どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2025年11月17日(月)新発売、エースコックのカップ麺「まるごと蟹の旨み 蟹醤味噌ラーメン」(271円+税)の実食レビューです。
よくあるカニ系とは別物!? 蟹をまるごと発酵・熟成させた知る人ぞ知る珍味調味料「蟹醤(かにびしお)」を実際に使用したカップラーメン爆誕!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
まるごと蟹の旨み 蟹醤味噌ラーメン
蟹醤(かにびしお)とは、塩漬けにしたカニを発酵・熟成させた調味料で、全国的な知名度は低いかと思いますが、イメージ的には塩漬けした小エビを発酵させて作る蝦醤(シャージャン)の蟹バージョンといったところ。また九州には生きたままの沢蟹(サワガニ)を石臼で潰し、鷹の爪と塩を混ぜて発酵させた「がに漬け」という伝統的な調味料がありまして、それも蟹醤の一種。

このページでレビューする「まるごと蟹の旨み 蟹醤味噌ラーメン」は、大阪府吹田市に本社を置くエースコックのスポット商品で、蟹を題材にしたカップラーメンは今でこそ珍しくないけれど、調味料界においてもニッチな蟹醤をこれほどまでに堂々と訴求した商品は他に類を見ません。
麺は “適度な弾力と滑らかさを併せ持った角刃の太めん„ ということで、いつものエースコックらしいテンプレの説明文なんですけど、かやくに食感が異なる2種類の魚肉練り製品(かに足風かまぼこ、カニカマ)を使用しているらしく、なかでも「かに足風かまぼこ」は聞き慣れない表現。
パッケージに印刷されている原材料名に「蟹醤」の文字はないけれど、本商品に関連するニュースリリースには “蟹をまるごと塩漬けにして発酵・熟成させた調味料「蟹醤」を使用した„ と明記されているため、おそらく「発酵調味料」がそれに該当するのではないかと。——で、ちょっと気になったのが蟹醤の出どころ。

主な事業内容として、国内外の即席めん事業や低温・加工食品事業の他に「水産食品事業」や「冷蔵事業」も展開している東洋水産(マルちゃん)であれば、発酵調味料の製造に長けたグループ企業に蟹醤を作らせることも不可能ではなさそうですけど、エースコックの主な事業内容は即席めん・スープ等の製造及び販売。
前述のように蟹醤は即席カップめん業界においてもメジャーなアイテムではなく、エースコックは国内に蟹醤を製造できそうな主要子会社を保有していません。ここからは推測ですけど、今回の「まるごと蟹の旨み 蟹醤味噌ラーメン」に使用されている蟹醤は、即席めんメーカーを含む大手食品加工メーカーとの繋がりが深いBtoB企業「日研フード」が展開している蟹醤(CASE05)なのではないかと。
日研フードの蟹醤は、2018年(平成30年)秋に発売を開始し、ほとんどカニ調味料が出回っていなかった当時の加工食品市場で高評価を得た商品なので、今回が初の使用例ではないけれど、エースコックのニュースリリースに記載されている「蟹をまるごと発酵・熟成させた」という見出しは、日研フードの研究開発事例に掲載されている “蟹を丸ごと発酵・熟成した„ をリスペクトしているような表現。

蟹を題材にしたカップラーメンは、秋から冬にかけて必ずリリースされるため、日研フードの蟹醤(CASE05)を使用した商品も少なくなかったかもしれません。ただ、商品名に「蟹醤」を使用したカップラーメンはエースコックの「まるごと蟹の旨み 蟹醤味噌ラーメン」が初めての事例なので、その個性に注目しながらレビューします。
開封

フタのデザインを損なわないためなのか、それとも他に理由があるのかは定かでないけれど、例によって例の如く別添の小袋が容器の中に放り込んであるので、まずはコイツを取り出します。ちなみに「液体スープ」を加えると “ラードのコクが加わる„ とのことなので、ペースト状の蟹醤は使用していないのでしょうか。

かやくは前述の「かに足風かまぼこ」と「カニカマ」に「ネギ」を加えたラインナップで、かに足風かまぼこ‥‥もしや、この細〜いカニカマがソレか? だとすれば「スーパーカップ1.5倍」や「スープはるさめ」ブランドのほか「お取り寄せNIPPON 北海道産花咲ガニだし醤油ラーメン」などにも使われている具材なので、かに足風の表現は思わせぶり。あるいは同じように見えて新開発なのか——。
ちなみにメーカー希望小売価格は271円(税別)に設定されているため、2026年1月現在の縦型ビッグ製品における標準的な値段。コンビニではファミリーマートでの取り扱いが多かったのですが、スーパーマーケットやドラッグストアなども販売店の対象となっているNB(ナショナルブランド)商品です。発売日から期間が空いているため、時期的にドラストやイオン、ドンキホーテなどで安く販売されているかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
| 製品名:まるごと蟹の旨み 蟹醤味噌ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:+K 東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:93g(めん70g) 商品コード:4901071408640(JAN) |
| 発売日:2025年11月17日(月) 実食日:2026年01月03日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 小売価格:271円(税別) 購入価格:292円(税込) |
| 麺の種類:油揚げ麺 スタイル:タテロング 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
| 【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(粉末みそ、みそ、植物油脂、食塩、糖類、ポーク調味料、豚脂、おからパウダー、乳化油脂、魚介エキス、発酵調味料、ポークエキス、大豆たん白、ガーリックペースト、チキンパウダー、でん粉、酵母エキス、カニパウダー、全卵粉)、かやく(魚肉練り製品、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、酒精、香料、ソルビット、重曹、微粒二酸化ケイ素、カラメル色素、増粘剤(キサンタンガム)、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ベニコウジ色素、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、ビタミンB2、香辛料抽出物、ビタミンB1、(一部にえび・かに・小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始

