どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年6月10日(月)新発売のカップ麺、エースコック「一度は食べたい名店の味 伊吹監修の一杯 煮干しまぜソバ」の実食レビューです。
東京・板橋の名店「中華ソバ 伊吹」による “カップ麺でしか食べられない” 限定メニュー「煮干しまぜソバ」登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
伊吹監修の一杯 煮干しまぜソバ
「中華ソバ 伊吹(ちゅうかそば いぶき)」とは、東京・志村坂上駅付近にある煮干が強烈なことで有名な行列必至のラーメン店で、エースコックの「一度は食べたい名店の味」シリーズとは今回で3度目のコラボ。エースコックと伊吹のタイアップ商品は過去2回とも看板メニュー「中華ソバ」を再現した縦型のカップラーメンでしたが、今回はシリーズ初となる汁なしカップ麺の新商品です。
「煮干しまぜソバ」とは、「中華ソバ 伊吹」と「一度は食べたい名店の味」のブランドコラボメニューで、お店の “再現カップ麺ではありません” 。煮干しラーメンの名店が送るカップ麺だけの限定メニューとして開発、伊吹の定番メニューにはないシリーズ初の汁なしタイプとしてリリースされました。
「中華ソバ 伊吹」の創業は2011年8月8日、オープン当初は東京・練馬区の大泉学園に店舗を構え、その頃から話題になっていたようですが、2013年3月28日に現在の志村坂上にてリニューアルオープン。関東屈指の煮干強烈店といわれている「イチカワ」「晴」「おおぜき」らとともに、「煮干狂會(にぼしきょうかい)」という団体にも所属しています。
ネットの評判では大絶賛の声も多く、匿名をいいことに言いたい放題のアンチまで賛否両論ありますが、看板メニューの「中華ソバ」1杯あたりに使用する煮干の量は100〜150g、麺は安心と信頼の三河屋製麺で、しっかりとコアなニボラーファンを多数獲得。名前は掲載されていませんが、カップ麺のパッケージに写っている人物が店主の三村悠介さん。
彼自身、かなりの煮干マニアらしく、全国各地から選りすぐりの煮干を取り寄せてブレンドしていることから “板橋の煮干マイスター” との異名も持っているのですが、腰に爆弾を抱えているため臨時休業が多いこと、また注文から提供までの時間が長く、タイムスケジュール的なハードルの高さが指摘されることも珍しくありません。しかし、それでも並んでまで食べたいというお客さんが列を作っているのも事実。
そんなニボラー歓喜の名店が監修した定番メニューにない汁なしアレンジ版ということで、けっこう期待値高めの現在なんですけど、「伊吹」のメニューには「和え玉」というメニューがあるらしく、それは茹で上げた低加水麺にタレや煮干し粉、油、ほぐしチャーシュー、刻み玉ねぎなどがトッピングされ、そのまま「和えそば」としても食べられるのだとか——
ちなみに看板メニューの「中華ソバ」を再現したコラボ第1弾「一度は食べたい名店の味 伊吹監修の一杯 行列必至の中華ソバ」(2017年4月17日発売)は、お店が “煮干しラーメンの新たな金字塔” といわれるだけのことはあり、とにもかくにも煮干の純度が高く、思わず唸ってしまった一杯。
けれども第2弾「一度は食べたい名店の味 伊吹監修の一杯 ニボニボ中華ソバ」(2018年5月7日発売)は、タイトルの「ニボニボ」から受けるイメージほどゴリゴリに強烈なインパクトは感じられず、むしろニボ感は丁寧でクセも控えめ——今回の「煮干しまぜソバ」は “麺に絡むガツンとした煮干しの旨みがクセになる” そうなので、煮干レベルに注目しましょう。
開封
別添の小袋は先入れの「かやく」と後入れの「調味たれ」で合計2袋、あとがけの魚粉(ふりかけ)や粉末スープなどは別添されていません。特に販路は限定されていませんが、メーカー希望小売価格は税別240円で期間限定のカップ麺です。今回はコンビニのローソンで購入したところ、税込価格は257円とけっして安くはない価格でした。
