どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年4月4日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「博多純情らーめんShinShin監修 炊き出し豚骨らーめん(五代目)」の実食レビューです。
福岡でしか食べられない地元の行列店「ShinShin」監修によるカップラーメン “第5弾” は「新・噛みごたえ細麺」にリニューアル!! ただし‥‥
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
博多純情らーめんShinShin監修 炊き出し豚骨らーめん 2022
博多純情らーめんShinShin(しんしん)とは、2003年(平成15年)10月の創業以来、福岡県福岡市中央区天神3丁目に「福岡天神本店」を構え、現在は福岡県内に「博多住吉店」「博多デイトス店」「KITTE博多店」「福岡PARCO店」「アミュプラザ小倉店」の計6店舗を展開。嵐や東方神起のメンバーが好きなラーメン店としても知られ、地元に根を張りながらも全国的な知名度を誇ります。
今回の新商品「博多純情らーめんShinShin監修 炊き出し豚骨らーめん」は、ShinShinが誇る “博多純情らーめん” 原点の味「博多ShinShinらーめん」を再現したカップラーメンで、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品株式会社と有限会社Shin-Shinが共同開発。2018年4月9日発売品から毎年恒例のコラボになり、早くも5年目に突入しました。
カップ麺のモデルになっている「博多ShinShinらーめん」は、地元・福岡で長年にわたり愛され続ける “昔ながらの豚骨らーめん” を追求した一杯で、ShinShinの創業者である中牟田信一(なかむた しんいち)店主を中心に、プロの職人と屋台の味わいを目指した “懐かしさの中に新しさもある” 至極の賜物。
スープは達人とされる吉田茂広(よしだ しげひろ)氏が培ってきた “長年の経験による味” に、中牟田店主に備わる “屋台叩き上げの味” を組み合わせ、長浜ラーメンにも博多ラーメンにも当てはまらない独自のスタイルを確立。国産豚の頭や背骨に、佐賀の銘柄鶏・ありたどりのガラを少量加え、地元産の香味野菜など、厳選した素材を地下水で煮込み、12時間も炊き出して作られます。
そんなスープの邪魔をしない “福岡屈指の極細麺” は、1958年(昭和33年)に創業した歴史ある製麺所「川部食品」による技術協力のもと、スープの魅力を最大限に吸い上げてくれる細さを追求し、博多で一般的な細麺(切刃26番 / 太さ1.15mm)よりも細いサイズ感を実現するため、茹で伸びを抑えることができる小麦粉を厳選。
川部食品独自の製法で何度も何度も作り替えながら極限まで細く、それでいてコシのあるオリジナルの激細麺を完成させ、トッピングのチャーシューも昔ながらの製法を採用するなど、徹底した姿勢で現在の「博多ShinShinらーめん」が生み出されました。
しかし、それを再現した2018年4月9日発売の初代「サッポロ一番 博多純情らーめんShinShin 炊き出し豚骨ら一めん」は、スナック的で安っぽい油揚げ麺が足を引っ張ることになり、このブログでは低評価。2019年4月8日発売品(二代目)では “麺の湯戻し時間が選べる目安表” を採用していましたが、ただ単純に早くフタを開けたから戻ってないだけ‥‥みたいな食感に落胆。
2020年4月6日発売品(三代目)では「肉具材2倍」を売りにしていたものの、引き続き油揚げ麺が足を引っ張る結果に終わり——。2021年4月5日発売品(四代目)では素晴らしい仕上がりの「博多流ストレート細麺」が新規に採用され、やっと麺が改善されたと思いきや “スープの炊き出し感が皆無に等しい” など、かなりトレードオフが目立っていました。さて、それに続く五代目の仕上がりや如何に。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、これまでのShinShin監修商品と同じように、フタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」が1袋。天面には “麺のかたさ目安表” があり、80秒で超カタ麺、90秒でカタ麺、120秒で普通、というのも従来品との共通点。オススメの湯戻し時間は90秒のカタ麺となっているため、それを参考に調理します。
具材は鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、キクラゲの組み合わせで、これについても四代目から変わった様子はなく、肉具材2倍などのアピールもありません。見た感じネギはフリーズドライ(凍結乾燥)よりも主張が激しくなるエアドライ(熱風乾燥)の青ネギなので、これに負けないほどスープに炊き出し感があるのかどうか、という部分が評価のターニングポイントになりそうな予感。
場合によっては売ってない地域もあるかと思いますが、販売店を限定しない全チャネル商品で、コンビニの中では「ミニストップ」「ローソン」「ファミリーマート」での取り扱いを確認。また近畿・中国・四国・九州エリアの「セブンイレブン」も取扱店の対象に含まれるため、エンカウント率は高そうです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:博多純情らーめんShinShin監修 炊き出し豚骨らーめん 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:W・太平食品工業株式会社 関西工場 内容量:98g(めん70g) 商品コード:4901734045762(JAN) |
