どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年9月2日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「東京 一輪 チーズ味旨辛麺」の実食レビューです。
辛麺(からめん)発祥の地・宮崎に本店を構える「輪」の新ブランド「一輪」のカップラーメン第2弾!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
辛麺屋 一輪 チーズ旨辛麺
「辛麺屋 一輪 ICHIRIN(からめんや いちりん)」とは、宮崎県宮崎市中央通に本店を構える「辛麺屋 輪(りん)」から派生したブランドで、2017年3月25日に東京進出1号店「辛麺屋一輪 目黒店」をオープン。お店は内外装ともに白で統一、差し色に唐辛子の赤を添えたカフェのようにオシャレなデザインで、入り口の壁には唐辛子を入れた瓶をディスプレイ。
「ICHIRIN」は、「辛麺屋 輪」を運営している「株式会社Long Valley Corporation(ロングバリーコーポレーション)」の運営統括責任者・長谷匡浩さんと宮崎市内で飲食店4店舗等を経営している取締役・大牟田真之介さんの両名が立ち上げたブランドで、清潔感のある店舗の洗練された雰囲気が物語っているように、紙エプロンやヘアゴム、ブレスケアなども完備、女性客の獲得を強く意識しています。
メディアへの露出度も高く、2019年9月3日現在、NHK『おはよう日本(激辛グルメ祭り)』(5月11日放送)、日テレ『有吉ゼミ』(7月22日放送)、『しゃべくり7(テミンのために辛麺屋一輪のマグマが登場)』(4月22日放送)、『メレンゲの気持ち(早見あかり様おすすめ激辛ラーメン)』(3月23日放送)、フジテレビ『アオハルTV激辛王認定』(7月14日放送)と今年だけでも5本の番組に出演。
お店で提供されている「辛麺」の辛さレベルは、0~5倍(+0円)、6~10倍(+50円)、11~15倍(+100円)、16~20倍(+150円)、21~25倍(+200円)と細かく設定できるのですが、上記の番組サブタイトルに「激辛」の文字が目立っているように、辛さ50倍の激辛「マグマ」(+250円)、さらに「蒙古タンメン中本」の「北極5倍」より辛いと話題の辛さ100倍「とんでもねぇ〜」(+500円)という “裏メニュー” も‥‥
お店の「一輪」という名前の由来は、宮崎の “輪を世界一(いち)のラーメンにする” といった理念に因んだもの。基本メニューは「辛麺」ですが、女性に人気の「トマト辛麺」や「パクチー辛麺」など、源流「凜 」の伝統を守りながら創作メニューにも意欲的で、2019年9月現在、東京都内に4店舗(目黒店・渋谷店・池袋店・水道橋店)、今年8月1日には大阪・天満橋に「辛麺屋一輪 大阪店」をオープンし、初の関西出店も果たしました。
もちろん辛さレベル「0〜5」があるように、「一輪」のコンセプトは “すこしでも多くの方に「宮崎辛麺」の魅力を伝える” こと。それを使命に東京進出を決意しているため、かなりメニューの自由度は高く、「にんにく増」や「ニラ増」「玉子増」「ひき肉増」などの増量から、自慢の「ナンコツ」に「チーズ」「わかめ」「韓国のり」「刻みニンニク」「きくらげ」と豊富なトッピングも魅力。
2018年9月3日、今回と同じくサンヨー食品とタイアップした「サッポロ一番 東京 一輪 旨辛麺」という同店監修の再現カップラーメンを発売しているため、今回のコラボで2度目の商品化。前回のコラボ第1弾では、お店のベーシックな看板メニュー「辛麺」を再現したもので、思いのほか硬派に辛かったのは好印象だった反面、辛麺に必須のニラが入っていない——という大きな欠落もありました。
宮崎ご当地グルメ「辛麺」の特徴を大掴みに解説すると、大量の大粒ニンニクとニラによるスタミナ感、そして唐辛子の辛さが特徴的なパンチのある辛いラーメンで、もともとは宮崎県延岡市発祥とされる居酒屋の〆(しめ)として提供されていたもの。仕上げに溶き卵を加えることで、辛さの中にある旨味の渾然一体が魅力的な、中毒性の高いご当地ラーメンです。
