どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月14日(月)新発売のカップ麺、エースコック「一度は食べたい名店の味 麺処 花田 濃厚辛味噌ラーメン」の実食レビューです。
東京・池袋の名店「麺処 花田」の人気メニューをコンビニ向けのカップラーメンで再現!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺処花田 濃厚辛味噌ラーメン
「一度は食べたい名店の味」とは、2016年8月22日発売「ぜんや 行列必至の塩ラーメン」から始まったシリーズで、早くも発足から3年以上のロングラン。当時、エースコックは新しいシリーズをガンガンつくって第2弾の新作は1年後——みたいなパターンも珍しくありませんでしたが、「一度は食べたい名店の味」はコンスタントに新商品をリリースしています。
今回の新商品を監修しているのは、東京・池袋に本店を構える味噌ラーメン専門店「麺処 花田」。2017年2月6日、一度は食べたい名店の味シリーズ第4弾「麺処 花田 行列必至の味噌ラーメン」という同店監修のカップラーメンを発売しているため、エースコックとのタイアップは今回で2度目になるのですが、前回とは違う「辛味噌」を再現。
「麺処 花田(めんどころ はなだ)」とは、2010年4月28日に創業した味噌ラーメン専門店で、基本メニューは「味噌(らぁめん、つけめん)」と「辛味噌(らぁめん、つけめん)」の二枚看板。野菜大盛り無料・にんにく増し無料・平日ランチご飯無料&平日限定15~18時は麺大盛りサービス! というのも人気の秘訣で、2011年9月10日に2号店「上野店」をオープンしています。
その後、2012年4月30日に「神田店」、2014年1月23日に「渋谷店」、2014年6月8日に油そば専門の姉妹店「花田となり」を本店の真横に開業しているのですが、2015年6月22日「花田となり」は「野菜ラーメンひまわり」に改称、2016年6月25日からタンメン専門店「麺屋まるはな」にリニューアル。現在営業中の店舗は、「池袋本店」「上野店」「麺屋まるはな」の3店舗。
「麺処花田」の店主・花田秀治さんは、青森県鯵ヶ沢の出身で、都内きっての人気店「蒙古タンメン中本」や東京・野方の名店「味噌麺処 花道(みそめんどころ はなみち)」で修行した経歴の持ち主。けれども麺処花田の「辛味噌」は、「中本」の “北極ラーメン” や「花道」の “辛味噌ラーメン番長” といった出身店で人気を博している激辛ラーメンではありません。
お店の「味噌」は、濃厚なベジポタ系の味噌ラーメンで、豚のゲンコツ(大腿骨)や鶏ガラ・モミジ(鶏の足先)を炊いた後、さらに豚足や背脂、昆布、香味野菜などを加えて “野菜を潰しながら” 6時間以上じっくり煮込み、一晩寝かせて熟成させます。そのスープをベースに辛味を追加したのが「辛味噌」で、辛さレベルはジワジワくるけど辛すぎない程度。
ラーメンの作り方は、けっこう札幌の濃厚な味噌ラーメンの調理方法と似たもの。まず熱した中華鍋にラードを入れてからニンニクを炒めた後、もやし・にんじん・キャベツ・ニラなどの野菜を加え、最後に味噌ダレをスープで溶き、器に移した後は野菜の上から白髪葱をトッピング。味噌ダレは白味噌がベースなので、甘みを帯びているのも特徴です。
今回のカップラーメンでは、その野菜を炒める工程も再現しているらしく、容器の側面には “独自に配合した濃厚な味噌に、豚骨と鶏がらを炊き出した旨みのあるスープと香ばしい炒め野菜の風味がクセになる味わい” とのこと。2017年2月に発売された同店監修商品「行列必至の味噌ラーメン」も炒め野菜の風味が意識されていて、味噌ダレも白みそ系の濃厚な味噌ラーメンでした。
開封
前回の「味噌」と同じく別添の小袋は液体スープが1袋、毎度お馴染み容器の中で粉末スープまみれになっているので、まずはコイツを取り出してください。前回この液体スープの小袋にモヤシを炒めたような風味が閉じ込められていて、開封した瞬間から炒め野菜の香りが漂い、とても効果的だったのを覚えています。
その炒め野菜のような香りが実に効果的だった反面、当時のニュースリリースに記載されていた “ガーリックを強く利かせ——” という商品特徴の解説とは裏腹にガーリック感は弱く、そこに物足りなさを感じたりもしたのですが、今回の「辛味噌」が掲載されているニュースリリースにガーリック・にんにく等の文字はありません。
