どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年5月8日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 一平ちゃん夜店の焼そば 大盛 だくだくタルタルソース」の実食レビューです。
タルタリストに食べてほしい一平ちゃん!? 大量のタルタルソースで “チキン南蛮” の味わいを再現したカップ焼きそば爆誕!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
一平ちゃん夜店の焼そば だくだく!タルタルソース
一平ちゃん(いっぺいちゃん)とは、東京都渋谷区に本社を置く明星食品の主力ブランドで、1993年(平成5年)1月18日発売のカップラーメンが最初の商品。その約2年後、1995年(平成7年)2月20日に「一平ちゃん夜店の焼そば」が現れ、当時の即席カップめん市場においては珍しかった別添の「からしマヨネーズ」を先駆けて導入し、ソース焼きそば+からしマヨの金字塔を打ち立てました。
今回の新商品「明星 一平ちゃん夜店の焼そば 大盛 だくだくタルタルソース」は、文字通り大量のタルタルソースを特徴とする変わり種で、その量なんと25g!! ——と、グラム数をいわれてもピンとこないかもしれませんが、レギュラーサイズの「一平ちゃん夜店の焼そば」に別添されている特製マヨ(からしマヨネーズ)の標準量は約5gなので、その5倍といえば伝わりやすいでしょうか。
直近だと2023年1月16日に “フィッシュバーガー風” の「一平ちゃん夜店の焼そば タルタルソース味」をリリースしていましたが、パッケージの右下に “チキン南蛮味” とあるように、今度のテーマは宮崎県を発祥とする鶏料理のチキン南蛮。これまでに挑戦的なフレーバーを数多く展開してきた「一平ちゃん」なので、いまさら驚くような題材ではないんですけど、今回が初めての試みではありません。
現在を遡ること10年以上、2012年(平成24年)11月5日に劇場版『ONE PIECE FILM Z』の公開に先駆けて、連動コラボ商品「明星 一平ちゃん ワンピース バーベキューしょうゆヌードル」「明星 一平ちゃん ワンピース シーフードカレーうどん」「明星 一平ちゃん夜店の焼そば ワンピース タルタルの味」を発売していた明星食品。
「一平ちゃん夜店の焼そば」の商品名に入っている “タルタルの味” は、ワンピースの作中に登場する悪魔の実(「ゴムゴムの実」や「メラメラの実」など)の響きに合わせた表現で、当時のニュースリリースやパッケージに “チキン南蛮” の文字はなかったのですが、チキンの旨みをベースにしたソースに、タマネギやレモンなどを加えたタルタル風マヨを別添していました。
その約5年、2017年(平成29年)9月18日には「明星 一平ちゃん夜店の焼そば タルタル甘酢醤油味」を発売しており、こちらのニュースリリースやパッケージにも “チキン南蛮” の表示はなかったのですが、商談用の資料には “ハンバーガーの人気メニューやチキン南蛮に使用される濃厚なタルタルソースの味わいをイメージした” との記載があったので、それを意識していたことは間違いありません。
というわけで、一平ちゃんブランド史上初の “チキン南蛮味” ではないのですが、25gのタルタルソースは前例のない試み。ちなみにキユーピーが販売している小袋のタルタルソース(お弁当に別添されていたり、スーパーの惣菜コーナーに置いてあったりするアレ)の内容量は12gなので、それ2袋分の‥‥そう考えるとインパクトちょっと弱くなりますかねw
「チキン南蛮味」の下に小さく “※かやくにチキンは入っておりません。” との免責事項を追加しているように、具材としてのチキンは入っていないようですが、それだけに明星食品が思う「チキン南蛮味」の表現力が問われるため、仕上がりが楽しみです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「液体ソース」に「特製ソース」と「ふりかけ」の計3パックで、いざ手に取ってみた特製ソース(タルタルソース)のズッシリ感たるや。サイコーの語呂合わせで “31.5g” のガーリックマヨネーズを搭載していた「用心棒監修 超ガリマヨまぜそば」ほどではないけれど、それに近い重量に胸が躍るファーストインプレッション。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。タルタルソースの存在感を考慮しての変更か、いつもの「一平ちゃん夜店の焼そば」よりも太めに切り出されています。ちなみに具材やソースにステ振りした分、麺の量を減らしてコスト調整を‥‥みたいな商品も珍しくないのですが、調理前の麺重量は130g(汁なしカップ麺において基準となる量)ぴったり。やるじゃん、一平ちゃん。
——と、手放しに賞賛できない理由がメーカー希望小売価格の設定で、2023年5月現在の大盛り製品における希望小売価格は245円(税別)がディファクトスタンダードとなっているのに対し、今回は278円(税別)と事実上の標準よりも高めの値段。其れ相応の満足感が得られるのであれば問題ないけれど、評価の際は視野に入れなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 一平ちゃん夜店の焼そば 大盛 だくだくタルタルソース 製造者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:182g(めん130g) 商品コード:4902881456098(JAN) |
発売日:2023年05月08日(月) 実食日:2023年05月14日(日) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:278円(税別) 購入価格:257円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型ビッグ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:770ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(液体ソース・特製ソース・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、ソース)、ソース(タルタルソース、糖類、豚脂、しょうゆ、食塩、チキンエキス、醸造酢、香味油、たん白加水分解物、ビーフエキス、香辛料、魚介エキス)、かやく(玉ねぎ)、ふりかけ(香味調味料、香辛料、パセリ、デキストリン)/ 加工デンプン、カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、香料、炭酸カルシウム、酒精、かんすい、増粘剤(加工デンプン、キサンタンガム)、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、カロチノイド色素、乳化剤、微粒二酸化ケイ素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・りんご・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、えび・かにを含む製品を生産しています。 |
実食開始
かやくは最初から容器の中に入っている状態で、ご覧の通りタマネギのみなんですけど、タルタルソースには欠かせないアイテム。さらに「ふりかけ」も “タルタル風味” らしいので、さぞタルタルソース推しの商品なんだなと期待しながら熱湯を注ぎ、フタの上で「液体ソース」を温めながら待つこと3分。
時間になったら湯切りして「液体ソース」を絡め、小袋を開ける際は斜め切りを推奨している「特製ソース(タルタルソース)」をトッピングしたら、仕上げに「ふりかけ」を振り掛けて出来上がり‥‥なんですけど、私の技術が追い付いていないのか、ちょっとタルタルソースが頼りなく見える調理直後。
明星食品のニュースリリースには “甘酸っぱいソースをからめた麺に大量タルタルソースで、もはやチキン南蛮!? タルタリストに食べてほしい一平ちゃん!” との記載があるので、引き続きタルタルソースの存在感とチキン南蛮らしさにも注目しつつ「めん」「液体ソース・タルタルソース」「かやく・ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(182g)あたり |
カロリー:789kcal たん白質:14.6g 脂 質:37.4g 炭水化物:98.6g 食塩相当量:7.1g ビタミンB1:0.38mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:200mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつもの中細麺でよかったんじゃない?
