どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年7月29日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 亀田の柿の種味焼そば」の実食レビューです。
“いつでもカリッと!” でおなじみ「亀田の柿の種」が前代未聞のカップ焼そばに!?
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
亀田の柿の種味焼そば
今回のカップ麺は、亀田製菓(かめだせいか)の看板ブランド「柿の種」を焼そばにアレンジした東洋水産(マルちゃん)の変わり種で、まさにコンセプトは読んで字の如く。さらに、同時発売品として「わさび味」バージョンの新商品「マルちゃん 亀田の柿の種わさび味焼そば」も一緒にリリースされました。
どちらもパッケージの再現度は高く‥‥というか、もう「亀田製菓」のロゴと「柿の種」のデザインそのままですね。実は2017年11月27日、亀田製菓の「手塩屋(てしおや)」から “赤いきつね風味” の期間限定商品を発売、さらに「揚一番(あげいちばん)」からも “緑のたぬき風味” の変わり種を発売していたので、当時のパイプが生きていたのかもしれません。
「亀田製菓」とは、新潟県新潟市江南区に本社を置く米菓メーカーで、その中では日本国内最大手の大企業。1940年代に新潟県中蒲原郡亀田町の農民が共同出資して結成した「亀田郷農民組合」を前身とし、もともとは水飴の製造を行なっていたのですが、1950年代に法人化「亀田町農産加工農業協同組合」に改称した際、製造品目を水飴から米菓に切り替えます。
そして1957年(昭和32年)8月26日——亀田町農産加工農業協同組合を母体として、「亀田製菓株式会社」を設立。1965年に会社のロゴを現在の赤い亀甲マークを制定し、その翌年となる1966年(昭和41年)に「ピーナッツ入り柿の種」を発売しているため、「柿の種」だけでも50年以上の歴史があります(余談ですが、10年後の1976年に「ハッピーターン」が発売されました)。
そんな「亀田の柿の種」をイメージしたカップ焼そばということで、思わずジャケ買いしそうなパッケージデザインに仕上がっているのですが、下に小さく「※本商品は、亀田製菓株式会社監修のもと、『亀田の他柿の種』の味わいをイメージして開発した商品です」「※本商品は、『亀田の柿の種』を使用した商品ではありません」との注意書きあり。
あくまで今回は柿の種「味」なので、実際に亀田の柿の種が入っているわけではありません。ただ、その横には “柿の種を入れるとさらにおいしい!” と、ちゃっかり売上の相乗効果を狙ったセールスプロモーションが行われています。一緒に買ったら○○円引き! とか、○○%オフ! みたいなキャンペーンだったらよかったのに——などと思いつつ、楽しそうじゃないかw
というわけで、まんまと東洋水産×亀田製菓の企画にハマッてしまった私なんですけども、 それはさておき「柿の種」の歴史は古く、新潟県長岡市に本社を置く米菓メーカー「浪花屋製菓株式会社(なにわやせいか)」の創業者・今井與三郎氏が考案したと言われています。創業は100年前の1919年(大正8年)、柿の種が生まれたのは1925年(大正14年)の話——
「浪花屋」設立前は與三郎氏が開業した個人営業の「せんべい屋」で、当時その店に取引で出入りしていた関西出身の青年が「あられ」を作る製法を伝授。それをきっかけに「柿の種」の基礎が出来上がり、せんべい用の型を與三郎氏の妻が踏み潰してしまった結果、独特との三日月形になったと言われています(そのヒントを授けてくれた青年が関西出身だったので、屋号を「浪花屋」に改めました)。
開封
さて、カップ麺の解説に戻りましょう。別添の小袋は「粉末ソース」「特製油」「あとのせかやく」の3袋で、残念ながら「亀田の柿の種」も東洋水産オリジナルの柿の種もピーナッツも入っておらず、小袋も特別なデザインではありません。ただ、あとのせかやくの中身は唐辛子を練り込んだ “辛い揚げ玉” ということで、サクサク感は意識されています。
元祖柿の種は「浪花屋」ですが、「柿ピー」の元祖は諸説あり、そのうちの一つが「亀田製菓」。昔、亀田製菓の創業者・古泉栄治氏の妻・茂子さんが直売所でピーナッツを混ぜたのが始まりと言われていて、昭和から平成へ転換する時期に起こった「ドライ戦争」(ドライビールの販売合戦)を皮切りに、「亀田の柿の種」の売り上げが3倍近く増え、業界トップに躍り出るきっかけになりました。
