どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年10月15日(火)新発売、サンヨー食品のカップ麺「サッポロ一番 金色不如帰監修 はまぐりだしの塩そば」(271円+税)の実食レビューです。
ミシュラン5年連続 “一つ星„ 獲得の名店「SOBA HOUSE 金色不如帰」監修によるカップラーメンが今年も登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
金色不如帰監修 はまぐりだしの塩そば
SOBA HOUSE 金色不如帰(こんじきほととぎす)とは、2006年(平成18年)1月11日11時11分11秒、東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目の路地裏に人知れず創業した「そばはうす 不如帰」にルーツを持ち、現在はラーメン激戦区の新宿に本店を構え、その卓越した技術とセンスから『ミシュランガイド東京 2019-2023』でも “一つ星„ を獲得し続けた実力派。
今回の新商品「サッポロ一番 金色不如帰監修 はまぐりだしの塩そば」は、世界からも高い評価を得ている「SOBA HOUSE 金色不如帰 新宿御苑本店」監修のカップラーメンで、共同開発者はサンヨー食品。実は9年以上前からコラボを続けているため、すこし振り返っておきましょう。
「金色不如帰」監修の即席カップめんが初めて発売されたのは、2015年(平成27年)2月23日。記念すべき第1弾を飾った「トリュフ香る塩そば」は、2024年10月現在「純連」「桂花」「天下一品」「杉田家」らが名を連ねている「名店の味」シリーズからの新作で、容器の形状は大判どんぶり型でした。
小麦全粒粉を練り込んだノンフライ麺に、強烈なほど二枚貝の旨みを効かせたスープのインパクトも凄まじく、当時は珍しかったトリュフの風味で個性を強めるなど、このブログ(移転前)では「★7+」の超絶高評価を記録。今でこそ頻繁に使われているトリュフ系の香料ですが、それを取り入れたカップラーメンは「金色不如帰」監修の「トリュフ香る塩そば」がパイオニアといっても過言ではありません。
続けて同年11月24日に大判どんぶり型の「醤油そば」をリリースしていたのですが、2017年(平成29年)10月24日発売の「濃厚貝だし醤油そば」及び「裏 極にぼ」からローソンの留型(とめがた)に切り替わり、製品スタイルも油揚げ麺を使用した縦型ビッグのカップラーメンに変更するなど、それに応じて本格さはガクッと低下。
新作の「裏 極にぼ」は高く評価した反面、本格さを犠牲にした「濃厚貝だし醤油そば」については及第点(★3)と評価したのですが、2018年10月30日に大判どんぶり型の「金色不如帰 濃厚貝だし塩そば」が復活。かと思えば、2020年9月1日発売の「蛤だしの塩そば」から縦型ビッグの容器に戻すなどの変遷を重ねつつ、このタイミングからサンヨー食品のNB(ナショナルブランド)商品に還ってきた不如帰。
その後、2022年6月20日と2023年10月9日にも縦型ビッグの「はまぐりだしの塩そば」を発売しているため、このページでレビューする「はまぐりだしの塩そば」はコラボ第9弾に該当する商品。パッケージに印刷されている「麺」「スープ」の紹介文やデザインほか、全体的な雰囲気も前回発売品から大きく変わっていません。
サンヨー食品の公式ウェブサイトにもリニューアルポイントなどは記載されていなかったのですが、このコラボにおける歴代商品の中で及第点と評価したのは縦型ビッグの「濃厚貝だし醤油そば」のみ。それ以外は最低でも「★5」の高評価を記録し続けているため、改悪がないことを祈りながらの実食です。
関連ページ:ミシュラン5年連続 “一つ星„ の鬼才「金色不如帰」監修カップ麺、2023年は堂々のサッポロ一番に!!
