を思い描き、既視感を覚えた方も少なくないでしょう。
辛辛魚(からからうお)とは、2006年(平成18年)1月20日の創業以来、東京都練馬区・石神井公園に本店を置き、豚骨×魚介×激辛の金字塔を打ち立てた「麺処 井の庄(めんどころ いのしょう)」の看板商品で、実店舗では「らーめん」「つけめん」「まぜそば」を提供しているのですが、その存在を全国に広めたのは寿がきや食品。
2009年(平成21年)1月26日発売の初代「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」を皮切りに、その圧倒的な中毒性を誇るカップラーメンは、毎年恒例の人気商品として不動の地位を確立。その発売頻度から冬の風物詩として語られるようになったのですが、2年前(14代目)から通年販売のレギュラー商品に昇格し、今年で「16代目」に突入したところ。
「麺処 井の庄」店舗で提供されている「辛辛魚らーめん」と同様に、同店監修のカップラーメンも中央に盛り付ける特製辛魚粉(からぎょふん)の山を象徴的なステータスとしているため、それを「日清のどん兵衛」が丸パクリしたとはいいませんが、意匠権や実用新案権などは登録していなかった様子。いや、そもそも登録できるのかどうか知りませんけどw
「日清の辛どん兵衛 特盛きつねうどん」のパッケージでも堂々と訴求されている、鰹などの魚粉に唐辛子をブレンドした特製辛鰹粉(からかつおこ)を山のように盛り付けたビジュアルと、唐辛子×魚粉の組み合わせは「辛辛魚らーめん」の代名詞。また「液体スープ」の商品特長で豚の旨みを訴求している点も含め、まったく意識していないと断言するのは不可能な話。
けれども中華麺ではなく「うどん」だったり、丸大豆を100%使用した「ふっくらジューシィおあげ」を搭載していたり、それらについては「日清のどん兵衛」ならではのステータス。また開発に「麺処 井の庄」も携わっていないようですから、やや釈然としないところはありますけど、あくまでも日清食品のオリジナルフレーバーとしてリリースされた本商品。
ちなみにパッケージの辛さレベルは、5段階基準で上から2番目の「4」となっており、ブランドロゴの下にも小さく “※辛みが強いので、注意してお召し上がりください„ との注意事項を記載するなど、けっこう辛さにも振っている模様。はたしてパッケージのイメージ通り辛辛魚インスパイアなのか、実際は別物なのか、そういった部分にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「液体スープ」と「特製辛鰹粉」の合計2パックで、特製辛鰹粉は専用のデザイン。先入れの「かやく」が別添されていないところは “本家„ と同じ仕様になりますが、あくまでも「きつねうどん」ということで、ふっくらジューシィおあげの存在感は個性を演出する上でも効果的。
ただ、通常の辛くない「日清のどん兵衛 特盛きつねうどん」に設定されているメーカー希望小売価格は271円(税別)なのに対し、こちら「日清の辛どん兵衛 特盛きつねうどん」は通常品比+5%以上となる285円(税別)の割増価格。通常品は粉末スープなのに対し、こちらは液体スープ。また「特製辛鰹粉」の別添も加味すると、理解できない値上げではありません。
ただ、コンビニで購入した場合、1食あたりの税込価格は307.80円。販売店を限定しないNB(ナショナルブランド)商品なので、スーパーやドラッグストアにも流通しているのですが、おそらくコンビニ以外の店舗でも250円オーバーが相場。べらぼうに高いわけではないけれど、通常品との差は地味に大きいです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清の辛どん兵衛 特盛きつねうどん 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:136g(めん96g) 商品コード:4902105283547(JAN) |
発売日:2024年06月03日(月) 実食日:2024年06月05日(水) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 小売価格:285円(税別) 購入価格:307円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:490ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(液体スープ・特製辛鰹粉) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、こんぶエキス、大豆食物繊維、糖類)、スープ(植物油脂、しょうゆ、食塩、ポークエキス、糖類、香辛料、魚粉(そうだかつお、かつお、さば)、でん粉)、かやく(味付油揚げ)/ 加工でん粉、増粘多糖類、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、ソルビトール、炭酸Ca、リン酸塩(Na)、酒精、香料、カロチノイド色素、酸味料、pH調整剤、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、乳化剤、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、ビタミンB2、ビタミンB1、チャ抽出物、(一部に小麦・乳成分・さば・大豆・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライうどんで、辛くない「特盛きつねうどん」の麺重量は101gなのに対し、こちらはコストの都合か96gに減らされています。ただ、レギュラーサイズの「きつねうどん」(めん74g)と「あっさりおだしがおいしい」(めん60g)シリーズを除く “それ以外の„ うどん(めん66〜70g)しかり、ド定番と変わり種の間には麺重量の開きがあるので、今回に限った話ではありません。