また、前回の具材には例の “程良く味付けした肉そぼろ”(スポンジ食感のハズレ系)が入っていたので、今回の肉具材は改良されたかな、それとも‥‥などと思いながら液体スープの小袋を取り出したところ、キャベツ、玉ねぎ、メンマ、ねぎ、唐辛子——肉が入ってねぇw というわけで肉具材はカット。キャベツ・ねぎ・メンマは前回と共通で、新たに玉ねぎと唐辛子が追加されています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:一度は食べたい名店の味 麺処 花田 濃厚辛味噌ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(W)兵庫県加東市河高1816-175 内容量:95g(めん70g) 商品コード:4901071246594(JANコード) 個装サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm 発売日:2019年10月14日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、砂糖)、スープ(みそ、粉末みそ、ポークエキス、動物油脂、食塩、香辛料、おからパウダー、ポーク調味料、植物油脂、チキン調味料、砂糖、香味調味料、酵母エキス)、かやく(キャベツ、玉ねぎ、メンマ、ねぎ、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、増粘多糖類、酒精、香料、重曹、カラメル色素、かんすい、カロチノイド色素、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、甘味料(カンゾウ、スクラロース、アセスルファムK)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
実食開始
実店舗の「辛味噌」にはチャーシューがトッピングされていますし、肉具材の有無については賛否両論あるかもしれませんが、これまでの経験上あのスポンジそぼろよりも玉ねぎのほうが “ぜったいに効果的” なので、今のところ好印象な実食前の現在。麺は熱湯5分の太い油揚げ麺で、前回からワンサイズダウンしているように見えます。
メーカー希望小売価格は税別220円と現在の標準で、コンビニで持ち帰り購入した場合の値段は税込232円(税率8%)が相場。実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では、「ローソン」「ファミリーマート」「ミニストップ」の店内で比較的よく見かけました。
後入れ液体スープは熱湯を注いでからフタの上で温めるのと、粉末スープにトロミ成分が含まれていたので、まず液体スープを入れる前に混ぜて粉末スープを溶かし、それから液体スープを入れて、再び混ぜ合わせてください。それでは、お店の個性や白味噌の効かせ方に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(95g)当たり
カロリー:380kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:380kcal(めん・かやく:291kcal)(スープ:89kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
実店舗の麺は、安心と信頼の実績を誇る「三河屋製麺(みかわやせいめん)」特注の中太麺で、やや緩めにウェーブがかっており、硬めに茹で上げられるのも特徴。前回の同店監修カップラーメン(味噌)は、熱湯7分くらい待たないと麺のポテンシャルが完全に発揮できないような太麺だったのに対し、今回の「辛味噌」では断面の四角い中太麺に変わっています。
とはいえ口当たりは滑らかで、形状は扁平でも厚みがあり、食べ始めは麺の中心部までギュッと小麦を押し固めているような歯応えの強さ。それでいてゴワゴワ・わしわし系の無骨な加水率の低い低加水麺とは違う、かなり麺の密度は高いけど、食感は同時に粘り気のある加水率の高い多加水麺で、むっちりとした弾力が魅力。
かなり滑らかな表面で喉越しがよく、しかしながらベジポタ系の高粘度スープと適度な縮れが相俟って、スープとの一体感は悪くありません。麺の量は70gと平均的な量ですが、いくら噛んでも抵抗してくる反発性は食べ終わる頃まで続くため、実際の量以上に食べ応えがあります。存在感は強いのに油揚げ麺特有のネガティブな要素は控えめで、濃厚な味噌スープにピッタリでした。