開封
別添の小袋は「仕上げの小袋」が1袋、前回この中に多めの一味唐辛子が入っていたのですが、今回のパッケージに掲載されているイメージ写真は粉チーズなのと、袋を持った感じ明らかに中身は粉末なので、唐辛子が粉チーズに置換されたような印象です。容器自体のパッケージデザインは大幅に変わっていませんが、前回は赤い本体に黒いフタだったので、ちょうど色は反転。
そして具材のラインナップは、味付卵、鶏・豚味付肉そぼろ、唐辛子、ねぎなので、まったく前回から変わっておらず、やはり今回も具材にニラは入っていませんでした。宮崎の辛麺にとってニラはアイデンティティの一つ、もちろん「一輪」の実店舗で提供されている辛麺にも入っているのですが、どうもサンヨー食品はニラを抜いてくる傾向があります。
というのも2017年9月19日に発売された期間限定商品「サッポロ一番 ご当地マシマシ 辛すぎて旨い 宮崎 旨辛麺」という辛麺の再現カップ麺があって、その商品にニラは入っておらず、そもそも2018年に発売された「一輪」のカップ麺も「ご当地マシマシ」の焼き直し的な仕上がり。
最近だと2019年7月15日、セブン&アイのスーパー限定で発売されたサンヨー食品との共同開発商品「一度は食べたいご当地ラーメン 宮崎旨辛麺」にもニラは入っていませんでした。なにかニラに恨みでもあるのかサッポロ一番‥w
製品詳細情報・購入価格等
製品名:東京 一輪 チーズ味旨辛麺 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 関西工場(W) 内容量:94g(めん70g) 商品コード:4901734038122(JANコード) 商品サイズ:φ112×118(mm) 発売日:2019年09月02日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩)、スープ(糖類、食塩、香辛料、しょうゆ、チーズパウダー、ポークエキス、チーズ加工品、デキストリン、粉末ごま油、植物油脂、酵母エキス、発酵調味料)、かやく(味付卵、鶏・豚味付肉そぼろ、唐辛子、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、カラメル色素、乳化剤、かんすい、香料、クチナシ色素、微粒二酸化ケイ素、パプリカ色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチン色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は見た感じ昨年と同じような雰囲気の油揚げ麺で、特別感はありません。「一輪」の実店舗でも提供されている、蕎麦粉を練り込んだ “こんにゃく麺”(韓国冷麺)も辛麺の特徴的なポイントですが、現段階なんの変哲もありません。ただ、この段階から粉末ごま油の香りが強く、かなり食欲をそそられました。
発売地域は全国の全チャネル販売で、コンビニでの実売価格は税込232円、コンビニでの取り扱いはローソンで見かける頻度が高く、ミニストップでも販売されているのを確認。調理後は前回の赤唐辛子をチーズパウダーに置き換えたような見た目で、カップ麺ならではのジャンクで中毒性の高い香りが漂ってくるのですが、やっぱりニラがない辛麺は寂しいですね。
それでは、前回との違いや辛さレベルにも注目しつつ、「めん」「スープ・特製ふりかけ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。2018年9月3日に発売された第1弾の詳細につきましては、「サッポロ一番 東京 一輪 旨辛麺」の記事をご参考ください。
栄養成分表示:1食(94g)当たり
カロリー:430kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:430kcal(めん・かやく:338kcal)(スープ:92kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