別添の小袋は2袋とも後入れなので、それらを取り出してから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったら「液体スープ」を入れて混ぜ合わせ、仕上げに「特製辛鰹粉」をトッピングしたら出来上がり。ええ、もはや訴えられても言い逃れできない調理直後、それだけにワクワク感は申し分ありません。
ただ、前述のように「うどん」と「おあげ」は “DONBEI Quality„ なので、らーめんとは異なる世界観。引き続き「どん兵衛」ならではの独自性と体感的な辛さレベルにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(136g)あたり |
カロリー:601kcal たん白質:12.2g 脂 質:29.4g 炭水化物:72.0g 食塩相当量:6.7g (めん・かやく:2.8g) (スープ:3.9g) ビタミンB1:0.27mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:253mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:601kcal(めん・かやく:507kcal)(スープ:94kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつもの「うどん」
「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、こんぶエキス、大豆食物繊維、糖類」という原材料名の構成は、辛くない「特盛きつねうどん」と完全に一致する内容で、2019年(平成31年)3月上旬のサイレントリニューアルで「糖類」と「昆布エキス」が人知れず練り込まれたのですが、それ以降は大きな動きを見せておらず。
「日清のどん兵衛PRO 高たんぱく&低糖質」には “サイリウム種皮„ を練り込んでいたり、途中で例に引いた「あっさりおだしがおいしい」シリーズでは “植物性たん白、こんぶエキス、糖類を省き、デキストリンを省く„ など、同じブランド内において特殊な配合も存在するのですが、今回のフライうどんはオーソドックスど真ん中。
和風だし系の味はもちろん、洋風・中華風・韓国風・エスニック風まで、多種多様な味付けに対応してくれる、フレキシビリティに富んだ仕様が功を奏し、後述する「液体スープ」と「特製辛鰹粉」にも違和感なく対応してくれていました。ちなみに麺重量は辛くない「特盛きつねうどん」よりも少ないと前述しましたが、エースコックの「スーパーカップ1.5倍」(めん90g)よりも多いので、食べ応えありますよ。
スープ
想像以上に “それっぽい味„ だったw
まずは「液体スープ」単体の味を確認してみたところ、丸みを帯びたポークエキスのコクを中心に、液体しょうゆ特有のフレッシュさを適度に感じさせながら、意外と特有のカドは立っておらず、唐辛子の辛さも極めて控えめで、見た目のわりに尖った味ではありません。このマイルドな印象は、甘辛い味付けの油揚げから滲み出てくる要素も深く関わっての結果。
続けて「特製辛鰹粉」を直接ちびっと舐めてみたところ、たしかに魚粉は鰹が中心で、唐辛子の効き目についても瞬時に毛穴が反応するレベル。さらに糖類の甘さだったり、うまみ調味料だったり、そういった要素も感じるため、本家のように純粋な辛魚粉ではないけれど、すべてスープに溶かし込んだ途端、なかなかどうして想像以上に “それっぽい味„ で驚いた次第。
もちろん重厚感は本家に劣りますし、魚粉の粒子も比較的に細かく、さらに油揚げの甘辛さが唐辛子のエッジを削ってくるので、だいぶマイルドにデフォルメされてはいるものの、それでも辛味の強さは “ふつうに辛口〜大辛の手前„ くらい。そのため万人にオススメできる味とはいえないけれど、カップラーメンの「辛辛魚らーめん」が好きなら(いろんな角度から)楽しめると思います。
かやく
私は「あり」でした
原材料名の「かやく」にも “油揚げ„ としか記載されていないように、いつもの丸大豆を100%使用した “ふっくらジューシィおあげ„ が鎮座しているのですが、ちょっと指摘しておきたいのがサイズ感。辛くない「特盛きつねうどん」には、レギュラーサイズの「きつねうどん」よりも大きな油揚げを搭載しているのに対し、こちらにはレギュラーサイズ用の油揚げをトッピングしているため、ケチったなと。
ちなみに「どん兵衛」の「粉末スープ」と「彩り七味」は、関ヶ原を境に東西で味を変えている、という情報は有名ですが、トッピングの油揚げも味付けを変えていて、東日本のほうが西日本よりも醤油と砂糖を強めに効かせています。今回は東日本寄りの味付けだったで、強めの甘さと特製辛鰹粉の掛け合いに中毒性を覚えるか、その甘さを蛇足と取るか、ちょっと好き嫌いが分かれるかもしれません。
総評
うどんは安心と信頼の「どん兵衛」品質で、いつもとは違う「液体スープ」にも難なく対応してくれていたのと、その液体スープ+特製辛鰹粉の組み合わせが “想像していた以上に辛辛魚をリスペクトしていた„ ことにビックリ。辛さも本家より抑えてあるので、ふつうに辛口〜大辛くらいの辛味に耐性があるのであれば、苦戦することはないでしょう。むしろ、人を選ぶ要素は油揚げの甘辛い味付け。
辛辛魚ライクなスープと甘辛い油揚げのタッグに中毒性を覚えたので、特盛どん兵衛の基準で見ると小さめのサイズもネガティブではなく、このブログでは高く評価しましたけど、あとはもう好みの問題。想像の段階で無理そうなら避けたほうが無難ですが、この取り組みは成功だったと思います。【author・taka :a(大石敬之)】