けれども麺は130gの大盛で、容器は「スーパーカップ」シリーズのカップ焼そばタイプに使われている汎用カップ。麺の太さはカップラーメンだと中太麺くらいのサイズですが、まぜぞば系の汁なしカップ麺としては細めなので、お店のパツンッとした歯切れのいい低加水麺をイメージしているのかもしれません。
ちなみに「伊吹」の公式ツイッターアカウントの発信を軽く遡ってみたところ、カップ麺が発売される前(2019年6月8日)に「限定まさ汁まぜソバ」という「まぜソバ」タイプの商品を数量限定で提供していたことを示すツイートが残っていました。「煮干しまぜソバ」という定番メニューはないものの、数量・期間限定の汁なしタイプは何度か実店舗でも出しているのかもしれませんね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:一度は食べたい名店の味 伊吹監修の一杯 煮干しまぜソバ 製造者:エースコック株式会社 製造所:兵庫工場(兵庫県たつの市神岡町東觜崎308) 内容量:160g(めん130g) 商品コード:4901071207670(JANコード) 商品サイズ:縦175mm×横175mm×高さ63.5mm 発売日:2019年06月10日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:角型ビッグ・大盛カップ焼そばタイプ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:600ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(調味たれ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、砂糖)、たれ(ニボシエキス、動物油脂、植物油脂、ポークエキス、しょうゆ、砂糖、ガーリックペースト、たん白加水分解物、食塩、香味油、醸造酢、酵母エキス)、かやく(玉ねぎ、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ)/ 加工でん粉、炭酸カルシウム、調味料(アミノ酸等)、酒精、香料、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物、ビタミンC)、カラメル色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・大豆・鶏肉・豚肉(表示が義務付け及び推奨されているもの) |
実食開始
作り方はカップ焼そばタイプと同じように、先入れの「かやく」を開封したら内側の線まで熱湯を注ぐわけなんですけれども、大盛タイプのカップ麺にしては具材の量が寂しく、この歪な形の肉そぼろは見た感じ “ハズレ系” の確率大——とりあえず麺は極太麺とかではないため、湯戻し時間も熱湯3分と標準的なタイム。そして調理前の麺は丸刃に見えますが——
3分後に湯切りすると見るからに角刃‥不思議。で、とりあえず具材を集めてはみたものの、なんだか色合いが地味ですし、この後しっかり混ぜたら寂しいのなんのって‥w ただ、調味たれ投入直後からニボい香りが強く、それも軽く特有のエグ味を匂わせるタイプだったので煮干感には期待できそうですし、カルシウムの値が “560mg” とカップ麺にしては異例の数値でした。
それほどまでに煮干の濃度が高いということなのでしょうか(そしてプリン体も高いのだろうか‥‥)。あと調味たれの小袋は待っている間に温めてくださいとのことだったので、フタの上で温めておきましょう。それでは、煮干感の強さや具材が少なくても美味しく完食できるかどうかに注目しつつ、「めん」「たれ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(160g)当たり
熱 量:697kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
白っぽい見た目で加水率は低く、けれどもスパッと切れるような低加水麺ではありません。角刃でカットされた断面の四角い油揚げ麺で、最初は軽く歯を包み込むクッション性を持っているのですが、すぐさま麺の中心部が反抗してきます。その後、何度か一定の圧力を加えると切れますが、けっこう何回も噛める麺。
