どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年2月8日(月)順次リニューアル発売、セブンイレブン(セブンプレミアム ゴールド)のカップ麺「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」の実食レビューです。
「一風堂」が誇るコクと深みを追求した革新派の豚骨ラーメン「赤丸新味」シリーズ史上最上級スープを実現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
一風堂 赤丸新味 2021
一風堂(いっぷうどう)とは、福岡県福岡市中央区大名に本店を置く博多とんこつラーメン専門店で、1985年(昭和60年)10月16日、創業者・河原成美(かわはら しげみ)氏が当時33歳の頃、現在の大名本店(旧店名「博多 一風堂 総本店」)に当たる「博多 一風堂」をオープン。1994年(平成6年)3月6日には世界初のフードテーマパーク「新横浜ラーメン博物館」に関東第1号店を出店し、その名を全国に轟かせます。
屋号の由来について、河原氏は “ラーメン界に一陣の風を吹かせたいとの思いから” と公言していますが、実は1979年(昭和54年)結成のロックバンド「一風堂」にちなみ、これは東京・渋谷に昔からあるディスカウントショップから取った名前。1980年代の博多におけるラーメン店に抱かれていた “怖い・臭い・汚い” という印象とは裏腹に、女性が単独でも入りやすい清潔な店内とスタイリッシュな雰囲気で、当時の常識を覆しました。
今回のカップ麺「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」は、コンビニのセブンイレブンをはじめとするセブン&アイグループ限定のカップラーメンで、一風堂の店主とセブン&アイグループ及び日清食品株式会社が共同開発。一風堂の実店舗では、1996年(平成8年)から販売を続けている2枚看板「白丸元味」「赤丸新味」のうち、後者を再現した商品で、セブン&アイグループの最上級ブランド「セブンプレミアムゴールド」に位置する存在。
2021年2月20日現在、最新のパッケージには表示されていませんが、セブン&アイグループが2000年4月に発足したセブン-イレブン・ジャパンと日清食品の共同開発ブランド「日清名店仕込み」の一角で、2000年4月18日に初代「日清名店仕込み 博多一風堂 赤丸新味」を市場に投下。名店の味をカップ麺で再現したハイエンド商品の先駆けとして、現在も続く人気ラーメン店が監修した “ご当店カップ麺” のブームを牽引します。
一風堂の実店舗で提供されている「白丸元味(Shiromaru Classic)」は “正統派” の一杯で、創業当時より受け継がれる味に改良を重ねてアップデートしつつ、それでいて伝統的な一風堂の原点とも呼ぶべきストレートな商品。対してカップ麺のモデルにもなっている「赤丸新味(Akamaru modern)」は “革新派” の一杯で、自家製のオリーブ香油と辛味噌をトッピングしているのが最大の特徴。
ラーメンの中央に唐辛子ベースの赤いタレをトッピングする様式は、1960年(昭和35年)に創業した天然とんこつラーメン専門店「一蘭」が元祖とされ、2021年2月15日に史上初のカップ麺「一蘭 とんこつ」を発売して話題沸騰中の現在。そのため1996年に登場した「赤丸新味」の豚骨×辛いタレは後発になりますが、そこに香味油を泳がせて “白・赤・黒” のコントラストを描く、その洗練された見た目は「一風堂」を象徴する姿。
それを再現したセブンゴールドのカップラーメンにも味の決め手となる辛味噌や香味油(黒香油)を別添しているのですが、従来の「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」(最終リニューアル日:2018年5月28日)と比較して “豚骨スープのオイルと辛味噌を増量” しているらしく、2021年2月発売品のパッケージには「一風堂シリーズ史上最上級スープ」の文字。
はたしてオイルと辛味噌の増量は改良なのか、それもリニューアルを謳うコスト調整か——。ちなみにリニューアル前の従来品は、ノンフライ麺の不具合(戻りムラ)が気になっていたので、小袋の数やノンフライ麺の仕様など、従来品との違いに注目しながらレビューします。
開封
2021年2月発売(リニューアル)のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく入りスープ」と「焼豚」に、後入れの「液体スープ」と「調味たれ(辛みそ・黒香油)」で合計4袋。液体スープ、焼豚、調味たれ(辛みそ・黒香油)の小袋については変わっていませんが、リニューアル前は “かやくと粉末スープが別々だった” ので、そこが大きな違い。
麺は色の薄いノンフライ麺で、かなり細めのサイズに切り出されているのですが、湯戻し時間の指定は熱湯3分と標準的。リニューアル前のノンフライ麺は、熱湯3分きちんと待ってもスムーズにほぐれることはなく、ちょっと長めに(4分〜5分前後)待っても麺の端が束になったままの箇所が多発していたので、そこが改善されているのかどうかも注目すべきポイント。
