どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2018年12月11日(火)新発売のカップ麺、「セブンプレミアム らぁ麺屋 飯田商店 醤油拉麺(しょうゆらーめん)」の実食レビューです。
神奈川県湯河原で行列の絶えない人気店「らぁ麺屋 飯田商店」の「醤油らぁ麺」をマルちゃんがカップラーメンにアレンジ!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
セブンプレミアム 飯田商店 醤油拉麺
今回のカップ麺は「セブンプレミアム」ということで、セブンイレブンなどのセブン&アイグループ限定発売品になるのですが、販売エリアは北海道・東北・関東・甲信越・静岡のみ取り扱いとなっています。私は兵庫県に住んでいるので、「オムニ7」(イトーヨーカドーのネット通販サイト)から取り寄せました。
配送料や支払手数料が別途必要になるのですが、交通費と移動時間の節約を思えば安い安い。
「らぁ麺屋 飯田商店」(らぁめんや いいだしょうてん)は、湯河原温泉で有名な神奈川県足柄下郡湯河原町に店を構え、TRY(Tokyo Ramen of the year)ラーメン大賞の2017-2018では4連覇の「とみ田」を抑えて1位に輝き、テレビ番組の「情熱大陸」でも取り上げられるなど、かなり知名度の高いラーメン屋さんなので、ご存知の方も多いでしょう。
店主・飯田翔太氏は、ラーメンの鬼と呼ばれた佐野実氏が営んでいた「支那そばや」の麺に衝撃を受け、それからというもの「支那そばや」に通い詰めて麺の構造や味を研究し、佐野実氏の弟子や「支那そばや」に影響を受けた店のラーメンを食べ歩く中、神奈川相模原の「69’N’ ROLL ONE(ロックンロールワン)」(現在は尼崎の「らぁめん矢 ロックンビリーS1」)が提供する「2号ラーメン」のスープに強い影響を受けたそうです。
お店のメニューの中でも特に人気の高い「醤油らぁ麺」は、「ロックンビリーS1」の店主・嶋崎順一氏から「2号ラーメン」のレシピを受け継いで作られたもので、「鶏と水だけ系」と呼ばれる鶏と水だけでとったスープが特徴とされています。これまでにもTRYラーメン大賞の企画品として、何度かカップラーメンが発売されていました。
製造は一貫して東洋水産(マルちゃん)が手掛けているのですが、今回の「セブンプレミアム 飯田商店 醤油拉麺」にもスマイルマークが描かれているように、セブン&アイグループと東洋水産の共同開発商品になります。たぶん、セブンプレミアムとして商品化されたのは今回が初めて。
「地域の銘店」と書かれていますが、明星食品の「地域の名店シリーズ」(現「銘店紀行」)とは関係ございません。それでは、開封して中身をチェックしてみましょう。
開封
まずは別添の「特製スープ」を取り外さなければいけないのですが、小袋にも書いてあるように後入れなので、食べる直前に投入してください。特にフタの上で「温めてください・温めないでください」などの指示はないのですが、フタの上に接着剤が残っていなければ軽く温めるとよいでしょう。
お、久しぶりのフリーズドライ(FD)チャーシューブロックですね。これまでの再現カップ麺(縦型ビッグ)は2014年と2017年に発売されているのですが、2014年ではフリーズドライブロックではない味付豚肉・鶏肉ダイス・メンマとなっていて、2017年は今回と同じくFDブロックでした。これまでもそうでしたけど、ネギが入っていないのは珍しいですね。
カップ麺の製造所は漬物や佃煮を製造・販売している「酒悦株式会社 房総工場」(千葉県長生群)となっているのですが、酒悦(しゅえつ)は東洋水産のグループ会社です。
製品情報・購入価格
製品名:らぁ麺屋 飯田商店 醤油拉麺 販売者:東洋水産 製造所:酒悦 房総工場 内容量:98g(めん70g) 発売日:2018年12月11日(火) 実食日:2018年12月13日(木) JANコード:4901990361941 本体価格:198円(税抜) 発売地域:北海道・東北・関東・甲信越・静岡 |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙+プラ 湯量目安:470ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】 油揚げめん〔小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白〕、添付調味料(しょうゆ、チキンエキス、香味油脂、植物油、砂糖、鶏脂、食塩、魚介エキス、発酵調味料)、かやく(焼豚、メンマ、デキストリン、ゼラチン)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE)、酒精、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【アレルギー表示】 卵・乳成分・小麦・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン |
実食開始
お湯はフリーズドライのチャーシューブロックめがけてダイレクトアタックをかまし、3分経ったら特製スープを投入するのですが、ほどけたチャーシューブロックに加えて麺の密度が高いので、なかなか熱湯が落ちません。というわけで可能な限り、ゆっくりと注ぐように心がけてください。
そして特製スープは醤油ダレがメインかと思いきや意外と油脂成分が多く、鶏脂が少し固まっていました。なので、特製スープの小袋はフタの上で温める、もしくは別途お湯をコップなどに入れ、事前に小袋を浸して軽く温めておくのが美味しく食べるコツになります。
さて、完成‥なんですけど、調理後の写真を見て「おや‥?」と感じた方、さすが鋭い。明らかに東洋水産の縦型ビッグらしからぬポイントがありますよね。