丸刃でカットされた縮れのある平打ち麺で、食べ始めは適度に弾力があり、サンヨー食品の公式ウェブサイトでは “なめらかさとつるみが特徴の中太めん” と紹介されています。たしかに同社の「カップスター」より太めのサイズではあるものの、カップラーメン全体で見ると中くらいで、油揚げ麺特有の風味が強く、かなりタイプはスナック的。
まず単純に美味しいか不味いかについて、忖度なしの感想を述べるとカップ麺らしくて好きです。これは実際の店舗では味わえない魅力的なポイントの一つですし、後述するスープの味と油揚げ麺特有のスナック感は相性が良く、単純に “カップラーメンとしての印象は” 悪くありません。ただし、有名店が監修した再現カップ麺としてはナンセンス。
最近はオープン価格の安売り用カップ麺(廉価版)もレベルが高くなってましたが、まだそれほどチープな食感ではあないものの、特別感はありません。こんにゃく麺(蕎麦粉入り麺)を再現しているわけでもなく、サンヨー食品のカップ麺で比較的よく当たるタイプの汎用麺なので、もうちょっとこだわってほしかったです。ちなみに原材料は昨年と一致、体感的な差もありませんでした。
スープ
仕上げの小袋を入れる前のスープは胡麻油の香りが強く、着地点はスナック的なので、麺と同じように本格感はありません。しかし、なまじスープが本格的だと確実に油揚げ麺とメリットを相殺し合う仲になってしまうため、ある意味ここまでスナック的な味わいに振っているのは清々しいとさえ思えます。
タレは醤油で一定のキレがあり、調味油や液体スープは付属していないため、動物系の旨味(ポークエキス)もニンニクも粉末的。旨味成分も人工的でジャンクな味付けではあるものの、「辛さレベル」は “中辛以上~辛口ちょい下” と地味に辛く、辛い食べ物が苦手だと苦戦するかも——くらいの辛さ。本格的ではないけれど、チーズパウダーを入れる前から中毒性の高さは侮れません。
チーズパウダーは文字通りパウダー状に細かく粉砕されている粉末で、こちらも潔くスナック的な味わい。乳等を主要原料とする食品や脱脂粉乳で誤魔化したイミテーションではなく、きちんとチーズパウダーやチーズ加工品が使用されているのには好感が抱けるのですが、同時に人工的な甘さも強めに効かせてあるため、某うまい棒のシーズニングよろしくスナック菓子の味付けにありそうなタイプ。
正直ぜんぜん本格的ではないけれど、そのジャンクなチーズパウダーが今回のスープとベストマッチで、油揚げ麺のスナック感をプラスに伝えてくれる仲介役としても効果的。みるみるうちに溶けてスープとの一体感が高く、やや辛さレベルは落ちますが、それでもピリ辛以上に辛いですし、いい意味で再現度云々とかが気にならなくなるスープでした。
具材
「麺屋はなび 台湾まぜそば」や「ビンギリ 花椒激辛タンタン麺」「蟻月 博多もつ鍋風ラーメン」など、サンヨー食品の工場(太平食品工業)にニラがないわけではないのですが、どうもテーマが「辛麺」の時にはニラを省いてきます。ニラは辛麺のアイデンティティを形成する上で大切な要素なので、この欠陥は見過ごせません。
しかし、ひき肉はサイズが大きめで、スパイシーな味付けから存在感大。卵も念入りに混ぜた後、再び箸で摘み上げることのできる強度の持ち主で、しかしながら掻き玉らしく口当たりは滑らか。そこまで大量の具材ではありませんが、どちらもジャンクなスープと相性がよかったです。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
単純にカップラーメンとしては魅力的な味で、チープな油揚げ麺さえ許容できれば悪い商品ではありません。むしろ特有のスナック的な旨味にチーズのコクと唐辛子の辛さでジャンク度は高く、ちょっと逆らえない部分もありました(※主観的な満足度は★5)。しかし、辛麺なのにニラが入っていないのは致命的なので、麺の改良とニラの導入が今後の課題。
サンヨー食品は「和ラー」を筆頭にレベルの高い油揚げ麺を持っていますし、ノンフライタイプの製麺技術は高いので、次は本格的なノンフライ麺で本気を出してほしいですね。とはいえ繰り返しますが、これはこれと割り切れば悪い製品ではありません。なかなか中毒性も高かったので、辛くてジャンクなカップ麺が好きな方には素直にオススメしたいです。