またコンビニのセブンイレブンをはじめ、イトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマートなどのGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)はもちろん、イトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)も販売店に含まれますが、リニューアル前の本体価格は税込278円だったのに対し、リニューアル後は税込300円に値上げされているので、それも総評の基準に入れなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:一風堂 赤丸新味 博多とんこつ 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:127g(めん70g) 商品コード:4902105265642(JAN) |
発売日:2021年02月08日(月)順次リニューアル 実食日:2021年02月20日(土) 発売地域:全国(一部店舗除く) 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 商品購入価格:300円(税込) 希望小売価格:278円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:4袋(かやく入り粉末スープ・液体スープ・焼豚・調味たれ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、卵粉、植物性たん白、大豆食物繊維、チキンエキス)、かやく入りスープ(ポークエキス、豚脂、しょうゆ、香味油、糖類、豆板醤、きくらげ、ポーク調味料、香辛料、コチュジャン、チキン調味料、ごま、小麦粉、ねぎ、たん白加水分解物、酵母エキス、オニオンパウダー、食塩)、かやく(チャーシュー)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、酒精、加工でん粉、かんすい、リン酸Ca、pH調整剤、香料、焼成Ca、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、酸味料、香辛料抽出物、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
さて、前回は麺の戻りムラが気になったと書きましたが、今回のリニューアル以降 “後入れだった粉末スープが先入れに変わっている” のが気になるところ。たとえば熱湯を注ぐ前に液体スープを入れてしまった場合、ほとんど確率で麺の戻りムラが発生するのですが、含まれている成分によっては粉末スープも例外ではありません。しかも今回の粉末スープにトロミ成分が含まれているのですが‥‥
ほぐれにくさを危惧しながら注湯して3分後、ところがどっこい予想に反して意外とスムーズにほぐれたノンフライ麺。調理後の見た目だけでいえば従来品と変わりませんが、ほぐれにくかったノンフライ麺の改良は素直に嬉しく、さらにカロリーも451kcal(スープ 130kcal)から491kcal(スープ 172kcal)に増えているのもブラッシュアップに期待できそうな変化。
なお2021年2月20日現在、セブンイレブンが公表している販売地域に “北海道・東北・関東・甲信越・東海は含まれていない” のですが、順次切り替わる予定となっているので、それについてはご安心ください。それでは、引き続き従来品(2018年5月発売品)との違いに注目しつつ「めん」「スープ・調味たれ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(127g)あたり |
カロリー:491kcal たん白質:15.0g 脂 質:20.8g 炭水化物:63.0g (糖 質:59.1g) (食物繊維:3.9g) 食塩相当量:8.2g (めん・かやく:3.2g) (スープ:5.0g) ビタミンB1:0.24mg ビタミンB2:0.29mg カルシウム:259mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:491kcal(めん・かやく:319kcal)(スープ:172kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
明らかに改良されたノンフライ麺
一風堂の実店舗で提供されている麺の小麦粉は、一風堂専用小麦「風の大地」を軸に、力強いコシとヒキを生み出す強力粉と数種類の小麦を独自にブレンド。さらに旨みの強い二等粉を合わせ、福岡県産のラーメン専用小麦「ラー麦」を加えるなど、試行錯誤を重ねて辿り着いた角刃(麺線26番)の細麺を使用。よく “粉っぽい” と表現される低加水麺で、スープとの絡みや歯切れの良さ、そして芳醇な小麦の香りを特徴としています。
それを再現したノンフライ麺には縮れが見られるので、完全なストレート麺ではないのですが、きちんと番手の数字が大きい角刃で切り出し、一風堂の麺を彷彿とさせる粉っぽさを意識したことが伝わってくる質感。加水率は低めの設定で、粘りのある弾力よりも歯切れの良さが目立ち、後述するスープとの親和性も高く、ふわっと抜ける小麦の風味も途中で深呼吸したくなるような見どころ。
熱湯3分きっちり守ってからノンフライ麺をほぐし、粉末スープを完全に溶かしてから液体スープを馴染ませ、調味たれをトッピングする前(熱湯を注いでから合計4分後くらい)に食感を確かめてみたところ、あの致命的な欠陥に思えた戻りムラも気になりません。原材料名は従来品と共通で、ややノンフライ特有のクセを残しますが、明らかに改良されたことが伝わってくる、クオリティの高い低加水麺に生まれ変わっていました。
スープ・調味たれ
スープもブラッシュアップ!