通常の「一平ちゃん夜店の焼そば」に使われているのは、中細サイズのスナック的な油揚げ麺なのに対し、今回は中太サイズの縮れ麺ということで、ひとまわり太めに切り出されています。しかし、なんというか中途半端なんですよね、食感が。取り立てて頼りないわけではなく、かといってコシが強いわけでもない、それが絶妙な弾力かと聞かれたら、そうでもない。
いつもの「一平ちゃん夜店の焼そば」と同じスナック的な中細麺を合わせていた場合、十中八九の確率でタルタルソースの餌食になる、そのような構図は容易に想像できるのですが、今回の主役はタルタルソース。逆に太麺でも浮きそうなので、もはや麺などタルタルソースを運ぶ媒体に過ぎない、それくらいのパワーバランスでもよかったんじゃないですかね。
調理前の麺重量は130gなので、食べ応えについては申し分ないですし、騒ぎ立てるほど低品質なわけでもないんですけど、なんというか‥‥ふつうw っていうか、そもそも大盛りサイズの麺重量が問題で、レギュラーサイズじゃダメだったのかと。そう感じたのは、ソースの味付けとタルタルソースの量が原因です。
液体ソース・タルタルソース
ペヤングの「マヨネーズMAX」くらい突き抜けてほしかった
まずは「液体ソース」単体の味を確認してみたところ、明星食品のニュースリリースには “チキン南蛮の甘酢だれをイメージした” と書かれているのですが、ひとくち目の印象‥‥頼りなw というのはタルタルソースとの兼ね合いを考慮しての塩梅。真っ先に飛び込んでくるのは糖類の甘さで、タルタルソースなしだと甘ったるいレベル。
そのため甘酢だれの “甘” は申し分ないけれど、醸造酢による “酸” は大人しく、一般的に思い描かれるであろう甘酢だれのイメージと実際のテイストにギャップを感じることになるかもしれません。動物系はチキンエキスをベースに、ビーフエキスを重ねる手法は明星食品らしいポイントで、メーカーの個性は垣間見えるものの、結論としてはタルタルソースありきの味付けです。
片や「特製ソース」のインパクトは凄まじく、まさに “タルタルソース” そのもので、なるほど甘ったるいソースの配合にも納得できるくらいシンデレラフィット。たっぷり絡めて食べると口いっぱいにタルタルソースのコクが広がって、おもわず笑ってしまいました。しかし、その食べ方が失敗で、最初にインパクトを楽しんでしまった場合、後半の物足りなさといったら‥‥w
最初からバランスよく配分すれば、最後までタレとタルタルソースの共演が楽しめる反面、やりすぎ感は鳴りを潜めてしまう。とはいえ口いっぱいに広がるタルタルソースに全力を投じた場合、おおむね甘ったるいソースと戦う羽目になるので、大盛りの麺量を思うと25gでは少ないと感じました。それとチキンの旨みはタルタルに埋没していたので、チキン南蛮の “チキン” についてはイマイチです。
かやく・ふりかけ
どっちも効果的
玉ねぎは少量ですが、甘ったるいソースに対し、シャキシャキとした食感がオアシスで、タルタルソースの雰囲気を底上げしてくれるアイテムとしても効果的。ただ、麺の量が多いこと、さらにソースの甘ったるさも踏まえたら、この倍は欲しかったのも本音。
「ふりかけ」のアクセントは実に効果的で、パセリがタルタルソースの表情を鮮やかにしてくれたり、黒胡椒が甘いソースを引き締めてくれたり、相性については申し分ありませんでした。とはいえタルタルソースなき後を一任させられるだけの強さはなかったので、どのようにタルタルソースを使うのか、それが攻略の鍵になります。
総評
タルタルソースが集中している部分を頬張った瞬間、なるほど「だくだくタルタルソース」に相応しいインパクトを感じたのですが、それにクラクラできる回数は多めに見積もって2、3回程度。その後は甘ったるいタレと油揚げ麺を無心で腹に押し込む、それが嫌ならタルタルソースをケチってチマチマと食べるしかない、などと遣る瀬無い気持ちになりました。
たとえばタルタルソースを30g以上に増やし、メーカー希望小売価格は大盛りサイズと同等の245円(税別)に設定して、レギュラーサイズ(めん90g)のカップ焼きそばとして商品化する、くらい振り切ってもよかったんじゃないですかね。なまじタルタルソースを強く訴求していたこともあり、どうにも中途半端に思えてしまったので、今回は厳し目に評価しています【author・taka :a(大石敬之)】