原材料は小麦粉、植物油脂、食塩、砂糖とシンプルで、形状は縮れのある平打ち。おそらく「夏の辛口 スーパーカップ 汁なし担担麺」に採用されていた油揚げ麺と同じではないかと思うのですが、独特の反発性を持った噛み応えのある弾力が面白く、存在感のわりに油揚げ麺臭も控えめで基礎クオリティの高い麺ですね。
後述するタレは塩気に輪郭があったので、もうワンサイズ太くても‥‥という思いがあった反面、煮干の旨味をダイレクトに運んでくれる程よい太さ。カップまぜそば系にしては細めでも煮干サイドから見ると適切で、がっつり食べ応えもあります。けっこう汎用性も高そうですし、今後はエースコックの大盛り汁なしタイプのカップ麺で頻繁に登場するかもしれません。
たれ
なかなかニボい色した調味タレで、魚粉添加型のスタイルではなく、抽出系のニボシエキスを主体とした内側から攻めてくる煮干し感。煮干の強さは生粋のニボジャンキーにとっては物足りず、けれども煮干系のラーメン・まぜそば類が苦手なら避けたほうが安全な煮干レベルだったので、どうせなら振り切ってほしかったところではあるものの、奥から上がってくる “えぐみ” がいいですね。
調味タレの中には煮干がキラキラと輝いていたので、まったく魚粉を使用していないわけではないのですが、カツオやサバなどの節系はブレンドしていません。煮干の持つ縦の旨味を真っ直ぐに立てた、骨のある煮干の強さと後味のキリッとした塩気に中毒性を覚える方は多いでしょう。
味付けは濃口醤油・砂糖・食塩とシンプルなタレに生おろしニンニク系のガーリックを適度に効かせ、ガツンと塩気が強く、動物油脂(おそらく豚脂)と植物油脂によってオイル感もありますが、容器の底に余るほどの量ではありません。食べ進めるごとに蓄積される塩気が私には厳しかったんですけど、途中でワンクッション置くと煮干の余韻が口いっぱいに広がって、思わずハッとしました。
具材
トッピングは玉ねぎと程良く味付けした肉そぼろ、ネギということで、やはり伊吹の「和え玉」に軽くルーツを感じるのですが、それはさておき具材の量が少ない上に肉そぼろは予想通りハズレ。まともな挽肉タイプの具材もあるけれど、こちらはスカスカのスポンジ肉そぼろで、税別240円のカップ麺に相応しい具材とは言えません。
ネギは歯触りの強い乾燥の小葱、玉ねぎはシャキッとした食感とシャープな香味が特徴的な細切りではなく、それとは対局の四角くて厚みのあるタイプ。実食前のイメージとしては、細長いシャキッとしたやつがよかったな‥‥などと思っていたのですが、実際に食べ始めると思いのほか塩気が強かったので、みずみずしい玉ねぎの食感と優しい甘さに癒されました。
とはいえ具材の全体量は寂しく、調味タレの感じから魚粉は別に要らないと思いましたが、これならネギと肉そぼろをカットして、かわりに煮干と相性のいいメンマを入れてほしかったです。でもタレの煮干の組み方がコストかかりそうな感じだったので、どうしても配分的に具材が尻拭いせざるを得ないのかもしれません。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
おそらく「中華ソバ 伊吹」(実店舗)の煮干レベルはこんなもんじゃないと思いますが、じんわりと感じる煮干のエグミや癖のある香りが鼻を抜ける様子など、あえて一般的にネガティブとされる部分を残しているのがいいですね。のっけからガツンと魚粉任せに攻め込んで印象付けるのではなく、余韻も含めて食わせる尻上がりの旨味と混じり気のない煮干の純度が好印象な一杯でした。
しかし、いかんせん具材が弱いため、後半ちょっと単調に感じるというか、だんだん疲れてきます。あと塩気も遠慮なくダイレクトなので、煮干が苦手な方はもちろん、しょっぱい食べ物が苦手な方も注意してください。このシリーズには「一度は食べたい名店の味PREMIUM」というハイエンドモデルもあるので、いつか「特濃中華ソバ」や裏営業店「中華ソバ みなみ」の「毒濃中華ソバ」を再現したカップ麺も食べてみたいですね。