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「仕上げの小袋」1パックのみで、前回発売品と同じ構図。ただ、小袋のカラーリングが青から緑に、またシルバーの部分も反転するなど、まったく同じデザインではないため、つまりは中身も変わっていることを示唆しています。もちろん、なかには例外もありますけどね。
かやくは「味付鶏肉そぼろ」「メンマ」「ねぎ」の組み合わせで、これについても前回発売品に共通するポイント。半分ほど容器の底に移動している感じだったので、ねぎについては1個しか写っていませんが、そんなことはないでしょう(※あとでサルベージします)。
メーカー希望小売価格は271円(税別)なので、現在の縦型ビッグにおける事実上の標準ど真ん中。新作に強いコンビニを中心に取り扱われていますが、スーパーマーケットやドラッグストアなど、販売店を問わないNB商品なので、見かける機会は少なくないと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:サッポロ一番 金色不如帰監修 はまぐりだしの塩そば 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業 本社工場 内容量:89g(めん70g) 商品コード:4901734055709(JAN) |
発売日:2024年10月15日(火) 実食日:2024年10月19日(土) 発売地域:全国 取得店舗:スーパーマーケット 小売価格:271円(税別) 購入価格:213円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(小麦全粒粉5%)(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵)、スープ(食塩、糖類、魚介調味料、豚脂、魚介エキス、植物油脂、ポーク調味料、こんぶエキス、しょうゆ、香辛料、マッシュルームエキス、たん白加水分解物、みりん、酵母エキス、香味油)、かやく(味付鶏肉そぼろ、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、レシチン、香料、酒精、微粒二酸化ケイ素、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、増粘剤(キサンタン)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺はノンフライではなく油揚げ麺ですが、小麦粉に占める割合のうち全粒粉5%配合。またサンヨー食品の公式ウェブサイトには “当社独自の高密度製法により、密度感のあるコシと、しなやかさのある細めん„ との記載があるため、同社が「当社独自」や「高密度製法」などと訴求しているときは本格さに期待できる展開。
別添の小袋は後入れなので、それを剥がしてから熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと3分。時間になったら「仕上げの小袋」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。やや麺の油揚げ臭を伴いますが、それ以上に貝やトリュフの主張が強く、とはいっても日清食品のトリュフめっちゃ主張してくる系とは異なるアプローチ。
ちなみに製造所は太平食品工業の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、単純にサッポロ一番の工場という認識で問題ありません。それでは、引き続き昨年からの変化に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(89g)あたり |
カロリー:379kcal たん白質:7.7g 脂 質:14.1g 炭水化物:55.4g 食塩相当量:6.4g (めん・かやく:2.0g) (スープ:4.4g) ビタミンB1:0.28mg ビタミンB2:0.33mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:379kcal(めん・かやく:314kcal)(スープ:65kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
前回発売品と同じです
熱湯3分ジャストでフタを開けた場合、どうしても揚げ油に由来する独特の芳ばしさを強めに感じるのと、ややスナック的な戻りムラも残っているのですが、前者については別添「仕上げの小袋」投入後、そちらにコーティングされるため気になりません。後者については1、2分ほどで馴染みますし、むしろ後半の柔麺が本番かもしれない案件。
食感については好みの問題もあるかと思いますが、後半にかけて油揚げ麺ならではの風味が強くなるどころか薄れ、スープとの一体感も増し、麺に練り込まれた全粒粉の芳ばしさが感知しやすくなるのも利点。残念ながら「和ラー」の流れを汲んだ高密度系ではないけれど、縮れの弱さと全粒粉は特別感の演出に効果的。
「小麦粉(小麦全粒粉5%)(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵」という原材料名の構成は前回発売品と共通で、体感的にも変わりませんでした。昨年のレビューも “個人的には30秒〜1分ほど長めに待つのがオススメ„ などと書いていたので、よかったらご参考ください。
スープ
とんでもない蛤の存在感
別添の小袋を入れる前は麺の揚げ油に由来する風味が強く、それ以外の要素は下支えに過ぎない程度。昨年は蛤よりも鯛が強いと感じたのですが、いくつかのバランスが変わったのか鯛の芳ばしさは目立っていません。しかし、別添されている「仕上げの小袋」を入れると一変。
なにかの間違いかと思うほど二枚貝の旨みが強く、蛤やホタテに由来する膨よかな滋味もさることながら、舌の脇をキュッと引き締めてくるアサリのエッジも記憶にハッキリと残る存在感。豚脂やポーク調味料でラーメンらしさを打ち出しながら、バターのような風味とマッシュルームエキスで洋風の印象も与え、かと思えば醤油・昆布・みりんで和の趣も感じさせる、唯一無二の世界観は踏襲されていました。
かやく
特別感はないけど不満もない
鶏肉そぼろの味付けは、生姜と強めのスパイスが中心で、どちらかというとジャンクなタイプになりますが、スープの世界観を壊さない程度。むしろ不定期に飛び込んでくるワイルドさが面白く、メンマの風味も相性ばっちり。ネギは熱風乾燥なので、わざとらしい繊維質が気になるアイテムになりますけど、今年も邪魔にならない程度の量に抑えてある印象でした。
総評
栄養成分表示に変化が生じているため、まったく調整なしの再販ではないようですが、体感的に大きな違いは生じていません。やや鯛が弱くなったのと、逆にマッシュルームは強くなったような、とはいえ誤差の範囲内。極めて独創的なスープの完成度もさることながら、全粒粉入りの麺も見どころで、再販を待っていた方にとっても朗報の仕上がり。
そろそろ大判どんぶり型の容器と全粒粉入りノンフライ麺を使ったプレミアム版を、それこそ「名店の味」シリーズで復活させてほしい気持ちもありますが、次の新商品が来年にリリースされた場合、コラボ10周年かつ10弾の記念すべきタイミング。あるいは開業日と時間に合わせ、11をキーワードに動きを見せてくるのか、今後の展開にも注目です。【author・taka :a(大石敬之)】