定番の小分けになった6袋入りの「フレッシュパック」が発売されたのは、1977年(昭和52年)と40年以上も前。当時、ナッツの酸化による味の劣化を防ぐために開発され、それが現在も受け継がれています。今回はスーパーで100円だった1袋75gの食べきりサイズを購入したんですけど、砕いてトッピングするなら6袋詰の小分けになったタイプが好都合ですね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 亀田の柿の種味焼そば 販売者:東洋水産株式会社 製造所:M1 関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:107g(めん90g) 商品コード:4901990363617(JANコード) 商品サイズ:縦158mm×横178mm×高さ60mm 発売日:2019年07月29日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:角型レギュラー・標準サイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:560ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(粉末ソース・特製油・あとのせかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、でん粉、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(植物油、デキストリン、しょうゆ、砂糖、粉末あられ、たん白加水分解物、香辛料、食塩、こんぶエキス、かつおエキス、酵母エキス)、かやく(とうがらし揚玉)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、レシチン、かんすい、カラメル色素、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、カロチン色素、(一部にえび・小麦・卵・大豆を含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】えび・小麦・卵・大豆(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
麺は角刃でカットされた油揚げ麺で、ちょっと黒ずんだ色合いと精製ラード由来の香りが強く、なるほど東洋水産らしい油揚げ麺なんですけども、ここに「亀田の柿の種」らしさはありません。もちろんカップ焼そばなので、ここはガッツリ焼そばで問題ないかと思う反面、精製ラード由来の油揚げ麺臭が懸念でもあります。それから小袋を含め、先入れの具材は入っていませんでした。
熱湯を注いでから3分後、湯切りして特製油、粉末ソースの順に入れ、あとのせかやくをトッピングしたら完成です。キャベツやネギ、ピーナッツなどの具材は入っていないため、どうしても寂しさが目立ってしまうのと、粉末ソースがダマになって混ぜにくかったので、2〜3回に分けながら入れて手際よく混ぜないと味にムラが生じるかもしれません(ちょっと混ぜるの大変でした)。
それから私はイオンリテールで購入しましたが、東洋水産の公開している販売ルートにCVS(コンビニエンスストア)は含まれていなかったので、 “コンビニでは売ってない” ようですね。それでは、柿の種の再現度と実際に砕いてアレンジしてみた際の変化に注目しつつ、「めん」「ソース」「トッピング」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(107g)当たり
カロリー:509kcal(熱量 / エネルギー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。上記の栄養成分表示は、「亀田の柿の種」をトッピングする前の数値です。 |
めん
こういった企画モノは麺が汎用的で面白みのないタイプだったりすることもあるのですが、なんのなんの‥‥まずビックリしたのが麺の弾力で、引っ張ったらビョーンと伸びるグミ系タイプ。加水率の低い歯切れのよさよりも粘り気を重視した多加水麺サイドの仕上がりから、ちょっと予想外の弾力には驚かされました。
