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東京背脂豚骨醤油の始祖【ホープ軒本舗】監修 “SINCE1938” 伝説の味わいをカップ麺で再現!!

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サンヨー食品

どうも、taka :a です。

本日の一杯は、2020年12月14日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「ホープ軒本舗監修 東京背脂豚骨醤油ラーメン」の実食レビューです。

東京・吉祥寺のレジェンド「ホープ軒本舗」の味わいをカップラーメンで再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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ホープ軒本舗監修カップ麺

ホープ軒本舗(ほーぷけんほんぽ)とは、東京都武蔵野市吉祥寺に本店を構える1938年(昭和13年)創業のラーメン店で、東京における “背脂豚骨醤油ラーメン” の元祖といっても過言ではないラーメン業界を代表する名店。そのルーツは、後の「ホープ軒本舗」を創業することになる難波二三夫(なんば ふみお)氏が当時19歳の頃、錦糸堀(現在の錦糸町駅前)に開業した一軒の屋台「貧乏軒(びんぼうけん)」まで遡ります。

SINCE1938 ホープ軒本舗

戦前は学生でもないのに学生服を纏い、苦学生の “貧ちゃん” を演じながら屋台の「貧乏軒」を引いていたそうですが、みごと狙いが当たって繁盛店に。戦後は闇市を仕切る中国人とスムーズに取り引きを行うため、葉(よう)という呼び名の中国人に成り済まし、バラック立てのラーメン店「盛華公司(せいかこんす)」を営業していたらしく、それが「ホープ軒本舗」の暖簾(SINCE1938)にも現れている1938年の話。

その後、第二次世界大戦が終結した1945年(昭和20年)に店舗営業のラーメン店「特一番(とくいちばん)」をオープンするのですが、当時その店で働いていた従業員が勝手に名称を登記してしまい、屋号の変更を余儀なくされ、1947年(昭和22年)に「特一番」から「ホームラン軒」に改称。吉祥寺のコバルト商店街に本店を構え、店舗を拡大しながら15年ほど営業し、全盛期の店舗数は34軒を記録しました。

しかし、戦災復興都市計画による各店舗の閉店が相次いだ結果、再び屋台での営業に戻り、そこで名付けられたのが「ホープ軒」という名前。屋号の由来は “一から希望を持って” という想いに因み、自ら屋台を引く傍らで貸し屋台のフランチャイズチェーンも始めたところ、都内で103台の屋台を貸し出す大規模な事業に成長し、みごと成功を収めます。

「ホープ軒」と「ホープ軒本舗」は違う

その貸し屋台では、後にラーメン業界のレジェンドとして語られることになる堀切菖蒲園の「弁慶」に、恵比寿の「香月」や常盤台の「土佐っ子」など、名立たる店主を輩出してきた「ホープ軒(千駄ヶ谷)」の創業者・牛久保英昭(うしくぼ ひであき)氏も働いており、現在の千駄ヶ谷に店舗を構える「ホープ軒」は、牛久保英昭氏が1960年(昭和35年)1月20日に赤羽で始めた屋台(難波二三夫氏の “ホープ軒” で借りた屋台)が前身。

一方、現在のサンロード商店街で営業している「ホープ軒本舗」は、もともと吉祥寺のコバルト商店街で営業していた「ホームラン軒」が前身で、1965年(昭和40年)に一時撤退後、1978年(昭和53年)に「ホープ本舗」として帰還。その後に実施された戦後復興計画のため、コバルト商店街での営業は1985年(昭和60年)に終了し、1984年(昭和59年)から現在のサンロード商店街にある「ホープ軒本舗」で営業を続けています。

今回のカップ麺「ホープ軒本舗監修 東京背脂豚骨醤油ラーメン」は、難波二三夫氏の “貧乏軒” を前身とする東京背脂豚骨醤油の始祖・株式会社ホープ軒本舗とサンヨー食品株式会社の共同開発商品で、ホープ軒本舗の味わいを簡便性に優れた縦型ビッグのカップラーメンにアレンジ。

パッケージのイメージ写真はシンプル

以前、サンヨー食品が展開していた「サッポロ一番 うわさの人気ラーメン店」シリーズより、厚切りとろチャーシュー(レトルト調理品)を使用した大判どんぶり型のカップラーメン「吉祥寺 ホープ軒本舗 まろやかとんこつ」を2002年(平成14年)頃に発売しているため、実は今回が初のタイアップではないのですが、筆者の知る限り縦型ビッグでの再現は前例にありません。

開封

別添の小袋は1種類

さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」が1袋。サンヨー食品の公式ウェブサイトには “ポークのまろやかなうまみに醤油と背脂の味わいを合わせた、豚骨醤油ラーメンスープです。フレッシュなガーリックの風味を加え、飽きのこない味わいに仕上げました” とあるため、背脂のコクとフレッシュなガーリック感が注目のポイント。

具材は貧弱‥‥w

具材は味付豚肉加工品、背脂加工品、ねぎとシンプルな構成で、実店舗の「中華そば」にトッピングされているチャーシューや海苔、もやしは入っていませんが、基本的にカップ麺の具材が本物のラーメンに匹敵することはありません。しかし、いくら簡便性に優れた縦型ビッグでの再現とはいえ、お世辞にも具沢山とはいえない内容です。