発売日:2022年04月04日(月) 実食日:2022年04月08日(金) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:192円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯80秒・90秒・120秒 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵、植物性たん白)、スープ(糖類、ポークエキス、食塩、豚脂、植物油脂、ポーク調味料、香辛料、油脂加工品、しょうゆ、でん粉、チキン調味料、ゼラチン、調味油脂、たん白加水分解物、酵母エキス)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、キクラゲ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、増粘剤(増粘多糖類、アルギン酸ナトリウム)、カラメル色素、かんすい、香料、甘味料(カンゾウ)、酸味料、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
前回は調理前から麺と麺の間に隙間が多く、縮れも弱かったのですが、うねりが強くなっているような印象で、どちらかといえば三代目以前の油揚げ麺に近い形状から、ちょっと悪い予感。まだ豚骨に由来する香りは弱く、それよりも油揚げ麺のニオイが手前に主張してきました。
別添されている「仕上げの小袋」は後入れなので、お湯を注いでから90秒後、食べる直前に加えて混ぜたら出来上がり。ひとまずオススメの熱湯90秒でフタを開けましたが、戻りきっていない部分が多かったので、まだ気温・室温が低い地域の場合、熱湯80秒は避けたほうがいいかもしれません。
ちなみに製造所は太平食品工業の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き新・噛みごたえ細麺とスープの炊き出し感に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(98g)あたり |
カロリー:462kcal たん白質:10.5g 脂 質:21.7g 炭水化物:56.1g 食塩相当量:6.0g (めん・かやく:1.4g) (スープ:4.6g) ビタミンB1:0.36mg ビタミンB2:0.49mg カルシウム:229mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:462kcal(めん・かやく:338kcal)(スープ:124kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
熱湯90秒だとパキパキ(※突然ですが、本日より吹き出しの画像をファビコンと統一しました)
四代目の「博多流ストレート細麺」と比較して、使用している原材料そのものは変わっていないようですが、植物性たん白と粉末卵の並びが変わっています。加工食品における原材料名の並びは原則 “使用した原材料に占める重量の割合が高いものから順に、続けて添加物を記載しなければいけない” というルールがあるため、前回の油揚げ麺とは配合のバランスが異なることを意味する部分。
また原材料名の並び以上に大きな変化を感じるのが形状で、前回の四代目ではストレート麺だったのに対し、まさかの縮れ麺に戻っています。なんでやねんw いや、ほんとに。噛めばプツンッ‥‥と切れる加水率の加減については好印象なのですが、熱湯90秒だと食感・風味ともにスナック的な仕上がりで、進化の片鱗も見えません。
カップラーメンとしての美味しさは評価できるタイプになりますけど、オープン価格の廉価版なら上等で、有名店監修の一杯としては安っぽいといわざるを得ません。四代目の「博多流ストレート細麺」が高品質だったこともあり、どうしてこうなったんだろう‥‥と、なおさら残念な気持ちになりました。
スープ
舌に纏わり付く糖類の甘さが気になる
炊き出し感が希薄だった四代目の原材料名と比較して、新たに “ポーク調味料” の追記があり、チキンエキスも “チキン調味料” に変わっているものの、おそらく食品表示法の改正を適用したことによる変化。おそらくベースラインは四代目と共通で、比較的に糖類の甘さを強めに感じたのですが、そうじゃないだろと。
「仕上げの小袋」を加えると、粉末スープだけでは打ち出せないコクがプラスされますが、依然として豚骨の炊き出し感は皆無。甘さのベクトルも人工的で、豚骨よりも糖類の主張が強く、そもそも炊き出し感以前に骨っぽさが感じられません。豚骨ならではの臭みがない部分は共通する項目になりますけど、骨に由来する旨みも弱かったです。
具材
もうちょっとネギを減らしたほうが自然かも
コリコリとした歯応えのキクラゲは素直に美味しかったのですが、鶏・豚味付肉そぼろはジャンクな味付けで、ジャキジャキとした青ネギの歯触りは好みが分かれそうなポイント。実際の「博多ShinShinらーめん」のトッピングもシンプルなので、あながち的外れとはいえないものの、これといって特筆すべき変化はありませんでした。
総評
前回の博多流ストレート麺から旧タイプの縮れ麺に戻り、スープも骨の旨みや炊き出し感が弱いまま、なぜか糖類の甘さが強くなるなど、正直いって改悪としか思えません。けっこう厳しめに見ていることは認めますが、豚骨のクセを抑えているのと骨の旨みが希薄なのは別の話ですし、商品名にもなっている “炊き出し豚骨” とは‥‥みたいな。
TwitterなどのSNSを検索するとポジティブなコメントが多く、まずい・おいしくない的な意見は少数派だったので、お店に対してもカップ麺の「ShinShin」が好きな方に対しても申し訳ないレビューになりますけど、再現度は高くありません。ノンフライ麺を使用した大判どんぶり型であれば、大きくイメージも変わってくると思うので、来年のコラボに期待しています【author・taka :a(大石敬之)】