スープ
実店舗のスープは “野菜を潰しながら6時間以上じっくり煮込む” と書いたように、それはカップラーメンのスープにも反映されていて、まさにベジポタ系(ベジタブル・ポタージュ系:数種類の野菜をポタージュ状にしたスープと動物系の白湯スープをブレンドしたもの)を彷彿とさせる、ぽってりとした口当たり。
粘性のベクトルは野菜のドロドロではなく、どちらかというと事前の粉末スープに仕込んである “おからパウダーと増粘多糖類” による演出が強いため、純ペジポタ系ではないのですが、とりあえず土台の粉末味噌は白味噌。そして別添の液体スープを開封すると、広がるのは炒め野菜の香りだけではありません。
液体スープの味噌も圧倒的に白味噌の使用量が多く、野菜を炒めたような香りに加え、熱した中華鍋にラードを放り込んだような動物系の芳ばしい香りが並行。赤いオイルに植物油脂も含まれていますが、基本的には動物油脂で厚みがあり、土台の豚骨白湯と鶏白湯も癖を抑えながら丁寧なので、ぽってりした口当たりにも説得力が出てきます。
前回よりも赤味噌の使用量を控えたのか、ほぼほぼ土台は白味噌が8割を握っているような状態。どちらかというと塩気よりも甘さが目立ち、けっこう後味にも甘い余韻を長めに残すのですが、唐辛子のアクセントで怠惰になることはありません。辛味は豆板醤系ではなくラー油系の辛味噌で、辛さレベルは「ピリ辛」のラインですが、けっこう硬派にピリッ。
甘みは砂糖と甘草(カンゾウ)、さらにスクラーロースやアセスルファムKといった甘味度の高い人工甘味料を重ねているため、なかなかジャンクな甘さではあるものの、どっしりとした濃厚とんこつ白みそスープに映える唐辛子の辛さ、旨みを引き立てるガーリックのアクセント、そして甘さがクセになる——ちゃんとお店の個性が伝わってくる味に仕上がっていました。
具材
スープには炒め野菜の風味が添加されていますが、具材のキャベツは完全なる茹でキャベツで、ネギも実店舗の個性となっている白髪葱ではなく汎用の青葱。けれどもキャベツの量が多くて食べ応えに寄与してくれていたこと、加えてエースコックのタテ型カップ麺としては大きめのメンマで、特有の風味も歯応えが箸休めに効果的。
そして、中でも玉ねぎが今回のハイライト。エースコックの玉ねぎ具材は基本的に2種類あり、一つつは四角くて甘みを重視した柔らかいタイプ、もう一つはシャキッとした細切りタイプで、今回は後者。生の玉ねぎよりもシャッキシャキで辛味はなく、けれどもシャープな香味が甘い白味噌スープに映えていて、今回もっとも存在感のある具材でした。エースコック、英断。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
赤みそ系の辛味噌ラーメンは数あれど、白みそベジポタ系の辛味噌ラーメンを再現しているカップ麺は珍しく、炒め野菜の風味やラードの芳ばしい香りによる調理感、そして濃厚白湯スープに白味噌の甘さと唐辛子の辛さがクセになる、なんとも後引く味わい。けっこうインスタント感も強めですが、そこも上手く活用されていました。
こってり高粘度系の白みそラーメンや甘い味噌ラーメンが苦手な方にはオススメできませんが、それも本店の特徴とされるポイントですし、今回のカップ麺がダメだったら実店舗のラーメンもダメかも、逆にカップ麺の味が好きだったら本店の味も好みにハマるはず——と、そう思えたことに再現度の高さを感じました。これから寒くなってくる季節ですし、個性的な辛味噌ラーメンなので、オススメです。
毎日楽しく拝見させて頂いております。調理前・調理後共に綺麗な写真でですし、繊細なコメントでとても参考になります。評価が高いのは当然ですがb、評価が低いのは逆に食べたくなります。これからも宜しくお願い致します。
Re:DELPIERO様
お久しぶりです! 今回の調理後写真ちょっと整えすぎてイマイチだったかも——と思っていたので、いただいたコメントを拝見して安堵しました(笑)。
> 評価が低いのは逆に食べたくなります。
そうそう、よく同じことをツイッターでも言われるんですよ。これはさすがに‥‥と思った商品なのに「評価が “低かったから” 買ってきました!」みたいなw でも、そんなふうに読んでいただけるのは、ほんとうに嬉しいことですし、心が軽くなります。こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。