先入れの粉末と後入れの液体、2種類で仕上げる濃厚な味覚の豚骨スープは、やや人工的なトロミが気になるものの、それをネガティブに思わせない硬派な旨みが魅力。方向性は従来のスープと変わっていないため、一般的にネガティブとされる酸味や豚骨臭・獣臭などは抑えてありますが、きちんと “骨の旨みは打ち出している” のがポイント。
カップ麺のスープは人工的な旨み成分のサポートありきなので、まったく雑味がないわけではないものの、これなら女性の方でも違和感なく楽しめそうな、マイルドに濃厚で洗練された面持ち。もちろん後述する調味たれ(辛みそ・黒香油)との親和性も計算されていますが、これ単体でも充分に通用する完成した味わいで、なるほど従来のスープよりも豚骨の重心が低くなったように感じます。
調味たれは “赤” と “黒” の2種類あり、そのうち「黒香油」は焦がしニンニク油(いわゆる黒マー油)で、オイル成分は動物油脂の豚脂(ラード)が主体。たとえばエキストラヴァージンオイルの風味などは目立っていないため、お店の「オリーブ香油」とは異なるベクトルにあるものの、焦がしニンニクのホロ苦い風味でスープの方向性がワイルドにシフト。さらに豚脂の厚みも加わるため、こってり感も自然に加速。
もう一方の「辛みそ」は、韓国のコチュジャンや中国の豆板醤を主体としているため、日本の味噌がベースの辛味噌とは違った魅力の持ち主。辛味の強さはピリ辛の枠を出ないので、よほど辛い食べ物が苦手でなければ構える必要はないのですが、これをスープに馴染ませると一変。異国情緒あふれる風味に、程よい唐辛子の辛味が重なって、いっきに多角的な表情が広がります。
調味たれの「黒香油」と「辛みそ」は存在感が強いので、まずはスープだけの状態を楽しんだあと、右半分と左半分に分けて入れるのがオススメ。その後も全体を大きく混ぜるのではなく、すこしずつ表面を移動させながら実食すると、味のニュアンスが楽しめます。辛味噌の存在感は前回より強くなっていましたが、あいかわらず2種類の調味たれを加えた後も土台の豚骨はブレなかったので、ビハインドを感じることはありませんでした。
具材
焼豚も最高峰の個体を使用
ネギとキクラゲは粉末スープと同梱されるようになりましたが、それぞれ質は変わっておらず、なんといっても特筆すべきは分厚い焼豚。文字通り側面を見ると焼き目が付けられているのが特徴で、その芳ばしいアクセントもさることながら、噛むとジューシーで食べ応え抜群。この焼豚は2、3種類のバージョンがあると記憶しているのですが、最近だと「豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」の焼豚よりも大きめで、同系統の中でも最上級。
もうちょっとキクラゲのサイズが大きいと嬉しいのですが、ときおり感じるコリコリとした歯触りがアクセントに嬉しく、青葱も主張し過ぎない小口切りなので、スープの邪魔をしない存在感が利点。もやし(実店舗の「赤丸新味」には入っているトッピング)は今回も使われていませんが、大きな焼豚を筆頭に、値段相応の価値はあると判断しました。
総評
まず従来品からの大きな変更点として、値段が税込278円から税込300円に値上げされているのですが、なんのなんの。従来品で気になっていたノンフライ麺の戻りムラは解消されており、おもえば粉っぽさもアップ。ほぼほぼ具材は変わっていませんが、スープについてはカロリーが大幅に増えていたように、以前よりも濃厚と豚骨感に磨きかかるなど、値上げ相応の‥‥いや、その差以上にブラッシュアップを感じる仕上がり。
カップラーメンにおける税込300円という価格帯は、ハイエンド商品の中でもトップクラスに位置するため、コスパ重視の安くて美味しい系ではないけれど、けっして割高な商品ではありません。ちょっと普段よりも高級なカップ麺が食べたい気分の日にオススメで、なおかつ “いつでもセブンイレブンで買える” さらなる進化を遂げた完成度の高い一杯です(author・taka :a)