麺は太めに切り出された油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は長めの5分。このサイズと形状は味噌ラーメンのイメージにピッタリで、エースコックといえばの揚げ油に由来する特有のニオイも比較的に控えめですが、蟹を題材にしたカップラーメンでは例外なく主張してくる蟹殻を彷彿とさせる芳ばしさは目立ちません。

別添の小袋は後入れなので、それを取り出してから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったら「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。この小袋を馴染ませた途端、お湯を注ぐ前は気にならなかった甲殻類特有の芳ばしさが目立ち始めたので、中身はラードだけではない様子。
ただ、香りから蟹醤を彷彿とさせるクセは掴めなかったので、引き続き蟹醤の個性と恩恵に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
| 栄養成分表示:1食(93g)あたり |
| カロリー:378kcal たん白質:9.2g 脂 質:13.0g 炭水化物:56.0g 食塩相当量:5.7g (めん・かやく:1.8g) (スープ:3.9g) ビタミンB1:0.36mg ビタミンB2:0.40mg カルシウム:285mg |
| 参考値(調理直後に分別した値) 熱量:378kcal(めん・かやく:299kcal)(スープ:79kcal) |
| ※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん


食べ応えはあるけどオラついてない
「焼そばモッチッチ」ブランドから派生した “多加水真空仕立て麺„ という強力な武器も保有しているエースコックなんですけれども、今回の油揚げ麺のクオリティは「スーパーカップ1.5倍」の流れを汲んでいるような質感で——などと書いたらネガティブに見えてしまうユーザーも少なくないかと思いますが、最近の「スーパーカップ1.5倍」に使われている油揚げ麺けっこう高品質なんですよ。

エースコックといえばの揚げ油に由来するニオイ(このブログで “油揚げ麺臭„ と表現しているアレ)が遠慮なくスープに滲み出てくる商品も珍しくないけれど、前述のように今回は穏やか。じっくりと麺を噛み締めている間にはそれなりに主張してくるものの、スープに対する干渉は指摘しなければいけないほど強くありません。
なめらかな麺肌から口当たりと喉越しもよく、蒸した麺を揚げた際に発生する気泡も比較的に小さくて、何度も噛み締めたくなる密度感。弾力の持続性も悪くなかったので、それも食べ応えに寄与していました。これは好みの問題かもしれませんけど、スープとの一体感が増してくる後半のほうが美味しいと感じたので、熱湯5分+液体スープを入れて撹拌+2分前後休ませる、くらいがベストかもしれません。
スープ


発酵感に注目
まずは「液体スープ」を入れる前の味を確認してみたところ、これぞ蟹醤だ! みたいなクセは控えめに思えたのですが、よくある甲殻類のインパクトをバチバチに効かせたような設計ではなく、深みのある蟹の旨みと適度な発酵感が印象的。

続けて「液体スープ」を加えると、ラードに由来する動物系のコクと蟹殻っぽい芳ばしさも入ってくるのですが、それらとの相乗効果か蟹の身を彷彿とさせる甘みと発酵調味料ならではの複雑さも目立ち始め、さらに深度のある味わいに。けっして派手さはないけれど、なかでも熟成した旨みが面白く、これが「蟹醤」の効果かなと体感できるレベルには個性的。
さらに、エースコックの商品で多用されている「おからパウダー」のザラつきも注目すべきポイントで、みその臨場感を高めてくれるだけでなく、旨みが味蕾に長く残る効果もあるのかなと、あらためて。蟹を丸ごと茹で上げたような出汁(だし)感だったり、乾燥させた甲羅や殻を粉々に砕いたようなインパクトだったり、そういった要素は目立って主張してこないけれど、独特の発酵感と深い旨みに「蟹醤」使用の恩恵を感じました。
かやく


ハイライトは細長いカマボコ
ネギは熱風乾燥の安っぽいアレなので、その風味とジャキジャキした強めの歯触りが好みを選ぶ要素になりますが、そこまで大量に入っているわけではありません。片や2種類の魚肉練り製品は量が多く、大きいカニカマのほうが食べ応えありそうに見えますけど、実は細長い “かに足風かまぼこ„ が真打。
こいつが口の中に飛び込んできた瞬間、魚肉練り製品らしい旨みと蟹の風味がジワジワと寄ってくる、サイズのわりに効果的な存在感。こいつを “かに足風„ と表現していいのだろうか‥‥という疑問は残りましたけど、さておき細めのカットから意識せずとも口の中に入ってくるので、実食前のイメージよりも好印象でした。
総評
甲殻類ならではの芳ばしさや中腸腺(いわゆるカニミソ)のクセに期待していた場合、おそらく物足りなさを感じてしまうと思います。ただ、今回のテーマは蟹醤。それを思わせる発酵感と複雑な旨みの掛け合いが面白く、なんとも仰々しいパッケージのデザインとは裏腹に、派手さに頼った味ではなく、きちんと濃厚かつ上品な一杯でした。
2026年1月12日に「お取り寄せNIPPON」計3品(北海道産花咲ガニだし醤油ラーメン、三重県産伊勢海老だし味噌ラーメン、島根県産のどぐろだし塩ラーメン)がリリースされますが、このブランドの “カニだし„ とは大きく方向性が異なるので、比較してみるのも一興です。【author・taka :a(大石敬之)】


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