ちなみに販路を問わない全チャネル販売のスポット商品なので、販売店が限定されているわけではないのですが、筆者の行動圏内にあるコンビニ大手4社での取り扱いは確認できず、スーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストアも販売店の対象外。どこにも売ってない状況だったので、イトーヨーカドーのネット通販サイトを利用しました。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:ホープ軒本舗監修 東京背脂豚骨醤油ラーメン
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品工業株式会社 本社工場
内容量:96g(めん70g)
商品コード:4901734041474(JAN)
商品サイズ:φ112×118(mm)
発売日:2020年12月14日(月)
実食日:2020年12月19日(土)
発売地域:全国(全チャネル販売)
取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7)
商品購入価格:213円(税込)
希望小売価格:220円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:プラ(PP)
湯量目安:420ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(仕上げの小袋)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、粉末卵)、スープ(糖類、ポークエキス、食塩、豚脂、植物油脂、クリーミングパウダー、香辛料、しょうゆ、油脂加工品、たん白加水分解物、発酵調味料、酵母エキス)、かやく(味付豚肉加工品、背脂加工品、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、増粘多糖類、香料、トレハロース、香辛料抽出物、カラメル色素、乳化剤、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

麺は熱湯3分の油揚げ麺を採用

麺は縮れの強い油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。一般的なカップ麺の容器は紙、もしくはポリスチレン(PS)を使用したプラ容器が主流となっているのですが、それよりも硬いポリプロピレン(PP)を使用したプラ容器を採用しているため、熱湯を注いでも熱くなりにくいのが利点。

スープの見た目は再現度けっこう高いかも

あとは熱湯を注いで3分間、別添の小袋は後入れなので、待っている間にフタの上で温めた後、食べる直前に加えて混ぜたら出来上がり。具材のラインナップがラインナップなので、見た目の再現度が高いとはいえないものの、意外と背脂加工品の量が多く、スープの雰囲気は悪くありません(※とろみ成分の溶け残りに注意)

なお製造所は太平食品工業株式会社の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、背脂のコクと豚骨醤油のバランスに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(96g)あたり
カロリー:454kcal
たん白質:8.6g
脂  質:22.0g
炭水化物:55.3g
食塩相当量:6.1g
(めん・かやく:1.8g)
   (スープ:4.3g)
ビタミンB1:0.33mg
ビタミンB2:0.58mg
カルシウム:208mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:454kcal(めん・かやく:343kcal)(スープ:111kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

麺は改良の余地あり

3.0

実店舗に使われている麺は、防腐剤不使用の自家製麺で、太さは屋台の頃から変わらない角切・番手24番(麺幅1.25mm)で切り出した細麺を採用。開業当初はストレート麺だったそうですが、屋台営業に戻った1965年(昭和40年)頃、よりスープと絡む縮れの強いウェーブ麺に改良し、酒精(エタノール)やPG(プロピレングリコール)を使っていないのもポイント。

フライングは厳禁

それを再現した今回の油揚げ麺も縮れが強く、細めに切り出されているのですが、油で揚げたフライ麺なので、生麺ならではの小麦感は皆無。加えて実店舗の麺はプリプリとした弾力を特徴としているのに対し、加水率は低く、油揚げ麺ど真ん中の食感。粘り気よりも歯切れの良さが目立つため、再現度の高い麺とはいえません。

そのため良くも悪くもインスタント感の強い仕上がりなので、本格感は望めないものの、単純に今回のスープとは相性がよく、これはこれと割り切れば悪くありません。ただし、熱湯3分きちんと守ってからフタをあけても一部の麺が硬いままだったので、とりあえずフライングはしないほうが安全です。

スープ

近年の豚骨醤油とは違うベクトル

5.0

元祖・東京背脂豚骨醤油の異名を持つ「ホープ軒本舗」のスープは、丹念に炊いた豚骨の旨みを軸に、野菜から抽出したエキスを合わせ、濃厚ながらも甘みを帯びた口当たりは柔らかく、脂分や塩分のバランスも高刺激な昨今の風潮とは一線を画す昭和の味わい。

それを再現した今回の粉末スープには人工的なトロミ成分が仕込まれ、なおかつ化学調味料特有のピリピリとした刺激も並行するのですが、豚骨の旨みは強く、醤油の雰囲気は淡口(うすくち)で、バランスとしては豚骨が優勢。しかしながら食塩のキレは強いので、ピンボケしたような印象は受けません。

仕上げの小袋も効果的

続けて「仕上げの小袋」には、いい意味で豚臭い風味を伴うガーリックオイルが入り、粉末スープだけでは表現できないコクとガーリック感を演出。ベクトルとしては素朴な路線にありながら、思いのほか獣臭は力強く、いい意味で予想を裏切られました。そして、このオイルが背脂加工品のポテンシャルを引き出します。

具材

背脂加工品が効果的

4.0

具材の味付豚肉加工品は、おそらく同社の「サッポロ一番 カップスター 醤油」にも使われているポークダイスと共通で、しっかり時間を守ってもサクッとした食感。ネギも歯触りの強い汎用の青ネギなので、特別な素材ではないものの、こってりとしたスープに清涼感のある青ネギが嬉しいアクセント。

背脂加工品の存在感も侮れない

そこそこ背脂加工品の量も多く、これ単体ではギミック的な素材なのですが、別添のオイルが重なると自然にコッテリ感をブースト。かなり汎用のポークダイスがスナック的なので、もうすこし “まとも” な肉具材を使用してほしかったところではあるものの、背脂加工品については素直に好印象でした。

総評

★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)

インスタント感の強い油揚げ麺とポークダイスは改良の余地ありと感じた反面、こってりとした背脂豚骨醤油スープは思っていた以上に味わい深く、理屈抜きで引き寄せられるような魅力の持ち主。本物のラーメンとは違う、カップラーメンど真ん中の仕上がりなので、それなりに妥協すべきポイントは多いものの、悪い商品ではありません。

なかでも「仕上げの小袋」に含まれていた獣臭とガーリックオイル、それと重なる背脂加工品が効果的だったので、次は大判どんぶり型・ノンフライ麺を使用した再現カップ麺にも期待したくなる、なかなかポテンシャルの高い一杯でした(author・taka :a)

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