タテ型カップ麺で鶏と水だけ系を完璧に再現することは不可能かもしれませんが、以前に食べた再現商品の縦型ビッグでは★3と評価しているので、セブンプレミアムならではの特別感に期待しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の順に分けてカップ麺の特徴を詳しく解説し、総合力を判定します。
1食(98g)当たり
カロリー:419kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) エネルギー:419kcal(めん・かやく:292kcal)(スープ:127kcal) |
めん
スープと相性のよい、つるみのある細麺です。
(出典:セブン-イレブン「商品のご案内」)
これまで東洋水産の縦型ビッグ製品といえば、存在感の強い「本気盛(マジモリ)」シリーズの麺を使い回したような油揚げ麺ばかりだったのに、なんということでしょう‥食べ応えのある縮れた太麺でもなければスナック的な縮れた細麺でもなく、そもそも「ストレート麺」なんです。しかも、ノンフライ麺と見紛うくらい油揚げ麺特有のニオイも気になりません。
タテ型カップに使用されている油揚げストレート麺といえば日清食品の「日清 THE NOODLE」シリーズ(「AFURI」等)が真っ先に思い浮かんだりしたんですけど、はっきり言って超えたかもしれない。全粒粉は練り込まれていませんし、比較して加水率は高めになるのですが、しっとりとした口当たりに穏やかで女性的な物腰は繊細そのもの。
あ、サンヨー食品(サッポロ一番)の「和ラー」に使われている麺に近い、といえばクオリティの高さが伝わりやすいでしょうか。中細ストレートの平打ち麺ですが、しなやかでありながらコシが強く、歯切れの良さよりもグルテンの結束力を重視しているような、これまで食べてきた東洋水産の縦型ビッグ製品の中では間違いなくダントツのクオリティです。
スープ
凝縮された鶏の旨みと醤油のキレが合わさったオリジナルの醤油スープ。
(出典:セブン-イレブン「商品のご案内」)
軽く魚介の下支えがあったので、厳密には「鶏と水だけ系」ではないんですけど、ポークエキスや豚脂などの素材は使用せず、動物系は鶏の一本勝負。パッケージには “キレのある醤油スープ ” と書いてあったので、あまり醤油のキレたスープが得意じゃない私は食塩相当量の数値と睨めっこしながら実は軽くビビッていたんですけど、なんのなんの‥
たしかに醤油のキレはあります。たしかにキレはあるんですけど、「醤油のキレ」なんです。いや、ふざけているわけでもタイプミスでもなくてですね‥カップ麺のスープでキレを表現する際、どうしても食塩の含有量が高くなる傾向にあるのですが、今回のスープは食塩の刺してくるような直接的な塩分ではなく、醤油から醸される塩分のニュアンスなんです。そして、鶏も深い。
スープのアップ写真は攪拌後に撮影しているので、表面に浮かぶ油脂成分が散り散りになっているのですが、ほんの15秒ほど放置すると軽い油膜が張って湯気が立ちません。香味油脂や植物油も使用されているのですが、体感的には鶏油(ちーゆ)の芳ばしさが我先に先行し、それから鶏の丁寧な旨味が広がって、醤油が最後にキュッと後味を引き締める‥濃厚ではないんですけど、「芳醇」です。
かやく
ぶっちゃけって死語なのかな‥などと不安になったんですけど、通じますよ‥ね? と、それはさておき差し色のないオジサンカラーの具材になるのですが、彼らは野郎ではなくジェントルマン。まずフリーズドライブロックからリボーンしたチャーシューなんですけど、昔ながらのクラシックタイプを想像してください。
最近のオシャンティな(これも死語か‥?)レアチャーシューとは違う、行列のできない下町の中華そば屋で不均一に切り分けられた、作り置きの(冷たい)ノスタルジックなチャーシューの雰囲気。けっして高級感はないけれど、なんだかホッとするような、あれに匹敵するリアリティです。厚みはないですけどね。
たとえばこだわりのレトルト焼豚を使用しているカップ麺もありますけど、そうじて味や食感が缶詰チックじゃないですか。しかし、FDブロックなら厚みこそないものの、食感や風味がリアル。そして雑味も控えめなので、シンプルなスープを阻害しません。メンマも多めに入っていたし、実際の「醤油らぁ麺」も具材はチャーシュー、三つ葉、穂先メンマとネギは入らないので、とりあえずネギを入れなかったことは素直に好印象でした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5++)
(とても素晴らしいカップ麺です)
正直、ちょっと★6つけようか悩んでいます。全国展開していないのが残念でなりませんが、たぶん販売エリアを限定しているからこそ打ち出せたクオリティなんでしょうね。東洋水産の縦型ビッグ製品とは思えない繊細なストレート麺に洗練された芳醇かつ芳ばしい鶏清湯スープ‥
さらにリアルなチャーシューブロックに多めのメンマが嬉しい具材の構成から、文句の付け所が見当たりませんでした。そういえば東洋水産って鶏油を効かせた鶏醤油清湯に強いメーカーなんですけど、いつも豪快な麺が邪魔をしていたんです。しかし、今回の麺は圧倒的に印象が異なりました。
▼湯戻し直後の段階から縮れはなかった
まるで「マルちゃん正麺 カップ」の製麺技術を油揚げ麺に応用したかのような、とにかく東洋水産が手掛ける縦型ビッグの歴史を覆した麺には驚きが隠せなかったです。いっさい奇抜な要素はありませんが、飯田商店が監修してきたカップ麺の中でもノンフライ麺どんぶり型の上を行く、最も質の高い仕上がりだと感じました。兵庫県では売ってないので、ちょいとセブンイレブンに行けば買える方々が羨ましいです(※2019年02月19日より全国のセブンイレブン等で販売開始となったようで、京都府北部のセブンイレブン店頭にて取り扱いを確認しました)。