麺のサイズは太くありませんし、どちらかというとカップ焼そば的には細麺に分類されるサイズですが、そのサイズ感とは裏腹なモチモチ感。東洋水産のカップ焼そば部門が得意とする “つやもち製法” という麺製法があって、それに匹敵するほど麺に艶はありませんが、もっちり具合に関しては充分に肩を並べる完成度の高さです。
もちろん「亀田の柿の種」に通じるカリッとした食感や生地自体に米粉の風味は皆無なので、再現度は高くありません。けれども今回のソースとは精製ラードの芳ばしさも含めて相性がよかったですし、この麺であればオーソドックスなソース味の焼そばから洋風の変わり種、ニュースタイルの油そばなど、かなり幅広く応用できそうな油揚げ麺ですね。
ソース
東洋水産のニュースリリースに記載されている商品特徴には “「亀田の柿の種」をイメージした、かつお節や昆布のだしをベースに、あられの風味を利かせた、ピリ辛和風しょうゆ味のソース。” とあり、たしかに辛さレベルは本家・亀田の柿の種よろしくピリ辛——いや、体感的な辛さレベルだけでいえば柿の種よりも辛くないです。
けれども唐辛子特有の芳ばしい香りが印象的なピリ辛和風しょうゆ味のソースに仕上がっていて、味のフレームワークは近く、真横に並べて同時に食べ比べてみたところ、ややカップ焼そばのほうが醤油感は控えめ。かつ鰹の出汁と砂糖の甘さが効かせてあり、実際の柿の種よりも穏やかなテイストでした。
土台が「油揚げ麺」対「米(あられ)」なので、その違いは大きな差を生んでいるのですが、粉末ソースの中に “粉末あられ” が仕込んであるのもポイント。実際の柿の種ほど鮮烈な芳ばしさではないものの、たしかに一般的なソース味や醤油味のカップ焼そばとは違う粉末あられ由来の風味が面白かったです。ただ、もうちょっと強くてもよかったですね。
東洋水産の特製油には魚介エキスなどが仕込んであることもあるのですが、今回は無色透明・無味無臭に近いオイルだったので、単純に潤滑油。外装フィルムの調理方法には特製油、粉末ソースの順に入れるように書いてあるのですが、前述したように粉末ソースが麺に馴染みにくかったので、段階的に満遍なく投入したほうが安全です。
トッピング&柿の種ちょい足しアレンジ
今回の具材は「辛い揚げ玉」だけで、なおかつ量も多くありません。揚げ玉の辛さレベルは粉末ソースよりも辛く、しかしながら実際の「亀田の柿の種」と同じくらいの辛さなので、実にピリ辛。まだ発売されたばかりということもあって、油の酸化臭などは気になりませんでしたが、唐辛子以外に特別な風味が施されているわけでもなく、結果的に寂しさは否めませんでした。
そして「亀田の柿の種」を実際に砕いてトッピングしてみたところ、さすがに亀田の柿の種感はMAXですw 粉末ソースだけでは足りなかった米菓(あられ)特有の風味は明白になり、もっちもちの麺に張り付いた砕き柿の種はサックサクで、まさしく柿の種。ちょっと柿の種が多過ぎると食感が喧しい(やかましい)かもしれませんけど、本家よろしくピーナッツの存在が思わぬバイプレイヤー。
これが意外にもダークホースで、ピーナッツ特有のコクが柿の種味のソースとベストマッチ、カップ麺の担担麺・汁なし担担麺のアレンジ以外にも使い道があるんだなと感心しました。いいですね、これは新たな発見です。そんなわけで砕いたピーナッツが別添されていたら最高だったんですけど、砕きピーナッツちょい足し後は★4以上つけたい感じでした。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3+)
おそらくスーパーやドラッグストアなどであれば税込100円〜130円前後で販売されていると思うので、それを踏まえると麺のクオリティは高く、何気に柿の種味の再現度(粉末ソース)も眉唾物ではなかったのですが、もうちょい具材に一捻りほしかった——というのがマイナスポイントでした。しかし、柿の種を砕いて入れることを訴求している点やパッケージのデザインも含め、なかなかエンタメ性のあるカップ麺です。
コスパ最高とは言えないものの、味自体は悪くなかったですし、具材がショボいのに麺が大盛りで後半はツラい——というわけでもなかったので、結果的にイマイチではありません。味は無難ですが、意外にも今回のカップ焼そばにピーナッツのトッピングが相性抜群だったので、このアレンジは “あり” だと感じました。あと、ソースの方向から「七味唐辛子」や「山椒」のアクセントもかなり合いそうですね。